例の警察と戦う投稿(2016年4月21日掲載記事)の続報がAさんから届いた。掲載の許可が出たので以下、報告する。

◆軽微な違反であれば警察の裁量で終わりにできるよう導入された反則金制度

しばらくして検察庁から呼び出しが来ました。交通違反も殺人や強盗、窃盗と同じ犯罪ですから検察官の取調を経て裁判、刑罰、となるわけです。もっとも、 取調の様子はテレビなどで見る取調室とはだいぶ違います。指定の時間に待合室に入り、検察官に隣の部屋に呼び出されます。隣室とは言えドアもカーテンもな いすっ通しです。

同じ一室で何人もの取調を同時に進めています。一対一で簡単な説明を受けて「正式裁判にするか、略式裁判にするか」決められます。略式裁判は検察官の主張する金額の「罰金刑」を受け入れる物で、その場で判決が下され、翌日以降の指定日までに納入します。

昔はどんな些細な違反も検察庁の取り調べを受けて裁判、だったそうです。ですが、これでは検察も裁判所もパンクしてしまう。そこで取り入られたのが軽微な違反であれば警察の裁量で終わりにできる現在の反則金制度です。(ちなみに反則金を拒否することもできます。この場合、略式、正式にかかわらず 反則金と同額の罰金が科せられます)。

◆「裁判になると大変だよ」というのは被疑者なく、警察官自身が大変だから

本当に裁判ともなれば警察も本格的に書類を準備して、裁判所の法廷を確保して、裁判官も時間をかけなければなりません。警察が「裁判になると大変だよ」というのは被疑者はなく、警察官自身が大変なのです。

正式裁判と、反則金の間に位置するのが「略式命令」ないしは「略式起訴」という私が受けた措置です。。

検察官はしきりに「略式命令」を進めてきますがこちらは「不起訴がいい」を繰り返します。その場で結論が出ず、もう一度、検察庁へ足を運び、三度目の呼出には「そちらから来てください」と返事しました。しばらくして電話すると「起訴猶予」となっていました。罰金措置はないのです。あっけにとられるほど簡潔で、かつ、予想外の結果でした。

◆行政処分の時効は「前回の処分が終わってから三年」

しかし、ここから先がまた長いものになりました。今度は試験場から「免許停止にする」とのお達し。こちらも異議を唱えに出向きます。起訴猶予なのに免停とはおかしい、と告げると担当警察官は「刑事処分と、行政処分は別だ」との答え。調べ直すと実際に別処分で行政処分は役所が裁判所の判断を待たずに被疑者を処罰できる処分でした。

いずれにせよ「それは違憲ではないか」と反論、別室、と呼ばれる事務所で怒鳴りあいになりました。他にも事務を執っている人が大勢いましたが、このような事例は珍しいらしくかなり驚いていた様子です。

この呼び出しも数度、一度は「免許を出せ」と言われ、担当者の目の前に突きつけ自分のポケットに戻し「あなたが正しいなら、私の免許証はここに あります。ここから持っていったらどうですか」とやりましたが、ポケットや荷物を検査するには検察庁の捜査令状が必要です。担当者は悔しそうに「あなたの 免許、手配がかかってますよ」と告げられましたが、こればかりはいまだにどうなっているのか、判りません。こちらはちゃんと任意出頭しているのですから、 文句をつけられる筋合いはありません。

ここまでの文章で激しいやり取りがあったように思えるかも知れませんが、実際に大声を張り上げるほどだったのは最初の一回だけでした。担当者 (一貫して同じ人でした)は私が引かないのも判っていたようですし、こちらも向こうが単純に事務処理として進めようとしているのが判っているからです。

しばらくたち、要請が途絶えました。三年経って免許更新に行くと違反者講習もなく普通に更新されました。時効として処理されたのか、ないことにされたのかは不明です。いまでは後者ではないかと思います。行政処分の時効は「前回の処分が終わってから三年」だからです。

◆罰金も免停もなくなった

罰金に続いて、免停もなくなりました。

こうかくと「巧くやりやがったなぁ」と思われるかも知れませんが、実際はかなりの重圧で、素直に認めてサインした方がはるかに気楽です。何とか耐えられたのは「自分はウソをついていない」という自信があったからでしょう。

警察や裁判官も人の子で、やはり楽をしたいのです。彼らに有利で、かつ、楽ができるのは真実ではなく、嘘をついてでも違反を自白させることなのです。

確かに昔に比べると交通違反取締りは現実に即した内容になってきました。昔は生活道路、高速道路上区別なく25キロオーバーで免許停止だったのです。ですが、いまはわずか一点です。分別されています。

本当に真面目なおまわりさんもいます。ですが、ノルマ稼ぎや楽をしたいがために手を抜くのも事実なのです。

また投稿が来たら掲載する。戦いはまだ続くようだ。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター/NEWSIDER Tokyo)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、書籍企画立案&編集&執筆、著述業、漫画原作、官能小説、AV寸評、広告製作(コピーライティング含む)とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。

タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2017年1月号

とどまることなく繰り返される芸能人の薬物事件! 過去から最近の事例まで網羅した決定版!『芸能界薬物汚染 その恐るべき実態』

 

商業出版の限界を超えた問題作! 禁断ベストセラーの増補新版

 

さいたま市北区の盆栽町(大宮盆栽村)に行った。ここは日本が世界に誇る「BONSAI」文化の町で、町を歩けば盆菜園に当たる、といった風情である。来年の4月にはさいたま市で「第8回世界盆栽大会」が開かれるということで、「盆栽町」は盛り上がっている。

『町を歩けば盆栽園に当たる』といわれる盆栽町だが、実はその淵源は「町おこし」的なものだった。もともと盆栽が発展していたのは江戸の駒込であり、古くから将軍様のためにあつらえる植木職人が「団子坂」あたりに密集していた。

 

ところが関東大震災が勃発。被災した盆栽業者たちが盆栽に適した地を求めてさいたま市北区に移り住んだことがはじまりとされる。その後、盆栽とともに同好者たちが村へ移住し、町は活気に満ちてくる。

しかし、第二次世界大戦が激化していくにつれて、盆栽は贅沢品となり軍から圧力がかかるように。それでもやがて戦争が終わると、アメリカの調査団が村を訪れた際、盆栽の美しさを認め、海外からも注目されるようになったいきさつがある。

そして盆栽を世界に広めたのは、なんといっても1889年のパリ万国博覧会にて盆栽が紹介されたことが大きい。

この万博にて、セーヌ川を挟んで対岸にエッフェル塔が建造されたトロカデロ庭園では、日本の「園芸展示場」が作られ、各国から訪れた観光客がその美しさに度肝をぬかれた。

 

盆栽町にはいまも有名な盆栽園がいくつもあるが、海外から「盆栽園で働きたい」という若者が殺到しているという。

今回、訪れた「大宮市盆栽美術館」には、貴重な盆栽がたくさん展示されており、過ぎる時間を感じさせない。

興味があるむきは、一度出かけてみてはいかがだろうか。秋の紅葉と盆栽。最高の一日はすぐそこにある。

▼小林俊之(こばやし・としゆき)
裏社会、事件、政治に精通。自称「ペンのテロリスト」の末筆にして中道主義者。師匠は「自分以外すべて」で座右の銘は「肉を斬らせて骨を断つ」。

7日発売!『紙の爆弾』2017年1月号

ジュニアキックで経験を積んだ15歳の少年が世界王座に挑んだのはWMCの最軽量級ながら今後の成長に繋がる節目の挑戦でした。

◎ムエローク 2016.4th
11月13日(日) 新宿フェイス17:30~20:40  主催:尚武会 / 認定:WMC

◆WMC世界ピン級タイトルマッチ 5回戦(100LBS=45.359kg)

前チャンピオン.シューサップ・トー・イッティポーン(17歳/タイ/47.1→46.7kg)
VS
挑戦者.吉成名高(エイワスポーツ/アマチュア17冠王/45.1kg)
勝者:シューサップ / 判定3-0
主審:チャンデー・ソー・パランタレー 副審:シンカーオ50-47. ノッパデーソン50-47. ナルンチョン50-47

シューサップは計量失格でこの時点で“前チャンピオン”となります。こういう事態がここ数年増えたのは、「日本での試合を軽く見ている」という意見をよく聞きます。あえて擁護するなら、17歳という若さで外国に出向き、体の成長や気候の変化に対応できなかったこともあるかと思いますが、それでも1.3kgオーバーはデカ過ぎですね。この辺の対処はプロボクシングと同じ、吉成名高には挑戦者として、勝利した場合のみチャンピオンとなり、シューサップが勝っても王座は空位となります。

15歳での世界戦は力大きく及ばずで、ジュニアキックで力を付けていても、やはり人生経験がまだ15年というところも成人との認識の違いがあったでしょう。シューサップも17歳で若さで似たところあれど、ムエタイそのものの経験は豊富。やはり後半にピッチを上げてきたシューサップは後半、首相撲技で繋ぐ膝蹴りや崩しで見た目にも大差が付いた印象がありました。吉成はアマチュアといえど数々の王座制覇してきた自信で、試合終了まで視線はしっかり強気な表情は変わらず、崩されても立ち上がる諦めない挑戦でした。

吉成名高vsシューサップ。吉成のジュニアキック出身の技量はしっかり披露。今後に期待

◆セミファイナル 63.0kg契約 5回戦

DAIJU(尚武会/62.9kg)vsNKBライト級チャンピオン.大和知也(SQUEA-UP/63.0kg)
勝者:DAIJU / TKO 4R 1:40 / タオル投入による棄権
主審:ナルンチョン・ギャットニワット

NKBから大和知也が出場。戦う相手の範囲が広まった中で、より活きのいい試合を続けているのも明るい事実です。

DAIJI(だいじゅ)は大和知也からハイキックでダウンを奪って攻勢を続けTKO勝利。大和は第4ラウンド途中から古傷の左腕が動かしにくい状態で劣勢の中、タオルが投入。6月の試合での負傷箇所を再び傷めた様子。序盤はスピーディーなパンチとローキックで優勢気味だった大和知也にとっては悔しい負傷。来年の奮起に期待したいところです。

大和知也(右)の得意の右ストレートがDAIJUを捉えるが、逆転は難しい段階だった

  
◎M-ONE 2016 4th(FINAL)
11月23日(祝・水)ディファ有明16:00~20:30  主催:ウィラサクレック・フェアテックス / 認定:WPMF

会場前には建物上部からの、10月13日に崩御されたプミポン国王画の肖像画と、館内にも肖像画と記帳スペース、喪に服す黒の正装のタイ人関係者が目立ち、セレモニーでは王室唱歌と98秒間の黙祷も捧げられ、タイの国民性が現れたセレモニーでした。

石井達也は日本タイトル返上後、なかなかビッグマッチのチャンスが回って来ない中、今回M-ONEからWPMF世界戦出場のチャンスが舞い込むも、ゴンナパーは在日選手として日本人の前に立ちはだかる壁は健在でした。

◆WPMF世界スーパーライト級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン.ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/63.5kg)
VS
石井達也(元・日本ライト級C/藤本/63.5kg)
勝者:ゴンナパー / TKO 4R 1:39 / ドクターの勧告を受入れレフェリーストップ
主審:チャンデー・ソー・パランタレー

毎度のことながらゴンナパーの上下へのパンチとキックの使い分け、その蹴りが重く鋭い。石井の強打が遅れがちになり、その差が大きく見えてしまうが応戦する石井も強い蹴りとパンチを返す中、熟練ゴンナパーのヒジ打ちで切られた額のドクターチェックを3回受けた後、レフェリーストップ。敗北より最後まで戦いたかった表情の悔しい敗戦となりました。

どこを狙うか分からないゴンナパー(左)の蹴りは“ハイ”だった瞬間

切られ、蹴られ、ゴンナパーの上手さが続く中、劣勢の石井はこれでも諦めてはいなかった

高橋一眞(左)と鷹大の強打者の攻防。この後、戦略勝ちの鷹大の攻めが勝る

◆59.0kg契約3回戦(アンダーカードから抜粋)

鷹大(元・WMC世界&WPMF日本SB級C/WSR・F西川口/59.0kg)
VS
NKBフェザー級1位.高橋一眞(真門/58.95kg)
勝者:鷹大 / TKO 3R 2:40 / カウント中のレフェリーストップ
主審:ヌンポントーン・バンコクストアー(現役時名)

こちらもNKBで活躍する高橋三兄弟の長男・一眞の登場。9月14日にKNOCK OUT発表記者会見試合で、森井洋介にパンチで倒されたばかりながら、前回よりは冷静に試合を進め、攻勢もあったものの、再びパンチで2度のダウンを喫してKO負け。鷹大もチャンピオン経験を持つ強者。高橋は経験値上回る相手との試合が続きますが、他団体出場に恵まれた現在、この試練を乗り越えて欲しいところ。短期でのノックアウトの連敗は心身ともに休養も必要です。

日本のトップを争う、終り無きトーナメントが続く中、一歩前進の鷹大の勝利

  
◎NJKF 20周年記念スペシャルマッチ開催!NJKF 2016 7th
11月27日(日)後楽園ホール17:00~21:35
主催:ニュージャパンキックボクシング連盟 / 認定:NJKF、WBCムエタイ日本実行委員会

国内下部王座から段階的に上位を目指さなければならないシステムからWBCムエタイのインターナショナル王座決定戦に挑んだのは同組織日本王座を持つ健太。スウェーデンの強豪、サモン・デッカーは頑丈な体格で怯まず前進する圧力があり、これを崩せずに終る。

◆WBCムエタイ・インターナショナル・ウェルター級王座決定戦 5回戦

健太のハイキックにもたじろがなかったサモン・デッカー

世界12位 健太(日本同組織同級C/29歳/E.S.G/66.68kg)
VS
世界13位 サモン・デッカー(24歳/スウェーデン/66.6kg)
勝者:サモン・デッカー / 判定0-3
主審:多賀谷敏朗  副審:大沢47-49. 水谷48-49. 少白竜48-49

サモン・デッカーはかつてのラモン・デッカー(オランダ)の再来と言われる存在で、ムエタイ修行経験も豊富なファイタータイプの選手。とにかく頑丈な体格で蹴りの威力あり、下がらない圧力に健太は主導権を握れないまま、5ラウンドにはヒジで切られる劣勢が響きました。今後、タイ選手以外の強豪が日本人の前に立ちはだかるのも面白い展開でしょう。

両者ガッチリした体格ながらサモン・デッカーのハイキックに圧力を感じる攻防

◆セミファイナル 62.0kg契約3回戦

宮越慶二郎のハイキックを避ける羅紗陀。この日は宮越の動きが機敏だった

WBCムエタイ・インターナショナル・ライト級チャンピオン.宮越慶二郎(拳粋会/62.0kg)
VS
羅紗陀(元・WBCムエタイ日本SFe級、L級C/キング/61.8kg)
勝者:宮越慶二郎 / 判定3-0
主審:竹村光一  副審:多賀谷30-26. 水谷30-26. 少白竜30-26

NJKF20周記念スペシャルマッチとして組まれたカードでした。羅紗陀は右足腓骨骨折の負傷から5月に2年3ヵ月ぶりに復活。しかし後に腰の状態を悪化させ7月興行は欠場に。今回の半年ぶりとなる復帰第2戦で宮越慶二郎との対戦が実現となりました。

父親が昭和の新格闘術連盟で活躍した内藤武である宮越は、その父譲りの変則気味の動きが活かされた展開。羅紗陀は父親が元・日本ウェルター級チャンピオン.向山鉄也で、その父親譲りの激闘威力が少なかった印象。第1ラウンドにスリップ気味のダウンに加え、第3ラウンドはまともに右ストレートによるダウンを奪った宮越が大差判定で勝利。怪我やブランクの影響がまだ続いている感じもあり、完全復活にはもう少し時間が掛かりそう。宮越はマッチメイクに難航し、来年2月に延期された王座防衛戦を目指します。

逆転を狙う羅紗陀のヒジ打ちは空振りだが、迫力ある攻防

◆取材戦記

三つの興行をまとめると、アンダーカードをほとんど割愛しなくてはならない事態となってしまいました。ひとつずつ興行を拾うとかなり先延ばしになってしまうので、ちょっと纏めることも出てきた最近ですが、格闘技専門サイトでもないので、本来アンダーカードまで拾う必要もないかもしれませんが、融通利く限りは少しでも選手の活躍を、試合結果だけでも世間に出してあげようと思う次第です。

その試合結果も絶対に間違えてはいけないプレッシャーもあります。自分の書き留めた記録だけで判断しないことで勝者敗者を間違えないこと、その為にも公式記録の開示を各興行ごとにお願いしている場合があります。この点もまたひとつのテーマとして今後、書き上げたいと思います。

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2017年1月号!

『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』

北海道の「苫小牧市科学センター」にある「ミール展示館」にでかけてみた。
東京にいるなら、8月、9月の猛暑でダウンしそうだが、苫小牧市は、昼間は24度くらいで夜は寒くて眠れないくらいだ。

さて、ミールは、筒状の長期滞在型ドッキングベイで、実はここに展示してあるのは「予備機」だ。

感想としては、「こんな薄い装甲で大丈夫なのか」ということと、「おいおい、こんなに狭いのか」という点を強調しておきたい。

基幹となるコアモジュールと、天体観測を行っていたというクバント(天体物理観測モジュール)の中に入ると、所狭しとボタンが並び、まさに計算機、とりわけスーパーコンピュータの中に入ったという気がする。

この狭さの中で、地球という故郷を思いつつ、天体観測や天体の研究データを集めるという貴重な実験をやってのけるロシア(旧ソビエト連邦)には、まったく頭が下がる。

「ミールには〝平和〟という意味があります」と展示館のスタッフが教えてくれる。

「北海道では、そこかしこにロシアとの友好を感じる場所があるが、はっきりいってここもそのひとつ。ミールについては、子供のころに何度も行ってけれど、夢があって大人になってからきてもいいですね」と地元の住民は言う。

はっきりいって、宇宙旅行は夢のまた夢だと思われていたが、NASAが「第2の地球」を発見するために観測機を飛ばす計画もあがっている(http://tocana.jp/2016/05/post_9695_entry.html)。

日本にいるとつい「本は電子書籍がいいか、紙か」など実に視野が狭いことを考えてしまう。だが、ときとして宇宙規模でものを考えてみるのもいいかもしれない。北海道には、まだまだ楽しいものがたくさんあった。機会があれば、また紹介しよう。

苫小牧市科学センター「ミール展示館」HP

▼小林俊之(こばやし・としゆき)
裏社会、事件、政治に精通。自称「ペンのテロリスト」の末筆にして松岡イズム最後の後継者。師匠は「自分以外すべて」で座右の銘は「肉を斬らせて骨を断つ」。

7日発売!『紙の爆弾』2017年1月号

◆仕掛けられたハニートラップ

米大統領に当選した共和党で不動産王のドナルド・トランプ氏は、今まで選挙中に批判していた民主党関係者や海外要人が祝福にかけつけるなど「手の平返し」が相次ぐ。が、早くも「不利益をこうむる連中」や「反対派」から“ハニートラップ”が縦横無尽に仕掛けられる可能性がある。

2016年10月9日ABC

「なにしろトランプ氏は女性好き。選挙中にも『テレビ司会者時代にキスされた』という女性や『不動産王として、土地の売買の商談中にベッドに誘われた』などという噂が山のように出てくる。きわめつけは、支持率の低下につながった05年、『スターなら女性はなんでもしてくれる』というテレビ番組司会時代の“女性蔑視、性欲むき出し発言”です。これにはアメリカの女性人権団体が訴訟の動きをみせたほど」(通信記者)

この『スターなら女性は……』の発言は、トランプ氏が「ロッカールームでの発言」として逃げ切りをはかったが、「ロッカールームでそんな話はしない」とプロ野球選手やMBPプレイヤーが怒りとともに否定。

高田馬場の英会話喫茶にいたアメリカ人商社マンも「トランプをおろすのは簡単。美女を送り込んで不倫の誘惑を繰り返せばいつか引っかかる」と話す。こうした見方は全米共通。
「いつブックメーカーがトランプが女性で失脚するかオッズを出してもおかしくない」(アメリカ人ジャーナリスト)

さらに、2005年の米NBC番組収録前に司会者と交わした会話を録音したものをワシントン・ポストは入手。「既婚女性とセックスしたい」と言い、「他の女性にキスしたい、女性器をわしづかみすればいい」などと、赤裸々な言葉遣いで話しているというこの会話も決定的に女性の軽蔑を払拭できていない。

◆「女の誘惑に弱い」トランプ

この「女の誘惑に弱い」のはトランプ氏の最大のウィークポイント。
「TPPから撤退する」と発言、不利益をこうむるバイオ系食品会社、「この国に入国させない」としたメキシコ企業や、そしてヒラリー・クリントン候補がボロ負けして急心力を失う民主党の行動派などから「美人スタッフを刺客として送り込み、ホワイトハウスで大スキャンダルを起こす可能性もある」(同)

対外的な政策をやめることにより、貿易面で打撃を受ける外資系会社もわんさかとあり、トランプ氏に送り込み、ベッドインさせて弱みをにぎり、大統領から引きずりおろす「工作」はいかにもスピーディに行われそうだ。

こうした「陰謀コーディネーター」は米には掃いて捨てるほどいる。
「同胞である共和党幹部や議員からは祝福の声が殺到しているが、組閣していくうちに、たとえば副大統領候補のマイケル・フリン元国防情報局長が、組閣してみたら閑職にまわされたりしていたら、“大統領おろし”のリベンジが始まるかもしれない」(同)

有名タレントや政治家に、画面上での立ち振る舞いをアドバイスするメディア・トレーナーは「行動をガラス張りにすること。それが大衆に嫌われない最低の条件だ」と話す。

経済が鈍化、苦しむ庶民の事情につけこんで「モンロー主義」をぶちあげて内需拡大をめざして当選したトランプ氏が、側近の女性に手をつけないとは否定できない。性欲の『内需拡大』が止まるかどうか、見ものだろう。

◆メキシカンマフィアが暗殺計画

トランプ氏は、11月13日に放送されたCBSテレビのインタビューで、大統領選の公約通り「メキシコとの国境に壁を築く」とあらためて強く考えを示した。また、犯罪歴のある200万~300万人の不法移民を、速やかに強制送還する考えも強調した。

「このことは、〝強い〟アメリカを再構築するのに強固なメッセージとなりうるだろうが、いっぽうでメキシカン・マフィアのトランプ暗殺計画がたちあがってきた。もっとも勢力を持つといわれるマフィアは『もしドラッグの利権や大麻利権に手を突っ込んでいくなら『魚にする』(死んでもらう)と明確に幹部たちが発言している。つまりトランプ氏は『メキシコと構えるからには、海に浮かんだで〝魚になる〟可能性が高まったというわけですよ』(在米ジャーナリスト)

メキシカンマフィアを駆逐したところで、その黒いマーケットを埋めるのは、実は国内のアメリカンマフィアだが、これとてもとをたどれば中国系だったりイタリアン系だったりする。いずれにしても犯罪は消えないのだ。

「ただし、今はトランプ次期大領にとって正念場で、移民系のマフィアを一掃した場合は、今度は海外の金持ちがシンガポールやベトナムからの投資を引き上げて、国内の多少、うさんくさい企業であっても『移民系マフィアがけつもちとして去ったのならと投資先として考え直してくれるかもしれない。いまは投資家たちを振り向かせるならチャンスなのです』(同)

マネーロンダリングしていた金持ちたちが国内市場に目を向ければ、確かにGDP成長率が鈍化している米経済が活性化しているだろう。

「しかしどうだろう。バイオとうもろこしを輸出した〝モンサート〟に代表されるように、アメリカの最先端の企業は、国力にいわれて強引に海外に商品を購入させてきた。いっせいに海外の取引先がひいて、はたして国力がもつかどうか」(同)
トランプの描く「移民追い出し策」が何をもたらすのか。注目したい。

(伊東北斗)

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不幸なことに私の予感は的中してしまった。11月28日の時事通信は〈三反園鹿児島県知事が事実上容認=川内原発、検査後の再稼働〉との見出しのあと以下の様に伝えている。

 

2016年11月28日付時事通信

 
要するに選挙では「再稼働を認めない」と公約しながら、180度主張を翻し、再稼動容認に早くも転じたわけだ。以前このコラムで三反園知事と三宅洋平を並べ、ボロクソに論じたが、三反園は私の予想を超える速度で「馬脚を現した」わけだ。私は「どうだ見立てが当っただろう!」と自慢をしているのではない。ああ、やっぱりと落胆しているのだ。このニュースが報じられたのは、福島第一原発事故の収束費用が当初の倍近い20兆円かかるとの報道がなされたのと同日であった。 

 

2016年11月27日付毎日新聞

 
◆「時代は狂っている」

公約を掲げた候補に投票しても、当選後公約を変えられたり、ひどい場合は所属政党を変えたり、政治家は誠に節操がない。おそらくこの病巣には何らかの懲罰でも設けない限り、対処不能だろう。また、11月28日の朝刊では安倍内閣の支持率が6割をこえたとも掲載されている。1年で一番暇なはずの11月だが、新聞紙面で報じられている内容は尋常ではない。むしろ「狂っている」。もうどんな約束もどんな嘘も、どんな規範も意味のない時代になった。私はかなりの確度で上記のニュースが並列される新聞を見て確信する。「時代は狂っている」と。

あれほど明確に反対を掲げていたTPPを政権奪取後推進に転じた安倍政権は、米国が「やーめた」と放り出したのでもうTPPを諦めざるをえまい。一体全体国会内外で必死に反対を訴えていた人びとの意思や思いなどはどのように総括されればよいのだ。58万円もするゴルフクラブを手土産に駆け付けたって、大富豪のトランプが翻意するとでも安倍は思っていたのだろうか。

またベトナムがここにきて「原発やーめた」と言い出し、日立との契約を白紙に戻すという。誠にご同慶の至りだが、これまた必死に原発輸出の馬鹿さ加減を訴えていた人びとの思いはいかばかりか。喜ばしいことに間違いはないがどこかに「肩透かし」感を否めないのは私だけであろうか。

 

2016年11月28日付NHK

 
◆弛緩しつくした社会に未来があるとどうして思えるのか?

本当に何も学ぶことが出来ない、愚かな人間の集まりだとまた憂鬱な気分になる。救いがたいのは、政治家どもやマスコミどもだけではなく、ああだの、こうだの言いながらも「明日がある」ことが絶対的に保証されているかのごとき「幻想」の中で、日々「勤勉」な日常を送るこの島国の人びとだ。その中にはもちろん私も含まれる。

これほどまでに呆けてしまった、弛緩し尽くした社会に未来があるとどうして思えるのだろうか。私は毎日不思議でならない。「弛緩し尽くした社会」は語弊を招くだろう。決して安楽ではなく、労働に見合った賃金を得ることも出来ない労働者がカツカツの生活をしているのだ。

「弛緩」しているのは市民生活ではなく、敢えて乱暴に言えば「民度」だろう。「弛緩」し「劣化」しつくしているこの国の「民度」は相当深刻な状況にあると、痛感する。「劣化」という言葉自体が、散々使いまわされてそれこそ、ボロボロになっているじゃないか。今年ももう12月だ。冬の訪れは早い。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

7日発売!『紙の爆弾』2017年1月号

『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾12月号増刊)

 

『NO NUKES voice』第9号 特集〈いのちの闘い〉

DENTSU TEC 2017 RECRUITより

 
11月7日に全社員に向けた社長メッセージが発せられ、12月2日には社員の1割を配置転換するという社内体制の改革を発表し、改革イメージを懸命にアピールした電通だが、それは偽りの姿であったことがハッキリした。11月30日のMNJ(マイニュースジャパン)が、NHKニュースで感想を述べた社員が戒告処分を受けたことをスッパ抜いたのだ。

NHK『ニュース7』の字幕では、「捜索が入って急に騒ぎ出すのは自浄能力のない会社だなと思う」と記されていた。その直前に行われた社長の社内会見では、石井社長が「様々な社員のみなさんの声を取り入れて、みなさんとともに新しい電通を作っていければと思っています」と述べていたのに、感想を述べただけの社員を戒告処分にしたというのだから、まさに驚愕である。これに対し、電通労組が異議を唱えないとしたら、もはや存在意義などないに等しい。

しかも、何らかの社内機密を漏らしたというなら別だが、この社員はインタビューに対して自分の感想を述べただけだ。石井社長は「先日来、社内の文書が外に漏れている。ご自分の考えを述べることはもちろん構わないが、社内の情報を外に出すことは、明確な社規違反です」とも語っていたという。

もし経営陣が上記の社員の感想を「社内情報」と判断したとするなら、まさにソ連時代の小話である『「赤の広場」で「スターリンは馬鹿だ」と叫んだ男が逮捕された。裁判の結果、懲役25年が言い渡された。刑期のうち5年は侮辱罪、残りの20年は国家機密漏洩罪であった』を彷彿とさせる愚かな状況である。いくらなんでも電通経営陣はトチ狂っているとしか思えず、こんな感想を述べた程度で戒告なら、真摯な意見を述べる者は誰もいなくなってしまうだろう。

実は、この社員がなんらかの処分を受けるかもしれない、という情報は以前からメディアにも漏れていたのだが、それを確認した記者に対し、電通広報は「そんなことをすれば(批判に)火に油を注ぐだけだから、ありえない」と回答していたというのだから、もはや経営陣と広報間の連携すら取れていないということなのだろう。そして、このMNJ記事の確認をした記者に対しては「社内事情を公開する義務はない」として回答を拒否したのだ。

以前も書いたが、メディアの間で電通広報の評判は非常に悪い。問い合わせに対しては曖昧な返事しかせず、無視することも多々あり、細かく追求する記者に対しては「社内事情を説明する義務はない」などと偉そうに回答する。あまりにも多くの問題が勃発しているから質問されるのに、「そんなことはお前らの知ったことか」という態度なのだから、周囲からの評判が悪いのは当然だろう。私のスクープである、石井社長が安倍首相と会談した件に関しても、確認を求めた記者達に対し「社長の動静を外部に開示する必要はない」として回答を拒否しているほどだ。

電通(博報堂も)がスポンサー各社に提案している「事件・事故対応広報マニュアル」では、重大事件後は広報担当者を選任し、メディアの質問には誠実に答える態度が必要だと書いてあるはずだ。あの悪名高い東電でさえ、定例記者会見では(不十分ながらも)一応は回答する姿勢を見せている。それは、事件事故の勃発時には厳しかった記者にも誠実に対応すれば信頼関係を構築でき、事態が治まってきたときには冷静な記事を書いてもらえるなど、味方になってくれる可能性があるからなのだが、電通の対応は見事にこの自らが提唱するセオリーを無視している。恐らく、店頭で物を売るコンシュマー製品を作っている企業ではないから、メディアを通じた丁寧な説明など一切必要ないと考えているのだろう。傲慢さは少しも変わっていないのだ。

しかし、こうしたメディアに対する「塩対応」は確実に記者達に「不誠実な企業」という印象を与え、彼らは不満を募らせている。実は電通にはもう一件、ここ数年内に起きた過労死事件が存在するという情報があり、いま多くのメディアがその存在を追っている。もしこれが確認され発表されれば、電通の信頼はもはや回復不能な状態に追い込まれるだろう。不誠実な対応をすればするほど味方はいなくなり、さらに急所をスクープされるという泥沼に入り込んでいるのだ。

おりしも、電通は毎年開催されている「ブラック企業大賞」にノミネートされた。今年も佐川急便や関電など錚々たる面子が揃っているが、特に今年の下半期でここまでイメージが悪化した企業は他になく、大賞受賞は間違いないと思われる。だが電通がノミネートされることが確実とあって、毎年取材に訪れるテレビ各局が、今年は一社もなかったという。いまだに電波メディアに対する電通の威光は健在なのだ。


◎[参考動画]電通グループの広告制作会社、電通テック2017年新卒採用リクルートムービー(DENTSU TEC RECRUIT 2016年6月12日公開)

▼本間龍(ほんま りゅう)
1962年生まれ。著述家。博報堂で約18年間営業を担当し2006年に退職。著書に『原発プロパガンダ』(岩波新書2016年)『原発広告』(亜紀書房2013年)『電通と原発報道』(亜紀書房2012年)など。2015年2月より鹿砦社の脱原発雑誌『NO NUKES voice』にて「原発プロパガンダとは何か?」を連載中。

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『反差別と暴力の正体』は私たちの予想を超えて広く読まれている。編纂に関わった者としてはありがたい限りだ。そして予想通りながら読後感の多くに「正直びっくりした」「何か重たい気持ちが残った」が共通している。本書に綴った事実の羅列は、たしかに性悪の作家が敢えて、最悪の終末を用意した小説のようである。

しかしながら事実はそのように進行し、現在も加害者たちは同様の行為を継続しているのだから手に負えない。しかも一部の人間どもはさらに精鋭化しM君や鹿砦社への露骨な敵意を剥き出しにしつつある。

当該人物の名誉毀損攻撃はすべからく保存してあることは言うまでもない。鹿砦社の「言論弾薬庫」には次々と新型兵器が搬入され続けている。このようなことはわれわれの望む手法ではないが、これ以上の攻撃が続くようであれば、小型の迎撃ミサイルの1発くらいは発射せねばならない局面がやって来るかもしれない。

事件の周辺では、どす黒い思惑を持った連中が蠢いている。その中でまた不思議な動きが先日あった。M君に対して、驚くべき〈裏切り〉を行った趙博(通称パギヤン)が知人を介してM君に「会いたい」と打診をしてきたのだ。

仲介を依頼された知人はM君を助ける立場で一貫した発言を続けている方であり『反差別と暴力の正体』に仮名で登場する方だ。謎解きのような気分でツイッターを「ネットパトロール」して頂ければ、読者諸氏にもその書き込みは容易に発見することが可能だろう。ただ膨大な書き込みから当該箇所を見つけるのには骨が折れる作業なので、書き込まれたのは12月1日とだけ、ヒントを差し上げておく。

この書き込みの中で当該の方は「パギやんが謝罪を行ったのは、彼がツイッターの事情がよくわからないまま暴力事件のまとめサイトを作ったことで、ひどいツイートを集めてしまったことで混乱を招いた点について謝罪したのであって、事件への批判について謝罪をしたのではないということです。つまり印象操作です」と書いておられる。しかし事実は違う。「事件への批判について謝罪をしたのではない」は嘘だ。証拠を示そう。下記の趙博による《■李信恵さんへの謝罪文■》をご覧いただきたい。これは本年5月7日に趙博自身が当人のフェイスブックに書き込んだものだ。

この中で趙は、
「5月5日の会談で、私の『確信』はすべて根拠のないことが充分にわかりました。傷つき孤立しているCさん(著者注:M君を指す)を思う余り、私は彼の情報だけを頼りにしてきたのです。しかし、今その誇張と虚偽が判明した以上、私は李信恵さんに謝罪するしかありません(以下略)」
と書いている。

趙博による■李信恵さんへの謝罪文■

趙博による■李信恵さんへの謝罪文■

 

 

  
趙は事件後自ら「事件のことを知りたい」とM君に接近してきて、表面上は親身にM君のことを心配し、M君も趙に信頼をおいていた。しかし、5月初頭に趙は上記にある通り、腰を抜かすような〈手のひら返し〉を行う。この時も趙はM君を自分の事務所に呼び出し、何らかの話をしようと企図していた。過去に支援してもらった恩義を感じていたM君も「男と男の話をして来ようと思います」と趙の誘導に乗りかけていたが、取材班と松岡がそれを思いとどまらせた。当時松岡と趙の間で交わされたのが、下記のやり取りだ。

▼2016年5月6日 18:52 (※趙博から松岡及び複数の人たちに送られたメール)

昨日、李信恵とじっくり話しました。先ず、信義の問題として私が謝罪します。次に、被害者たるM君(著者注:元文ではM君の本名)の誇張と嘘がはっきりしました。今日、彼と会う約束でしたが「精神的にしんどいので日を改めて欲しい」とのことでした。僕は逃げたと判断します。ともあれ、大阪の運動を潰すわけにはいかないので、僕が悪者になります(笑)。李信恵たちとの信頼関係は全然壊れていませんので、ご心配なく

▼2016年5月7日 7:31(※趙博への松岡からのメール)

趙 博 様
拝復 メール拝受いたしました。 人の心の変わりようとはこんなものかと驚くばかりです。残念です。30年余りの付き合いのある私の親友も「わからんなあ」と頭を抱えておりました。 M君は真に趙さんを信頼していたんですよ。一夜でガラッと趙さんの態度が変わり、彼の精神的打撃は察するにあまりあります。何か一夜で趙さんが心変わりするほどの重大なことがあったのでしょうか? M君は直前まで趙さんに会いに行くつもりでしたが、私たちが止めました。彼が逃げたのではなく私たちが逃がしたのです。一昨年の12月、何かあると察し逃げていれば、くだんのリンチ事件は起きなかったわけで、今回も何か起きそうな予感がしましたので、会いに行くのを止めた次第です。特に精神的に参っている中で一人でのこのこ出かけていけば、自らの意に沿わないことにでも従わざるをえなくなりかねないからです。趙さんはどういう意図で彼を呼ばれ何を話されようとしたのでしょうか? 「誇張と嘘」──趙さんはこれまでM君の「誇張と嘘」に騙されていたんですね? また、私たちも彼の「誇張と嘘」に騙されているのでしょうか? 彼の「誇張や嘘」とは具体的にどのようなことでしょうか、教えてくだされば幸いです。 果たしてM君の「誇張と嘘」とはいかなるものか、臭いものに蓋がされることなく、裁判や報道などで、その〈真実〉が明らかになることを願ってやみません。 李信恵さんら加害者3人の謝罪文、事件翌朝の悲惨な写真、録音テープなどもあるのに、M君に「誇張や嘘」があるとは到底思えません。 私もこの歳になると争い事や暴力の匂いがあることから避けたいと思い生きてきたところ、ひょんなことで、この問題に関わるようになりましたが、これだけの証拠もあるのに「誇張や嘘」があると言われると、逆に私は〈真実〉を知りたいと思います。この件に限らず、私の信条として、あくまでも被害者や弱い立場の者の側に立ち、今後も陰に陽にM君をサポートしていく所存です。 趙さんは近々に「謝罪文」を出される由、大きな関心を持って拝読させていただきたいと思っています。 趙さんの更なるご活躍を祈っています!

敬具
5月7日 鹿砦社 松岡利康

その時、趙博に多大の期待をしていたM君のみならずわれわれの驚きと落胆は大きかった。この悔しさは忘れることができない。

5月のGW前後、4月28日に『週刊実話』がM君リンチ事件のことをコラム記事で小さく報じたところ加害者側が『実話』に抗議、『実話』はあえなく「謝罪・訂正文」をそのHP上に出し形勢逆転、機を見るに敏な趙は、それまでの勢いはどこに行ったか、加害者側に寝返った。その後、高島章弁護士や『世に倦む日日』らが、李信恵らの「謝罪文」、辛淑玉文書、そしてリンチ場面の生々しいテープ起こし、リンチ直後のM君の顔写真らを公開、一気に形勢再逆転、さらにくだんの『ヘイトと暴力の連鎖』『反差別と暴力の正体』出版によって形勢はM君側に大きく傾いてきている。そうした情況での、今回の「話し合い」の申し出、いくらなんでも虫が良過ぎるのではないだろうか!? 他のところでも、趙の似たような言動の情報が寄せられているが、風見鶏はやめろと言いたい。

趙博は「浪速の歌う巨人」と自称しているが、一連のコウモリ的行為を表するならば「浪速の謡う虚人」と言われても仕方ないのではないか。どれだけM君の精神を無茶苦茶にすれば気が済むのだ。

われわれ取材班は趙博の裏切りの連続に、たとえようもない腐臭を感じる。

(鹿砦社特別取材班)

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1996年から続いているフジテレビの「めちゃ×2イケてるッ!」が視聴率低迷にあえいでいる。打ち切りの噂さえ浮上しているが、真偽についてフジテレビ関係者に聞いても「その話は箝口令がしかれた」ととりつくしまがない。

未成年との淫行で姿を消した「極楽とんぼ」の山本圭壱が7月30日に登場。この結果、スポンサー数社が激怒して降り、今年の10月に「存続」がアナウンスされたが来年の春から「深夜枠」へ移動が決定的とも。30分番組となり、予算も大幅に削られることが決定したとも報道があった。視聴率としては山本が出演した回は11.9%という高視聴率をとったが、それ以降、なかなか一桁から抜け出せない。 90年代前半は、20%を簡単に叩き出していたこの番組について、スポンサーたちは「視聴率15%ではじめて回収できる」としているのだ。

「やはり山本登場は禁断の果実だった。毒がまわってきた気がする。ところが代理店主導で、この番組は基本的にはメンバーがほぼリストラされるものの、『ナインティナイン』の岡村隆史と矢部浩之がMCのスポーツ情報番組となるかもしれません」(芸能ジャーナリスト)

『Quick Japan』Vol.113(2014年4月発売号)

どういうことか。

「フジテレビのバラエティ番組は、軒並み視聴率がとれていない。なおかつ『めちゃイケー』の場合は、もうロケ、コント、素人の発掘などありとあらゆることをやり尽くしてきた感がある.岡本も後輩芸人に『もうやりたいことは全部やった』と漏らしている。主導している広告代理店の示唆もあり、「これから東京五輪・パラリンピックで盛り上がっていくし、いっそ『めちゃ×2イケてるッ! スポーツ』 にリニューアルしたらどうか」という案が急浮。月曜の深夜は矢部がサッカー番組『やべっちF.C. ~日本サッカー応援宣言~」(テレビ朝日)がありますからかぶらないよう に、五輪種目のみに特化するなど工夫がいりますけどね」(同)

ただでさえ民放でも最低レベルの視聴率にあえぐフジテレビとしては、大胆に今年、すべての番組を対象にてこ入れを開始。その先鞭だとも言われる『めちゃイケー』の改革だが、この見せしめともいえるてこ入れの背景には、3つ理由があるとテレビ関係者は指摘する。

まずは帯で放送している深夜のニュース番組「ユアタイム」の低迷。

「もはや2~3%で視聴率が推移している『ユアタイム』は、当初予定していたMCのショーン・Kの学歴詐称疑惑ショックから抜け出せず“お荷物”のまま。すでに編成や広告代理店らが番組をバラしにかかっています。そのあいた枠をなんとかして人気番組で埋めて年間視聴率の帳尻を合わせないといけない。改革第1弾として、(仮)『めちゃイケ スポーツ』をスタートさせよう というのです。MCはナイナイがやりますが,残りのメンバーはもうカットされるでしょう」(同)

2つめは「スポーツ番組にすれば低予算でも制作できる」強みがあるという。

「かつてのスポーツニュース番組『すぽると!』のスタッフのツテもあるし、ギャラがほぼ無料のアマチュアのアスリート密着もすぐにできる。またフジ系のスポーツ評論家のギャラもほかの番組と抱き合わせで発注すればそう高くない。ただでさえ低視聴率ながら武田真治や鈴木紗理奈らベテラン組のギャラが高騰して予算を圧迫。もう採算バランスが狂っているのです。ジャンルをスポーツにすれば堂々とその『累積赤字』を一気に解決できる」(同)

3つめはこれからのスポーツ日程の問題。

「これからサッカーはロシアW杯のアジア最終予選で盛り上がってくるし、フジが押しているバレーボールも全日本女子は中田久美氏が新たに監督に就任し、注目度は高い。マーケティングでも『高視聴率が期待できる』と出ている。さらにフジが押しているバスケットボールのプロリーグ「Bリーグ」の特集もここの枠に押し込める、。ナイナイが二人ともスポーツに明るいのも好材料だ」(同)

ナイナイは岡村、矢部とも大阪府立茨木西高校でサッカーに興じていたスポーツ万能型。

矢部はいまだにサッカー番組でフリーキックを蹴ったり、岡村はコントなどで運動神経抜群なところを見せており、EXILEやAKB48 に混じって特番で踊った経験もある。

「災い転じて福じゃないけど『めちゃイケー』のリニューアルはけっこうフジテレビ復活の起爆材料になるかもしれない」との声も。

フジテレビに「めちゃイケが深夜に移動してスポーツ番組になるという話が出ているが」と聞いたが「そのような情報は入っておりません」とした。果たして文字どおり「イケてる」リニューアルとなるか。

(伊東北斗)

 

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「女がキックなんかやるもんじゃねえ!」そんな声が聞こえた昭和の時代。マスコミの中にも一部そんな偏見を持つ者もいました。

その後、女子の可能性に閃いたプロモーターによって試合が増え、女子の世界タイトルマッチまで到達しても、そのマイナー競技の層の薄さに、そこに注目するファンも少なかった時代が続きました。

そんな邪道とされた女子キックも、次第にスポーツ全般の女子選手の活躍に負けない活動が注目され始め、近年の少年(少女)育成のジュニアキック卒業後の高度成長からも女子キックを、決して侮れない時代になりました。

市販のランニングパンツで試合する、まだ女子キックも確率していない頃のエキシビジョンマッチ(1984年1月5日)

◆70年代──女性選手がやり難い時代

キックボクシングが1970年代の隆盛期を迎えた時代にもすでに女子キック団体は存在しており、しかしその存在は非常に小さく、低い技術の試合より、色気に目がいった観衆の異様な視線に、キックをやりたいと思う女性がいてもその環境は程遠く、やり難い時代だったかもしれません。

◆80年代の開花──WKA世界王座を勝ち取った熊谷直子

そしてこの女子の存在に本格的に力を注ぐ兆しとなったのは、女子プロレスのブームもそのひとつだったでしょう。1980年代のクラッシュギャルズ中心の“善玉悪玉の戦い”は競技性よりも、観衆に、特に女性から注目を浴びる輝いたリングでした。

キックボクシングそのものが低迷し、復興に力を注いでいたこの時代、女子の試合は重要視されない環境でも、実力ある選手が台頭してきたのは、新しい競技のシュートボクシングにおける若菜などの活躍、全日本キックボクシング連盟ではWKA世界王座まで到達した熊谷直子がスター的な立場となりました。後には熊谷の後輩となる三井綾、中沢夏美や、他団体にシュガーみゆき、神風杏子なども存在し、比較的軽量級では選手層が充実していた時代でした。

その熊谷が目指したもの、女子選手だけによる興行を実現させたのが1994年10月でした。後の通常の興行でも女子がメインイベント3試合を飾ることも実現させるなど、過去に無い女子キックボクサーの存在感をアピールするも、後の世代まで継続させるほどの勢いは無く、女子キック存在の厳しさは続きました。

[左写真]女子キックのレジェンド、WKA女子世界ムエタイ・フライ級、バンタム級チャンピオン熊谷直子。[右写真]神風杏子(左)vs熊谷直子(右)(1998年に2度対戦)

[左写真]JBCの女子公認前にエキシビジョンマッチで、プロボクシングのリングに上がったことがあるシュガーみゆき。[右写真]2000年代に入ってボクシングとキックで活躍した柴田早千予

◆タイ人オカマボクサー、パリンヤー・ギャップサバーの新風

その頃、異色の新風を起こしたのはタイ人オカマボクサー、パリンヤー・ギャップサバーの出現とタイでのブーム。これが話題中心に作られたものでなく、男子ムエタイボクサーとして実力が伴なったものでした。それが日本にもやって来るほど、“男性”ではある為、男子キックで戦い、その後、女子プロレスラー・井上京子との異種格闘技戦は話題を呼びました。こうしたオカマボクサーが強かったが為、男女とも刺激を受けた時期でした。

[左写真]一世風靡した“オカマムエタイ?”のエース、パリンヤー(1998年頃)。[右写真]ワイクーも女らしさを出したパリンヤーの戦いの舞

女子ムエタイのベテランエース、Littele Tiger(2016年9月25日)

女子シュートボクシングのエース、RENA(2015年2月11日)

◆99年協会設立を経て00年代女子「覚醒の時代」へ

一連の女子の活躍からひとつ世代が変わり、2000年代前半は徐々に各競技でも女子選手が増えた時代でした。特に女子プロボクシングの台頭は大きく、MA日本キックボクシング連盟の山木敏弘代表がキック興行の中に女子ボクシングを組み込む経緯を経た1999年4月、日本女子ボクシング協会を設立しました。

当時は女子キックボクサーのボクシングとの両立が中心でしたが、2005年11月に菊地奈々子が日本人女子として初のメジャー団体王座、WBC女子世界ストロー級チャンピオンになったことで世間に名を轟かすひとつとなり、一般女性にもボクササイズとしてのボクシングに触れる機会が増え、「蹴りがあるほうが楽しい」といった感覚でキックに目覚める女性もいたでしょう。

2008年春には女子プロボクシングがJBC管轄下の日本プロボクシング協会に吸収された“メジャー昇格”で、後には主要4団体の世界戦実現に至りました。

日本でのプロボクシングの伝統・格式の違いから、他競技との壁は出来たものの、競技性の面白さでは女子キックボクシング系競技も上昇気流に乗り、2000年代後半にはリトルタイガーやRENAのデビュー。幼少期からの育成時代に入ると、伊藤紗弥が4歳から男子に混じっての練習で力を付け、2015年には16歳で32歳のリトルタイガーから世界王座を奪う成長ぶりでした。

◆世界フライ級チャンピオンRENAが切り開く“ツヨカワイイ”の時代

男女に関わらず、タイ国同様に幼少期から鍛えれば本当に強くなるという現実があり、「女がキックなんか……」と言われた偏見が完全に崩れた現在、今後のこの競技の在り方次第で、女子キックもより選手層充実に繋がるでしょう。キックボクシング系競技で現在そのトップにいるのはシュートボクシングの世界フライ級チャンピオンRENAで、メディアに取り上げられるのも“ツヨカワイイ”のが武器であります。

厳密な経緯には程遠く語弊もあるかもしれませんが、大雑把に歴史を追った女子キックの発展経緯でした。当初、マスコミの中にいちばん女子キックに偏見を持っていたのは、実は私自身であり、全日本キック時代、女子がメインイベントを張ったラスト3試合を取材せずに帰ったのはマスコミで私一人だったでしょう。

「大人げないことするなよ!」と元・日本フェザー級チャンピオンの葛城昇氏に窘められた次第ですが、後に知人のカメラマン菊地奈々子や、キックをやるとは思えなかった知り合いの一般女性が鍛え、プロ出場した影響や、過去記事にあるように、男女どんな選手もスタッフも、生涯で公式リングに立っていられる時間というものを貴重に思い、そこで悔いの無い実力を発揮出来るよう、反省を込めて願うこの頃であります。

女子ムエタイの新スター、伊藤紗弥(2016年3月21日)

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

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