炎上商法、大成功。2014年4月にデビューした「ワーケ」「アーリ」の二人組「わけありブラザーズ」が1STシングル「笑い飛ばせ」をひっさげて11月18日にインディーズデビューが決定した。11月15日は、先行して行うワンマンライブ(目黒ライブステーション)で大胆にも「100人集まらなければ即、解散」と捨て鉢な条件での船出を敢行。
「これは、かつて『モーニング娘。』の初期につんくが仕掛けた『サドンデス商法』の再現です。デビューシングルが○枚売れなければ即、解散などと『ASAYAN』(テレビ東京)でさんざん、『モーニング娘。』のメンバーたちが追い込まれた様子をリアルに視聴者に見せて同情票をかき集めた手法です」(芸能ジャーナリスト)

目黒の会場には、開場1時間前からファンがならび、見事に122名の来客を数えて、解散を回避した。会場から人がこぼれそうな熱気がステージに伝わる。喜びの中、レパートリーの『口内炎と知覚過敏』から演奏を開始、歌詞を「やめたくねえ」と言い換えたりして爆笑をとった。


◎2015.11.15「わけありブラザーズ」インディーズデビュー告知

しかし、「何がなんだからわからないのに誘われて来た」という客も大量にいたのは確か。ライブ終了後、観客数の122名が発表されると、割れんばかりの歓声が上がった。

ファンの男性に「ちょっと買い物に目黒へ行こう」と誘われて、ついでに彼女をライブ会場に強引に連れてきたというA氏は「楽曲がすばらしいし、MCもおもしろい二人組です。やめてほしくないのに彼女を引きずりこみました」と笑う。また、「ラグビー観戦に行こう」と誘われたが来てみたら「わけありブラザーズ」のライブで、そんなあけすけなウソで連れて来られた大学生の男性は「まるでどこかのカルト団体のような強引さです。まあ、楽しいライブだったからいいですけど」と苦笑いだ。 まさに演奏するほうが「わけあり」なら観客も「わけあり」だ。

音楽関係の人気ブロガーも招待されていたという。
「このバンドは、日常の矛盾や生活上の不満を音楽にのせるのが上手だ。ドラマの主題歌に決まったりすれば一気にブレイクするだろう」(音楽評論ブロガー)と音楽性の評判は上々だ。

さあ、『わけありブラザーズ』希代の道化師か、それとも時代を席巻するバンドなのか。とりあえず、熱狂的なファンは「音楽的にしっかりしているので、武道館や後楽園ドームのライブも狙える実力派です」(最前列にいた女性)と語る。
しかし同時に、人数合わせで呼ばれたのか、「一応、アリバイ的に見に来たよ」とばかりに、開始してすぐに5人が帰ったのもまた事実。大挙した観客のうち、何人が純粋なファンなのかは、おそらく2回目のライブにはっきりするだろう。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

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