吉松さん側の訴訟代理人、西川洋司弁護士による谷口氏への質問が続く。

西川洋司弁護士 谷口さんは芸能界に携われて何年ぐらいなんですか?

日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(FCCJ公式チャンネル2013年12月16日公開)


谷口元一 25年ぐらいですかね。

西川洋司弁護士 そうすると、当然、タレントのマネジメントとか芸能界の動きというのはお詳しいわけですね。

谷口元一 詳しいかどうか分かりませんが、今まで働いております。

西川洋司弁護士 パールダッシュの社長を務められていることは間違いない?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 パールダッシュやケイダッシュの所属タレントに関して、スキャンダル記事が出たことは過去にありますか?

角地山宗行弁護士 本件と関係がありません。

西川洋司弁護士 スキャンダル記事に関する、スキャンダル記事一般的な影響に対する認識を聞きたい。出たことはありますか? あなたの事務所の所属タレントの方が週刊誌やスポーツ紙にスキャンダル記事を載せられたことはありますか?

谷口元一 どこまでがスキャンダルでどこまでが報道なのかが判断しかねないです。

西川洋司弁護士 スキャンダルかどうかはともかく、そういった記事で所属タレントさんの仕事に影響が出たということはありますか?

谷口元一 ないと思います。

西川洋司弁護士 まったくない? ここの会社に所属するタレントさんで、新聞記事や週刊誌の記事で……。

角地山宗行弁護士 異議あり。本件と関係のないことです。

西川洋司弁護士 (スキャンダル)記事とかで仕事が減ったタレントさんとかがいるっていうのを見たり、聞いたりしたことはないんですか?

谷口元一 ありません。

西川洋司弁護士 まったくないんですか?

谷口元一 私どもマネージメントする者に関しては、仕事の上下は自分たちの実力だと思っておりますので、周辺のマスコミに左右されないようなマネージメントをしておりますので、そのような認識はありません。

西川洋司弁護士 あなたの所属タレントは、そうかもしれないし、あなたのところの会社は立派な事務所なのかもしれませんけども、そうでもないような事務所とかの所属タレントさんで、(スキャンダル記事の影響で)仕事が減ってるのを見たっていうことを25年の経験でないですか?

谷口元一 仕事が増えるか減るかというのは誰が判断するか分かりません。私どもは自分たちのプロデュースした、事務所のタレントの人間だけを気にかけます。

西川洋司弁護士 あなた(調査会社の)PSCという会社はご存知ですね?

角地山宗行弁護士 異議あり。本件と関係のない質問です。

西川洋司弁護士 こういう調査をどれくらいされているのかを聞きたかった。あなたのご主張でテイラーさんの住所を調べるという動きでPSCという会社に調査依頼をかけたということは間違いない?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 あなたの方から直接調査依頼をしたということで間違いない?

谷口元一 弁護士さんと相談してその会社を紹介してもらいました。

西川洋司弁護士 弁護士の紹介でということで? そうすると、今回、この会社に依頼をしたのは初めて?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 過去に調査会社に依頼をしたことはない?

谷口元一 ありません。

西川洋司弁護士 調査報告書はご覧になりましたか?

谷口元一 見ましたが、隅から隅までは見てないです。その、ちょっと見ただけで。

西川洋司弁護士 その調査報告の原本は今、どこにありますか?

谷口元一 分かりません。

西川洋司弁護士 代理人に預けている?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 甲33号証を示します。3ページ目の次が5ページになっているんですが、あなた4ページ目を見たことありますか?

谷口元一 覚えてないです。

西川洋司弁護士 覚えてない? 執行事件でテイラーさんの住所を調べたものとして提出された記録でも4ページ目が抜けているんですけれども、それはまったく知らない?

谷口元一 間違ってこれ……。

西川洋司弁護士 『週刊新潮』の記事では、この抜けているページのところが、居酒屋に入っている内容として入ってるんですけど、『週刊新潮』の記者がこの調査報告書を見たっていうことはないですか?

谷口元一 あの、すべて集めたものを、何が入っていたか覚えてません……。

西川洋司弁護士 代理人から調査報告書のコピーはもらっている? 今の調査会社の報告書のコピーはあなた持っている?

谷口元一 持ってないです。

西川洋司弁護士 動産執行を依頼したということは、間違いないですね?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 動産執行はよほど高額な品物か、多額な何百万単位の現金とかがない限りは、執行としてはほとんど意味がないという説明は聞いたことはありますか?

谷口元一 ないです。

西川洋司弁護士 何かテーラーさんは動産で多額の金塊だとか札束だとか絵画だとかそういうものを持っているっていうのは聞いたことがあるんですか?

谷口元一 私どもから詐欺でお金を取るぐらいだから、膨大なお金をプールしているんじゃないかとは思っていました。

西川洋司弁護士 具体的に何かあるっていう情報は持っているわけですか?

谷口元一 ありません。

西川洋司弁護士 と、今の話はあなたの想像ということですね?

谷口元一 でも、お金が返ってこないので。

西川洋司弁護士 代理人から動産執行は費用ばかりかかって回収は難しいですよという説明を聞いたこともないですか?

谷口元一 ないです。

西川洋司弁護士 甲35号証を示します。今の調査した日のレンタカー特約記録なんですけど、その証拠をあなたは代理人から見せてもらったことはありますか?

谷口元一 覚えていません。

西川洋司弁護士 まったく覚えてない? この証拠が出て、テイラーさんは調査報告書と違って、もっと早い時間に家を出ているという主張を吉松さんの方からしているということは聞いたことがありますか?

谷口元一 知りません。

西川洋司弁護士 何も知らないんですか?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 どういう主張をされているのかということも知らないんですか? 調査報告書の内容が本当かどうかっていうのを問題になっているというのを裁判でそこが主張が対立しているというところは何も聞いていない?

谷口元一 まったく興味がありません。……裁判所の執行官が動産執行を行なったという認識をしておりますので、細かい経緯はまったく気にしておりません。

西川洋司弁護士 ただ、本件の訴訟でそこが問題になったというのも聞いてもいないんですか?

谷口元一 気にしていません。

西川洋司弁護士 聞いてはいるけど、気にしてないんですか?

谷口元一 覚えておりません。

西川洋司弁護士 調査会社に9時までテイラーさんが帰らなかったのが事実だったとか、そういう内容が正しかったかどうか確認したということもないわけですね?

谷口元一 ありません。 (続く)


◎[参考動画]日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(日本外国特派員協会2013年12月16日公開)

▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

◎事実の衝撃!星野陽平の《脱法芸能》

芸能界の歪んだ「仕組み」を解き明かす!『芸能人はなぜ干されるのか?』

反骨の砦に集え!7日発売『紙の爆弾』!

筆者はこれまで様々な冤罪事件を取材してきたが、その経験を通じて思うのは、冤罪取材では被告人本人の話を聞くのが何より重要だということだ。被告人が白であれば、被告人の話をもとに事実関係を調べるのがたいていは一番効率的で、確実だからである(当然だが、それは被告人の主張を鵜呑みにするという意味ではない)。

そういう意味で、あまりに理不尽な立場に置かれていると思うのが冤罪の死刑囚たちだ。

死刑囚は懲役囚に比べ、外部との交流が厳しく制限されている。面会や手紙のやりとりが認められるのは親族や再審請求の弁護人などごく一部の人だけで、支援者や報道関係者との接触が認められることはほとんどない。そのため、冤罪の死刑囚たちは自分の無実を世間に訴える機会を著しく制限された状態で、いつ処刑されるかわからない極限的な生活を強いられている。

そんな事情もあり、筆者はかねてより、冤罪死刑囚たち本人の声を何らかの形で世間の人たちに直接伝えることができないかと考えていた。それを具現化したのが、このほど鹿砦社より発行された編著「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ――冤罪死刑囚八人の書画集――」だ。

片岡健編『絶望の牢獄から無実を叫ぶ――冤罪死刑囚八人の書画集』(鹿砦社2016年2月)

◆冤罪死刑囚八人の貴重な書画

本書では、筆者が冤罪だと確信する計八人の死刑囚を取り上げている。冤罪の死刑をテーマにした本はこれまでに色々あったが、本書の特徴は、冤罪死刑囚たち本人の手による様々な書画を紹介していることだ。筆者自身は冤罪死刑囚たち本人と直接接触できないため、企画段階では書画の収集に苦戦するのではないかと予想していたが、結果的に多くの心ある人たちの協力が得られ、貴重な書画が多数集まった。

そんな中、まず心揺さぶられたのが、三人の冤罪死刑囚が本書のために獄中で書き下ろしてくれた手記だった。その三人とは、埼玉愛犬家連続殺人事件(1993年発生)の風間博子氏、鶴見事件(1988年発生)の高橋和利氏、山梨キャンプ場殺人事件(1997年発生)の阿佐吉廣氏(いずれも東京拘置所に収容中)。わが子への思いをあふれさせた風間氏の手記、故郷の年老いた母親との再会を一途に願う阿佐氏の手記には、一読者として純粋に胸が熱くなった。一方、自分を冤罪死刑囚に貶めた警察、検察、裁判所に対する「満腔の怒り」を綴った高橋氏の手記はなんとも言い難い迫力に満ちていた。

その他に取り上げた五人の死刑囚たちは、すでに雪冤を果たせぬままに獄死している。しかし五人が生前に残した書画からは、極限世界の人間模様が生々しく浮かび上がってきた。

「冤罪処刑」の疑いが根強く指摘される飯塚事件(1992年発生)の久間三千年氏は、処刑の三カ月前に綴っていた遺筆で再審無罪を確信する思いを示していた。獄中で脳腫瘍に冒され、凄絶な最期を遂げた三鷹事件(1949年発生)の竹内景助氏は、無実を見抜いた伝説の弁護人・布施辰治氏に宛てた書簡で、過酷な密室取り調べの全容を克明に綴っていた。30年に渡り、敬愛する支援者に感謝の絵を贈り続けた帝銀事件(1948年発生)の平沢貞道氏や、両目の光を失いながら無実を訴え続けた三崎事件(1971年発生)の荒井政男氏、獄中で8万字の控訴趣意書を書き上げた波崎事件(1963年発生)の富山常喜氏らの凄絶な生きざまも各人が生前に残した書画から圧倒的な迫力で伝わってきた。

◆冤罪処刑の全過程を記録した法務省の内部文書も掲載

本書では、制作過程で入手できた久間三千年氏に対する冤罪処刑の全過程が記録された法務省の内部文書も掲載した。この冤罪処刑に関与した裁判官、法務官僚、捜査責任者、国会議員たちへの直撃取材も慣行し、取材結果は彼らの実名を公開しながらレポートしている。この取材を通じて、久間氏への冤罪処刑が驚くほど機械的に行われていたことも明るみになった。

三鷹事件については、日本評論社の元社長・会長で、竹内氏の弁護人・布施氏の孫である大石進氏(三鷹事件再審を支援する会世話人)が事件の実相や竹内氏の実像を活写した原稿を寄稿してくれ、また、山梨キャンプ場殺人事件については、毎日放送の記者時代から数多くの優れたテレビドキュメンタリーを制作してきた里見繁氏(関西大学社会学部教授)が追跡取材の記録をもとにこの事件がいかに理不尽な冤罪であるかを詳細にルポタージュしてくれている。

国家がひた隠す冤罪死刑囚たちのリアルな姿が本書によって、少しでも多くの人に伝わってほしいと願う。

▼片岡健(かたおか けん)
1971年、広島市生まれ。早稲田大学商学部卒業後、フリーのライターに。新旧様々な事件の知られざる事実や冤罪、捜査機関の不正を独自取材で発掘している。広島市在住。

◎新井竜太死刑確定囚の獄中手記を全公開! 裁判員裁判初の「冤罪」主張へ
◎発生11年の兵庫2女性バラバラ殺害事件──今も残る「くみとり便所」の謎
◎再審取り消し決定文書にもパクリ疑惑!──冤罪説が根強い鹿児島「大崎事件」
◎3月に引退した和歌山カレー被害者支援の元刑事、「美談」の裏の疑惑

反骨の砦に集え!7日発売『紙の爆弾』!

『SMAP』が1月18日に「SMAP×SMAP」(フジテレビ)で謝罪したメンバーに対して「メンタル的に混乱しており、静養が必要だ」という声があがっている。心理カウンセラーが語る。

「ファンに向けて謝罪していた最中に、言葉を失い、絶句した香取慎吾がファンたちの間で心配されているようですが、私が一番、心配なのは中居正広です。スタジオに入ってくるシーンから見ていますが、目の瞳孔が開きっぱなしで、乾いているようにも見えます。目線も上下、左右に泳いでいます。これは、不安というよりも『この場にはなるべくいたくない』という拒否衝動が見えます。くわえて、話をなんとか早く終わらせようとして、巻き舌になっている。明らかに何かに怯えているように見えましたね」

『SMAP』独立、分裂騒動は、国会で安倍晋三首相が民主党の斎藤嘉隆議員の質問にこたえて「多くのファンの方々の期待や願いに応えて、グループが存続することは良かったと思います」とした。

「もはや『SMAP』の動向は、景気にすら反映しそうな雲行きですよ。スポーツ新聞に解散と書かれた12日から、日経平均株価がずるずると下がり続けていますから、当然、中居のメンタル状態も国民が気にしているところでしょうね」(経済ジャーナリスト)

実際問題、中居については、悩んで変な占い師などに頼るよりも、メンタルクリニックをすすめたがいいという声も。

「何か吐露したいことがあれば、この際、有能な精神科医にぶちまけてしまって、リスタートしたほうがいいと思う」とファンの声。一部の報道では「公開処刑」とささやかれた謝罪シーンだったが、「子供をこんな事務所に預けている親の顔が見てみたい」という辛辣な声もある。

果たして、中居が本当に精神的にふさぎこんだら、だれが責任をとるのだろうか?

独立を画策した女性マネージャーか、ジャニーズ事務所か、はたまたマスコミか。この騒動では、4人の『鬱病』予備軍を作ったにすぎない。4人とは、もちろん『ジャニーズ事務所の走狗』として、4人に残るように説得した木村拓哉をのぞく4人です」(識者)

ロックバンド・氣志團の綾小路翔が、『謝罪会見』後にSMAPの中居正広と番組収録で会ったことを明かし「きっとご自身の事でも相当に大変な中、寧ろ出演者の方々や我々へのお心配りが細やかで、頭が下がる思いでした」と普段通りだったとやたら強調しているのも不自然。これから中居のメンタル状態からファンは目が離せないだろう。

(伊東北斗)

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◎事実の衝撃!星野陽平の《脱法芸能》

芸能界の歪んだ「仕組み」を解き明かす!『芸能人はなぜ干されるのか?』

「ここを越えてこそ真のムエタイロードが始まる」日本人の壁となる在日タイ人選手。日本国内団体でデビューし、段階を経て勝ち上がってきた日本人選手にとっては、ムエタイの奥深さがまずここに立ちはだかります。ここでのタイ人選手は、日本国内チャンピオンやランカーと対戦し、テクニックで優って、ムエタイ王座や世界レベルの王座を目指す日本人の壁となる存在になっています。

ガンスワン・サシプラパー(左)は元・ラジャダムナン系スーパーライト級チャンピオン、在日選手。治政館ジムでトレーナーを務める。日本での試合も豊富(2014年10月26日)


古くは竹山晴友に初黒星を付けたアルンサック・ユーバンルン、90年代、小野瀬邦英に敗れるまでは日本人選手を重い蹴りで翻弄したチャイナロン・ゲオサムリット、立嶋篤史に切られて敗れる不覚もアグレッシブなファイトが好評だったユタポン・ウォンウェンヤイ、元ムエタイチャンピオンの実力を発揮、大塚隼人には敗れるも、多くの余裕の勝利を重ねてきたガンスワン・サシプラパー、キックの伊原ジムで選手兼トレーナーを務め、プロボクシングでの来日では後のWBA世界スーパーフェザー級チャンピオン、内山高志(ワタナベ)とも戦ったムアンファーレック・ギャットウィチアンといった、キック界では存在感ある選手で、他にも厄介な壁は多くいました。

◆“在日タイ人”と“来日タイ人”

「これを越えないとムエタイランカー以上との対戦は認めない」なんていう制度などありませんが、ファン目線では日本選手に打開して欲しい壁でした。ここでのタイ選手は本場での第一線級から退いていても、試合間隔が長く空かなければ実力は充分でしたが、来日期間が長くなるほどモチベーションも下がり、練習不足、スタミナ不足が目立つ体型や試合内容が見られる選手もいました。これらのタイ選手らは、常連ファンから見れば、試合出場が無くても頻繁に会場で見かける顔でもありました。業界関係者の中では彼らは“在日タイ人”と呼ばれ、ちょっと古い法律の下では3ヶ月滞在可能の興行ビザで来日し、延長許可を得て最大6ヶ月滞在し、試合出場を中心に、招聘されたジムでの技術指導者として実力を発揮されていました。

グルークチャイ・ゲオサムリット(左)は元・ルンピニー系ジュニアフライ級チャンピオン、この試合のみの短期来日。ムアンファーレック・ギャットウィチアン(右)は元・ラジャダムナン系フェザー級チャンピオンで伊原ジムに滞在していた在日選手。後にプロボクシングのタイ国ラジャダムナン系スーパーフェザー級チャンピオン(1999年7月24日)

これに対し、“来日タイ人”と呼ばれる短期滞在ムエタイボクサーがいます。タイの殿堂スタジアムなどで頻繁に出場する日程を組まれながら、ちょっとの合間をぬって日本で試合をする実力派タイプ。経費削減の意味合いもあったりしますが、ほんの2泊3日や3泊4日でやって来て試合して翌日には帰国するパターンが多いようです。こんなトップクラスの選手に勝てる期待大の選手は梅野源治選手ぐらいかもしれませんが、大概はムエタイの凄さを見せ付けて帰って行くので、より本場で人気ある忙しい選手という印象が残ります。

プロボクシングの世界タイトルマッチでやって来る場合も同じですが、マスメディアを巻き込むこれほどの大きい試合は契約上10日ぐらい前に来日して身体を慣らし、公開スパーリングや予備検診、前日計量、調印式を経て試合、勝っても負けても怪我がなければその翌日は休養(観光?)してまたその翌日頃には羽田か成田空港から帰国します。

これらはひとつの具体例ですが、キックの試合出場とジムでの技術指導者としてタイ人選手を招聘する場合、そのジム会長かマネージャーやコーディネーターがその選手のためのビザ取得のために方々への手続きを重ね、必要書類作成に時間を費やします。来日タイ人選手はタイのジムオーナーやプロモーターの支配下にあり、交渉先はそのオーナーなど。在日タイ人選手も同様ですが、第一線級を退いているので長期滞在を許されたり、或いはフリーになっていれば、選手個人交渉となったりします。

1980年頃から2000年ぐらいまでは不法就労が増え、申請許可が一段と厳しくなっていった時代がありました。現在も書類調査は同様に厳しい審査と思いますが、以前は無かった公的な立場のタイ国ムエスポーツ協会への申告で渡航先試合出場認可を得るなど強力なステップが増えたことや、タイ経済が発展してきたことによる不法就労の減少で、日本外務省の規制緩和もあり、一般中流家庭以上が日本での2週間以内ビザ無し観光も可能になり、各分野とも取得し易くなったかもしれません。現在はもう少し長い期間の興行ビザが下りる場合もあり、他には技能ビザの他、結婚や滞在実績などによる永住許可もあり、そういう縁や実績を持つ元選手やジム経営者も存在します。

ラジャダムナン系ウェルター級チャンピオン、パーヤップ・プレムチャイが日本ウェルター級チャンピオン、向山鉄也(ニシカワ)を大木のような左ミドルキックだけで圧倒、現役チャンピオンの神秘さが漂った。短期滞在(1986年11月24日)

昔はムエタイ選手に限らず、若い女性やフィリピンなど他国の同様のパターンで来日後、滞在期限を超えても帰国せず不法就労するなどの後、強制送還となり、その後再来日は当分難しくなって、更に国家間の規制が厳しくなっていった傾向が続きました。

以前少々触れましたが、現在タイ・ボクシング法では試合間隔を21日以上空ける事とKO負けの場合は30日空ける事が義務付けられています。その試合間隔義務を逃れるため、タイ国ムエスポーツ協会を通さない申請で、極秘渡航して試合するパターンもあるようですが。インターネット社会の恐ろしさで、しっかり報道されることでどこでも閲覧出来、バレて出場停止を受ける選手もいたようです。

沢村忠、富山勝治、稲毛忠治、多くの日本人と戦い、バンコクでジムを開いた頃のチャイバダン・スワンミサカワン氏(1988年9月13日)

昭和の時代、TBSテレビでゴールデンタイム放映されていた時代の日本系キックボクシングはタイからやって来た選手が1回のビザ最大3ヶ月ほどの滞在で5、6試合ほど消化し、時期は重なりつつも交替で次のタイ選手が来日するパターンが長年に渡って続き、キックボクシング黄金期を支えた時代がありました。

チャイバダン氏の右が立嶋篤史(当時16歳)、その前がアルンサック・ユーバンルン、前列右から2番目がチャンリット氏、彼も在日タイ選手だった。前列左端、黒シャツが堀田(1988年11月10日)

荒っぽさで有名なサネガン・ソーパッシンは試合以外でも、目黒界隈で喧嘩して暴れたエピソードがあったようですが、晩年は日本人女性と結婚するなど落ち着き、おとなしい礼儀ある人になっていました。チューチャイ・ルークパンチャマというルンピニー系ランカーの強い選手もいましたが、初の日本系出場では1回の来日で7試合ほど出場、最後は帝王・沢村忠をも倒していきました。富山勝治、稲毛忠治も下したチャイバダン・スワンミサカワンは引退後、日本人と最も交流が深く、後にバンコク郊外にジムを開き、多くの日本人が修行の場とし、立嶋篤史がタイ初遠征したジムでもありました。

近年プロボクシングでは多くの無気力試合などで、ひんしゅく買ったタイ人ボクサーも少なからずいましたが、「勝って得るもの無し、負けて失うもの無し」といった選手は勝つ努力は無く、出場の役目を果たすだけの試合しかしないかもしれません。キックにおいては今後も続くムエタイボクサーとの交流は、日本人の壁となって試練を与えたり、指導者してムエタイチャンピオンを育てたり、いろいろな人間模様のドラマを生んでいくでしょう。近年は在日タイ人が主催する準ムエタイ興行も開催されたり、活動の幅が広くなりました。今後の日本キック界を支えていくのは40年前と変わらず在・来日タイ人たちの陰の力かもしれません。

WPMF世界スーパーライト級王座決定戦で石井宏樹(目黒藤本)と対戦したゲーオ・フェアテックス(2014年2月11日)

ヨーユット・ビーファミリーネオ(右)は元・ルンピニー系フェザー級4位、在日選手としてキャリアは長いが、倒れるシーンも増えてきた(2014年2月11日)

梅野源治(左)と対戦するタイ人選手は皆、気を引き締めて来日。ルンラット・ナーラーティクンは元WMC世界スーパーバンタム級チャンピオン、ラジャダムナン二冠王。短期来日(2015年2月11日)

デンサヤーム・ルークプラバートは元・ルンピニー系バンタム級チャンピオン、在日選手。頑丈な体格で圧倒する試合から最近は打たれてダウンするシーンも増えた(2015年2月11日)

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない。」

◎芽が出始めたムエタイ新時代──タイで通用する若手選手が続々出現!
◎ティーンズチャンプがキック界を刷新する?──2015年回顧と2016年展望
◎強くなるためにタイへ行く!日本キックボクサー「ムエタイ修行」今昔物語
◎ルール変更の紆余曲折から辿る日本キックボクシング界の栄枯盛衰クロニクル
◎キック新時代を牽引するRIKIXジムの「NO KICK NO LIFE」

タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』!

谷口氏に対する尋問が続く。

西川洋司弁護士 当時、この『バンキシャ!』の出演者にあなたが関係する所属タレントが出演したということはありますか?

谷口元一 直接の所属のタレントはいません。

西川洋司弁護士 吉松さんのお父さんに電話をしたことはあるんですね?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 この電話番号はどうやって知ったんですか?

谷口元一 104で。

西川洋司弁護士 104ですか。自宅の電話を調べたんですか?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 携帯電話番号はどうやって知りましたか?

谷口元一 1度目の電話で留守番電話だったんで、先方から折り返し、先ほどお電話をいただいたんで、その時の……。

西川洋司弁護士 住所等はどうやって知ったんですか?

谷口元一 その時にお父さんからの説明で。

西川洋司弁護士 あなた個人がテイラーさんに対して債権を持っている?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 吉松さんに対しては債権は?

谷口元一 ないです。

西川洋司弁護士 吉松さんのお父さんにもしくはお母さん、ご家族に対して債権がある?

谷口元一 ないです。

西川洋司弁護士 テイラーさんに対して債権を返せということであれば、テイラーさんに対して言えばいいんじゃないですか?

谷口元一 何度も言いました。

西川洋司弁護士 電話ではつながってるわけなんですね?

谷口元一 出てもすぐ切られます。

西川洋司弁護士 でも、話はしている?

谷口元一 途中からはもう出なくなりました。

西川洋司弁護士 あなた、他の方に対してお金を貸したこととか、返してもらわなくちゃいけない人とか過去にこれまでにありましたか? その時に……。

角地山宗行弁護士 本件とは関係のない質問です。

西川洋司弁護士 要は債権者以外に電話がかかっているということを聞きたいんです。 その関係で借りている人本人以外に電話をしたことは?

谷口元一 ないです。

西川洋司弁護士 吉松さんもう完全に明らかに成人の方なので、未成年者から両親に連絡するというのならともかく、吉松さん自身、債務者じゃないのにそのご両親に連絡をとるというのは、ちょっと異常という風に思われないかということは考えなかった?

日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(FCCJ公式チャンネル2013年12月16日公開)


谷口元一 考えてないです。

西川洋司弁護士 考えてない?

西川洋司弁護士 あなたにとっては別に普通のことだった?

谷口元一 金額が大きいから。

西川洋司弁護士 吉松さんのお父さんに連絡をとったら、金額が大きくても、返ってくる可能性が高まってくるから?

谷口元一 返ってくるとは言ってません。

西川洋司弁護士 じゃ、そもそも何のために電話をかけたんですか?

谷口元一 私もしくは弁護士に連絡を入れるようにマットさんに説得してもらうように伝言をお願いしたということです。

西川洋司弁護士 じゃあ、会社の人に連絡する、伝言するでも十分だったじゃないですか。

谷口元一 会社にも電話をしました。

西川洋司弁護士 吉松さんのお父さんに連絡したら折り返しの電話が来る可能性が高くなると考えたんですか?

谷口元一 伝言をお願いしたわけ。

西川洋司弁護士 通常の債権者の場合、債務者でもない人の、しかも親族に折り返しの電話をしろという風なことは未成年者でもないのに、通常ないと思うんですけど。そこはおかしいとは思わなかった?

谷口元一 自己破産申立の中でIYグローバルという会社でマットさんへの年間報酬(の差し押さえ)を申し立てたので、その代表である吉松さんとうまくお父さんから話し合いで……。

西川洋司弁護士 吉松さんのお父さんに判決文やスキャンダルのスポーツ紙とかの記事を送りつけた目的はなんですか?

谷口元一 こういうものがあったら送っていただけますかというお願いをされたので、送りました。

西川洋司弁護士 あなた、送ったら、1000万円返ってくることにつながると思ったんですか?

谷口元一 あくまでも弁護士に連絡をして……伝言をお願いしただけです。

西川洋司弁護士 それを送ると伝言してくれる可能性が高くなるという風に思ったんですか?

谷口元一 僕はお願いされたから、送っただけです。

西川洋司弁護士 それを送ったら、たとえば吉松さんがテイラーさんをエージェントからクビにしちゃうとかっていう風には考えなかったですか?

谷口元一 考えておりません。

西川洋司弁護士 まったく考えてない? 資料を送るかどうかだけでなく、吉松さんのお父さんに判決の話をして、吉松さんのお父さんがあなたの話をですね、本当にそうなのかと思った時にテイラーさんをクビにしてしまうということは考えられない?

角地山宗行弁護士 異議あり。先ほどの質問と重複しております。

西川洋司弁護士 あなた、お父様に対して、なぜ電話をしてくるんですかと聞かれたことはありますか?

谷口元一 覚えておりません。

西川洋司弁護士 覚えてない? 「(吉松さんのお父さんの携帯番号を谷口氏が知っていることについて)この時代、調べる方法はいくらでもあるんですよ」とみたいなことを答えたことはありますか?

谷口元一 覚えていません。

西川洋司弁護士 久光製薬のことについて伺いますが、久光製薬の社長さんとあなた面識があった? 今の会長さんと面識があった?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 その会長さんの息子さんと面識がありますか? 親しい関係にあるんですか? プライベートでの付き合いはない?

谷口元一 ないです。

西川洋司弁護士 今回の件で吉松さんのお父さんに対して久光の名前を挙げたのは、自分の身分を知らせるため?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 あなた他の地方の人と連絡するときもそういう会社名を挙げたりすることもある?

谷口元一 ……佐賀県の鳥栖を代表する会社なので名前を出しました。

西川洋司弁護士 今回だけ?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 他の人にはやったことはない?

谷口元一 そうですね。

西川洋司弁護士 久光の会長さん、社長さんとは仕事の付き合いだけということですか?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 (ケイダッシュ所属タレントの)高橋克典さんと市長の選挙の応援に行ったというのは事実なんですか?

谷口元一 あくまでも仕事としてのお願いをされたので。

西川洋司弁護士 市長の方から仕事として……。

角地山宗行弁護士 異議あり。本件と関係ないことです。

追記 公職選挙法上、選挙運動は、基本的にボランティアによって行われるべきだとされ、特定の候補者を当選させるために、選挙運動者に対して、金銭や何らかの財産上の利益を供与すると、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処せられることになっているが、谷口氏の言うように「仕事としてお願いされた」のであれば報酬が発生したということなのだろうか? (続く)

西川洋司弁護士 これは建物に入れる入構証ということですか?

谷口元一 私どもは名門プロですので、どのスタジオでもフリーで入れるものを控えております。(続く)


◎[参考動画]日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(日本外国特派員協会2013年12月16日公開)

▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

◎事実の衝撃!星野陽平の《脱法芸能》

芸能界の歪んだ「仕組み」を解き明かす!『芸能人はなぜ干されるのか?』

反骨の砦に集え!7日発売『紙の爆弾』!

証券会社の個人顧客担当者が忙しくなってきた。好調な推移を見せていた株価の下落と主として利回りの高い外国債の為替差益が大きくマイナスに転じ始めたからだ。

ブラジルの通貨リラや南アフリカの通貨ランドは米ドルと連動しない動きをする通貨として市場関係者の間では知られているが、この10年程円高、日本株低迷の中で個人投資家を対象とする証券会社の営業担当者は積極的にブラジル国債、インド国債などへの投資を勧めてきた。

利回りが高いこれらの国の国債は為替差益で含み損が出ない限り、利息も含めかなりの高収益を生む。だが利回りが高いことは、それだけ「不確定要因」も高いことを意味する。かつてデフォルトを起こしたアルゼンチン国債同様の事態は高利回りの国債商品には付き物のリスクであることは言うまでもない。

円安の中ブラジルのリラが下落し始めた。原油価格は1バーレル30ドル台(数年前の最高時には1バーレル160ドルを超えていた)、連動して天然ガスの価格も暴落している。

◆米大統領選挙の年には世界経済が大きく振動する

今年は米国大領選挙の年でもある。大統領選挙の年には世界経済が大きく振動することは常識といってもいい。

円は現在ドルに対して110円代後半だが、これは輸出産業を優遇するために安倍政権が恣意的に引き起こした「円安」誘導の結果であり、長く続くものではない。このレベルの為替相場が続けば産油国をはじめとする原材料輸出国や米国が必ず圧迫をかけて来るに違いない。現在の極端な原油安もその先で利益確保を狙った投機筋の意図的操作と見て間違いないだろう。

既に米国FRB(連保準備制度)は利上げ実施し、これまで世界各地、とりわけアジアに滞留していた資金を急激に米国本国に引き上げようとしている(追加の利上げは今のところ見送られている)。

そういった基本的な状況を認識しつつも今後の景気予想、株価予想は大きく分かれている。週刊現代は数カ月前まで「株価3万円も!」と株価の増進をひたすら予想する記事を毎号組んでいたが、ここへ来て急に弱気になっている。最近号の広告では「株価1万4千円台も」がメインの記事だ。一方、週刊ポストは「まだまだこれから」派のようだ。「半年後株価2万3千円これだけの根拠」が特集されている。

◆サミット後には急激な円高がやってくる

中国の景気後退が明らかになり、成長率が昨年は6.5(統計によっては6.8)%だったと発表された。だがこの数字は多分に疑わしい。上海株式市場は取引停止銘柄が半数を超え、日本でいう「ストップ安」の際に働く自動取引停止システムが起動しっぱなしだ。これに対して中国の投資家からは厳しい批判が沸き起こっている。売り逃げが出来ないからだ。

要するに世界経済は「中国の成長」という、大前提に立った1つの時代が終焉を迎えているのだ。日本では「バブル」という時代があった。あの時代が日本における「あぶく銭」多量流通の最後のあだ花だったことは今となっては明らかだ。「爆買い」で日本を訪れる中国からの観光客の姿もあと数年で終息するだろう。東アジアの成長は頭打ちで、産業成長の中心はいまだに人口増を続けるベトナムやビルマ、マレーシアに移行していくだろう。

だから、証券会社の営業担当者は忙しいのだ。手持ちの顧客の資産を減らさないように、それでいてある程度の取引を定期的に行わせて手数料収入を確保するために。株式相場は企業の収益や利益を素直に反映するものではない。だから予想が困難なのだが、米国の利上げが決まったからには海外の機関投資家は日本株をどんどん売りに走るだろう。日本ではこれから株価が下がると私は推測している。

日銀は「マイナス金利」を打ち出した。日銀の当座預金にも「手数料」をかけることにより、金融機関が日銀に設ける当座預金の資金を市場へ吐き出させようとの狙いらしい。日銀がここまで必死になるのは「2%」の物価上昇を実現するためだと言う。デフレスパイラルからの脱却(インフレ誘導政策)を掲げた安倍政権の公約実現が目標だそうだ。

しかし、そんなもの意味があるか? 消費税8%への引き上げで末端消費者だけでなく、中小企業も仕入れ値の実質的上昇を食らっている。さらに便乗値上げも相次いで「デフレ」感など財務省や大企業以外感じていないのではないか。昨年は(「連合」を中心とする「労組」の闘いではなく)安倍の要請により経団連は賃上げを受け入れ、今年も引き続き経団連は賃上げを表明している。儲かっているんじゃないのか。大企業は。

そしてサミット後には急激な円高がやってくるだろう。そのタイミングで今も青色吐息のシャープが台湾の「鴻海」に完全に買い叩かれるだろう。かつては世界をリードした液晶のシャープはかくして日本企業ではなくなる。同時期に全国のマクドナルドが閉店するかもしれない。ご本山米国のマクドナルドの経営不振も深刻なようだ。

昨年私がこのコラムでマクドナルドの不調を取り上げて以来、日本マクドナルドの収益はさらに悪化し、米国のマクドナルドも日本マクドナルド株の売却を検討しているとの情報もある。

間もなく株価が下がり、円高が進み、シャープが売られ、マクドナルドの閉店が相次ぐことを予想しておく。

上記はいずれも私には全く関係のないことである。
貧乏でよかった。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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反骨の砦に集え!7日発売『紙の爆弾』!

戦争へ向かう潮流はついに実質的な「徴兵制」を立ち上がらせ始めた。1月29日、全日本海員組合は記者会見を行い、下記の声明を発表した。

「一昨年からのいわゆる『機動展開構想』に関する一連の報道を受け、全日本海員組合は、民間船員を予備自衛官として活用することに対し断固反対する旨の声明を発し、様々な対応を図ってきた。しかしながら、防衛省は平成28年度予算案に、海上自衛隊の予備自衛官補として『21名』を採用できるよう盛り込んだ。われわれ船員の声を全く無視した施策が政府の中で具体的に進められてきたことは誠に遺憾である」

全日本海員組合の2016年1月29日付け声明

※全文は全日本海員組合のHPを参照

この「事件」は明らかな「徴兵制」あるいは「徴用」が海洋部門で始まったことを示す重大事だ。大々的に報道され、多くの人が知るべきだが私が知る限り毎日新聞がそこそこの紙面を割いて報道している以外に大きな報道は見当たらない。
<船員予備自衛官化>「事実上の徴用」海員組合が反発(毎日新聞 2016年1月29日配信)

既に「構想」や「想定」の範囲を超えて、防衛省は2016年度予算に「21名」の民間人を予備自衛官補として「徴用」する予算を確保しているのである。防衛省は「強制はしない」と言っているそうだが、予算を確保し具体的な人数まで明言して「徴用」を行わないはずがない。

◆「強制をするものではない」は空手形の常套句

政権が無茶な法制や施策を導入しようとする際、強烈な世論の反対に少々の配慮をして「強制をするものではない」は必ず用いられる空手形同様の常套句である。「国家・国旗法」が施行された小渕政権時の1999年にも多くの世論の反対を受けた。
小渕は国会答弁で、
「学校におきまして学習指導要領に基づき、国旗・国歌について児童生徒を指導すべき責務を負っており、学校におけるこのような国旗・国歌の指導は、国民として必要な基礎的、基本的な内容を身につけることを目的として行われておるものでありまして、子供たちの良心の自由を制約しようというものでないと考えております」
「国旗及び国歌の強制についてお尋ねがありましたが、政府といたしましては、国旗・国歌の法制化に当たり、国旗の掲揚に関し義務づけなどを行うことは考えておりません。したがって、現行の運用に変更が生ずることにはならないと考えております」

と「強制はしないと」明言したが、一度法制化して時間が経過すれば、やがて既成事実化が積み重なり、それに対する反対は「踏みつぶせる」ことを予見していたに違いない。事実、近年「日の丸・君が代」は不可侵の色彩さえ帯び始めた。小渕は翌年首相在任中急逝するが、後世に禍根を残す悪法を成立させた罰があたったのかもしれない。

◆防衛省の海員「徴用」は確実に進められる

「国歌・国旗法」施行の際の「空手形」で明らかなように、防衛省の海員「徴用」が確実に進められることは間違いない。全日本海員組合はその歴史を見てもさほど革新的な組合ではなく、むしろ発足当時から民社党(当時)を支持する系統の組合だ。現在は連合に加盟しているが、過去には「海の日導入運動」を提唱するなど、思想的には右派的な性格も包含する組合のようである。

しかし、この声明は国民と周辺諸国に向けた最大級の警鐘だ。

実質的「徴兵制」が、昨年の戦争推進法案成立後1年も経たず起動する。海洋部門に目を付けるとはさすが、大手広告代理店に政策立案や広報の相談を怠らない安倍政権らしい選択だといえる。不思議な現象だが報道の世界では昔から一般の「事故・事件」でも同様の被害が「陸上」で発生した場合と比べると「海上」は軽視されやすい傾向にある。権力はやがて導入されるであろう奨学金返納の困難者に対する「自衛隊におけるインターンシップ」と称される若者を狙った「徴兵制」には反論が予想されることから、まずは「海洋」での「徴兵制」に着手したのだ。

◆時代はすでに「戦中」

多くの高校生が受験する「一般曹候補生」の志願者数が急減している。2015年度の全国分は前年度と比べて19%減の2万5092人で2012年の半数近くにまで激減している。解釈改憲が行われた2014年も前年比10%減だったが、前年比約20%の落ち込みは過去最大級に際立っている。原因を防衛省は「景気好転で民間企業に流れたため」と言うが、解釈改憲から戦争推進法案成立へ繋がる流れが要因であることはこの数字が示している。同様の志願者減少は第二次湾岸戦争後イラク派兵が本格化した2004年に前年比11%減を記録したことがあり「戦争」が現実化を帯びれば帯びるほど自衛隊の志願者は減ることが明らかになっている。

一方2012年、つまり東日本大震災の翌年には自衛隊志願者は増加している。景気のありようもさることながら、被災者救援の活動に従事する自衛隊の姿を目にして「災害救助」つまり「人の命を救う」仕事に就きたいと考えた若者が増加したことは想像に難くない。

自衛隊が戦争に赴くのは時間の問題だ。安倍自民党政権が続く限りその加速は止まらない。「戦争は嫌だ」と考える若者は自衛隊を志願しない。戦争を全く知らない親だってここまで戦争が現実化すれば子供が自衛隊を志願することに異論を唱えだすだろう。自衛隊は今後も減り続ける人員不足分を「徴兵制」で補う。21世紀型「赤紙」の印刷は既に始まっている。

誇張なく時代は既に「戦中」に入っている。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎間近に迫った日弁連会長選挙──日弁連がネットの「言論の自由」を弾圧か?
◎2016年のジャパン・カオス──2026年正月に記された日系被曝難民家族の回想記

反骨の砦に集え!7日発売『紙の爆弾』!

谷口氏に対する尋問が続く。

池田尚弘弁護士 さあ、原告の行為によってあなたが名誉を傷つけられたかということについてお伺いします。原告吉松さんは外国人記者クラブの記者会見、吉松さんのブログ、吉松さんのフェイスブックであなたが吉松さんに対して吉松さんの業務を妨害した、脅迫をした、ストーカー行為をしたという風に言っていますが、あなたはこれらの行為を行いましたか?

谷口元一 知りません。

池田尚弘弁護士 吉松さんを脅迫したことはありましたか?

谷口元一 ありません。

池田尚弘弁護士 ストーカー行為を行なったことはありますか?

谷口元一 ありません。

池田尚弘弁護士 あなたは吉松さんはあなたが何人もの女性を殺した、死に追いやったという風に言われているという風に言っていますが、そういった事実はありますか?

谷口元一 ありません。

池田尚弘弁護士 はい。私からは以上です。

角地山宗行弁護士 弁護士の角地山から質問させていただきます。先ほどあなたが何人かの女性を殺したという風なことはないとおっしゃいましたが、何かこの件で警察から調べられたこととか、逮捕されたことはありませんか?

谷口元一 ありません。

角地山宗行弁護士 私からは以上です。

◆戸田泉弁護士からの尋問

戸田泉弁護士 弁護士の戸田の方からお伺いします。あなたがインターネット上で人を殺したとか書かれたりしていることはご存じですか?

谷口元一 はい。

戸田泉弁護士 それはいつぐらいから始まったんでしょうか?

谷口元一 まあ、ちょっと覚えていませんが、最近の話ですね。

戸田泉弁護士 何でそのような話が始まったと思いますか?

谷口元一 マット・テイラーさんとの裁判をしたからだと思います。

戸田泉弁護士 それ以前からそういうことは、どこにも書いていなかったということですか?

谷口元一 はい。

戸田泉弁護士 ちょっとお伺いしますが、そこで亡くなった川田亜子さんはご存知ですね? あなたとの関係はどういうものでしたか?

谷口元一 弊社の所属タレントでした。

戸田泉弁護士 どういう原因でお亡くなりになったのですか?

谷口元一 自殺で……。

戸田泉弁護士 川田さんとあなたとは、何かいさかいとかあったということはないんですか?

谷口元一 ないです。

戸田泉弁護士 以上です。

◆吉松さん側代理人西川洋司弁護士による谷口氏への反対尋問

(続いて、吉松さん側代理人西川洋司弁護士からの反対尋問に移る)

日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(FCCJ公式チャンネル2013年12月16日公開)

西川洋司弁護士 被告代理人の西川洋司です。形式的な確認なんですけども、反訴状の住所と陳述書の住所が違うようなんですけど、引っ越されたとか、住民票上の住所が違うとか?

谷口元一 引っ越しました。

西川洋司弁護士 今、陳述書の住所が正しいと?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 12月30日の『バンキシャ!』のスタジオの件なんですが、叫んだりしたということはない?

谷口元一 ないです。

西川洋司弁護士 叫んでなくとも大きな声になったとかは?

谷口元一 ないです。

西川洋司弁護士 番組スタッフに迷惑をかけたということはない?

谷口元一 ないです。

西川洋司弁護士 番組スタッフから何か言われたということもない?

谷口元一 ないです。

西川洋司弁護士 まったくない?

谷口元一 ないです。

西川洋司弁護士 お金返せとか、放送中のスタジオでしゃべったことはないですか?

谷口元一 ないです。

西川洋司弁護士 いい加減なことをすんなとか言ったこともない?

谷口元一 ないです。

西川洋司弁護士 吉松さんが控室に入っていったところなんですけど、吉松さんが悲鳴を上げたのは聞いていますか?

谷口元一 聞いてないです。

西川洋司弁護士 聞いてない? このスタジオの中でテイラーさんに話しかけたことは間違いない?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 このスタジオに行く前に吉松さんがいるかという風に誰かに問い合わせたこともない?

谷口元一 ないです。

西川洋司弁護士 一切ない?

谷口元一 ないです。

西川洋司弁護士 テイラーさんとの債権関係、あなたの方から破産の申立をしたことは間違いない?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 この12月30日の後、年明けすぐにこの破産の関係で裁判所で話をすることになっていたっということは認識はしています?

谷口元一 よく覚えておりません。

西川洋司弁護士 1月9日に破産の関係期日が入っていた。そこで話を進めるという話になっていなかったんですか?

谷口元一 詳しい日時までは覚えておりません。

西川洋司弁護士 日時はともかく、その頃、破産手続きで債権をどうやって話をするか、っていう話をすることは分かっていましたか?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 そうすると、そこでテイラーさんと対面して返済の方をどうするのかっていうような話ができるということは分かっていた?

谷口元一 分かっていません。

西川洋司弁護士 分かってない? あなた、何のために破産の申立をしたんですか?

谷口元一 お金を返してもらうため。

西川洋司弁護士 破産で最終的に免責になった場合、逆でしょ? 返ってこないという可能性もあるかと思いますけど、それは分かっていた?

谷口元一 分かっていません。

西川洋司弁護士 代理人からそういう説明は受けてますか?

谷口元一 覚えておりません。

西川洋司弁護士 免責っていう手続きが破産の場合、ありうるよと、そしたら、返って可能性っていうのはむしろ免責になってしまってゼロになってしまうという話を聞いた記憶はまったくない?

角地山宗行弁護士 異議あり。重複です。

西川洋司弁護士 回答がはっきりしないんで。まったく聞いたことがない?

谷口元一 覚えておりません。

西川洋司弁護士 乙55号証を示します。入館証の写真ですけど、これは当時、12月30日当時にこの入館証を使って日テレの方に入ったということですか?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 これと同じものですか?

谷口元一 更新されるので、毎年、更新します。

西川洋司弁護士 これは建物に入れる入構証ということですか?

谷口元一 私どもは名門プロですので、どのスタジオでもフリーで入れるものを控えております。(続く)


◎[参考動画]日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(日本外国特派員協会2013年12月16日公開)

▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

◎事実の衝撃!星野陽平の《脱法芸能》

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『紙の爆弾』!タブーなきラディカル・スキャンダル・マガジン

日本弁護士連合会(日弁連)会長の選挙が行われている。大阪弁護士会所属の中本和平弁護士と東京弁護士会所属の高山俊一弁護士が会長候補に立候補している。

投票は2月5日で現在激しい選挙戦が展開されているが、知人の弁護士から不可思議な情報提供があった。ある弁護士が匿名の自身のブログで片方の候補を応援したところ、日弁連から注意を受けたとのことだ。その方が現在掲載しているブログの内容を引用する。

「さっき、日本弁護士連合会選挙管理委員会の副委員長さんから、わざわざお電話をいただきました。 わたくし、なんかの選挙に出た覚えがないので、ビックリしたのですが、なんと私のブログ記事が日弁連の選挙管理規定に違反するので、削除して欲しいと言うのです。
  問題となったのは以下の記事。2016年1月17日付け記事で、
【悲報】日本弁護士連合会の執行部側○○○○候補が、稲田朋美自民党政調会長に何度も献金していた。というもの。
  取り敢えず非公開にしましたのでリンク切れになっていますし、候補者の名前も匿名にしました。
  今回の日弁連会長選挙にはふたりしか立候補者がいないので、片方の先生を批判すると、もう片方の先生を応援したことになるから選挙運動だ、という話なんです。
  そして、会長選挙管理規定が今回の選挙から「改正」されて、WEB選挙活動が認められるようになってたけど、それは各陣営に1つずつのオフィシャルホームページだけ。
他の人は、選挙対策本部の弁護士も一般会員も、WEB上で1人の特定の候補に有利になる発言は許されないという驚くべき改定がされたというのです。
こんなの、WEB選挙が認められるようになったと言えますか?
逆に、明らかに言論の自由が制限を受けるものです。」
◎「宮武嶺のエブリワンブログ」より

◆「言論の自由」を守るべき日弁連に「言論の自由」感覚が欠如している

本当だろうか。事実を確かめるべく日弁連に電話取材した。応対に出た日弁連総務課の事務担当者(氏名は名乗らなかった)に上記質問をぶつけたところ「選挙管理委員会の副委員長がそう述べたのなら事実でしょう」との回答であった。

おいおい、言論の自由もへったくれも日弁連には無いのか? 通常の国政選挙、地方選挙でも実質的にネット選挙はほぼ全面的に解禁されている。それに対して、時には国を相手に闘う職務にある弁護士が全て所属する「日弁連」がこのように矮小な、選挙運営を行っていては、日本司法における対抗勢力の脆弱性、もしくは偏狭性の現れと感じられても仕方がないであろう。

「言論の自由」を守るべき日弁連に「言論の自由」感覚が欠如している。これは重大かつ深刻な問題と言わざるを得ない。

さらにこのブログ執筆者が、中本弁護士の過去、自民党稲田朋美政調会長に政治献金をしていたことに言及していたが事実であろうか。中本弁護士所属事務所に取材してみた。それによると中本弁護士は「一水会」(鈴木邦男氏が発足させた「一水会」とは同名だが無関係)という大阪の弁護士集団の実力者で、その後輩である稲田朋美氏を応援していたことは事実であるという。

3万円の政治献金も過去確かに行っていた。ただし電話応対に出た弁護士の話では「中本弁護士は憲法などについてはむしろ稲田氏と全く逆の考え方で社民党の福島瑞穂さんや民主党議員との付き合いの方がはるかに深いです」とのことだった。なるほどそう言われればそうか、と騙されそうになるが、この曖昧さこそ現在日本を覆う困難を引き起こした「どっちつかずの態度」なのではないのか。

中本弁護士は安倍のような改憲主義者ではないだろう。しかし「後輩だから」という理由で稲田朋美を応援していた過去があるようでは日弁連の会長を任せようとは思わない。社民、民主を応援しながら小選挙区制を進めたり、2大政党制を進めた大学教員のようなものだ。

私はもちろん弁護士資格など持っていないので自由に発言できる。日弁連会長候補者としての中本氏を私は支持しない。一見リベラル、一見穏当な姿勢の中にこの時代を誘引した細かであっても、過ちを包含している人物のように思えて仕方がない。
一方、高山俊一弁護士の主張全てにおいて中本弁護士よりは余程明白だ。何よりも「反戦」に対する考え方が極めてはっきりしている。私自身の考えに近い。
一般人には関係なさそうではあるが日弁連は本気になれば相当な力を国に対しても発揮しうる団体だ。選挙の推移を注視したい。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎「先頭で行動する政治学者」山口二郎氏を迎えて前田日明ゼミ第4回開催!

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