7月からスタートする新ドラマ『時をかける少女』(日本テレビ/土曜21時)の主演に抜擢された黒島結菜とSexy Zoneの菊池風磨が『新鮮な配役』として話題だが「キャスティングに至る裏事情はまったく新鮮じゃない」と囁かれている。
「原田知世、南野陽子、安倍なつみ、細田アニメ、仲里依紗などが演じてきたのが『時をかける─』の主役。ラベンダーの香りをかぎ、そこから「時を自由に超える能力」を身につけてしまう女子高生・芳山未羽(よしやま・みはね)は、ロリータファンなら涎ぜんのキュートさが求められる。そうそうたるメンバーで「スターへの架け橋」とも言われるのが作品『時をかける─』だ。筒井康隆原作でSFファンのみならず、幅広い層に愛される同作品でヒロインを演じるのは一見して「出世街道」に見える。
◎1983年 『時をかける少女』(旧角川春樹事務所)主演=原田知世、監督=大林宣彦
「この作品は何回もドラマやアニメ化されすぎていて、当初オファーがあった有村架純や、大友花恋は「かつて主演した女優たちと比較されたくない」とパス、そして仮キャットで「Kis-My-Ft2」の玉森 裕太がブッキングされていたが、「Kis-My-Ft2」は1月の『SMAP解散騒動』を引き起こした元マネージャー、飯島三智の支配下だった。現状では、つぎつぎと飯島がブッキングした「Kis-My-Ft2」の仕事は現在、ほぼ全権を握るメリー喜多川副社長により引きはがされている。そうした中、『メリーの鶴のひと言』で『菊池にやらせてあげなさい』と発表寸前に差し替えられました」(スポーツ紙記者)
◎2006年 『時をかける少女』(アニメ映画)監督=細田守
ただ、このキャスティングは、ドラマ「ごめんね青春!」(TBS)や映画「ストレイヤーズ・クロニクル」や去年の「花燃ゆ」(NHK)で実績があるものの、端役しかこなしていなく、いまひとつ知名度的に集客に結びつかないことを心配しての「保険」として相手役にジャニーズの人気者をあてておきたい局側の意図が透けてみえる。
「それにしてもすでに手垢のついたコンテンツ『時をかける─』がまた製作されるという局サイドの思考停止ぶりが心配です。キャスティングも事務所が推薦してくるがままになっていますし、もはやドラマは『タレントや俳優のプロモーション』の場でしかないとすら感じます」(放送作家)
日本テレビに「どんなプロセスで黒島と菊池に主役が決まったのですか」と聞くと「個々のキャスティングについて返答できかねます」という丁寧な答えが返ってきた。
◎2010年 『時をかける少女』 主演=仲里依紗、監督=谷口正晃
果たして、『時をかける─』への出演は、貧乏くじなのだろうか。
「そんなことはありません。作品じたいのファンが多いですし、いわゆる『ロリータ好き』な視聴者が観るはずです。そのくらいはマーケティングして結果を弾けますよ」(同)
しかし83年に映画『時をかける─』で主演した原田知世はスターダムにのしあがったが2010年、仲里依紗が主演した映画『時をかける─』は大コケしてオファーを減らしている。果たして、「安全策」として『時をかける─』の制作にのっかる主役ふたりの未来はいかに?
(伊東北斗)