6月5日、デーゲームのプロ野球、巨人VS日本ハムを見た。はっきりいって目的は大谷翔平(日本ハム)の剛速球が見たいのと、14試合連続安打をマークしているその打撃だ。
1000円の立ち見席は、午後2時開始というのに、12時30分にはもうスペースが埋まっており、「モンスター・大谷」を見たさに多くの人がひしめいて、もはや芋あらい状態だ。立ち見には7列にできていては、野球なんか見れるわけない。
それでも、人と人の間から見る大谷が投げるボールは、あたかも重力に逆らっているようだ。ストレートはまるで地面に落ちる気配がなくビーンと延びていく。この日、4回1死満塁でクルーズを迎えたピンチでは、なんと163キロの急速をマークし、自己最高記録を更新した。
「それでも、大谷は急速に10キロほど体重を増やして、その体躯を使い切っていないように見えます。上から手投げだし、変化球でなんとかかわした印象です」(スポーツライター)
そうすると、5番に阿部慎之助帰ってきて交流戦負けなしだった巨人が2点しかとれない巨人の打線とはなんなのだろう.未完成の二刀流の大谷に手も足も出ない。
大谷は、スイングスピードもすさまじく、肉眼でその軌道を捉えるのは難しい。なにしろメジャーのスカウトたちも注目を始めており、「二刀流なら、打者が打席に立つナショナルリーグで」という声も上がりはじめた。
というわけで、初夏に最高のゲームを見た。
もちろん4万6239人と「立ち見を詰め込みすぎ」という運営はちょういとまずいと思うのだが、あいかわらず「12球団一、美人を集めている」といわれる東京ドームのビール売り子ガールに免じて許すとしよう。
▼小林俊之(こばやし・としゆき)
裏社会、事件、政治に精通。大本営発表のマスコミに背を向けて生きる。自称「ペンのテロリストの末席」にして自称「松岡イズム最後の後継者」。師匠は「自分以外すべて」で座右の銘は「肉を斬らせて骨を断つ」。