「キックボクサーって引退した後、何やっているんだろう?」というファンの声。
ごく一般的な職業に就いているのが大半ですが、そんな第二の人生話を追って、数々の元選手のエピソードを大雑把に簡単ながら探ってみました。

警察官、カジノ経営、暴力団組員、タイ料理レストラン、偏屈ジャーナリスト!? 過去に実際にあったキックボクサーやムエタイボクサーのちょっと変わった再就職先です。

◆リングを去る日はすべての者にやってくる

志を持ってキックボクシングを始め、プロデビューしたキックボクサーたち、しかし志半ばで去っていく選手がほとんどで、いずれのどの選手もリングを去る日、現役を退く日がやってきます。

少なくとも現時点では、頂点に立ってもマニー・パッキャオのように億単位(円)を稼げる世界ではありませんから、さて引退後どうするのか。すでに考えている選手は多いでしょう。

「できればキック業界に残りたい」と思う選手はジムを開き、会長として運営に乗り出す選手もいます。しかし、すべての選手がジム運営に乗り出すことは業界が成り立ちません。ジム運営でなくとも、トレーナーとして後進の指導に当たりたい選手も多いと思います。そうなるとごく一般的な職業に就きつつ、副業としてトレーナーなどキックに携わる場合が多いかと思います。

逆にこの汚れた世界に嫌気をさし、もっと真っ当なビジネスで第二の人生で勝負する選手もいることでしょう。そういう様々な現状を顧みると、引退後、数々の生き方があって多方面に散らばっていったことが伺えます。

引退という時期は、長く現役を勤めて来た人ほどかなり年齢を重ねている人が多くなります。そこから大手企業就職や公務員になることは難しく、改めて何らかの技量もって社会で勝負しなければなりません。

アメリカンリーグのプロ野球選手はデビュー前に起業の準備をしていて怪我や成績不振で戦力外通告を受けるなどして引退を余儀なくされた後、その仕事に就業するという話を聞いたことありますが、デビュー10年後に現役で居られる可能性は10%未満という世界。すでにその準備が必要と言われている訳です。

それは日本プロ野球界の選手も同じ運命を背負っている訳ですが、プロボクサーやプロキックボクサーは、肉体にダメージを負う率がはるかに高いだけに同じように早めの対策が必要かもしれません。中小企業など就職先が見つかればそれでいいのかもしれませんが。

大和大地引退の日(2014年9月21日)──NJKFスーパーフェザー級チャンピオン.大和大地(本名・杉下大地/大和)は初防衛後、祖父母の飲食店を受継ぐ為、家族の絆を選んだ第二の人生

◆地元名古屋で飲食店を継いだ大和大地選手

元々、キックボクサーだけで生計を立てたとしても引退後は定職に就かなければ、その蓄えだけではその後を補えません。結婚し家庭を築き一家を支えるならば尚更でしょう。

耳にする中で多いのは飲食店経営で、ムエタイ修行や観戦にタイを訪れ、タイ料理に魅せられた影響でその店を始める方も多いようです。いずれも開業資金調達と営業力、いざ始める決断力が必要となりますが、そこは一般社会人と同じこと。キックボクシングを経験した忍耐力が一般人より強く活かされることでしょう。

元・日本フェザー級チャンピオンの青山隆(小国=当時)は移動式クレープ屋やタイ・屋台ラーメン屋などいろいろな商売を頭脳プレーで展開。店を畳むのも早いが新展開もまた早い起業家でした。

NJKFスーパーフェザー級チャンピオンだった大和大地(大和)は、地元名古屋で祖父母が残してくれた飲食店を家族で守る為、一大決心してお店を継ぐことを決意し、2014年9月に引退しました。

◆撮られる側から撮る側へ──早田寛、西宗定の両選手はプロカメラマンへ転身

撮られる側から撮る側へ。元・MA日本フライ級チャンピオンの早田寛(花澤)はプロカメラマンとなり、タイを拠点にムエタイ以外にも、あらゆる分野でレポートするフォトジャーナリストとなって貪欲に大胆に走り回っています。彼の場合は中学生の頃からカメラを持って後楽園ホールに現れ、撮る側から選手になって撮られる側に回って、また撮る側にプロとして戻ってきたパターンでした。

日本フェザー級チャンピオンだった小野寺力(目黒)と対戦したこともある、西宗定(=佐久間立秋/伊原)もスポーツカメラマンとして活躍中。度々リングサイドで出逢います。

◆「上に行くほど頭を下げなさい」と教えられ、プロモーターとなった小野寺力RIKIXジム会長

RIKIX大岡山ジムに続き、百合ヶ丘支部開設した日の
披露パーティーでミット蹴りを受ける小野寺力会長。No Kick No Life興行も企画展開して、本業として軌道に乗る頃(2011年6月19日)

その小野寺力は今、注目されるプロモーターとなってNO KICK NO LIFE興行を主催するRIKIXジム会長ですが、彼は現役時代に所属した目黒ジム代表に、「上に行くほど頭を下げなさい」と、出世の基本となる謙虚な心を現役生活の中で教えられた選手でした。今のイベント成功を鑑みると、その小野寺氏を慕って集まる人々の多さに納得がいきます。

◆会社とジム運営を両立させている向山鉄也ニュージャパンキックボクシング連盟副理事

向山鉄也ニュージャパンキックボクシング連盟副理事(左)、ニモ選手(中央)、斉藤京二代表理事(右) 。かつての歴史に残る名チャンピオンが現在はNJKFを支えるコンビ。(2014年4月13日)

元・全日本ライト級~ウェルター級トップランカーのヤンガー秀樹(=鈴木秀樹/3代目ヤンガー/仙台青葉)は伊達秀騎(小国)として打撃の激しさで活躍しつつも、タイトル争奪戦で次々と倒され、王座挑戦権を得るには至らずも、タイに渡り、一般企業勤めを経て、ムエタイジムを開業。日本で勝ち獲れなかった野望を更に倍返しにして、日本人として初の、ムエタイ殿堂チャンピオンを二人輩出する偉業を達成しました。

ジム経営は順調に経営しつつ、元々目指していた職業を資格を持って続ける元選手もいます。

キングジム会長の元・日本ウェルター級チャンピオン、向山鉄也(目黒→ニシカワ)氏はデビュー前に専門学校に通い、現役時代から電気工事のアルバイトを続け、引退後も会社を設立してジム運営との両立と、ニュージャパンキックボクシング連盟副理事の立場も果たしています。

日本キック連盟ライト級チャンピオンだった小野瀬邦英(渡辺)氏は現役時から柔道整復師・鍼灸師・マッサージ師として「まんぼう鍼灸整骨院」を経営。院長として順調に経営しつつ、SQUARE-UPジムをも運営と、今は連盟主催興行担当も受け持つハードな日々です。

元・東洋太平洋スーパーミドル級チャンピオン.西澤ヨシノリ(ヨネクラ)は日本、東洋、世界と何度負けても諦めない挑戦を繰り返した努力の人。マイナー団体ながら世界も獲って47歳まで頑張った。諦めない挑戦の語り部となる今後の人生 (2016年3月12日)

プロボクサーの例ですが、元・東洋太平洋スーパーミドル級チャンピオンの西澤ヨシノリ(ヨネクラ)氏は現在、トレーナーを続けつつ、講演会に呼ばれ演説もすること多いようです。

カリスマキックボクサー、元・全日本フェザー級チャンピオンの立嶋篤史(ASSHI-PROJECT)はキックボクサーであり続けることが本業とばかりに44歳の今も現役。自らジムも運営し、選手兼オーナーを継続中。これでプロモーターも兼ねれば現役時代の伊原信一氏以来ということになりますが、そこまでは無いでしょうか。

昔、選手だったある現レフェリーに聞くと、「昔は○○組の構成員になったとか、○○組長の用心棒になったとかいう話も多かったよ」と聞き、昭和40年代から50年代は、そんな時代だったんだなと想像できますが、現在はそんな話はほとんど聞きません。現在は平和で多様化した職業があって幸せな時代と感じます。

◆生き抜く知恵と踏ん張る力

日本では難しいと思われる、タイでのムエタイボクサーの就職先も変わったものがありました。昔、日本(TBS)系に来日し、トップクラスと対戦、テレビでも放送された、日本ウェルター級チャンピオンの稲毛忠治(千葉)に壮絶なヒジ打ちのカウンターで倒されたロイロム・ソーパッシン氏は、タイでカジノを経営し成功した人。タイではカジノは禁止されていますが、暗黙のカジノは多く存在するようです。

かつて新日本キックボクシング協会に来日した元ルンピニー系ジュニアフライ級チャンピオンのグルークチャイ・ゲオサムリットは引退後、大物プロモーターの導きで警察官となって今は中佐(15の地位中、上から6番目)として勤めているといいます。

また無名のタイボクサーでもに就きやすい仕事はバンコクの大通りから各部落に入る路地の入り口に待ち構えるバイクタクシーの運転手。ほんの数十メートルから2kmぐらいまで、30円~50円程度の低料金で、一定の狭い地域では欠かせない地元の足として重宝されるビジネスであります。

どこの国に行っても、頂点を極めたトップのほんの一握りの選手しか財産を蓄えられない競技を引退した後の多くの選手は、年齢を重ねた上でまたハンディを背負って生きなければならない場合が多い中、生き抜く知恵と人脈と踏ん張る力が必要になっていくでしょう。そんなことはわかっていても、キックボクシングを続ける選手はそれだけでも特殊技術を持った幸せな人生なのかもしれません。

ここにも挑戦あるのみの人生、これが本職、不死身のキックボクサー立嶋篤史選手 (2016年3月12日)

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない。」

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抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

4月6日付で反原連の代理人神原元弁護士から鹿砦社代理人弁護士へ下記の「回答書」が届いた(4月8日受領)。血の通ったものではなく、ハッキリ言ってゼロ回答で遺憾である。

鹿砦社は反原連HPに掲載されている実質上の絶縁状である 【鹿砦社発行 「NO NUKES VOICE」に関する見解と広告掲載中止などについて】 が名誉棄損にあたるとして削除を要請したが「広告掲載を中止した経緯について事実関係を説明し、一定の論評をくわえたものに過ぎず、そもそも同社の社会的評価を低下させるとは考えられません。よって、当該ステートメントが名誉棄損に該当するとのご指摘には賛同できないことから、削除のご要請に応じることはできません。」との回答である。

上等じゃないか。事実関係の曲解の証拠は幾らでもあるから、場所を変えて争わざるを得ないだろう。

同時に要請した「会計報告」については「 首都圏反原発連合としては、ご指摘を受けるまでもなく、本年4月末頃までに然るべき会計報告をすべく準備していました。ただし、鹿砦社は首都圏反原発連合に『会計報告』を要求する立場にないことを付言しておきます。」とは喧嘩を売っているとしか思えない挑発だ。最大の資金援助者が「会計報告」を要求するのは筋違いか?

さらに看過できないのは「本回答書に対する意見、反論、お問い合わせは全て当職を通して頂きたく、通知人らに対し、直接又は間接に反論すること(インターネットや雑誌記事での反論を含む)はお止め頂きたくお願い致します。」には仰天した。12月2日いきなりHPに絶縁宣言を掲載したのは「反原連」ではないか。鹿砦社だけに「反論は代理人を通せ、インターネットや雑誌で記事にするな」と実質上、言論圧殺を求めている。こんなものがのめるか! 出版社が言論活動を放棄したら社会的生命は無きものに等しい。

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回 答 書

冠省
 当職は、首都圏反原発連合及び篠藤操氏(以下、通知人らといいます)の代理人として、貴職作成2016年3月23日付け「ご通知」と題する書簡(以下、書簡といいます。)に対し、下記のとおり、ご回答致します。


 書簡は、2015年12月2日付け首都圏反原発連合ステートメント【鹿砦社発行「NO NUKES VOICE」に関する見解と広告掲載中止などについて】が鹿砦社の名誉を毀損するものであると主張し、削除を要請されています。しかし、当該ステートメントは、公衆に対して、通知人らが「NO NUKES VOICE」への広告掲載を中止した経緯について事実関係を説明し、一定の論評をくわえたものに過ぎず、そもそも同社の社会的評価を低下させるとは考えられません。よって、当該ステートメントが名誉毀損に該当するとのご指摘には賛同できないことから、削除のご要請に応じることはできません。
 また、書簡は、首都圏反原発連合に「会計報告」を要望しています。首都圏反原発連合としては、ご指摘を受けるまでもなく、本年4月末頃までに然るべき会計報告をすべく準備していました。ただし、鹿砦社は、首都圏反原発連合に「会計報告」を要求する立場にないことを付言しておきます。
 当職は、本件について通知人から依頼されましたので、本回答書に対する意見、反論、お問い合わせは全て当職を通して頂きたく、通知人らに対し、直接又は間接に反論すること(インターネットや雑誌記事での反論を含む)はお止め頂きたくお願い致します。
以上

2016年4月6日
通知人ら 首都圏反原発連合 篠藤操
通知人ら代理人 弁護士 神原元

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一方的な「言論活動圧殺要請」と好対照に「反原連」の野間易通は4月7日、自身のツイッターで、
「鹿砦社:首都圏反原発連合(略称・反原連)に通告書を送付!
http://www.rokusaisha.com/topics.html?group=ichi&bookid=000423 …《しかし、反原連の背後にいる「しばき隊」の暴力を恐れ面と向かって声を挙げれないのが実情です》エスエル出版会の分際で何を言う(笑)」

と、ふざけた書き込みをしている。野間は反原連の主要メンバーであることが判明しているが、彼らの一方的な発信は放置しておいて、鹿砦社だけに発言を「するな」というのは全く理屈が通らない。神原弁護士の法的支援を受けて野間ら「しばき隊」が、作家・辺見庸や、韓国人研修生らにネット上で行った人権侵害行為は棚に上げて、なにをかいわんや、である。

呆れてしまうが、この人たちは最初からそういう輩だったことを再度思い返す。

(佐野 宇)

抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

『紙の爆弾』5月号本日発売!タブーなきスキャンダルマガジン!

出版の世界でしばしば疑問にあがる話題として「なぜ2013年3月に募集した竹書房の第1回エンターテインメント文芸賞は発表されないのか」というのがちまたの出版社や小説家志望者の話題で、「出版七不思議のひとつ」ともされているが、ここにきて、きなくさいニュースが入ってきた。

「実は、文芸賞の発表がなされた直後、アイドル雑誌を作っている外部スタッフのひとりのA氏が『俺が当選しやすくしてやるよ』と女性の小説家志望者のB子に接近して、肉体関係となり、便宜供与をほのめかしたというものです。この女性は、A氏が『竹書房』の名刺を持っていたので信用したのですが、あとでその名刺はとっくに使ってはいけないタイミング(つまり辞職したあと)であり、そのA氏が『契約社員が連れてきた嘱託スタッフ』であり、評判が悪くて追い出された御仁だとわかりました」(事情通)

そのA氏を連れてきた契約社員はもう竹書房を去って別の会社にいる。今回、あまりにもA氏が同じ手口で「竹書房の文芸賞がまだ発表されていない」ことをいいことに、小説教室で応募した女性を見つけては「俺が賞をとれるように便宜をはかってやる」と接近して、体を迫っている話を伝え聞いたのに腹をたてた被害者のB子が、警察に「詐欺」で被害届けを出した。

その女性に直撃すると「その話はもうしたくありませんのでお察しください」としながらも、「文芸賞入選をえさにして女に接近して、体を奪うやり口を許してはいけないと思います。記事にしていただくのは結構です」とした。筆者はコピーだが、警察に出した被害届けも確認した。

なんでもB子の友人の話では「その詐欺男は、竹書房に電話をしたらA氏が普通に出ていた時期もあるし、その契約社員と一緒にB子がA氏に3人で会ったこともあるので、賞に影響があるはず(つまりすでに辞職していたことを知らない)として被害者も信じてしまったにちがいありません」とのこと。逆算してみると、A氏がB子をだましたタイミングは確かに竹書房から去っている。

竹書房の元社員によれば「しばしば、正規のルートじゃない外部スタッフが編集部に入り込んできて『だれなんだ、あれは?』といぶかしげにみんなが見るような嘱託スタッフがたまにいる」ということだ。それは元社員だったり、出入りしているライターだったり、編集長の友人だったりする。

「嘱託スタッフなんていつ来ていついなくなったか、俺らには知らされていない。部署がちがうならなおさらだ」と現役の社員は言う。

「この事件が竹書房の幹部の耳に入り、『なにが飛び出るかわからない』と賞の入選者が発表できないともささやかれていますが、そうではなくて、ただ単に事務が停滞しているようです。先日も、応募者が『賞の発表はまだなんですか?』と竹書房に聞いてみると、『そのうちに発表します』ということでした」(事情通)

かくして、A氏は今ものうのうとして、フリー編集者としてさまざまな出版社に出入りしているという。
「ある出版社には、Aの履歴照会の電話があったようです。警察としては、逮捕に向けて内偵に入っているのかもしれません。また、竹書房がまだ文芸賞の入選者の発表をしていないことについては、消費者庁が事情を調べ始めたとも聞いています」(同)

確かに「文芸賞をぶちあげて、当選者を発表しない」というのは景品表示法に抵触しそうだ。

今、B子は「週刊文春」に駆け込むことも検討し始めた。
「もし仮に、計画的に『文芸賞』を経費の消化や架空の審査員の雇用に使っているとしたら、それはまちがいなく法律に触れるでしょう」(猪野雅彦弁護士)

 消費者庁に「竹書房に文芸賞の未発表は景品表示法に触れるか」と聞いてみたが「個々のケースについては、お答えできません」という答えが返ってきた。

竹書房は平成27年3月に、雑誌のプレゼントを掲載どおりに送らずに消費者庁の行政指導を受けている。

「まあ、もしかして出版社の上層部は、当選者を発表してしまうと、『パンドラの箱』があいたみたいにさまざまな黒い噂が飛び出るのをきらっているのでしょう。ヤクザが投稿していて、『落選したら難癖をつける』と息巻いているという噂もありますしね」(元社員)

はたして「近く発表する」としている文芸賞の当選者が発表される日は来るのであろうか。

(鈴木雅久)

7日発売!タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』5月号

抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

『NO NUKES voice』第6号発刊後、昨年12月2日「反原連」は下記のように鹿砦社との「絶縁声明」をネット上に掲載した。この内容は事実を一方的に解釈し鹿砦社を著しく名誉棄損することから、鹿砦社は「ご通告」の内容証明郵便を代理人を通し「反原連」並びにその実質的代表者のMisao Readwolf氏に対し3月23日送付した。それに至る経緯と内容は下記の通りだ。

首都圏反原発連合(略称・反原連)に通告書を送付!
http://www.rokusaisha.com/topics.html

鹿砦社オフィシャルサイトより

私たち鹿砦社は、反原連と、この実質的代表者のMisao Readwolf氏に対し、代理人弁護士を通して、(1)反原連ホームページ上に長期間アップされているステイトメントが鹿砦社の名誉を毀損しているので削除すること、(2)このかん滞っている会計報告を行うことの2点について4月8日までに履行することを求める通告書を送付しました(別掲の通り)。

反原連に対し私たちは雑誌『NO NUKES voice』創刊以来友好関係にあり、また昨年1年間に300万円余りの経済的支援も実行してまいりました。

ところが突如、反原連は昨年11月25日の同誌6号発行直後の11月30日にMisao氏が鹿砦社代表・松岡に対し「内容に関し許容範囲を超えること、経緯について信義則を反故にされたこと」「内政干渉」等々の理由でメールで絶縁を通告、そして12月2日付けで絶縁声明をホームページ上にアップしツィッター等で各方面に拡散させました。

これに対する反論は、『NO NUKES voice』7号に掲載していますのでご一読ください。

反原連による手前勝手な言動に対しては、多くの方々が批判し、また私たちへの賛同の声が多く寄せられています。しかし、反原連の背後にいる「しばき隊」の暴力を恐れ面と向かって声を挙げれないのが実情です。

私たちは、理不尽な反原連による言動に対しては断固として抗議し堂々と批判していく所存です。多くの皆様方のご理解、ご賛同をお願い申し上げます。

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ご通告
                              2016年3月23日

冠省 失礼いたします。

当職は、株式会社鹿砦社(代表者代表取締役 松岡利康。以下、「当社」)の代理人として「首都圏反原発連合」(以下「反原連」とします)と、その実質的代表者であるMisao Readwolfこと篠藤操氏に対し次の通りご通告いたします。

一 名誉棄損行為

反原連は、昨2015年12月2日以来、当社が発行する雑誌「NO NUKES voice」に関する見解と、広告掲載の中止などについて、そのホームページ上にステイトメントをアップしておられます。

同ステイトメントは当社の名誉を毀損するものであり、刑法230条に該当します。遺憾ながら、かかる名誉毀損行為はすでに4か月近くにもわたっております。つきましては、ただちに削除頂きたく本書面を差し上げます。

二 会計報告の懈怠

ご承知のように、当社は昨2015年の一年間にわたり、「広告代」、「イベント協賛金」、「原稿料」などの名目で300万円余りを反原連名義の口座(城南信用金庫、ゆうちょ振替口座)に振り込んで参りましたが、会計報告を頂いたことがありません。反原連のホームページ上では、2014年7月までの収支報告がアップされてはいるものの、それ以後はありません。当社をはじめ、多くの方々からの浄財を集めていながら、会計報告がなされていないというのは、無責任かつ重大な背信行為であると言わざるを得ません。
よって、当社が入金した昨2015年1月から12月の間につきましても、会計報告をお願い致します。

 以上につきまして、本年4月8日までにご履行頂きますようお願い致します。ご履行頂けない場合は、その理由を書面にてご回答下さい。
なお当社としましては、各種法的手段を執る準備をしておりますので、その旨申し添えます。

草々

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ちなみに反原連が現在も掲載している「絶縁状」は下記URLである。
http://coalitionagainstnukes.jp/?p=7656

多額の資金援助を受けておきながらよくも、見事な罵倒ができたものだと感心するばかりだが、読者にもご一読頂きたい。鹿砦社は本気だ。この10年間は、意識的におとなしくしていたが、怒った鹿砦社はこれまで対ジャニーズ事務所、タカラヅカ、バーニング、また警察癒着企業でパチンコ業界大手アルゼ(現ユニバーサルエンターテインメント)をはじめとする巨大勢力を含め、返り血を浴びながらも幾多の死闘、法廷闘争を闘った経験がある。当該HPの削除及び会計報告を求めている期限は4月8日だ。

「反原連」においては賢明な判断がなされることを期待するが、万が一判断を誤った場合は「それなりの覚悟あり」と鹿砦社も受け止める。読者諸氏にもご注目頂きたい。

繰り返す。期限は4月8日だ。

(佐野 宇)

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抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

経歴詐称問題で一躍時の人になったショーン・マクアドール・川上こと川上伸一郎氏。当初メインキャスターに決まっていたフジテレビ系の新報道情報番組「ユアタイム~あなたの時間~」(4月4日スタート)への出演取り止めに関して、関係者間で責任のなすりつけ合いが繰り広げられている。

ショーンKオフィシャルサイトより

◆大学に入り直すことも検討しているという川上氏だが……

「基本的にプロフィル管理は事務所がするのが当たり前です。テレビ局側はよっぽどのことがなければ身辺調査なんてしませんが、今回は報道番組のメインキャスターということもあって、問題になってしまったと悔やんでいますね。当然損害賠償の話も出ているようで、その額は億単位と言われています」(番組制作会社スタッフ)。と針のむしろの川上氏だが、周囲の勧めもあってか大学に入り直すことも考えているという。

「川上氏は詐称した経歴に少しでも近づけるために再度大学に入りたいと周囲に漏らしているそうです。かつての共演者たちも今からハーバードに入ればいいなんて言っていますしね」(番組制作会社スタッフ)。もしもハーバードでMBAを獲得すれば、後付だが経歴通りになるがその後のテレビ番組に復活することはできるのだろうか。

「川上氏はすでに48歳、もしも今から大学に入学したとしても卒業するころには50歳を優に超えてしまいます。年齢的にもきついし、テレビは一度忘れられたら基本的にはおしまいですから」(番組制作会社スタッフ)と現実的な答えが帰ってくる。ならば忘れられないように詐称を売りにテレビ出演をするのでは、なんてうわさ話もあるとか。

◆意外に多いショーンK擁護の声

「佐村河内氏とユニットを組んでみては? なんて意見もありますがさすがに悪ふざけがすぎるとテレビ局も二の足を踏んでいます。彼に残されたスキルはネイティブなみと言われている英語力だけ。もはやこれを活かして翻訳家か通訳にでもなるしかないのでは」と言われている。

また大手出版社が川上氏の自伝を出版しようとオファーしているようだが、小保方氏や酒鬼薔薇聖斗の書籍のような反響はないだろう。大手出版社の編集者はこう語る。

「やったことと言えば経歴詐称だけですから大した内容にならないことは明白。だけど話題になっている今なら結構売れるんじゃないか。実際にオファーしたという知り合いの編集者もいる」

甘いマスクにダンディな低音ボイス……。擁護の声が多いのは意外だが、彼らの想いが叶って、川上氏を再びお茶の間で見られることになるのだろうか。

(渋谷三七十)

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抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

高木京介元選手がやらかした野球賭博、ベンチ前での声出し役に金を出していた件などで世間の冷たい目にさらされた読売ジャイアンツ。開幕戦で中継された日本テレビの「巨人―ヤクルト」戦では、「当時の監督であり、責任がもっともあった」としてネットで叩かれている前監督の原辰徳氏が江川卓、松井秀喜と同時に解説を担当したが、日本テレビには「原は解説する前に、野球賭博で世間を騒がせた元巨人の高木京介や笠原将生らの賭博をした責任をとって謝罪すべきだ」「原に解説をやめさせろ」というクレームが殺到したという。

「別に野球の内容とは関係なく『原、ひっこめ』などとテレビの電話回線が鳴りっぱなしになるなど前代未聞ですよ。野球場でも『賭博を謝罪せよ』とヤクルトの応援団から看板が出されましたが、日本テレビのカメラは、けしてそちらの方向にふりませんでしたね」(スポーツ新聞記者)

「20分も電話がつながらないことがありました。確かに、原元監督が解説にふさわしくないという電話は多かったと聞いています」(放送作家)

今回の野球賭博に関する調査について、NPB(日本野球機構)は、笠原や高木を誘った元飲食店経営のB氏の聞き取りがなされていないのにも関わらず「一定のメドがついた」として高木京介元選手を1年間の失格処分とする処分案を発表した。巨人には制裁金500万円。最終的な処分は熊崎勝彦コミッショナーによって判断される。

「これはもう、限りなくグレーな裁定ですよ。一年後、高木が巨人に戻ってすぐにトレードでも出されたら、今度は高木が内情を暴露するかもしれない。いずにしろ、まだ問題が山積みとなっている状態で、開幕に当時の監督責任があった原をもってくるとは日本テレビの危機管理意識がゼロといわれてもしかたがないね」(同)
かますきびしい話が出続けそうな案配だ。

「原元監督が事情を聴取しないNPBの体質にも問題がある。まあ、読売ジャイアンツからの天下り組織とも言われているのがNPBだからな」(読売関係者)
そして、きな臭い情報がある。

「賭博で関連していた暴力団関係者が球場近くに顔を出して、読売ジャイアンツの幹部らの車が入るのを監視していたというのです。この話を伝え聞いた高橋由伸は、いつもとちがう車で球場入りしたほどでした」(同)

開幕戦の救いは、松井秀喜氏が元メジャーリーガーらしく鋭い解説をくりひろげたことくらいだ。

「とくにヤクルトのトリプルスリー男、山田哲人の打席では『つぎのボールには手を出すでしょう』と的確に予測するなど、鋭い解説をして、プロデューサーやディレクターたちをうならせました」(同)

さまざまな問題を抱えつつ、「汚れた盟主」となった読売ジャイアンツは、開幕ロケットスタートをするのだろうか。

日本テレビに「原氏にどれくらいのクレームが来たのでしょうか」と聞くと、「個別の案件についてはお答えしていません」とのこと。中継チームは、今後、原元監督を解説に使うのだろうか。

「まだまだ巨人の黒い話は出ますよ。笠原が抑えているチームメイトの話もありますし」(同)

まだまだ予断を許せない球春だ。

(伊東北斗)

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抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

出張先の東京で年度変わりを迎えた。3月31日は年度最終日で多くの方が激務に追われていたことだろう。

この日をもって「報道ステーション」(テレビ朝日)、「NEWS23」(TBS)、「クローズアップ現代」(NHK)のキャスター(報道者)が同時に交替することが話題になっている。自宅にテレビを持たない生活者は外出先でしかテレビ放送を目にすることがない。稀に鑑賞したい番組がある時は、知人宅へ出かけるという前世紀的生活が身について長い私だが、久しぶりに自分から進んで報道ステーションを観た。

◆「キャスターは孤独です」

古舘伊知郎氏がニュース番組を長く続けることになろうとは、あの「新日本プロレス」中継での猛烈かつ講談にも似た卓越した話芸が印象に残る者としては、甚だ遅すぎる感想ではあるけれども意外であった。そういえば報道ステーションに先立つ「ニュースステーション」に「ピッタシカンカン」でのマシンガントーク、久米宏氏がメインキャスターとして起用された時にも同様の驚きはあった。

ニュースステーションの初回放送と最終回、そして報道ステーションの初回放送と古舘氏降板の最終日を観ていたことに気が付いた。報道への政府から露骨な圧力が顕在化していることは周知の事実だからこの日の番組には相当の注目が集まっていたようで、1日の東京新聞は社会面で古舘氏が番組最後に語ったコメントを掲載している。

報道ステーション、NEWS23、クローズアップ現代という3番組のキャスター(報道者)同時交代事件については多数議論や分析があるだろうから、私ごときが浅い感想を述べることは控える。

古舘氏担当最終日放送の中で、私が最も印象に残ったのは番組最後の古舘氏のコメントではない。古舘氏のコメントは予想していた範囲のもので特に意外性はなかった。観ていて少し驚いたのは、久米宏氏がニュースステーションの最終回で語った内容とかなり重なる内容が多かったことだ。両氏とも「視聴者から賛同、批判様々な声が寄せられ、それによって育てられた、批判者も含めて感謝している」旨の謝辞を語っている。久米宏氏は「小学校の時教師に『長続きしない』性格だといわれたがこれだけ長く続けられた自分を今日だけは褒めたい」と言い、缶ビールを飲んで番組の最後を結んだ。古舘氏は「キャスターは孤独です」と語った。テレビを視聴しない私にも彼らにのしかかる重圧は想像に難くない。

◆凍土壁「セレモニー」の異様な光景

それは横に置く。この日の番組の中で顎が外れそうになるほど呆れたのは番組冒頭に取り上げられた女子中学生誘拐監禁(軟禁?)事件でも、インドでの建設中の高架道路崩落事件でもない。驚愕は福島第一原発で汚染水漏れ対策として凍土壁工事が始まる「セレモニー」の異様な光景だ。技術的に不安視され、規制委員会の田中俊一委員長からすらその効果が疑問視されているこの愚策開始の光景は、あたかもロケット発射慶賀場面のように準備されていた。

ヘルメットを被った東電社員と思しき集団の中心人物が「3,2,1」とのカウントダウンに沿って壁のスイッチを押す。すると周りの人間たちが一斉に拍手を始めたのだ。どうなっているんだ!こいつらの神経は。

建物の竣工式や地鎮祭ではあるまいに、連中の「拍手」は何を目出度がっているのだ。汚染水対策は過酷事故を収束させる直接の対処ではなく、悪影響を抑える目的の副次的作業じゃないのか。人間に例えれば葬式が行われようとして段取りをしている一プロセス、しかも的外れに遺族に迷惑かつ無駄な出費を強いる、無配慮な参列者のはた迷惑などんちゃん騒ぎのようなことじゃないのか。

長く長く続く原発の葬式はまだ始まってはいない。遺体はそこにあるけれども葬式の段取りをどうするかは遺族の思惑が交錯して、どの坊さんに読経してもらうのか、密葬にするのか、社葬にするのか、香典は受け取るのか、お断りするのか、戒名にはいくらかけるのか意見の集約の見込みが立っていない。

亡くなった遺体が関知しないところで諍いは続くが、香典を受け取らないことだけは一応の合意をみた。その時に「拍手」する遺族がいるか。

あの「拍手」は原発の葬式、半永久的に続く拷問にも等しい葬式への参列を強要された人達にさらなる忍従を迫る「暴虐の図」だ。その場面を準備してテレビ画像から流させる東電の底抜けの無神経と犯罪性に顎が外れそうになった。

でも少し不安になる。あの場面テレビ画像を通して目にしていた人で、私と同じように怒り心頭に激怒した方々がどのくらいいるだろうか。テレビを通じた「日常」は私の感性からはるか遠い。だから気の短い私は少しでも不要なストレスから離れるためにテレビから離れた。でもあの「暴虐の図」すらテレビ的にはさしたる例外ではないのではないか。

また当分テレビ画面と向き合うことはない日々に戻る偏屈者の2016年度が始まった。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』!

抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

昨年の秋、長崎の平戸市を巡る旅に出た。
平戸湾は、こじんまりしており、湾を囲む陸地は1日でまわることのできる観光スポットが集中している。具体的には「平戸オランダ商館」(復元されている)や「平戸城」や「松浦史料博物館」や「平戸ザビエル記念協会」などだ。

まちがいなく、平戸はある時期、「FIRAND」と外国人に呼ばれ、日本全体の貿易の中心だった。その端緒は1609年、オランダから船が2隻やってきたことだ。当時の松浦藩主の松浦隆信は歓迎し、幕府にかけあいオランダ人に商館建設の許可を与えた。

1611年にオランダ商館は住まいと倉庫を新築し、1616年には倉庫と防波堤を作り、さらに1618年の大増築で、まるで要塞から敵を守る「ルパン三世カリオストロの城」ばりの塀が築かれた。

今もオランダ堀やオランダ井戸、そして民家とオランダ倉庫の境界線を表す壁やオランダ埠頭らが残っている。

今、復元されているオランダ商館は、倉庫なのだが、これはもともとは1639年にできた巨大な石造りの倉庫であり、日本で初めての洋風建築物だ。ここには、約2万個もの砂岩切石や48センチ角の大きさの柱などが使われて、外観や造りはオランダの建築物に酷似している。

まあ、観光ガイド風に紹介するとこうなるが、今、このあたりでは残念かな、地元の暴走族が激増している。僕が肉眼で見ただけでも、夜深くに爆音でかっとばす暴走族風バイクは、数台も見かけた。地元の飲食店のスタッフは言う。
「夜になると、くしゃみすらも街中で響きそうなほど静かなこの街で爆音が響いていて、眠れない人が急増しているのは残念ですね」


ここらへんの名物は平戸牛、あごだしラーメン、そして魚ならなんでもうまい。よく、長崎の人が「東京の寿司屋には行かない」と言っていたが、納得できる。


さて、僕自身は、この平戸にやってきた目的は、ここの平戸に「江戸時代、日本で初めての天気予報をしていた山崎氏がいた」ということだ。この平戸にある遠見公園という場所で、江戸時代に、「天気見」、つまり山のてっぺんから雲を見て天気予測をしていたという記録が残っているという。

特別に気象機器がない文政二年(1819)、大船頭だった山崎家では、約200年にわたる間、孫三代にわたって「天気記録」が残された。その記録とは「日の出るとき、赤きは風、黒きは雨、青白きは風雨としるべき」という具合に、今の天気予報の先駆けともいえるものだ。

この「天気見の男」の記録について、僕はいつか小説に書き記そうと思う。いつか、どこかでこの男の記録に諸兄たちはお目にかかるであろう。

ゴールデンウィークに行く場所がない諸兄はぶらりと出かけてみてはいかがだろうか。歴史上では重要ながら、忘れられた「時代の顔」がそこにある。

(小林俊之)

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抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

「おや、これはムエタイだ」──。会場のディファ有明が見えてくると、外に大きな興行看板とスポンサー名の横断幕、国旗などがたくさん靡いていて、いつものキックボクシングとは違った趣に、本場のムエタイスタジアムを疑似体験する幻想を感じました。

M-ONE会場前の興行看板。タイでもビッグマッチでは選手を模った大きな看板が掲げられます

会場ロビーではムエタイグッズが売られている

会場ロビーにもムエタイグッズの数々の品が鮮やかに置かれた売店が広めに営業。開場時間になると入場客でいっぱい。こんな光景は珍しいことではないですが、ディファ有明はロビーが手頃な広さで、試合以外のパフォーマンスも可能で、使い勝手がいい会場であります。広すぎるとかえってお客様との心理的距離が遠のくので限度がありますが。

◆これまで以上に「ムエタイ」を強調するM-ONE

日本においての興行は主に、キックボクシング戦歴として記録が残り、ムエタイ戦歴という枠に振り分ける必要がないほど一体化して、ひとつの競技化となっています。にもかかわらず、過去にあった興行や試合のように選手が、あるいは主催者が「これはムエタイです」と言っても、どこの認定も受けておらず“ムエタイルールのキックボクシング試合”であって“自称ムエタイ”でしかない場合が多くありました。

この日はカード的に、また試合内容も他のキックボクシングと変わらない展開はあるものの、下地となる興行の構えが備わっており、試合でもこの日のレフェリー陣は5人体制で、内4人がタイ人の元選手たち。ムエタイを熟知したレフェリーが裁くレフェリングはさすがに威圧感と貫禄があり、ここが“ムエタイ”を重視した象徴でしょう。久々にウィラサクレック興行を訪れ、元々、ムエタイを掲げる興行ではありましたが、この日はそれがより強調されている印象を受けました。WPMF傘下であることも後押しされています。

SUK WEERASAKRECK XII(この日よりM-ONEに改名)
3月21日(月)ディファ有明16:00~
主催:ウィラサクレック・フェアテックス / 認定:WPMF本部、WPMF日本支局

◆60.32kg(133LBS)契約 5回戦

タイ国ラジャダムナン系ライト級チャンピオン.ヨードレックペット・ソー・ピティサック(タイ/59.8kg)
      VS
国内レベルスムエタイ・スーパーフェザー級チャンピオン.ヤスユキ(=山本恭之/Dropout/60.32kg)

勝者:ヨードレックペット / 2-0
(主審 チャンデー・ソー・パランタレー(ネー)/ アラビアン 49-48. ウィティラム(マット) 49-48. 北尻 49-49)

昨年12月に梅野源治をヒジで破っているヨードレックペットと、いずれ梅野と対戦が予定されているヤスユキとの対戦は、僅差でヨドレックペットの勝利。ヤスユキの長い手足で蹴りは劣らず攻めるも、ミドルキックの蹴り合いは体幹もぶれないヨードレックペットが試合運びの上手さで勝利を導いた様子。

ヨードレックペットvsヤスユキ。バランス良いヨードレックペットのミドルキック

◆66.0kg契約 5回戦

WPMF世界スーパーライト級チャンピオン.ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/66.0kg) VS 健太(ESG/66.0kg)

勝者:健太 / 0-2 (主審 ナルンチョン・ギャットニワット / アラビアン 47-48. ウィティラム 48-48. 北尻 47-48)

日本人対戦10戦10勝(6KO)のゴンナパーが第1ラウンドから健太の右ハイキックに崩れ、ダメージを引きずったか、威力ある蹴りで追い上げるも完全な巻き返しに至らず。健太は自分の距離を見極めるとパンチでラッシュしたりヒザ蹴りを入れたり、主導権を譲らず。1ヶ月ペースで試合を続ける中での勢い付く勝利。

ゴンナパーvs健太。日本人として初めてゴンナパーを下した健太

◆58.0kg契約 5回戦

WPMF世界フェザー級チャンピオン.一戸総太(WSR・F三ノ輪/58.0kg) VS TAaaaCHAN(PCK連闘会/58.0kg)
勝者:一戸総太 / 3-0 (主審 アラビアン長谷川 / チャンデー 49-48. ウィティラム 49-48. ナルンチョン 50-48)

ターチャンの派手な後ろ蹴りや飛び技をかわし、WPMF世界の2階級を制した一戸総太が重いパンチと蹴りの的確差で、国内JKIフェザー級チャンピオンのターチャンに、やや押され気味な場面もありつつ勝利を掴みました。

一戸総太vsターチャン。経験豊富な一戸総太に挑むターチャンだが、一歩及ばず

◆WPMF女子世界ピン級タイトルマッチ(100LBS)5回戦(2分制)

チャンピオン.伊藤紗弥(尚武会/45.0kg) VS Little Tiger(前C/WSR・F三ノ輪/45.0kg)
勝者:伊藤紗弥 / 2-0 (主審 北尻俊介 / チャンデー 49-49. ウィティラム 49-48. ナルンチョン 49-48)

昨年9月に16歳の伊藤紗弥が32歳のリトルタイガーから判定で王座奪取。その初防衛戦となった相手は再戦となるリトルタイガーに技のコンビネーションと素早さで優り、再び判定勝利で初防衛。リトルタイガーもWPMFとWMCで世界王座2階級制覇し、数々の王座奪取している名チャンピオン。しかし現17歳の伊藤紗弥がなぜ強いのかは幼少期から始めたムエタイが大きな要因でしょう。ここにもジュニアキック経験者の成長ぶりが伺えます。

リトル・タイガーvs伊藤紗弥。若い伊藤に押されリトルタイガー奪回成らず

◆WPMF日本フライ級王座決定戦(112LBS)5回戦

第5代WPMF日本フライ級チャンピオン.矢島直弥(はまっこムエタイ)

1位.隼也ウィラサクレック(WSR・F三ノ輪/50.8kg) VS 2位.矢島直弥(はまっこムエタイ)
勝者:矢島直弥 / 0-2 (主審 ウィティラム・サマート / チャンデー 48-49. アラビアン 49-49. 北尻 48-49)

矢島直弥が第5代WPMF日本フライ級チャンピオン。昨年9月同カードで王座決定戦が行われ、引分けにより王座は日本支局預かり、本日の再戦となりました。延長は行わない、これはプロボクシングでは規定のラウンドを超える延長は行わないルールであり、ムエタイでも同様のルール。キックでも本来あるべき在り方でしょう。第3代チャンピオンだった隼也は積極的に攻め、矢島も応戦。ほぼ互角ながら、後半矢島が追い上げた感がありました。

◆54.0kg契約 5回戦

WPMF日本スーパーバンタム級チャンピオン.KOUMA(WSR・F荒川/53.5kg) VS 知花デビッド(ワイルドシーサー群馬/54.0kg)
勝者:KOUMA / TKO 3R 1:16
ヒジによるカットでドクターの勧告を受入れレフェリーストップ / 主審 チャンデー・ソー・パランタレー

◆ウェルター級3回戦

梅野源治とヨードレックペット。過去に対戦し敗れた梅野源治がセコンドに着く。近い将来、再戦もある仲

WPMF日本ウェルター級チャンピオン.引藤伸哉(ONE’GOAL/66.5kg) VS ポームロップ・サコンシン(タイ/66.6kg)
負傷判定引分け / 0-0 / テクニカルデジション3R 2:00
(主審 ナルンチョン・ギャットニワット / 北尻 29-29. アラビアン 30-30. チャンデー 29-29)=場内アナウンスによる発表
両者ともに偶然のバッティングによる負傷があった模様。

◆他、5試合

WPMF女子世界フライ級チャンピオン.いつか選手の引退エキシビジョンマッチと引退式も行われました。ファンに感動与える涙の引退式でした。幾つかの団体やフリーのプロモーション興行に出場する梅野源治をはじめ、ヤスユキや健太も、またその他の出場選手も、タイ国トップクラスや日本のトップクラスとも実力が図れる戦いを続けることに、ファンの支持を集めている感があります。敗れてもまた声援が飛び評価は落ちず、ファンは「誰とどのように戦ったか」を重要視していることでしょう。

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない。」

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抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕された元プロ野球選手の清原和博には、アントニオ猪木が格闘技での復帰プランを練ったというウワサだが、ほかにも保釈された清原容疑者にはリング出場を目論んで擦り寄る面々がいるという話だ。

週刊誌記者によると「過去に世間にスポイルされた裏社会の色濃い格闘技プランナーや、週刊ゴングで知られる日本スポーツ出版社(破産)の残党など、うさんくさい連中が清原のいる千葉県内の病院を訪れて追い返された」という。

「ほかにも、あるアパレルメーカーの社長は公判も始まっていないのに『俺なら清原をリングに立たせられる』などと言ってスポンサー集めをしてますし、かつて清原をパチンコ店の営業に連れ回した暴力団関係者も触手を伸ばしているという話」
実際、3月17日の保釈時、報道陣が追っかけた中に、その暴力団関係者の雇った車もあったという。
「なぜか報道陣を追い払うような動きをしたので、TBSなどは一度、清原の車を見失ったほどなんですよ」と記者。

わざわざ暴力団関係者がマスコミからのガードを買って出たのは、いまだ清原に利用価値があって、貸しを作るためだと見られる。
「清原が格闘技でも何でも仕事復帰するときに1枚、噛みたいのかもしれないですが、それにしても保釈後の護衛なんてのは昔の暴力団だったらまずやらない危ない手段。その程度の人間が周囲にいるようじゃ社会復帰はむしろ大変そうだと思いましたよ」

歌でも歌えれば酒井法子や清水健太郎のようにディナーショーで生きていくことも可能だが、清原容疑者にそんな芸当はない。そこで持ち上がった格闘技戦プランには、ヌード写真集で知られる出版コーディネーターが、昨年発足したイベント「RIZIN」への出場を持ちかけているという。

このコーディネーターこそ実はその清原をガードした暴力団と近い人物でもある。「もしも格闘技のイベントに黒い紳士が絡んでいるとしたら、日本スポーツ出版社(破産)のゴング編集部残党と近いヤクザだろうな。まあ最近はイースト・プレスの『GONKAKU』のライターにやたら接近してビジネスの話をしているようだがな」(キックボクシングライター)

ただ、元格闘家のジャーナリスト、片岡亮氏に言わせれば、「清原容疑者は近年、ブヨブヨのカラダでヒザも悪い。さらに薬物中毒者とくれば格闘技の試合どころではない」という。これは薬物治療の専門家も「どんなにもクスリを抜いたとしても、常習的に覚せい剤を打っていたとしたら、過度な運動は心臓がもたなくなってしまうので格闘技どころじゃない。集中治療で3年ぐらいリハビリが必要」と言っている。

現状、清原容疑者のリング登場は下心だらけの連中が本人そっちのけで描いたキャンバス上の餅でしかないようだ。

(伊東北斗)

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