前回に引き続き、吉松育美対谷口元一裁判の証人尋問の模様をレポートする。
◆久光製薬との広告契約が合意直前で流れた原因
西川紀男弁護士 育美さんと久光製薬との広告契約についてのお話をお聞きしたいです。久光製薬とのCM出演の話は、育美さんと久光製薬の本社が同郷だということで出てきたんでしょうが、いつごろから?
吉松育美 私が世界一になったわりとすぐ後、2012年年末に、地元でパーティーがあったんですが、その時、久光製薬の中冨(博隆)会長から直々に「CMの話を考えているからね、よろしくね。こういう商品だから使ってみてね」と商品まで一緒に渡されて、CM出演を直接、依頼されました。
西川紀男弁護士 その話は結局だめになったんですよね? 原因は?
吉松育美 原因は谷口元一さんが妨害したからです。
西川紀男弁護士 どういう妨害ですか?
吉松育美 久光製薬や電通などに私の悪い噂を流しました。
西川紀男弁護士 甲第31号証を示します。ここに広告出演契約書とあります。それはいつごろ、渡されましたか?
吉松育美 これを渡されたのは、2013年の6月になります。
西川紀男弁護士 そういうドラフトが出てくるということは、交渉の進展というのはどの程度のものでしょうか?
吉松育美 このようなドラフトができあがっているというのは、つまり、ハンコ待ち、90%は交渉が成立していたということだと思います。
西川紀男弁護士 金額はいくらでしたか?
吉松育美 3000万から5000万円。
西川紀男弁護士 そういうことで、合意といってもいいですか?
吉松育美 はい。
西川紀男弁護士 久光製薬と電通、あなたたちとの話し合いがあって、2013年8月28日ごろ、だいたいダメなんだという結論が出ているんですよね。
吉松育美 私が知ったのは9月10日のミーティングです。久光製薬の方から、社内と電通で吉松育美さんのCMをやめようという意見が出てきたとのことでした。
西川紀男弁護士 久光としては何を一番恐れたのか?
吉松育美 それは谷口さんからの妨害を一番気にしていました。
西川紀男弁護士 妨害というのは?
吉松育美 私が久光さんと契約をした後、久光さんのイメージ、またはブランドイメージに影響するようなスキャンダルだったり、悪いことが起きるのではないかということを心配していました。
西川紀男弁護士 それはマットさんとあなたの関係を公にするということですね。別に何もないんでしょうが、そういう話が谷口さんからあった?
吉松育美 久光製薬の方からは直接そのような話は聞いていませんが、谷口さんはこれまで私の父親に対しても「(育美さんは)テイラーさんと同棲しています。探偵を雇ったので、写真もあります。ミス・インターナショナルを運営している国際文化協会の事務局にも育美さんとテイラーさんが同棲していることを示すスキャンダル記事があります。場合によっては、それを出すみたいな話が起きているんですよ」と国際文化協会の松永さんからも言われました。また、『週刊新潮』の記事の中にも私とテイラーさんが一緒に住んでいるかのような表現があったので、谷口さんの言う私のスキャンダルというのは、テイラー氏と同棲していることだと思います。
西川紀男弁護士 そういう同棲とかそういう事実はまったくないんですね?
吉松育美 まったくないです。
◆体調不良で辞退してくださいと国際文化協会の方から……
西川紀男弁護士 あなたは2012年のミス・インターナショナルだから、2013年の新しいミス・インターナショナルのクラウンプリンセスができれば、新しいミスに王冠やガウンを着せるという役目があなたにはあったわけですよね。それはあなたにとっては大変名誉なことなのに、それができなくなったということでよろしいですか?
吉松育美 (言葉に詰まって)ごめんなさい。悲しいことなので……。谷口さん本人からミス・インターナショナルのスポンサーであるミスパリの方にガンガン連絡が来ている。ケイダッシュの谷口さんが動いているとなると、今後、スキャンダルが2番手、3番手出るか分からない。だから、吉松さんは体調不良で辞退してくださいと国際文化協会の方から……。
西川紀男弁護士 体調不良を理由に休んでくれということを言われたということですね? あのヒラヤマさんとか、マツナガさんたちの陳述書の中には、育美さんの不誠実な対応があるとか、仕事をしなかったとかいうような文言が入っていますが、その点については?
吉松育美 そういう事実はまったくありません。
西川紀男弁護士 中国から帰ってくるのが遅れて仕事ができなかったというようなことがあったようですけど、それはどういう原因なんですか?
吉松育美 ミス・ジャパン時代なんですけど、中国から日本に帰ってくる前に台風の影響で乗り継ぎが遅れてしまって、日本に帰国することが遅れたために、仕事をまっとうすることができませんでした。
西川紀男弁護士 私が先ほど、「同棲とかそういうことはないですね」とお伺いしたら、「ありません」と、あなたはきっぱりと否定した。ところが、谷口さんの方で調査されている行動調査報告書、甲第33号証、甲34号証、これらを示します。これを見ると、「一緒に家に帰ってくる」「9時以降は全然外に出なかった」という報告書なんです。ということは、ずっと2人がそこにいたということにはなりませんか。
吉松育美 なりません。まず、8月25日、探偵の方が調査を行ったことですが、9時以降もテイラー氏と私が同じ部屋で出てこなかったという報告がありますが、それは事実と異なります。
西川紀男弁護士 テイラーさんは出て行ったのですか?
吉松育美 はい。その日は、テイラーはレンタカーを借りていました。なので、私も一緒に帰宅し、レンタカーで私を降ろしてそのままその足でレンタカーを返しに行っています。なので、レシートを見ていただければ分かると思いますが、
西川紀男弁護士 今、おっしゃったレシートというのは、甲第35号証ということですね。そのレンタカーの実着日というのが8月25日日曜日8時44分ですね。8時44分にはレンタカーを返しに行っている。逆算すると、家には確実に8時44分前に出なければいけないので、その報告書というのは、デタラメな報告書です。(続く)
○吉松育美さん公式サイト=http://ikumiyoshimatsu.com
○吉松育美さんFacebook=https://www.facebook.com/yoshimatsuikumi?ref=hl
○吉松育美さんYouTube=http://www.youtube.com/user/yoshimatsuikumi
◎[参考動画]吉松育美さん記者会見(日本外国特派員協会=FCCJ公式チャンネル2013年12月16日公開)
◎《脱法芸能41》「美の女王」吉松育美VSケイダッシュ谷口元一裁判(1)
◎《脱法芸能42》「美の女王」吉松育美VSケイダッシュ谷口元一裁判(2)
◎《脱法芸能43》「美の女王」吉松育美VSケイダッシュ谷口元一裁判(3)
▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。
◎《脱法芸能36》宮根誠司──バーニングはなぜミヤネ独立を支援したのか?
◎《脱法芸能37》『あまちゃん』能年玲奈さえ干される「悪しき因習」の不条理
◎《脱法芸能38》音事協の違法性──芸能界が「独占禁止法違反」である根拠
◎《脱法芸能39》叶姉妹──芸能界に蔓延する「枕営業」という人身売買
◎《脱法芸能40》安室奈美恵「移籍劇」は芸能界決壊への「パンドラの箱」を開いたか?