1996年から続いているフジテレビの「めちゃ×2イケてるッ!」が視聴率低迷にあえいでいる。打ち切りの噂さえ浮上しているが、真偽についてフジテレビ関係者に聞いても「その話は箝口令がしかれた」ととりつくしまがない。
未成年との淫行で姿を消した「極楽とんぼ」の山本圭壱が7月30日に登場。この結果、スポンサー数社が激怒して降り、今年の10月に「存続」がアナウンスされたが来年の春から「深夜枠」へ移動が決定的とも。30分番組となり、予算も大幅に削られることが決定したとも報道があった。視聴率としては山本が出演した回は11.9%という高視聴率をとったが、それ以降、なかなか一桁から抜け出せない。 90年代前半は、20%を簡単に叩き出していたこの番組について、スポンサーたちは「視聴率15%ではじめて回収できる」としているのだ。
「やはり山本登場は禁断の果実だった。毒がまわってきた気がする。ところが代理店主導で、この番組は基本的にはメンバーがほぼリストラされるものの、『ナインティナイン』の岡村隆史と矢部浩之がMCのスポーツ情報番組となるかもしれません」(芸能ジャーナリスト)
どういうことか。
「フジテレビのバラエティ番組は、軒並み視聴率がとれていない。なおかつ『めちゃイケー』の場合は、もうロケ、コント、素人の発掘などありとあらゆることをやり尽くしてきた感がある.岡本も後輩芸人に『もうやりたいことは全部やった』と漏らしている。主導している広告代理店の示唆もあり、「これから東京五輪・パラリンピックで盛り上がっていくし、いっそ『めちゃ×2イケてるッ! スポーツ』 にリニューアルしたらどうか」という案が急浮。月曜の深夜は矢部がサッカー番組『やべっちF.C. ~日本サッカー応援宣言~」(テレビ朝日)がありますからかぶらないよう に、五輪種目のみに特化するなど工夫がいりますけどね」(同)
ただでさえ民放でも最低レベルの視聴率にあえぐフジテレビとしては、大胆に今年、すべての番組を対象にてこ入れを開始。その先鞭だとも言われる『めちゃイケー』の改革だが、この見せしめともいえるてこ入れの背景には、3つ理由があるとテレビ関係者は指摘する。
まずは帯で放送している深夜のニュース番組「ユアタイム」の低迷。
「もはや2~3%で視聴率が推移している『ユアタイム』は、当初予定していたMCのショーン・Kの学歴詐称疑惑ショックから抜け出せず“お荷物”のまま。すでに編成や広告代理店らが番組をバラしにかかっています。そのあいた枠をなんとかして人気番組で埋めて年間視聴率の帳尻を合わせないといけない。改革第1弾として、(仮)『めちゃイケ スポーツ』をスタートさせよう というのです。MCはナイナイがやりますが,残りのメンバーはもうカットされるでしょう」(同)
2つめは「スポーツ番組にすれば低予算でも制作できる」強みがあるという。
「かつてのスポーツニュース番組『すぽると!』のスタッフのツテもあるし、ギャラがほぼ無料のアマチュアのアスリート密着もすぐにできる。またフジ系のスポーツ評論家のギャラもほかの番組と抱き合わせで発注すればそう高くない。ただでさえ低視聴率ながら武田真治や鈴木紗理奈らベテラン組のギャラが高騰して予算を圧迫。もう採算バランスが狂っているのです。ジャンルをスポーツにすれば堂々とその『累積赤字』を一気に解決できる」(同)
3つめはこれからのスポーツ日程の問題。
「これからサッカーはロシアW杯のアジア最終予選で盛り上がってくるし、フジが押しているバレーボールも全日本女子は中田久美氏が新たに監督に就任し、注目度は高い。マーケティングでも『高視聴率が期待できる』と出ている。さらにフジが押しているバスケットボールのプロリーグ「Bリーグ」の特集もここの枠に押し込める、。ナイナイが二人ともスポーツに明るいのも好材料だ」(同)
ナイナイは岡村、矢部とも大阪府立茨木西高校でサッカーに興じていたスポーツ万能型。
矢部はいまだにサッカー番組でフリーキックを蹴ったり、岡村はコントなどで運動神経抜群なところを見せており、EXILEやAKB48 に混じって特番で踊った経験もある。
「災い転じて福じゃないけど『めちゃイケー』のリニューアルはけっこうフジテレビ復活の起爆材料になるかもしれない」との声も。
フジテレビに「めちゃイケが深夜に移動してスポーツ番組になるという話が出ているが」と聞いたが「そのような情報は入っておりません」とした。果たして文字どおり「イケてる」リニューアルとなるか。
(伊東北斗)