もはや世紀の誤報か、もしくは事務所に恩義を売る〝確信犯〟的な暴挙だろうか。『週刊女性』の6月7日号には「じぇじぇじぇ 激震スクープ 〝洗脳・独立騒動〟から1年、6月契約満了も更新なし! 能年玲奈 引退へ」の記事は、テレビ局も追従して報道したが、これこそ「世紀の誤報」だ。
「能年が引退するつもりがないのは、業界の常識だ。大手事務所の意向ばかり気にしているとこのような誤報記事になるというお手本ですよ」(週刊誌デスク)
『週刊女性』の記事は、芸能界引退危機が能年に迫っているという切迫したトーンでこう伝える。それは、能年が一緒に暮らしている「女性演出家」の〝T〟に洗脳されているとあおりつつも「不平や不満を目に見えて口に出すようになり、現場にマネージャーに罵声を浴びせることも」あったと伝える。
『時を追うごとに、能年の暴走はますます激しくなっていったという。「新しい仕事の話をしても、あれやこれや理由をつけて仕事まで拒否するようになったそうです」(前出・ワイドショースタッフ)
そんな状態が続く中で、2014年6月、所属事務所との契約更新時期となる。「突如として、事務所を辞めたいと一方的に言い出したため、事務所としても話し合いを持とうとしましたが、その前に彼女が代理店を立ててしまい直接話ができない状態になってしまったんです」(ワイドショースタッフ)
同時期に能年は、事務所が借りたマンションを飛び出してしまった。』
と書かれているが、これを『週刊文春』6月9日号では、能年の母親にインタビューしつつ全面否定している。そのタイトルは「能年玲奈母が独占告白 引退も洗脳もウソ 〝報道リンチ〟酷すぎます」とタイトルがつけられている。
※文芸春秋WEB=http://shukan.bunshun.jp/articles/-/6207
おもに母親は、『週刊女性』を追従したテレビの情報番組「直撃情報LIVEグッディ!」に対しても怒りが向けられている。
ここでは、『週刊女性』のA記者が登場してこう話す。
『演出家の女性といま一緒に暮らしていまして、生活も、本当に仕事をこういう風に受ける受けないみたいなのも、どうも演出家の女性の言うことを聞いていると。我々の取材によると、能年さんの親も娘さんのことを心配して、「大丈夫なのか」と。「本当に一緒にいていいのか」みたいなことを説得したようなんですけども、彼女としては親の言うことも聞かないというか、そういうことにも耳を貸さず、現在も一緒に演出家の女性と一緒に生活しているって感じですね』
これに対して、能年玲奈の母親は『週刊文春』の記事で語る。
──能年さんはご両親の言うことを聞かない状態なんですか?
「まったく違います。テレビで変だと思ったのは、玲奈が親の反対にも耳を傾けないで女性演出家と一緒にいるとか言う話。反対どころか『全然。大賛成やけど』って思いながら見ていました」
──何が事実と異なりますか?
「そもそも『週刊女性』の人から今回取材は受けていないですし、どうしてこんなことを言われるのか、分からないですね。まず私は、玲奈が事務所を離れたいと思うならその気持ちを尊重したい。現に玲奈とはちゃんと連絡がとれています」
(中略)
──洗脳については?
「はっきりウソです。高校生の頃から演技指導をしてもらっていた滝沢さん(編集部注・週刊女性では演出家T)には東京で本当にお世話になっているんです。感謝してもしきれません。これは以前に、文春さんに申し上げたとおりです」
能年が「芸能界のルールにそむいた」とされる、事務所に対して無断で会社「三毛andカリントウ」を設立したとされる点だ。
週刊文春の問いには
──『三毛andカリントウ』を個人事務所にして、玲奈さんは芸能活動を考えている?
「あれは玲奈が描いた絵やグッズを販売する会社です。レプロ(編集部注:能年が所属する会社)との契約に差し障ることはないと聞いています。独立のための会社ではありません」
──『三毛andカリントウ』とは別の会社を作るということですか?
「そうです。あれは玲奈の名前は使わずに、絵などを売る会社ですから」
ということで、『週刊女性』の記事を全面否定している。
「一方的に事務所の言い分を聞くと『週刊女性』のような記事になる。まあ絵に描いた誤報でしょう。ここの記者はニコニコ動画の芸能番組に出たり、スポーツ新聞に情報を提供したりしてアルバイトに忙しいから、こんな乱雑な記事となるのでしょうね」(ベテランの芸能記者)
能年の母は、『週刊女性』に抗議文を送り、追従した情報番組についてはBPOに抗議文を出している。この「誤報」の行方はどこになるのか。
「まあ誤報だろうが正しい情報だろうが、『週刊女性』はもうすぐ休刊する情報が入っているから、これこそが第三者も認める『精査された情報』だろう(笑)」(同)
さて、能年の母親に「暴露本」のオファーの手紙でも出してみるか。『週刊女性』が誤報のたまり場と堕してしまった理由は知らないが、やってみる価値はありそうだ。
(伊東北斗)