熊本大震災への支援を呼びかけ、自ら行動する熊本出身の芸能人が続々現れている中で、その対応の実態をめぐってタレントへの評判の明暗が分かれてきた。
まずは「暗」から紹介しよう。さっそく震災直後に、テント暮らしを始めざるを得なかった井上晴美に対して「井上晴美に露天生活を書かせたい」と「週刊ポスト」の編集者が企画を上にあげたようだ。だが「今さら井上晴美?」と企画は通らず、残念至極。
同じくご当地のヒロシは、駆けつけようとしたが、自らが経営するカラオケバーの売り上げが足りずに「出張版ヒロシバー」を企画したが、スタッフに「顰蹙を買うだけ」と却下されている。しかし自分の車で支援に向かったというから「故郷への愛」が勝ったか。
レイザーラモンRG(レイザーラモン)は相棒に「すぐに熊本へ行ったほうがいい」と言われるも「なにか番組がくっついてないと金がもったいない」というやりとりをして、これが地元のファンに伝わり、好感度を下げたようだ。「いますぐに駆けつけたいが無力で」と報道陣の前では涙して見せたが、実際には仕事スケジュールを優先したものだから誤解しないように。
◆感謝の声が絶えない上田晋也、井手らっきょ、コロッケ
他方、お株をあげたご当地タレントは、お笑いのコンビ『くりぃむしちゅー』の上田晋也。サンドイッチマンの伊達みきおに必要な物質についてメールするとこれが拡散され、水やインスタントラーメンなど生活必需品が殺到。「おかげで助かりました」と現地の被災者から感謝のメールが殺到した。
同じく井手らっきょは『とにかく命だけは守って下さい。余震にもくれぐれも気を付けて下さい。今は無事を祈る事しかできませんが、頑張ってください』とブログで書いていたが、「熊本出身の野球チームを」でバラエティ番組のオファーがあり、景気がよくなりそうだ。
コロッケもご当地タレントだ。益城町の避難所を訪れ、被災者にのり巻き約千個とパン約1500個を贈るなどして感謝と喝采を浴びた。 熊本の市役所関連から「ぜひコンサート」をというオファーがあったとか。
かくも明暗が分かれたご当地タレントだが、窮地にはタレント性というより「人間性」でいざというときの対応力が問われるのかもしれない。
(伊東北斗)