5月5日、池袋のサンシャイン噴水広場にて、早見優と松本伊代のユニット「キューティー★マミー」のライブを見た。もちろん80年代を象徴する二人なのだが、このユニットには、本来、堀ちえみが参加していた。
早見と松本のふたりはディズニー公認アイドルだ。踊りながら「ミッキーマウス・マーチ」を披露。早見優がヒット曲「夏色のナンシー」を歌い、松本伊代がデビュー曲「センチメンタル・ジャーニー」を披露した。
僕自身は、まだ「追っかけ」が存在しており「優ちゃーーん!」「GO GO 伊代ちゃん!」などと声をかけている光景をまのあたりにして驚いた。松本が81年デビュー、早見は80年にデビューしている。確かこの世代は、バブルまっさかりのときにやってきて、後に「アイドル冬の時代」を90年代に迎えて一気に消えていった。
「ピンでも売れるアイドル」として最後のアイドルは、個人的には松浦亜弥だと思うが、それとて例の物まねをするタレントたちに盛り上げてもらってようやく人気をつなぎとめるという有様だ。橋本環奈がいるという指摘もあるが、彼女は『Rev. from DVL』の一メンバーにすぎない。つまり、早見や松本はもはや「レガシー」となった歌い手たちだ。
「50歳近くでこんなに顔が小さくて細い。うらやましいです」と女子高校生たちは言う。
それにつけても、このユニットに堀ちえみが欠けたのは悲しい。「関西が拠点活動の地だから参加は難しい」とのことだが、それ以外にも理由はありそうだ。
さんざんぱら「仲が悪い」と報道された早見や松本や堀は、実は私生活では昔から仲がよかったのだ。今、たまに昔の実話雑誌をめくってみると「早見優が収録で西川のりおにマジ切れされて楽屋に引きこもる」とか「松本伊代が嬢王さま発言」などとぶったたき記事がわんさかと出てくる。だがこうしたブッ叩き記事さえも乗り越えて、彼女たち「80年代アイドル」たちは艱難辛苦を乗り越えて今もなお歌っている。
「それにしても、堀はいつ、このユニットに戻ってくるのだろう」とあるファンがつぶやいた。
そう、もしかわりにこの二人に入っても違和感がないのはかろうじて柏原芳恵や河合奈保子がピックアップされるが、柏原は少なくとも芸能界では動きがない。河合はオーストラリアにいるようだが、芸能活動をしているかどうか不明。娘のkahoは、2013年に歌手デビューしたが。いつかまた、元気に歌う彼女たちを見たいものだ。バブルを通りぬけた同じ世代の疾走者として。
(伊東北斗)