7月14日に世に出した『ヘイトと暴力の連鎖』は、お陰様で大変な評価を頂き、初版が品切れとなり、増版を急がなければならなかった。『ヘイトと暴力の連鎖』は雑誌扱いのため、書店ではもうお求めになれない。まだお読みになっていない方は鹿砦社へ直接メールでお申し込み(sales@rokusaisha.com)頂くか、アマゾンでご購入頂ける(増刷分も残り僅かなので鹿砦社への直接ご注文が確実です)。
『ヘイトと暴力の連鎖』出版以降の約4カ月――。鹿砦社特別取材班はある種の〈社会病理学的行動〉ともいうべき「しばき隊」現象の分析と内実に迫るべく、特に著名人を中心とする関係当事者の言動をつぶさに検証し、多数の人物・団体に対して取材を行った。
きょう、このコラムではまだ、登場人物の具体名は明かさない。しかし取材を進めると、そこには、取材班でさえ予想だにしなかった、直視を憚られるほどの〈闇〉が実在していたことが明らかになった。正直気の滅入る取材であった。海千山千の取材班の中ですら、〈闇〉を目の当たりにして体調を崩すメンバーが出たほどだ。
しかし、われわれは知りえた事実の前で怯んでいるわけにはいかない。その結実を改めて世に問う。新たな「爆弾」の書名は、
『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾12月号増刊。11月17日発売。定価950円)
である。きょうの本コラムを伝え聞けば、震え上がるであろう関係者の姿がわれわれには透視できる。取材班は〈事実〉がどこにあるのか、を当事者への取材を積み重ねることにより浮き彫りにしようと試みた。生半可な取材ではない。
そして、同時に取材班は、本来あるべき〈運動〉の姿とはいったいどのようなものであるか、を各自が模索しながら取材・執筆にあたった。
本書がその明確な回答を提示できているか否かの確信は、正直に告白すればまだわれわれにはない。しかし、『ヘイトと暴力の連鎖』を初級編とすれば、その延長線上に位置づけられる中級編としては十分な内容をお届けできる自信はある。ページ数も188ページと『ヘイトと暴力の連鎖』よりも遙かに増えた。カラーグラビアもある。
われわれは私怨や利潤、いわんやヘゲモニーなどを求めて『反差別と暴力の正体』を編纂したわけではない。まったく逆である。リンチ事件の被害者を蔑ろにし、美辞麗句をまといながら、哲学や思想、人権意識を持ち合わせず、いたずらに暴れまわり、詭弁によって自己保身を図るような「運動」への批判を通じ、あるべき社会運動や、人間の姿を、読者と共に考えたいと願う。
ひたすらその想いで生み出された『反差別と暴力の正体』を是非、お手に取って頂きたい。本書が必ずや読者を驚嘆せしめる、まさに〈紙の爆弾〉であることを予告しておく。