NHKの籾井勝人会長が定例会見(10月8日)で今年の大晦日に放送される『紅白歌合戦』について触れ、籾井会長自らSMAP出演に関し「当然、出てもらいたい」と熱烈ラブコールを送った案件にNHK職員ならずともジャニーズ事務所や関連している業界人たちが「いったいどうすればいいのか」振り回されている。

 

中居正広 MERAMERA★メラメラ★PRINCE(ジャニーズ研究会)

「水面下では、ジャニーズ事務所とNHK側の交渉が始まりましたが、ジャニーズ側が『向こう5年間、紅白の司会はジャニーズのタレントで』という条件を出した、もしくは『BSも含み、ジャニーズの冠番組を2つ作ってほしいとジャニーズ側が要望した』などとも伝えられ、いかにも『それは無理』とNHKが音をあげそうな条件が提示され、『不可能』という結果にジャニーズ事務所が誘導しているふしがある。だがここに来て、大物ミュージシャンが『共演してもいい』と名乗りを上げて潮目が代わってきている」(芸能ジャーナリスト)

名乗りをあげた「大物ミュージシャン」とは「世界に一つだけの花」を作った槇原敬之だ。今年の8月に複数のアーティストが集まるライブでKANが「SMAPが解散しちゃったら、この歌を受け継いでいくのは僕らしかいないよね」と持ちかけると槇原は「そうなんですよね。僕らしかいないんですよ」と笑顔で答えていた。

「槇原は人一倍の気遣いが評判。本当は、『SMAP×SMAP』(フジテレビ)のゲストとしてオファーが来ていたが、日程が合わず、『なにか僕で役にたてることがあれば』とスタッフを通じてジャニーズ側に伝えてあったそうです。そこでもし『槇原さんが共演してくれるなら』という条件でジャニーズ側がNHKを抱き込んで交渉を始めた。本当はかわいがっている犬と年越ししたい槇原ですが『僕をメジャーに押し上げたのは、SMAPさんだから』と共演を臭わせたのです」(同)

 

[増補新版]ジャニーズ50年史(ジャニーズ研究会)

槇原が作った『世界に一つだけの花』はSMAPデビュー25周年の9月9日に300万枚を突破した「お化け曲」で、槇原のコンサートでも一番盛り上がる曲の一つ。

もしも槇原が今年の紅白歌合戦にSMAPと共演すれば、91年に『どんなときも。』で、07年に「GREEN DAYS」で出演したのに続いて3度目の出演になる。好感度もあが るし、CDもまた売れるはずで、メリットは大きい。

「しかしどうだろう。『SMAP×SMAP』では、10月31日に放映された大物の松任谷由実との共演でさえ、香取慎吾が『木村君とは歌いたくない』とスタッフに主張、説得に5時間以上かかったとも伝えられる。槇原が乗り出しても、5人が同じステージに立つかどうか」(同)

「SMAPと共演するという話がありますが、今年のNHK「紅白歌合戦」へのオファーは来ましたでしょうか」と槇原の事務所にメールで聞いたが、期限までに返事は来なかった。

槇原とSMAP共演が紅白の「サプライズ」となるか。それとも紅白のSMAP出演は単なる「NHK籾井会長のたわごと」となるか。

(伊東北斗)

酒を酌み交わす仲、そこはかつて殴る蹴るの試合で戦った者の集まり。

キックボクシング創設50周年、シュートボクシング創設30周年、これらの競技がここまで永く発展、継続され、名選手が生まれてきた歴史に学ぶことは、今後も完全には廃れることなく、また隆盛も迎えつつ次の世代へ繋がっていくのだろうと考えられます。

◆キックボクシング取材の先駆者、舟木昭太郎さん主催の貴重なトークショー

舟木昭太郎氏(左)、バズーカ岸浪氏(中央)、増沢潔氏(右)。岸浪氏が増沢氏から全日本ウェルター級王座を奪ったのが1972年(昭和47年)1月でした

継続されてきたのは名選手だけではない、興行団体や裏方のスタッフやマスコミの存在もありました。現在は現場に足を運ばれることは少なくなっても、キックボクシングの創生期から隆盛期、低迷期、また復興期からシュートボクシングの創設と発展までしっかり現場を見て来られたのがキックボクシング取材の先駆者、舟木昭太郎さんでした。

舟木さんは「プロレス ボクシング キック」と銘打たれた月刊ゴング誌の編集長を永く務められた、多種プロ格闘技に渡り取材経験豊富な方で、沢村忠も藤原敏男も具志堅用高も前田明にも、その時代のカリスマ的存在に、同時期の第一線級記者として取材した、まだ月刊雑誌が待ち遠しいほど貴重だった時代に取材し、全国のファンに情報を伝えていたというだけでも、我若輩者は圧倒される想いがあります。
こういう人だからこそ参加者が大勢いて出来た、舟木昭太郎さん主催のトークショーが今年10月までに2回開催されています。

左から増沢潔氏、藤原敏男氏、竹下氏、バズーカ岸浪氏、佐藤正信氏

足を骨折していても、この前日もムエタイ観戦していた元気な藤原敏男氏。乾杯の音頭を取るものこの人ならでは

若き頃のやんちゃな話題を語る仙台青葉ジム、瀬戸幸一会長

◆戦った者同士が酒を酌み交わす親交空間

7月30日には「黄金時代を熱く語るキックボクシングデー!」と銘打ったテーマで渋谷区富ヶ谷の台湾料理「麗郷富ヶ谷店」で行われ、10月22日には同所で「シュートボクシング30周年を共に語ろう!」というテーマで行なわれました。

いずれも集まるメンバーに、懐かしい顔が見られ、黄金時代を熱く語るキックボクシングデーでは藤原敏男さん、竹山晴友さんをはじめとするお酒好きの名選手、名チャンピオンが来場されていました。

皆、年輪を重ねた顔を見せつつ、大きい声は出すは、笑い声が元気な元チャンピオン・ランカー達の、かつて戦った者同士が酒を酌み交わしながらの会話は、見ていて羨ましいほどの親交深まる空間がありました。

◆歴代チャンピオンたちの存在感

その中でも藤原敏男さんの存在感はやっぱり偉大で、外国人(日本人)初のラジャダムナンスタジアム認定チャンピオンの英雄と一緒に写真に収まろうとする人々の光景は子供のようでもありました。

仙台青葉ジム会長の瀬戸幸一氏も83歳となられても益々元気に、「空手がいちばん強いと思っていた時代に仙台からわざわざキックの目黒ジムに殴り込みをかけた」と語る血気盛んな裏話や、元・全日本ウェルター級チャンピオンの増沢潔さんが披露してくれたのはNETテレビ(現テレビ朝日)が放映していた昭和45年当時のチャンピオンベルト(全日本キック王座が出来る前)。

わずか1年未満の活動でしたが、振り返れば創生期のキックブームの裏にいろいろなことがあったんだなと再認識させられる話題も多だあり、かつてのキックボクサーが互いに当時の想いを語り合うこの集いに存在意義があるのでした。

シュートボクシング創始者シーザー武志氏、その経緯を語る

元・極真からキック転向し、話題を振り撒いた竹山晴友氏、話題では藤原氏に次ぐ存在

◆「シュートボクシング30周年を共に語ろう!」の主役シーザー武志さん

10月22日の「シュートボクシング30周年を共に語ろう!」ではシーザー武志(本名=村田友文)さんが主役。45年になるお付き合いから「こんな会を開きたいと申し出たら快く受けて頂きました」と語った舟木氏でした。そんな紹介の中、蹴る殴るの格闘技をやるとは思えぬSB女子世界フライ級チャンピオンのRENAさんの存在が光っていましたが、そんな時代の流れを感じる世代を越えた顔ぶれもありました。

シーザー武志氏がキックボクサーとしてデビューした1972年(昭和47年)頃は、「舟木さんのゴング誌に書いて貰うのが夢でした」という素朴な夢や、デビューから3連敗しても負けた悔しさをバネにして4戦目で3戦3勝の相手に勝ったことや、「キック団体がついたり離れたりして纏まらず、選手がかわいそうだった。それだったらキック団体でなく、ひとつの競技を作り上げてしまおう」という発想から、シュートボクシングを創設するに至る経緯を振り返り、UWFを立ち上げた佐山聡氏と知人を通じて知り合い、前田明や高田信彦、山崎一夫といった選手に蹴りを教える縁に繋がり、その後、佐山聡氏がシューティング(現在の修斗)を創設したことから真似て、“シューティングボクシング”を立ち上げようとしましたが、佐山氏に「“ING”が二つ付いたら駄目ですよ」と助言を受け「“シュートボクシング”に定着しました」という設立の裏話もされていました。

NETテレビ時代の貴重なチャンピオンベルトを持つ増沢潔氏

右側が比較的最近の選手といっても8年前まで現役のSB日本スーパーウェルター級チャンピオンの緒方健一氏。かなりふっくらしました

◆RENAさんが切り開いたMIO選手たちの強くて可愛い連鎖の時代

試合用スパッツに関しては、今までに無いものを作り出したい想いと、知人から指摘された“脚の筋肉のラインをキラッと見せる華やかな発想”から作り出した経緯のようでしたが、腹に脂肪があっては逆効果もあり、身体の身だしなみも強制的に躾けられるスパッツであるようです。

昭和のキックボクシングがテレビによって隆盛期を迎え、その後テレビが離れると、定期興行が打てない閑散とした低迷期に突入し、何とか各所で支援者に恵まれたキック業界は復興に至りました。隆盛期から復興期まで時代を跨って活躍した中にはシーザー武志氏もいた訳です。団体を作るより、競技を創設する苦労は、このシュートボクシングを世界に支部を作り定着させなければならない活動が続きました。現在は女子選手が実力を付け、RENA選手がメインイベントを務める時代とまでになりました。強く可愛い連鎖で後輩のMIO選手も力を付けています。

オークションでサイン色紙をゲットしたセントポールズサロン銀座(次回開催地)の森和夫社長がシーザー武志氏とRENAさんに囲まれる

◆11月26日開催のPART3は「藤原敏男の炎のキックボクシング講座」

現役を引退した選手らは、この業界にはわずかしか残れない中でも、赤字を覚悟したジム運営や興行に汗を流す日々となり、そんな業界であっても、かつて戦った者同士の、あの時代を語る集いは、年取った者が懐かしむだけかもしれませんが、今現役の選手も、この時代を取り巻くファンもやがて同じ集いを行ない、現在、喧々囂々やりあっている現役選手も30年もすればこんなテーブルに付くのだろうと想像してしまいます。

以上はパーティーで印象に残った話をマニアックに簡潔に拾ったものを披露したものですが、今の若い記者個人では出来難い、舟木氏のベテラン記者としての人脈がありました。キックボクシングの取材現場には一部を除き、長く務める顔ぶれは少ないものですが、マスコミとしても培っていかねばならない継続力を学ばせて頂いたパーティーでした。

11月26日(土)には中央区銀座の「セントポールズサロン銀座」に於いて13時より舟木昭太郎氏主催のトークショーPART.3として「藤原敏男の炎のキックボクシング講座」が開かれ、藤原氏をメインに現役時代のラジャダムナン戦などの映像を観ながらのトークのようです。現在に繋がる基盤を作り上げた諸先輩方の集いは今後も続いていくことでしょう。

※イベント詳細は舟木昭太郎さんのブログ「日々つれづれ」をご参照ください。

今、最も旬な二人、RENA選手、MIO選手

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾12月号増刊。11月17日発売。定価950円)

タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』!

 

商業出版の限界を超えた問題作! 全マスコミ黙殺にもかかわらず版を重ねた禁断のベストセラーが大幅増補新版となって発売開始!

NHKの紅白歌合戦にこだわり定例記者会見で「当然SMAPに出てもらいたい。直接交渉してもいい」と籾井勝人会長がぶちあげた件は「ジャニー喜多川社長の引退を早めた」との観測が業界で広がっている。もう今年の10月23日で85歳となった。引退を早めたのは年齢だけが理由ではなさそうだ。

 

[増補新版]ジャニーズ50年史(ジャニーズ研究会)

「実は、8月にSMAPの解散が発表される直前に、木村拓哉をのぞく4人のメンバーたちが『解散したい』という結論となったときにジャニー喜多川社長が『ユーたち、(解散は)2年待ちなよ。待たないと後悔する』と言ったとされます。この『2年』の意味は、ズバリあと2年かけて少しずつ経営から手を引いて引退する……という意味です」(芸能関係者)

ところが、予想外に解散劇の反響はすさまじく、「ジャニーズ事務所が、独立を画策した女性マネージャーだった飯島三智氏に従わずに、事務所に忠誠を誓った木村を擁護した結果、〝嫌われ者〟として世間で認知された。広告代理店からの情報によると『木村拓哉はCMに今出すとブランドの好感度が落ちる』としただけでなく、ジャニーズのタレントの番組へのブッキングへも『実は『Hey! Say! JUMP』と『嵐』以外はすべての好感度が低い』というリサーチ結果が出てしまい、この悪魔のようなリサーチ結果がジャニー喜多川社長の耳に入った」(同)

それで、ジャニー喜多川社長は側近に引退の時期を「来年秋はどうか」と相談。
「2年とは言わず、もっと早く舞台の演出もほかの人にまかせて来年秋をメドに,メリー喜多川副社長の娘の藤島ジュリー景子副社長に禅譲する気構えができたのでしょう」(同)との見方が強い。

 

中居正広 MERAMERA★メラメラ★PRINCE(ジャニーズ研究会)

「今、ジャニー喜多川社長は確かに舞台演出であいかわらず冴えた演出を行っているが、いかんせん体がもうボロボロで入退院を繰り返している。演出に関しては、山下智久のコンサート演出も手がけて定評がある香取慎吾が裏方にまわって『ジャニーズの舞台演出をすべて担当する』という案も出ているようです」(同)

かといってジャニー喜多川社長としては弱気になっているわけでもなく「自分が唐突に死んだらジュリー藤島らが造反組を抑えられるか疑問。メリー喜多川副社長は、すでに社内的に『飯島マネージャーを追い出してSMAPをぶち壊した張本人』として事務所内の求心力はなく、自動的にジャニー喜多川社長と同時に引責となる模様。

「最近、ジャニー喜多川さんは『人事変更』のための相談を大手芸能プロの古参社長に会って秘密裏に相談しているようです。もしかしたら、ジュリー藤島が社長になったときの〝補佐役〟として、外部の芸能プロダクションから社外取締役として田辺エージェンシーの社長のー田邊昭知氏あたりを呼ぶかもしれません」(同)

ジャニーズ事務所に「喜多川社長は交代の気配はあるか」と聞いてみると「こちらではお答えできません」とした。

果たして藤島メリー社長誕生、そして大物の補佐役のジャニーズ事務所入閣の「スクープ」報道を来年の今頃、聞くだろうか。注目したい。

(伊東北斗)

『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾12月号増刊。11月17日発売。定価950円)

 

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いよいよ本日『反差別と暴力の正体~暴力カルト化するカウンター-しばき隊の実態』が発売される。これに先立ち7月に発刊された『ヘイトと暴力の連鎖』の編集後記を松岡は以下のように結んでいる。

「私たちは今後、M君裁判闘争を支援していくと共に本誌を第一弾として、この報告やしばき隊の動きなどを報じていく所存です。ご注目、ご支援をよろしくお願い申し上げます」

『反差別と暴力の正体』の中でも「M君リンチ事件」の検証は新たに行われている。少しだけ内緒でお伝えすれば、「M君リンチ事件」は発生直後から多数の著名人が隠蔽に動き回っていたことが明らかになった。仲裁を買って出た団体も、ほぼ最初から「加害者をいかに守るか」の立場からM君を“騙して”いたことが明らかになった。在特会相手に裁判を起こしている李信恵だけは守り、他の2人に罪を被らせようとしていた疑念を消すことができない。われわれの疑念は取材を進める中で、確信に変わる。

その団体が自ら行動でM君に敵対する行為を起こしてきたからだ。

M君は何度も裏切られる。そして尋常ではない攻撃を受け続ける。M君は現在ツイッター上で姓名と所属大学を明かした上に、誹謗中傷を続けた野間易通を相手取って名誉毀損損害賠償請求の裁判を戦っている。先週11日にも大阪地裁で3回目の弁論があった。28日には「リンチ事件」の当事者である李信恵ら5人を相手取った裁判の審尋も行われる。

2つの裁判が並行して行われているわけだが、両方の裁判とも「警備法廷」だ。「警備法廷」とは、法廷内に裁判所の職員や警察官が配置され、万が一の出来事に備える、いわば“非常事態”を予期して、裁判所が予め対応を準備する法廷だ。M君にとっては、決して気分の良いものではないだろう。被害回復を求める民事裁判なのだから、通常の法廷で裁判を行いたいのだろうとM君の心中を想像する。

しかし裁判所は最初から「警備法」廷と決めてかかっていた。つまり裁判所は被告たち、あるは被告の支援者が法廷内で、〝想定外“の行動に出る可能性を排除できない、と判断しているのだ。

「そこまでやらなくても」と思われる読者も多数いらっしゃることだろう。しかし『反差別と暴力の正体』をお読み頂ければ、あながちその懸念も的外れではないことが理解されよう。行動を起こす勇気のある人間は多分いない。しかし連中が束になると、常識では到底考えが及ばない、恐ろしい発想を想起し、共有し、行動に移すことの証拠を本書では紹介している。

ある種の覚悟を持って『反差別と暴力の正体』を手に取られたい。

(鹿砦社特別取材班)

反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態

鹿砦社特別取材班=編著
A5判 総188ページ(本文184ページ+カラーグラビア4ページ)
定価950円(本体880円) 11月17日発売 (紙の爆弾12月増刊号)

「反差別」運動内で起き隠蔽されてきた集団リンチ事件――
それに加担する国会議員、著名作家、ジャーナリスト、学者らの
犯罪性を総力取材し、事件の真相を徹底究明する!
その検証を通して、真に差別に反対するとは何かを考える!
社会運動内の汚点を照射し、その獅子身中の虫を弾劾する!


【内容】

1  辛淑玉さんへの決別状

2  「カウンター」「しばき隊」とは何者か?――
背景と呼称について

3 リンチ犯罪を闇に葬ろうとする市民運動つぶしの
“テロリスト”たちを許してはならない!

4 リンチ事件をめぐる関連人物の反応――
著名人、知識人、ジャーナリストらの沈黙、弁明、醜態

5 M君リンチ事件の経過――
驚嘆すべき大規模な〈隠蔽工作〉と〈裏切り〉の数々

6 二つの民事訴訟(対李信恵らリンチ事件加害者、対野間易通)
提起の経緯と概要

7 合田夏樹脅迫事件 
有田芳生参議院議員が沈黙する理由

8 “見ざる、言わざる、聞かざる”状態に警鐘!――
M君リンチ事件と、「カウンター」-「しばき隊」の暴虐に対する私たちのスタンス

[補項]

ろくでなし子さんアムネスティ講演会中止未遂事件としばき隊ファシズム

「カウンター」-「しばき隊」相関図

『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾12月号増刊。11月17日発売。定価950円)

 

 

      
勤務時間中に1日80回以上もツイッターに書き込みを行っていた、大和証券の部長についてネットでは話題になっている。それを報じた新聞もある。昨年、新潟日報や「ぱよちん騒動」で職を失ったのも、世間的に言えばしっかりとした身分のある人だったが、大和証券にも同様な人物が居たわけである。社会運動に関わるのは自由だが給与所得者が勤務時間中にこのような行為を行うのは、どの会社でも認められた行為ではなく、多くの場合就業規則違反であり、業務上背任に該当する場合もあろう。

大和証券は、周期的に大スキャンダルを起こすことで有名な会社ではあるが、今回当該人物の行為は、われわれにとって予期せぬ展開であった。なぜならば、この人物は『反差別と暴力の正体』に登場するのだ。

彼がどのような役回りを演じ、何を発信していたかは『反差別と暴力の正体』を手に取ってご確認頂きたい。大和証券が今後彼をどう遇するかが注目されるが、同様の経験を他でもない、鹿砦社も経験しているので他人事とは思えない。鹿砦社は自らの身から出たホコリを隠蔽しはしない。恥を忍んで事実をお伝えする。しかしそこから繰り広げられた展開は、意地悪な小説などが足元にも及ばない衝撃的な事実だった。

ここではこれ以上詳しく述べないが、そのいきさつについても『反差別と暴力の正体』では詳述されている。つまり鹿砦社は“自身の身を切りながら”本書を編纂したわけだ。

また、SNSの持つ力と恐ろしさを取材班は今回も痛感することとなった。誰もが知るような有名人が取材班からの電話取材に怯え、電話を切り焦り切ったためか、とっさに不用意な文言(虚偽)をツイッターに書き込む。その虚偽を取材班は間髪入れずにツイッターで指摘する。通常の取材では用いない手法も、今回は相手が虚偽を拡散するので、一部仕方なく用いた。

SNSに書き込めば瞬時に多数の人に伝えることができるが、その内容が虚偽や不適切であった場合、取り返しのつかないことになる。取材班はその実例を複数、余すところなく証拠を添えて読者諸氏にお伝えする。さて、肝心な卑怯な当該人物は誰か? まだきょうのコラムで公表するのは控えておこう。

しかしながら、読者諸氏もSNSの利用については、度を越えることがないように充分注意されるようにお伝えしておきたい。『反差別と暴力の正体』ではSNSの誤用が招く、取り返しのつかない例もご紹介する。このかん鹿砦社や関係人物をSNSで攻撃してきた諸君、君たちは残念ながら気がつくのが遅すぎた。われわれは膨大な数に上る、要となる情報と、その発信者を把握している。もちろん証拠も保管してある。この情報だけで、われわれがその気になれば名誉棄損の訴訟を何本も起こすことだって可能な内容だ。

しかし、本書は個人への「意趣返し」を目指すものではない。集団となって自分たちの意に沿わない人物を徹底攻撃する、そのような〈ファシスト的な行為〉をわれわれは指弾する。〈個〉もなく、確固たる〈覚悟〉もない。われわれはイナゴの大群のように、ある場所を食い荒らし(ある人物を攻撃しつくし)、また次の場所へ移動する(次の攻撃目標を作り出す)ような集団行為は不健全だと断じているにすぎない。

(鹿砦社特別取材班)

目次

1 辛淑玉さんへの決別状
2 「カウンター」「しばき隊」とは何者か?――背景と呼称について
3 リンチ犯罪を闇に葬ろうとする市民運動つぶしの“テロリスト”たちを許してはならない!
4 リンチ事件をめぐる関連人物の反応――著名人、知識人、ジャーナリストらの沈黙、弁明、醜態
5 M君リンチ事件の経過――驚嘆すべき大規模な<隠蔽工作>と<裏切り>の数々
6 二つの民事訴訟(対李信恵らリンチ事件加害者、対野間易通)提起の経緯と概要
7 合田夏樹脅迫事件 有田芳生参議院議員が沈黙する理由
8 “見ざる、言わざる、聞かざる”状態に警鐘! ――M君リンチ事件と、「カウンター」「しばき隊」の暴虐に対する私たちのスタンス
[補項]
ろくでなし子さんアムネスティ講演会中止未遂事件としばき隊ファシズム
「しばき隊」-「カウンター」相関図

『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾12月号増刊。11月17日発売。定価950円)

11月7日、遂に電通に労働局による強制捜査が入った。相手の同意が必要な「調査」と違い、強制力を持った「捜査」であり、10月14日の強制調査によって電通の不当労働行為が明らかになったための処置だ。同日午後には大規模な社員集会で社長による会見が予定されていたにも関わらず、それを真っ向から無視しての強制捜査実施であったから、当局が摘発への強い意志を示したものと言える。

◆労働局の強制捜査実施で電通ブランドは失墜

ここまで来ると、労働局による書類送検はもはや確定的だから、検察がこれを受理して捜査に踏み込み、刑事事件として立件するかどうかが次の焦点となる。現在、電通経営陣はそれを回避するために必死の工作を展開しているだろう。

9月末のネット業務不正取引会見から僅か1ヶ月の間に、一流企業としての電通ブランドは完全に失墜した。圧倒的な業界トップ企業でガリバーと恐れられ、就職先としても高い人気を誇った企業のイメージが、これ程の短期間で崩壊した例は非常に珍しい。

だが、実際の電通の収益が悪化したわけではないし、市場はまだそれほど先行きを懸念しているわけではない。その証拠に、電通の株価はさほど下がっていないのだ。しかし、電通の屋台骨を揺るがしかねない最悪の事態が、早ければ来年早々に火を吹こうとしている。今回はそれを解説しよう。

◆電通社長が官邸に呼ばれ、安倍首相から直々に注意を受けていた!

10月中旬、新入社員自殺の労災認定報道で電通パッシングの嵐が吹き始めた頃、電通の石井直(ただし)社長が密かに官邸に呼ばれ、安倍首相から直々に注意を受けていた。これは電通社内から得た情報である。そして首相の注意とは、

「一連の事件によるイメージ悪化は、電通が担当している東京オリンピック業務に支障を来すおそれがある。これ以上の事態の悪化を絶対に防ぎ、一刻も早く事態を終息するように」
というものだった。

国の最高権力者からの厳命に石井社長以下幹部は震え上がり、10月18日に時間外労働時間の上限を65時間に引き下げると発表、24日には22時以降の業務原則禁止・全館消灯を決定。さらに11月1日には「労働環境改革本部」を立ち上げるなど、なりふり構わぬ対策を講じ始めた。電通社内でさえ「あまりにも場あたり的だ」と批判が出るほどの拙速ぶりには、こうした背景があったのだ。

◆安倍首相が懸念する電通のオリンピック業務とは何か?

ワールドワイドオリンピックパートナー企業

東京2020オリンピックゴールドパートナー企業

東京2020オリンピックオフィシャルパートナー企業

では、安倍首相が懸念する電通のオリンピック業務とは何か。それは今後4年間、オリンピック実施に至るまでの広報宣伝の全業務を指している。なぜなら、東京オリンピックにおける広報宣伝、PR関連業務は、全て電通一社による独占契約となっており、博報堂など他代理店は一切受注できないようになっているからだ。

最も分かりやすい例を示すと、オリンピックを支えるスポンサー企業との契約も全て、電通が独占している。表向きはJOCが窓口だが、交渉は全て電通が行なっており、省庁からの寄せ集めであるJOCは、電通からの出向者や関係者がいなければ何もできない。 そして本番までまだあと3年以上もあるのに、すでに42社もの企業がスポンサーになっているのだ。そしてその窓口は全て、電通が一社で担っている。
オリンピックスポンサーは現在、3つのカテゴリーに分かれている。全世界でオリンピックマークを使用できる権利を有する「ワールドワイド」カテゴリーには現在トヨタやパナソニックなど12社が入っており、これらは5年間で各社500億円を支払う。これとは別に、東京五輪開催決定後に新たに設けられたのが「ゴールドパートナー」(現在15社)と「オフィシャルパートナー」(同27社)で、ゴールドは約150億、オフィシャルは約60億円をそれぞれ支払うとされている。そのカネで、各社はオリンピックという呼称の使用権、マーク類の使用権、商品やサービスのサプライ、グッズ等の利用権、選手団の写真使用や様々なプロモーション展開に関する権利を手中にするのだ。

◆1業種1社限定の五輪スポンサー規約を廃止させ、42社から3870億円

まとめてみると、ゴールドスポンサーで2250億円、オフィシャルで1620億円、合計で3870億円のスポンサー料を既に集めた計算になる。このうちの電通の取り分は公表されていないが、同社の通常の商慣習からいえば全体の20%あまり、774億円相当だと考えられる。支払いは複数年にまたがるとはいえ、これだけでも莫大な収益だ。さらに、この42社のCM・新聞雑誌等の広告制作・媒体展開・各種プロモーション・イベント関連も全て電通が独占するのだから、まだまだ巨額の収益が上がる仕組みである。

ちなみに東京が五輪誘致に立候補した当初計画では、総費用を約3400億円(実施費のみ、施設建設費含まず)、国内スポンサーシップを約920億円と計算していた。しかし、五輪開催までまだ3年以上もあるというのに、電通はすでにスポンサーシップを当初予定の4倍、約4000億円も集めている。これはリオやロンドン五輪の際のスポンサーがいずれも10数社程度であったことを考えれば、ありえないほどの巨額だ。これは今までの「オリンピックスポンサーは1業種1社に限る」という規約を変更し、同業他社でも参入できるようにしたことで可能となった。IOCと交渉してその規約を廃止したのも、もちろん電通である。

◆不祥事を起こしたゼネコンのように電通が業務停止を受けたとしたら

ワールドワイドパラリンピックパートナー企業と東京2020パラリンピックゴールドパートナー企業

東京2020パラリンピックオフィシャルパートナー企業

では、なぜ電通のイメージ悪化が「オリンピック業務に支障を来す」のか。それは、今回の一連の事件でもし刑事訴追されれば、電通は官庁関係業務の指名・受注停止となる可能性があるからだ。ゼネコンなどで談合が露見すると、該当した企業は数ヶ月~数年の間受注停止処分を受けるのと同じである。そうなれば、多額の税金が投入されるオリンピック業務も「官の業務」だから、こちらも一定期間の業務停止となる恐れがあるのだ。

そして最大の問題は、ゼネコンならば、どこかが指名停止を受けても替えはいくらでもあるが、オリンピック業務は電通一社のみの独占受注だから替えが効かない。もしそのような事態になれば、関連業務が全て停止してしまうということになるのだ。その危険性を見越したからこそ安倍首相は強い懸念を示し、石井社長を呼びつけたのだろう。自身が先頭に立って誘致した五輪の失敗はとんでもない悪夢であり、それを回避するためには一刻も早く電通の不祥事を終息させなければならないからだ。

しかし、小池都知事が発表した実施費用の高騰などにより、もはや東京オリンピックのイメージは悪化し、誘致時の熱狂が嘘のように消失している。それをあと数年で挽回し、国民をもう一度オリンピック応援の熱狂に巻き込まなければならない。その役割を果たすことこそが今後の電通の最大責任であったのに、万が一業務停止にでもなれば、その計画も破綻しかねない。これはブランドイメージだけでなく、電通の収益をも大きく毀損する可能性がある、同社にとってこれまでにない危機なのだ。では具体的に、どのようなことが起こる可能性があるのか。それを次回で検証したい。

▼本間龍(ほんま りゅう)
1962年生まれ。著述家。博報堂で約18年間営業を担当し2006年に退職。著書に『原発プロパガンダ』(岩波新書2016年)『原発広告』(亜紀書房2013年)『電通と原発報道』(亜紀書房2012年)など。2015年2月より鹿砦社の脱原発雑誌『NO NUKES voice』にて「原発プロパガンダとは何か?」を連載中。

今週17日(木)衝撃の出版!『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾12月号増刊)

 

商業出版の限界を超えた問題作! 全マスコミ黙殺にもかかわらず版を重ねた禁断のベストセラーが大幅増補新版となって発売開始!

 

『NO NUKES voice』第9号 好評連載!本間龍さん「原発プロパガンダとは何か?」

11月17日、鹿砦社は再び〈爆弾〉を投下することを宣言する!

 

 

7月14日に世に出した『ヘイトと暴力の連鎖』は、お陰様で大変な評価を頂き、初版が品切れとなり、増版を急がなければならなかった。『ヘイトと暴力の連鎖』は雑誌扱いのため、書店ではもうお求めになれない。まだお読みになっていない方は鹿砦社へ直接メールでお申し込み(sales@rokusaisha.com)頂くか、アマゾンでご購入頂ける(増刷分も残り僅かなので鹿砦社への直接ご注文が確実です)。

『ヘイトと暴力の連鎖』出版以降の約4カ月――。鹿砦社特別取材班はある種の〈社会病理学的行動〉ともいうべき「しばき隊」現象の分析と内実に迫るべく、特に著名人を中心とする関係当事者の言動をつぶさに検証し、多数の人物・団体に対して取材を行った。

きょう、このコラムではまだ、登場人物の具体名は明かさない。しかし取材を進めると、そこには、取材班でさえ予想だにしなかった、直視を憚られるほどの〈闇〉が実在していたことが明らかになった。正直気の滅入る取材であった。海千山千の取材班の中ですら、〈闇〉を目の当たりにして体調を崩すメンバーが出たほどだ。

しかし、われわれは知りえた事実の前で怯んでいるわけにはいかない。その結実を改めて世に問う。新たな「爆弾」の書名は、

『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾12月号増刊。11月17日発売。定価950円)

である。きょうの本コラムを伝え聞けば、震え上がるであろう関係者の姿がわれわれには透視できる。取材班は〈事実〉がどこにあるのか、を当事者への取材を積み重ねることにより浮き彫りにしようと試みた。生半可な取材ではない。

そして、同時に取材班は、本来あるべき〈運動〉の姿とはいったいどのようなものであるか、を各自が模索しながら取材・執筆にあたった。

本書がその明確な回答を提示できているか否かの確信は、正直に告白すればまだわれわれにはない。しかし、『ヘイトと暴力の連鎖』を初級編とすれば、その延長線上に位置づけられる中級編としては十分な内容をお届けできる自信はある。ページ数も188ページと『ヘイトと暴力の連鎖』よりも遙かに増えた。カラーグラビアもある。

われわれは私怨や利潤、いわんやヘゲモニーなどを求めて『反差別と暴力の正体』を編纂したわけではない。まったく逆である。リンチ事件の被害者を蔑ろにし、美辞麗句をまといながら、哲学や思想、人権意識を持ち合わせず、いたずらに暴れまわり、詭弁によって自己保身を図るような「運動」への批判を通じ、あるべき社会運動や、人間の姿を、読者と共に考えたいと願う。

ひたすらその想いで生み出された『反差別と暴力の正体』を是非、お手に取って頂きたい。本書が必ずや読者を驚嘆せしめる、まさに〈紙の爆弾〉であることを予告しておく。

(鹿砦社特別取材班)

『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾12月号増刊。11月17日発売。定価950円)

ローキックで強く攻める江幡塁の戦略。セーンピチットも必死になる

次第に効いてきたローキック、ブロックも追いつかなくなる

効いてしまうと心折れる訳でなく、麻痺して立てなくなるのがローキック

江幡塁と重森陽太の二人は、5月29日、タイのラジャダムナンスタジアムで現地常連選手に判定負けを喫しています。そのリベンジ戦、江幡塁はバットを圧し折るような左ローキックでセーンピチットを担架で運ばれる事態に追い込む圧勝。

重森陽太は様子見の手数少ない序盤から次第にしなりある蹴りで攻勢に立ち、後半にパンチでラッシュし、試合をコントロールした勢いで判定勝利。

3月13日、石川直樹と王座決定戦で引分け(公式記録)、延長戦での“勝者扱い”で王座奪取となった泰史の初防衛戦は再び石川直樹と対戦。ヒジ打ちで眉間をカット成功した石川直樹は反撃に出る泰史を首相撲からのヒザ蹴り中心に優勢を守り、泰史はドクターチェックを2度受けた後、続行中にレフェリー判断で試合をストップ。石川直樹は王座を?ぎ取るリベンジで第9代日本フライ級チャンピオンとなりました(新日本キック制定)

緑川創は右足の指を骨折する中で苦戦の引分け。ラジャダムナン・ランカー相手に打ち負けない展開は実力を証明した内容。

勝次は元・タイ南部ライト級チャンピオンのトックタックに様子見に時間が掛かるもパンチで前に出て勢いに乗り、KO出来なかったが安定した試合運びで判定勝利。
喜多村誠はジャントーンのパンチに攻め難さがあったが、右ハイキックでダウンを奪い、右ストレートで仕留めるTKO勝利。

◎MAGNUM.42
10月23日 後楽園ホール 17:00~20:50
主催:伊原プロモーション
認定:新日本キックボクシング協会

《主要6試合》

◆56.0kg契約 5回戦

WKBA世界スーパーバンタム級チャンピオン.江幡塁(伊原/56.0kg)
 VS 
セーンピチット・STDトランスポート(タイ55.6kg)
勝者:江幡塁 / TKO 4R 0:51 / カウント中のレフェリーストップ

◆日本フライ級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン.泰史(伊原/50.8kg)vs1位.石川直樹(治政館/50.8kg)
勝者:石川直樹 / TKO 4R 1:18 / レフェリーストップ

ヒジで切った後は攻められても冷静に試合をコントロールした石川直樹

レフェリーが傷を見てストップ、石川直樹に苦労の裏返しとなった笑顔が浮かぶ

怪我が多かった今年、それでも負ける訳にはいかない緑川創

油断ならないシップムーンの荒技、バックエルボーの脅威

◆70.0kg契約 5回戦

緑川創(前・日本W級C/藤本/70.0kg)
VS
タイ国ラジャダムナン系ウェルター級2位
シップムーン・シットシェフブーンタム(タイ/69.4kg)
引分け / 三者三様(49-48. 48-49. 49-49)

柔軟な蹴りを持つ重森陽太はターレーグンにリベンジ成功

◆57.5kg契約 5回戦

日本フェザー級チャンピオン.重森陽太(伊原稲城/57.5kg)
 VS
ターレーグン・ポー・アーウタレーバーンサレー(タイ/57.3kg)
勝者:重森陽太 / 判定2-0 (50-48. 49-47. 49-49)

◆63.0kg契約 3回戦

日本ライト級チャンピオン.勝次(藤本/63.0kg)
 VS 
トックタック・トップキング(タイ/62.7kg)
勝者:勝次 / 判定3-0 (30-28. 30-28. 30-28)

◆70.0kg契約3回戦 

日本ミドル級チャンピオン.喜多村誠(伊原新潟/69.5kg)
 VS
ジャントーン・エスジム(カンボジア/70.0kg)
勝者:喜多村誠 / TKO 3R 2:18 / カウント中のレフェリーストップ

アンダーカード5試合は割愛します。

《取材戦記》

江幡塁は試合後、25歳となった今年、「今だったら3年前と違います」と、ラジャダムナン王座に挑戦してKOで敗れ去った頃を意識しての発言。来年には再度ラジャダムナン王座に挑戦し、奪取する意気込みを感じられました。

新日本キックボクシング協会所属以外でタイ・ラジャダムナン王座奪取が続く今年、その中の一人、T-98(タクヤ)に3年前、判定勝利したことがある緑川創は、もう一度、この高校野球部時代の先輩と対戦する舞台に立ちたいところでしょう。パンチで倒してTKO勝利した喜多村誠も同じく、T-98に挑戦の意思を示し、チャンスを待つ者の一人です。

喜多村誠のハイキック、ラジャダムナン王座再挑戦へ向けて勢いが増す

日本人選手ではないですが、ラジャダムナン・ミドル級チャンピオンに就いたユセフ・ボーネン(フランス/ベルギー)は5月27日にコムペットレック・ルークプラバート(タイ)との王座決定戦で2ラウンドにユセフが股間へのヒザ蹴りでコムペットレックが悶絶。ユセフの失格負けとなり、コムペットレックが新チャンピオンになり、その初防衛戦が8月31日のユセフとのダイレクト再戦でした。

そしてユセフが第4ラウンドに左ボディブローで倒して王座奪取。意外にもタイの専門誌記者の間では、”外国人ムエタイ選手の中で一番強い”と評価されているようです。

ラジャダムナンスタジアム王座は、スーパーウェルター級チャンピオンがT-98、ミドル級チャンピオンがユセフ・ボーネン、ライト級チャンピオンが梅野源治。タイ側から見れば軽量級境界線のライト級を除き、あまり評価が高くない領域となりますが、昔は重量級でも強いチャンピオンがいたムエタイ王座です。日本人でも挑戦資格を獲れる実力を持った選手が多いので、タイ側を慌てさせるよう掻き回して欲しいものです。

勝次も目指すものが見えている中での勝利

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

共和党の実業家、ドナルド・トランプが大統領となった。アメリカ国民は、米国の再生を〝政治家経験のない不動産王〟に託す博打に出る。

この米大統領選の結果で世界的に「得する人」「損する人」それぞれ明暗が分かれる。少なくとも日本のヤクザ界では「アメリカからは緊急撤退」として、リトル・トーキョーや金のロンダリングなどで「すぐに手を引こう」とシグナル、つまり号令が出ている。

オバマ米政権は2011年7月に日本の暴力団「Yakuza(ヤクザ)」を国際的に活動する犯罪組織と認定、翌年2月に経済制裁を敢行した。さらに翌12年に米政府、なかんづく米財務省は、山口組に続いて住吉会など日本の暴力団が、武器や薬物の密輸、売春、マネーロンダリング(資金洗浄)などに関与していると指摘し、これも経済制裁へと動いた。

アメリカ国内の保守派のロビイストたちは「日本からヤクザを排除できないなら2020年の東京五輪への安全な参加を保証できない」と懸念を抱いているのは事実。

「かつて司忍6代目山口組組長とJOC副会長だった田中英寿・日大理事長の2人を撮った写真が、出版社に送り付けられて海外メディアはいっせいに驚愕した。トランプは日本に『東京五輪前にヤクザをなんとかせよ』と注文を安倍晋三首相につけるでしょう」(ヤクザ雑誌編集者)

山口組系組幹部は語る。

「フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領ではないが、トランプ新大潮流は移民、とりわけ海外から来たマフィアを一掃にかかるにちがいない。イタリア・マフィア、チャイナ・マフィア、そして〝ヤクザ〟だ。オバマ大統領は、本格的にアメリカ金融から『YAKUZA』を閉め出しにかかったが、トランプ新大統領の場合は、海外からのマフィアには不動産契約をさせない、また車も持たせない政策をひそかに揉んでいるとも政策チーム内から漏れ伝わってくる。それで米国に進出している広域暴力団はいっせいに『米国で逮捕されては目も当てられない』と撤退を決め込んだのです」

裏社会に詳しい作家の影野臣直氏は「トランプの対外政策は異常だと思いますが」と前置きした上でヤクザの海外進出事情をつぎのように指摘する。
「もうドイツ、イタリア、中国、日本などのアウトローはことごとくリスト化して、入国すらさせないようになるのではないでしょうか。フィリピンもドゥテルテ政権になってから、つぎつぎに性風俗や密輸分野で海外に勢力を伸ばした連中が日本に帰ってきています」

また、いっぽうで「表面上は堅気に見える半グレをいかにアメリカに送り込んで金をロンダリングしたり、ドラッグや食糧品を密輸できるか、ヤクザは知恵のしぼりどころでしょう」とした。

一説には、日本のヤクザが海外にもっている資産は、総額で4兆円とも言われる。
前出の影野氏は言う。
「頭のいいヤクザしか生き残れない時代だということです。フィリピンでは現地政府に気に入られて島をもらったヤクザもいますし、下手を打って強制送還になるヤクザもいる。いちがいにオバマからトランプに変わったからといって黒が白に変わるような〝劇的変化〟はないにせよ、どの時代、どの国の政府にも利権に食い込むやりかたはある。裏社会でも国際的な知恵比べですよ」

韓国マフィアが今回の朴 槿恵スキャンダルで一族をゆさぶり、一儲けしたという情報もある。ヤクザたちはマレーシアやシンガポールのタックスヘイブンに再びシフトし始めた。

「トランプ政権だけに、ババよりもジョーカーを持つヤクザ」は出現するだろうか。

(伊東北斗)


◎[参考動画]How Powerful is Donald Trump – Full Documentary 2016 [HD]
ADVEXON TV 2016/06/09 に公開

東京・明治神宮外苑のアートイベント会場で木製のジャングルジム風展示物が燃え、中で遊んでいた5歳の男児が焼死した火災をめぐり、展示物を出展していた日本工業大学の学生たちやイベント主催者らに対するバッシングがインターネット上で巻き起こっている。

「白熱電球が熱くなり、おがくずが燃えるのは素人でもわかることだ。工業大学の学生が何をやっている」
「あんなのはキャンプファイヤーをやっているようなものだ」
「学生も悪いが、周りの大人たちも気づかなかったのか」

目に余る無神経さだな――と私は思う。学生や主催者のことではない。得意げに「後知恵」で、このようなバッシングをしている者たちが、だ。

火災の時に焼けたとみられるパーテーション

◆無自覚のうちに「父親」を愚弄している者たち

報道によると、燃えた木製のジャングルジム風展示物には、大量のおがくずがからめつけられていたという。火災の少し前から、学生らは白熱電球を使った投光器で展示物を照らしており、おがくずが熱せられて出火。たちまち展示物全体が炎上し、中に入って遊んでいた男児が逃げ出せずに焼死したと伝えられている。

火災時、一緒にいた父親も男児を助けようとして火傷を負ったそうだが、目の前で幼い息子が炎に包まれて焼死したのだから、これほど惨い悲劇はない。筆者が事件の2日後に現場を訪ねたところ、献花台には花とお菓子が大量に手向けられていたが、この悲劇を他人事とは思えずに胸を痛めている人がやはり世の中に大勢いるのである。

献花する女性たちと撮影する報道陣

そんな中、インターネット上で巻き起こっているのが、冒頭のような学生や主催者へのバッシングだ。筆者は未見だが、テレビでは、「大学生にもなり、白熱電球が熱くなるのも想像できなかったのか」と批判したキャスターもいたと聞く。重大な事故が起こると、後知恵で「その程度のこともわからなかったのか」と批判する醜悪な人々が大量に現れるのは毎度のことだ。しかし今回に限っては、その醜悪さは看過しがたいものがある。

なぜなら、「その程度のこともわからなかったのか」という趣旨の批判は、目の前で息子が焼け死ぬ悲劇に見舞われた父親を愚弄するものでもあるからだ。父親も学生や主催者と同様、このような惨事になることが予想できなかったからこそ、展示物の中で自分の息子を遊ばせていたのである。後知恵で学生や主催者をバッシングしている者たちは、その程度のことも想像できていないからこそ、目に余る無神経さだと私は言うのだ。

献花に来た女性とコメントを求める報道陣

◆今後は法的責任が問題になるが……

この火災では、今後、学生や主催者に刑事責任や損害賠償責任を問えるか否かということが問題になるが、学生や主催者に法的責任を問うには、注意義務違反が認められる必要がある。つまり、注意をしていれば、今回のような結果になることを予見できたのか否かや、今回のような結果になることを回避できたのか否かが問題になってくる。

今回の悲劇は実際問題、後知恵で学生や主催者を批判している者たちが思うほどには簡単に予見できるものでも回避できるものでもなかったろう。10月26日から開催されていたイベントには何万人もの人が来場しているとみられるが、この悲劇を予見し、警察や消防に通報したような人の存在は現時点でまったく確認できていないからである。

父親をはじめとする遺族たちは、まだ悲劇を現実として受け止められていないかもしれないが、最終的には学生や主催者が処罰されることなどを願うと予想される。しかし、そのためには今回の悲劇が予見できたことや、回避できたことが立証される必要があるわけだ。その過程で父親は再び、自分自身もこの悲劇を予見できず、息子を救えなかったという辛い現実と向き合うことになるだろう。

この火災には、かくも複雑で、デリケートな問題が存在するのだ。後知恵で学生や主催者をバッシングしている人たちは、悪気はないのだろうが、もう少し冷静になろう。

現場に設置された献花台に花を手向け、手を合わせる女性

▼片岡健(かたおか けん)
1971年生まれ、広島市在住。全国各地で新旧様々な事件を取材している。

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