2月13日、参院議員会館で「国民投票法の改正を求める会」の集会が開かれた。長きに渡り、世界各国の国民投票を取材されてきたジャーナリストの今井一氏が主催する会で、私も出席して意見を述べた。

法改正を求める、などというと何だか難しいことをやっているようだが、このままの国民投票法で投票を実施すると、あまりに不公平なことになるから法改正すべきだという提案で、要求は実にシンプルだ。

◆大抵の法案は通ってしまう与党絶対多数への危惧

2月13日「国民投票法の改正を求める会」集会の告知

国民投票法は2007年に施行された法律で、その実施は細かく規定されている。現状では、護憲派はまだ機が熟していないとして憲法審査会での引き伸ばしを図っているが、実際は国会発議に必要な3分の2以上の議席を与党(改憲派)が握っているのだから、現実的に言えば、明日国会発議があっても通ってしまう状況にある。秘密保護法もカジノ法案も野党は絶対阻止と言っていたが、成立した。与党が絶対多数を握っていれば、大抵の法案は通ってしまうのだ。

現行の国民投票法最大の問題点は、国民投票運動期間における広告宣伝に関して、「投票日から14日以内のテレビCM放映禁止」以外は、ほぼ何の制約もないことにある。

広告宣伝に投入できる資金の縛りすらない。つまり、カネのある方は期間中無制限に広告宣伝を打てるのに対し、そうでない方はメディアで何も主張できないことになる。

◆衆参選挙の対メディア宣伝費はおよそ100億円

もう少し具体的にいうと、国民投票が国会で発議されると、そこから最低60日、最長180日間の「投票運動期間」となる。衆参の選挙運動期間が約2週間なのに対し、かなり長い。そしてこの運動期間中、賛成・反対派共に、あらゆるメディアで無制限に広告を展開できることになっているのだ。

ちなみに、衆参の選挙でメディアに投入される宣伝費は100億円程度(選挙公営からの拠出の他、各政党独自の広告費を含む)であるから、少なく見てもその4~5倍のカネが投入されることになるだろう。

このように書くと、改憲派・護憲派双方が自由に宣伝合戦できるならいいではないか、と錯覚しがちだが、ことはそんなに単純ではない。なぜなら、予想される国民投票は与党(自民・公明)が主導し、好きなようにスケジュールを組み立てられる。つまり、広告宣伝における「メディア戦略」を早くから構想し、自分たちに一番都合の良いように展開できるからだ。では具体的に、どのようなことが起こり得るのか列挙してみよう。

《1》 改憲派は自民党を中心に結束して宣伝戦略を実行し、最初から電通が担当することが決まっているのに対し、護憲派はバラバラで何も決まっていない。改憲派は国会召集以前から周到なメディア戦略を構築することが可能である。

《2》 改憲派は国会発議のスケジュールを想定できるのに対し、護憲派はあくまで発議阻止が大前提のため、国会発議後にようやく広告宣伝作業を開始する。この初動の差が非常に大きい。

《3》 改憲派は自民党の豊富な政党助成金、経団連を中心とした大企業からの献金を短時間で集めて広告宣伝に使えるのに対し、護憲派は国民のカンパが中心となると思われ、集めるのに時間を要する。さらに、集まる金額も桁が違うことが予想される。広告代理店とメディアは支払い能力の有無を厳しく査定してから広告を受注するので、ここでもタイムラグが生じる。

《4》 改憲派は電通を通じて発議までのスケジュールを想定して広告発注を行い、TVCMのゴールデンタイムをはじめあらゆる広告媒体(新聞・雑誌・ラジオ・ネット・交通広告等)の優良枠を事前に抑えることが出来る。その際、電通は「自動車」「家電」などのダミーネームで広告枠を抑えるため、護憲派は察知できない。発注が遅れた護憲派のCMや広告は、視聴率などが低い「売れ残り枠」を埋めるだけになる可能性が高い。

《5》 もし投票日が発議後60日後の最も短い期間になった場合、改憲派は事前準備して発議後翌日から広告宣伝をフル回転(広告を放映・掲載)できるのに対し、護憲派がTVCMなどを放映開始できるのは(制作日数を考慮すると)どんなに早くても2~3週間後となり、その間は改憲派の広告ばかりが放送・掲出されることになる。この初動の差を埋めるのは至難である。さらに週刊誌や月刊誌などへの広告掲載は既に優良枠を買い占められて、ほとんど何も掲載できないまま投票日を迎える可能性すらある。

《6》 改憲派は雑誌関係でも国会発議予定日に照準を合わせ、「国民投票特集」のような雑誌タイアップ本、ムック本・新書・単行本の企画・発売を計画できるが、護憲派にそんな時間的余裕はなく、書店店頭は改憲派関連書籍によって占拠される。

《7》 改憲派は豊富な資金に物を言わせて大量のタレントを動員し、出演者が毎日変わる「日替わりCM」も制作可能。老若男女に人気の高いタレントや著名人をターゲット層に合わせて出演させ、「改憲YES!」「改憲、考えてみませんか」と毎日語りかける演出が出来る。

《8》 改憲派は国会発議のスケジュールに合わせて自前の番組枠を持つことも可能だ。MXテレビの「ニュース女子」のように、スポンサーが資金を出して制作プロダクションに番組を作らせ、テレビ局に持ち込む方式にすればよい。国会発議後、民放深夜枠やBS・CS放送の時間枠を買い切れば十分可能。

というように、初動の遅れが護憲派に壊滅的打撃を与える可能性が非常に高い。仮に護憲派が相当な資金を集め得たとしても、それを使う場所が全て事前に抑えられていたら、どうしようもないのだ。総金額で同じ広告費を投入しても、視聴率の低い時間帯にいくらCMを流しても無駄だし、購読率の低い雑誌や新聞の広告枠をいくら大量に買っても、やはり意味がないのである。

さらに、ことは広告宣伝だけに止まらない。巨額の広告費投入は、クロスオーナーシップで構成される日本の報道現場にも、大きな影響を与える可能性が高い。そこで何が起きるのかは、次回で解説しよう。

▼本間龍(ほんま りゅう)
1962年生まれ。著述家。博報堂で約18年間営業を担当し2006年に退職。著書に『原発プロパガンダ』(岩波新書2016年)『原発広告』(亜紀書房2013年)『電通と原発報道』(亜紀書房2012年)など。2015年2月より鹿砦社の脱原発雑誌『NO NUKES voice』にて「原発プロパガンダとは何か?」を連載中。

『NO NUKES voice』第10号本間龍さん連載「原発プロパガンダとは何か?」新潟知事選挙と新潟日報の検証!

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◆産経新聞「安倍日誌」の決定的情報

次々と安倍首相が「森友学園」不正払い下げに関与した疑いを補強する事実が明らかになってきているが、決定的な情報が明らかになった。全国紙は首相の動静を報じるが、2015年9月3日の安倍首相の動静を翌4日付産経新聞が実に緻密に報じていた。

産経新聞2015年9月04日付「安倍日誌」

2017年2月17日衆院・予算委員会

2017年2月17日衆院・予算委員会

2017年2月17日衆院・予算委員会

[以下同記事引用]
【午前】8時47分、公邸発。48分、官邸着。52分から9時33分、世耕弘成官房副長官。54分、官邸発。56分、国会着。57分、参院第43委員会室入る。10時、参院厚生労働委員会開会。
【午後】0時2分、参院厚労委休憩。同室出る。3分、国会発。6分、官邸着。2時2分から12分、内閣府の松山健士事務次官、黒羽亮輔賞勲局長。17分から27分、財務省の岡本薫明官房長、迫田英典理財局長。3時から21分、佐田玄一郎自民党道州制推進本部長。礒崎陽輔首相補佐官同席。22分から45分、斎木昭隆外務事務次官。4時1分から34分、伊原純一外務省アジア大洋州局長。37分から55分、二階俊博自民党総務会長らによる小笠原諸島の振興に関する申し入れ。5時4分から32分、北村滋内閣情報官。6時23分、官邸発。32分、東京・芝公園の東京プリンスホテル着。宴会場「サンフラワーホール」で自民党の政策グループ「きさらぎ会」の懇親会に出席し、あいさつ。7時19分、同所発。27分、公邸着。[引用了]

ご注目頂きたいのは「(午後2時)17分から27分、財務省の岡本薫明官房長、迫田英典理財局長」である。今話題沸騰の「森友学園」への不正売却疑惑を管轄しているのは近畿財務局だが、財務省はその上位官庁であり、しかも官房長、理財局長は極めて責務と権限の大きい役職である。

この日の動静には他にも多数の人物が登場するが、実は翌9月4日に安倍首相は国会開会中にもかかわらず、大阪へ出向いている。このことと併せ考えると、近畿財務局への指示や伝達の調整が首相と財務省の間で行われた可能性が疑われる。未だに近畿財務局が「非公開」としている森友学園への「借地」が始まったのは2015年だった。そして5日には森友学園の名誉校長に安倍昭恵夫人が就任している。この見事なまでの流れは偶然だろうか。

東京新聞2017年2月25日付

◆なぜ森友学園の売却額だけ「非公表」だったのか?

怪しい事実は更に明らかになってくる。2014年から2016年の間で財務省が国有地の売却額を非公表にしたのは693件の内、「森友学園」の1件だけであることが判明した。

以下は東京新聞(2017年2月25日付)の報道だ。

[以下同記事引用]
大阪府豊中市の国有地が学校法人「森友(もりとも)学園」(大阪市淀川区、籠池(かごいけ)泰典理事長)に評価額の14%の値段で売却された問題で、財務省が国有地の売却額を非公表にしたのは2014~16年度の693件のうち森友学園の事例1件だけだったことが分かった。政府は取引を透明化するために金額を原則公開しているが、異例の扱いをしていた。 

問題になっている国有地は、小学校用地として当初の評価額9億5600万円から8億円余りも安い1億3400万円で売却された。国有地の売却結果は、1999年の大蔵省(現財務省)の通達で原則公表することになっている。

近畿財務局(大阪府など二府四県を管轄)が実施した森友学園への売却は、適当な相手と考えられたり特殊な技術が必要な場合に行われる随意契約。財務省によると、近畿財務局は過去3年間に随意契約で国有地を36件売却したが、非公表は森友学園との取引一件だけだった。同時期に近畿財務局以外で行われた売却はすべて公表していた。

近畿財務局は非公表にした理由について昨年6月の契約の際、森友学園からの要請があったためとしている。財務省は「取引相手が公表に同意しない場合は公表していない」と説明している。

だが、この取引の不透明さが報道され、同財務局が今月(2月)10日に金額を公表した。一転して価格を公表したことについて財務省は「非公表のままだと、森友学園が国有地を不当に安く取得したという誤解を受けると判断し、公表に同意した」と話している。[引用了]

◆2015年9月名誉校長就任記念講演での安倍夫人が語ったこと

2015年9月5日付安倍昭恵氏Facebookより

さらに、安倍首相は「安倍晋三記念小学校」としての寄付集めを、「止めるように要請していた」と国会で答弁していたが、2015年9月に行われた「森友学園」名誉校長就任記念講演で安倍夫人は、

「こちらの教育方針は大変主人もすばらしいという風に思っていて、(学園理事長の籠池泰典)先生からは、安倍晋三記念小学校という名前にしたいという風に当初は言っていただいていたんですけれども、主人が、総理大臣というのはいつもいつもいいわけではなくて、時には、批判にさらされる時もある」

「もし名前をつけていただけるのであれば、総理大臣を辞めてからにしていただきたいということで……」

と語っていたことも明らかになった。

2017年2月17日衆院・予算委員会

◆パズルのピースは寸分たがいなく埋め込まれた……

全然断っていないじゃないか。「もし名前をつけていただけるのであれば、総理大臣を辞めてからにしていただきたいということで…」とは、断りではなく「総理大臣を辞めた後には『安倍晋三記念小学校』にしてね」と懇願していると理解するのが一般的な感覚だろう。

再度繰り返すが「この件に私や妻が関わっていたら私は、総理も国会議員も辞めます」と明言したのは安倍本人だ。ここまでの事実を前にどのように弁明するんだ。パズルのピースは寸分たがいなく「安倍は虚偽を述べている」事実を示している。もはや次のなる関心は安倍の辞任時期が何時かに移ったといっても急ぎ過ぎではあるまい。


◎[参考動画]2017年2月17日衆院・予算委員会

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

残部僅少『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾12月号増刊)

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アグレッシブさは悠矢を上回ったジョーダン(左)のミドルキック

パンチの距離をもっとキープしたかった悠矢(右)

ジョーダン(左)の蹴り終わりを狙い続けた悠矢のローキック

狙い撃ちは上手だった宮越宗一郎(右)のカウンター

前日計量で、悠矢は体調の良さは強調しつつも、「いつもより2kg多いウェイトですが、リミットいっぱいいっぱいでスーパーフェザー級(58.9kg)だったら無理でした」と言うほど身体が大きくなった感じの様子。

また「僕はアグレッシブな戦いしますけど、ジョーダン選手がムエタイスタイルなら、僕とは初めて戦うタイプと思うので、日本のこと嫌いになっちゃうかもしれませんけど、全力で戦って明日は僕が勝ちます。」という激闘を匂わすコメントを送っていました。

◎NJKF 2017.1st / 2月19日(日)後楽園ホール 17:00~20:55
主催:NJKF / 動画配信: YouTube LIVE

◆61.0kg契約3回戦

WBCムエタイ世界スーパーフェザー級14位.悠矢(日本C/大和/ 61.0kg)
vs
同級11位.ジョーダン“デーカレック”コー(アイルランド/ 60.7kg)
勝者:ジョーダン”デーカレック”コー / 0-3
(主審 山根正美 / 副審 少白竜48-49. 松田48-50. 竹村48-49)

アグレッシブなのはコーの方でした。前蹴り、左ミドルキック主体に出てくるコー。ローキックで崩しに掛かりたい悠矢。後手になりがちで突破口を見出せないがローキックは次第に効いてきているはずも、コーはたじろがず表情にも表れない。コーの勢い衰えないまま悠矢はパンチ勝負に繋げず小差判定で敗れ去りました。コーはリングから降りる際もセコンドの肩を借り、右足太腿が痛々しくかなり効いていた様子。悠矢はWBCムエタイ・インターナショナル・スーパーフェザー級王座への前哨戦だった試合に敗れ、挑戦が一旦後退した現状で次戦はどうなるかは未定です。

負けられない立場の鈴木翔也(左)だったが、ほんの少し踏ん張り足りず

◆70.0kg契約3回戦

WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーウェルター級チャンピオン.宮越宗一郎(拳粋会/ 70.0kg)
vs
森本一陽(レグルス池袋/ 69.9kg)
引分け / 1-0
(主審 多賀谷敏朗 / 副審 山根29-29. 松田30-29. 竹村29-29)

2月12日で30歳になった宮越宗一郎が年内で引退をほのめかす中、森本一陽と引分け。森本の踏み込んで自分の距離を保ってのパンチ連打と蹴りを宮越は応戦し強い蹴りで上回るも森本の勢いを止めるには時間が足りなかったか。ラストラウンドは互いが流血になる中、激しい攻防の中での終了。

◆NJKFスーパーフェザー級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン.鈴木翔也(OGUNI/ 58.97kg)
vs
2位.琢磨(東京町田金子/ 58.90kg)
勝者:琢磨 / 0-2
(主審 少白竜 / 副審 山根48-49. 多賀谷49-49. 竹村48-49)

琢磨が一度敗れている鈴木翔也に際どい接戦を制し第6代NJKFスーパーフェザー級チャンピオンとなる。

鈴木翔也(左)vs琢磨(右)。パンチを貰い過ぎたか印象点に響く

執念で王座奪回へ意欲的に攻めたYETI達朗(左)

◆NJKFスーパーウェルター級王座決定戦 5回戦

1位.YETI達朗(キング/ 69.7kg)
vs
4位.西岡和久(誠至会/ 69.7kg)
勝者:YETI達朗 / 3-0
(主審 松田利彦 / 副審 山根50-47. 多賀谷50-47. 少白竜50-47)

YETI達朗は昨年2月、白神武央(拳之会)に王座を奪われるも白神がひとつ上のWBCムエタイ日本王座を獲った為、返上されたNJKF王座に第6代王座決定戦で再挑戦し奪回に成功。

ヒジとパンチで優位に攻めたYETI達朗(左)

アグレッシブな矢島直弥を上回る能登達也(右)の先制攻撃がKOに結びついた

◆52.0kg契約3回戦

NJKFフライ級チャンピオン.能登達也(VALLELY/ 52.0kg)
   vs
WPMF日本フライ級チャンピオン.矢島直弥(はまっこムエタイ/ 52.10→52.0kg)
勝者:能登達也 / TKO 1R 0:57 / カウント中のレフェリーストップ
主審:竹村光一

◆55.5kg契約3回戦

前田浩喜(CORE/ 55.45kg)vs コンバンノー・エスジム(タイ/ 55.5kg)
勝者:前田浩喜 / TKO 1R 2:57 / カウント中のレフェリーストップ
主審:山根正美

他、4試合は割愛します。

◆取材戦記

能登達也が矢島直弥を豪快に1ラウンドでノックアウトし、4月1日開催の「KNOCK OUT vol.2イベント」に出場が予定される石井一成の相手として名乗りを上げました。インパクトあるノックアウト後に自らマイクアピールするのは効果的ですね。KNOCK OUT関係者が来場されていたかはわかりませんが、まず居なくても伝わることでしょう。

“格闘技界初”と発表された「観客へのサービスとして、後楽園ホールのリング上にて専任スタッフによる記念撮影サービスを実施」という催しも、リング上での撮影会はリング下に変更されていました。「ファンはリングに上がらないで」とは毎度の興行で後楽園ホール側からお願いされていましたから、「本当にやれるのか」と思いましたが、やはり当然の警告となったようでした。しかしNJKF は、2017年のスローガンをForTheFans とし、ファンが楽しむためのキックボクシングを提供することを目指しており、今回の企画に優る今後のForTheFansに期待しましょうか。

表彰選手と役員が揃う年に一度のイベント

セレモニーでは2016年度のNJKF年間表彰式が行なわれ、各賞が授与されました。

最優秀選手賞  宮越慶二郎(拳粋会)
殊勲賞     健太(E.S.G)
敢闘賞     テヨン(キング)
技能賞     MOMOTARO(OGUNI)
新人賞     二条司(誠至会)
年間最高試合賞 宮越慶二郎(拳粋会)vs 羅紗陀(キング)

ひとつの団体のみの10分あまりで終了した年間表彰式でしたが、2月10日には東京ドームホテルで恒例のプロボクシングの年間表彰式が行なわれており、2時間ほど掛けたそのスケールの差を感じますが、キックボクシングも業界で統一された年間表彰式があったなら昨年、タイの殿堂ラジャダムナンスタジアム・スーパーウェルター級王座を奪取し、現地で初防衛を果したT-98(今村卓也/クロスポイント吉祥寺)と同スタジアム・ライト級王座を藤原敏男氏以来の38年ぶりの奪取を果した梅野源治(PHOENIX)がトップを争うところでしょうか。更に那須川天心らが顔を揃える表彰ステージ上を想像してしまいます。来年はそんな形が少しでも実現に向かうような進展が見られたらと既存の団体や「KNOCK OUT興行運営」に期待したいものです。

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

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何度電話をかけても誰も出ない。が、懲りずに何時間も電話をかけ続けた。『森友学園』、瑞穂の國記念小學院開校準備室(以下、開校準備室)は、お見事というほかない、無茶苦茶な対応であった。

朝日新聞2017年2月23日付け記事

NHK2017年2月23日付け記事

朝日新聞2017年2月24日付け記事

読売新聞2017年2月24日付け記事

◆開校準備室「事務の者」との一問一答

開校準備室 お電話ありがとうございます。、瑞穂の國記念小學院開校準備室です。

―― おじゃま致します。
開校準備室 はい。

―― わたくし田所と申します。
開校準備室 はい、こんにちは。

―― いつもお世話になっております。
(突然保留音が聞こえてくる)

―― もしもし、もしもし!
開校準備室 いつもお世話になっております。

―― 恐れ入ります、2、3教えていただきたいのですが。
開校準備室 はい、わたしは事務の者でお答えしかねるのですけれども。

―― いえいえ、お分かりいただける範囲で結構なんです。
開校準備室 はい。

―― 今開校を目指していらっしゃる、瑞穂の國記念小學院開校準備室がですね。
開校準備室 はい、あのう どなた様でしょうか?

―― ですから私は田所と申し上げております。
開校準備室 はい、あのー、わたくしお電話口に出る者なので、事務にお電話のあったことだけをお伝えさせていただきます。

―― いえいえ、わたしが今から質問しようとしているんですよ。それにあなたはさきほど「私は事務の者」と仰ったじゃないですか。
開校準備室 わたしは答える立場ではないですので。

―― いやいや、そうじゃないでしょ。
開校準備室 申し訳ございません。

―― ではどなたにお伺いしたらよろしいのですか?
開校準備室 担当者は席を外しております。

―― ではいつお戻りですか?
開校準備室 わかりかねます。すみません。

―― いまお電話にお出になってる方はお名前何とおっしゃいますか?
開校準備室 事務の者です。

―― 事務のなんという方ですか?
開校準備室 それは控えさせていただきます。

―― 名前もおっしゃらない。
開校準備室 はい。質問されてもわたしもわからないですので。

―― あなたご自身のお名前はおわかりでしょう。それに私はまだ質問してませんよ。
開校準備室 あ、そうなんですね。わかりました。すみません。(電話を切ろうとする)

―― 待ってください、待ってください!
開校準備室 とんでもないです。

―― とんでもないのはあなたの対応ですよ。
開校準備室 すみません。失礼いたします。

まったく会話にならないばかりか、途中で保留音に切り替えられるは、「事務の者」であったはずの人が「電話口に出る者」に変身し、再び「事務の者」に戻る。焦っているのは分かるけれども、何も答えない以上にこんなドタバタの対応ではさらに、不信感を増されても仕方ないだろう。2月24日にもコメントを得るべく電話を鳴らし続けたが、この日はついに誰も出なかった。

東京新聞2017年2月24日付け記事

◆「やましいことはない」はずの安倍夫人はなぜ、名誉校長を辞任したのか?

しかし、『森友学園』のHP上では前日と顕著な違いがみられた。2月23日まで「名誉校長」として顔写真とコメントが掲載されていた安倍首相夫人、安倍昭恵氏が抹消されている。いったいどうしたことなのか、と思っていたら24日午前の衆議院予算委員会で安倍首相は、「弁護士と相談して、妻は、名誉校長を引き受けていることで、子どもたちやご両親にご迷惑をかけ続けることになるので辞任させていただくと、(学校側に)申し入れた」と語った。

「迷惑がかかるといけない」? 安倍本人は「何もやましいことはない」と繰り返し述べていたし、近畿財務局も答えにならない答えながら、前日私の取材に応じていた。さらにこの小学校建設を巡っては「安倍晋三記念小学校」の名前で寄付集めが行われていた事実も判明している。安倍は「何度も止めてくれと申し入れた」と被害者であることを強調しようとしているが、そんな過去があったにもかかわらず、夫人が名誉校長に就任、さらには急に辞任するのはどうにも不思議ではないか。

朝日新聞2017年2月24日付け記事

◆「当方の事務所は関係ありません」と語る安倍晋三事務所秘書

疑わしいのは現役総理夫人が名誉校長に就任(2015年)してから、どう考えても不正払い下げとしか思えない国有地の取得を森友学園が受けていることだろう。安倍晋三記念小学校名での寄付集めについて、籠池理事長は「無断ではない。申し入れをしたがタイムラグがあった」との見解を以前明らかにしている。安倍晋三記念小学校名での寄付集めが行われていたのは「自民党が野党であった時代だけだ」とも述べている。

このあたりは籠池氏本人が捕まらないので、つぶさに検証することが出来ないのだが、23日安倍事務所の秘書は私の取材に対して「一切関知していません。どういう意図でやられたのかも説明がないのでわかりません。当方の事務所は関係ありません」と述べている。真実はどこにあるのだろうか?

◆籠池理事長の息子、照明氏は本当に「維新の党」所属議員の秘書だったのか?

問題の核心部分ではないが、籠池理事長の息子に籠池照明という人がいる。籠池照明氏は「籠池照明のブログ」に経歴を綴っており、その経歴の中に、「足立康史衆議院議員私設秘書」と書かれている。足立康史議員は「維新の党」所属議員だ。

籠池理事長の息子、照明氏による「籠池照明のブログ」

籠池照明氏の経歴の真偽のほどを確認すべく、足立事務所に電話取材を行った。足立議員の秘書は「面接に来たことはありますが、断りましたので、1日たりとも秘書であったことはありません」という。「彼本人は自分のプロフィールに足立議員の私設秘書と書いていますが」と聞くと「らしいですね。でもうちは全く関知しないところで。何回も『削除してくれ』という要請を地元の方がしたんですけど、書き続けているということです」、「では秘書採用の面接には来たけれども、採用した事実はないと?」「はい、そういうことです。こんなことになるとは思わなかったので何度も抗議はしたのですが……」ということであった。

「森友学園事件」は安倍政権にふさわしい「虚偽」にまみれた事件だ。やましさがなければ安倍夫人が名誉校長を辞めることはあるまい。やましさではなく「危険さ」を感じ取っているのではないのか、首相周辺は。そしてこの問題のキーになるのは安倍首相同様、大阪の「維新の党」だろう。その内紛やゴタゴタから生みだされた形跡が至る所でみられる。引き続き森友学園事件を追ってゆく。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

残部僅少『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾12月号増刊)

タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』

日本で一番素晴らしい小学校、瑞穂の國記念少學院への不正土地譲渡の疑いが晴れない。そこで当の学校法人森友学園と近畿財務局へこれから徹底して取材を行う。きょうは土地を売却した近畿財務局へ電話取材を行った。

朝日新聞2017年2月22日付け記事

◆「個別内容はオープンには出来ないんで……」

―― 森友学園の土地売買につてお伺いしたいのですが……
近畿財務局 はい、担当者にかわります

―― 土地にゴミのようなものが埋まっていたので安く払い下げたという事ですが、それはその理解で間違いないでしょうか?
近畿財務局 報道の内容と似たりよったりはなるんですけども。もともとここの土地を小学校用地としてですね、『森友学園』さんにお貸ししてたんですね。

―― それはいつからですか?
近畿財務局 2015年からですね。借地というのですが『貸し付けの契約』ですね。

―― 借地居ている間には財務局さんは借地代のようなものを取られたということですね。それはおいくらぐらいですか?
近畿財務局 そこの個別内容はオープンには出来ないんで……。

朝日新聞2017年2月22日付け記事

―― だってここは国有地ですよね。2015年の5月から貸されていて、2016年の1年間貸していたんですね。なぜ賃貸料を公表出来ないのですか?
近畿財務局 借地契約の中で、小学校契約の中で、借地する前から、土地に瑕疵がないかは調査するようになっているんですね。最初、国が調査した時に埋設物が出きて、それを向こうに伝えた中で借地が始まったんですけれども、校舎建設しているときにうちが建設している時にうちが調べた時よりも、まだ地下の方から凄いゴミが出てきたんですね。

―― うちというのは近畿財務局さんですか?
近畿財務局 国が調べたのは地表から3メートルだったんですけど。校舎建設をするうえで、当然それが支障になったので、ことしの4月に開校予定という事情もありまして、早急にそこは買い取ってですね。

朝日新聞2017年2月23日付け記事

―― ちなみになにが埋まっていたのですか?
近畿財務局 廃材であるとか、生活ごみであるとか色んなものがうまっていたのですが……。

―― 毒物ではなかったのですね?
近畿財務局 土壌汚染の関係ではないと思います。

―― いろいろ埋まっていたので取り除かなければいけないと……。
近畿財務局 費用を国の方で持ったのですが、それを差し引いて、売買した形となっています。

―― ゴミがなかった時の価格はいくらでしたか?
近畿財務局 9億5,000万円ですね。ゴミを撤去するのに8億円ぐらいかかると見積もって、撤去費用を差し引いて売買したということになります。

―― 結局おいくらで売却されたのですか?
近畿財務局 1億3,300万円ですね。

毎日新聞2017年2月23日付け記事

―― ゴミを除去するのに8億円もかかるものなのですか?
近畿財務局 そこは、あのー学校建設に、ごみを撤去するうえで、土砂の搬出であるとか……。

―― このように国有地の安い売却は豊中あたりでもほかにありますか?
近畿財務局 国が土地や建物を売買する時は、不動産鑑定評価に対してく国が調べている土壌汚染とかを考慮に入れて売買するということになってきます。

―― では、豊中あたりでは珍しくないということですね?
近畿財務局 そうですね。地域によりますが……。

―― たとえば評価額から埋設物があったから価格が軽減されたという例は?
近畿財務局 案件によりますね。

森友学園HPより

◆「わたくしの知っている限りでは初めてです」

―― 今回のように顕著に値引きをして売却をなさった例というのは、具体的にはご存知ですか?
近畿財務局 手元に資料がないので詳しくは申し上げられませんね。

―― あなた『こういうことはよくある』とおっしゃっていたじゃないですか?
近畿財務局 よくあるというか、これだけに限ったことではないということですね。

―― 端的にお伺いしますが、評価額の10分の1で払い下げるという事はそこそこあることですか?
近畿財務局 10分の1ということですかね。10分の1という数字に限ればそんなあることじゃないですよ。

―― そんなにはない? 今電話でご担当いただいている方は過去にご覧になったことはありますか?
近畿財務局 わたくしの知っている限りでは初めてです。


◎[参考動画]自由法曹団による「瑞穂の國記念小學院」現地視察(2017年2月15日)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

残部僅少『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾12月号増刊)

タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』

小池百合子都知事の石原慎太郎元都知事とのガチンコ対決が間近に迫りつつあり永田町や都庁のみならず全国注視の的だ。そして、昨年の都知事選では所属した自民党を敵に回して「都民ファースト」を掲げて「崖から」飛び降りた。さらに都議会のドン、当時自民党都連幹事長内田茂都議に喧嘩をしかけ、とうとう千代田区長選挙で圧勝した。さらには、五輪問題ではオリンピック委員会会長の森喜朗元総理に敢然と異議を唱えている。

こうした姿勢にえてして昨今の政治家が「長いものにはまかれろ」「見てみぬふり」の政治家が蔓延する中で都民ばかりか国民の共感が寄せられているのだ。しかし、この彼女の「喧嘩ファースト魂」は近ごろ始まったものではない。

私は、小池氏の動向を国会議員になった当時から見ているが、その蛮勇というか怖いもの知らずというか、驚くべき「喧嘩ファースト魂」姿勢を目の当たりに見て舌を巻いたのは18年前の国会質問の時だった。

 

当時の小池氏は日本新党から次々と党が変わったものの、まだ自民党には入党には至らない「自由党」時代だった。

1999年07月06日、衆議院 大蔵委員会。質問に立った小池氏が扱った問題は「朝鮮総連」「朝銀」そして、総連関連の謎の組織の話だった。今でこそ、北朝鮮問題は多くのマスコミでもとりあげられるようになったが、当時は一部の過激な雑誌など以外は朝鮮総連問題を取り上げることには二の足を踏む空気がまだ色濃かった。まして国会で取り上げるということは極めて難しい問題と見られていた。

しかし小池氏は果敢にこの問題に触れた。小池氏の当時質問ポイントを箇条書きにすると、こうだ。

〈1〉朝銀問題

「朝銀には昨今(1999年当時)の金融不安の中で、預金保険機構を通じ3159億円の日本国民のお金が、経営不振、破綻に陥った朝銀系の信用組合に対し直接間接につぎ込まれている。特に、日本への税金をまともに払う気もない人たちによりますバブルのツケ、そして本国への寄附など北朝鮮への莫大な送金疑惑が消えない中で、日本政府が十分な審査、検査もせずに大盤振る舞いをして、その資金がいかなるルートであれテポドンなどの軍備増強に使われるというふうになっているならば、これはブラックユーモア以外のなにものでもない。国民の生命、安全、財産を守るのが政治の基本的な務めと私は思っている。ということであるならば、これらすべての観点からこの問題を看過することなく追及をしていかなければならないと思う。これは事、日本の安全保障にもつながる問題でもございます。であるならば、もっと真剣に力を注いでいかなければならない、それが政治の責務だと考えております」

〈2〉学習組問題

「朝銀の愛知信組のある方が自分の口座から勝手に預金を引き出された、信用組合の個人なのか信用組合そのものなのか、この辺のところがまだ問われているんですが、預金を引き出されたとして訴えて、勝訴した方がおられます。そして、その提訴の中で、朝鮮総連内の非公然組織とされていた学習組という存在が明るみになったわけでございますが、公安調査庁に伺わせていただきます。この学習組というのが朝鮮総連の意思を伝える一種の実行部隊であるというふうに考えてよいのか。そしてまた、現在の朝鮮総連ですが、構成員の数は今どうなっているのか、過去と比べてどうなのか、この辺のところをお伝えください」

〈3〉送金疑惑

「私が先ほどから申し上げている一番のポイントは、これまでも、こういった朝鮮総連の傘下にあると言っていい朝銀の信用組合、これが足利銀行などを通じ、また現金で北に送られているのではないかという送金疑惑です。ある方は年間で600億とも、またある方は1000億とも言われておりますし、また、93年には、当時の羽田外務大臣が日本記者クラブでの会見で2000億円という数字を認めておられるわけでございますが、まず公安調査庁の方には、この北への送金額はどれぐらいと見積もっておられるのか、それはキャッチするのは難しいのかどうなのか」

まさに二の学習組門隊などは当時の公安関係者から私も言われたものだ。

「慎重に慎重を期してください。これ以上は申しません」

では、〈2〉と〈3〉の問題、当時の国会での公安関係者の答えはどうだったのか。

〈2〉の問題 答弁 公安調査庁調査第二部長

「学習組についてでございますが、学習組は、朝鮮総連中央・地方組織、傘下団体の中に設置されている非公然組織であると認識しております。現在、学習組員数は5000人と見ております」

〈3〉の問題 答弁 公安調査庁調査第二部長

「お答えします。朝鮮総連など北朝鮮関係者による北朝鮮への送金については、公安調査庁といたしましても重大な関心を持って調査を行っているところでございます。しかし、その全体像を把握するには至っておりません。 送金の状況につきましては、今後の業務に支障を来すおそれがありますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います」

つまり、結論でいえば総連、民団の構成員の組織数、学習組の数などはあったが、学習組がどういう行動をしているかなどの明確な答えはなかった。それほど国の公安、警察関係においてもデリケートな問題だったのだ。

それでも国会という世界も注目する最大の公の場に、朝銀問題、学習組問題、そして送金問題をとりあげた反響はすさまじかった。朝鮮総連も、そして北朝鮮もさまざまな意味で大きなボディブローとなったことは間違いない。

 

当時、小池氏は私にこう言ったものだ。
「私は神経はピリピリしている。身辺も気をつけている。でも、こうした問題を曖昧にすることのほうが、どれほど腹立つことか。身を挺してやる」

しかし、一方では、その質問の前に自分の国際的人脈、ありとあらゆるものを通して徹底して裏付けをして精査する。いいかげんな質問はしない。その姿は今日まで少しも変わらない。

つまり小池百合子という女性の「蛮勇」そして臭いものに蓋をするのが嫌いな性格は当時と少しも変りなく、続いているのだ。そして今日、都知事という要職を得て、ますます崖から飛び降りる技にも磨きをかけているのだ。都民ファーストが貫かれることをさらに期待したい。

▼田村建雄(たむら・たてお)
1950年茨城県生まれ。地方紙記者を経てフリージャーナリスト。月刊誌、週刊誌、夕刊紙に、政治、社会問題ルポを中心に執筆。著書に「中国人『毒婦』の告白」(文藝春秋)など。

◎プロデュース=小林俊之

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山口組弘道会系右翼の総長が言う。
「台湾はマフィアが一掃された。もうしのぎにはならないから我らも組む相手を変えなくてはならない」

そして彼らの足はミャンマーに向いた。しのぎにならないなら、僕も取材の対象としては追跡しない。したがって台湾への興味はすでに僕の中にはない。

だが、それでも日本の爪痕が残る台北の旧市街は、昭和の街並みを彷彿させてノスタルジアが漂う。蒋介石も「国を建て直した御仁」か「侵略者か」という評価が分かれているようだが、国を建て直した男として僕は見ている。

ただし、このところ台湾で起きるテロを見てみると、どうやらアメリカが仕掛けているような気もしている。つまり、台湾が政治的に中国じゃなくてアメリカを頼るような工作が行われているのではないか、という点だ。

前出のヤクザ系右翼団体総長はこう言う。
「今の政府が日本寄りである限り、俺らも台湾人を攻撃しない」と。

すると裏を返せば、台湾が中国寄りになり、先鋭化して領土問題などが起きると、軒並み「在日の台湾人狩り」を始めるのだという。

具体的には、右翼団体総長のターゲットはとり急ぎ、民進党の蓮舫代表となったようだ。

総裁は言う。
「あいつは本当は中国国籍だよ。だから国籍を聞かれても玉虫色の回答しかできないんだ」

そして総裁は、民進党の本部に街宣をかける予定だという。

いっぽうで僕は、台湾のどの企業だろうと揺さぶりをかけられる中国高官を、あるジャーナリストの紹介でしてもらった。

彼によると「台湾は崩壊に向かっている。アメリカ寄りの考え方をする連中を中国サイドに与したい人たちの間でつな引きが行われ、その隙間にイスラム教徒が入り込んで混乱を招くだろう」
 
こんな危険な国には二度とは行きたくない。ただ、非常に評価が高い台湾の屋台にもう二度と行かないかと思うと少し淋しい気もしないでもないが、こと自分のまわりを見回す限り、台湾人は詐欺師ばっかりなので、ややホッとする今日この頃だ。

ただ、台湾の旧市街は、日本の記憶があり、懐かしかった。もはや日本の猿まねで喰っているこの国にコンクリート建築を教えたのは日本であるが、台湾人たちが感謝すらしていないのは、かの野党代表の態度を見れば火を見るよりもなんとやらである。

▼小林俊之(こばやし・としゆき)
裏社会、事件、政治に精通。自称「ペンのテロリスト」の末筆にして中道主義者。師匠は「自分以外すべて」で座右の銘は「肉を斬らせて骨を断つ」。

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特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)系組幹部の射殺事件で、殺人罪などに問われた同じ組の組長、木村博被告に、福岡地裁が求刑通り無期懲役の判決を言い渡したニュースを昨年の秋に聞いてショックを覚えた。なぜか。木村博氏にはひとことでは言い表せないほど激励を受けたからだ。共犯の組幹部、渡部公章被告(43)は懲役15年(求刑懲役18年)とした。

 

産経WEST2016年10月31日付記事

2012年11月末、僕は古い友人のライターと九州・小倉に飛んだ。工藤會の木村博幹事長(当時)に会うためだ。その木村氏に会ったタイミングで僕は出版社の契約社員を解雇された直後で、仕事は枯渇していた。「どうやって稼ごうか」と悩むあまり、自殺を考えていた。道を歩くたびにビルを見上げて「人は何階から落ちれば苦しまずに死ぬのか」と統計を求めたりしていた。

そのさなか、工藤會は警察からのマークが激しく、「特定危険指定暴力団」に指定される直前で法律的な理論を持ち出して警察と激しいバトルを繰り広げていた。結果的にこの年の12月に「特定危険指定暴力団」に指定される。

「もうどうせ死ぬのだ」という精神状態の中で工藤會幹部の木村氏とやりとりするのはそんなに苦しくはなかったが、マスコミを歓待する、紳士然とした態度の木村博氏にしだいに僕は“人間的魅力”を感じていった。その取材は滞りなく終わり、僕らは「取材者」と「被取材者」という関係から進歩することはなかったが、暴力団排除の機運でしのぎがきつくなってきたにも関わらず「わしらはマグロやカツオなどの回遊魚と一緒。泳いでなければ酸欠で死ぬ」と言い切るその男気には任侠魂というよりも“人間としての魅力”を感じてふと「仕事がないと自殺を考えますよね」と漏らしたことがある。しばらく、工藤會の屋台骨を支えてきた木村氏は電話の向こう側で沈黙したあと「小林さんも朝から早く起きて、予定をたくさん入れて忙しくしたほうがええですよ。人間、暇だとろくなことを考えん」と説得された。

このとき、修羅を生きる彼らから「最後まで抵抗すること」の美学を教わった。それにしてもここから僕はなんとかして踏ん張って生きていくのだから、人生は異なもの味なものだといえるだろう。僕は工藤會を守る弁護士からこんなつぶやきを聞いた。

「工藤會はさ、どうしてあんなにも頑張れるのだろうか」と。
 その答えは、僕が懸命に生きてみないとわからないだろう。

 

産経WEST2017年2月14日付

そんな中、淡海一家の高山総長に関するニュースが入ってきた。
『産経WESTオンライン』が『京都府立医大を家宅捜索、暴力団総長の収監逃れで虚偽診断疑い 地検に出頭』との見出しでこんな記事 を報じたのだ。

「京都府立病院の院長と高山総長は昵懇」という情報も乱れ飛んでいる。僕はかつて竹書房から、高山総長の父親である高山登久郎氏の自伝マンガを出したが、これは宮崎学氏が緻密に取材した書籍をもとにしている。にもかかわらず、この漫画は福岡県警からの横やりが入り、宮崎氏が激怒して福岡県警と福岡県を相手に裁判を始めた(宮崎学公式サイトから)。これが2010年4月1日のことだ。そして僕は出版社の意向に逆らい、宮崎側に立って陳述書を提出し、担当の弁護士とも仲がよくなった。実は工藤會をつないでくださったのは、このときの弁護士だ。

なので、高山登久太郎氏の漫画を作るにあたって、許諾をくださったのは、淡海一家の高山義友希総長だ。高山総長に対しても、僕は足を向けて寝られない。

ここではスペースが足りないが、工藤會を声高に糾弾する福岡県警こそ、窃盗や強盗、恐喝など枚挙にいとまがない「悪の巣窟」だ。次回はこいつら「正義の仮面をかぶった似非警察屋」に焦点を当てていこう。

▼小林俊之(こばやし・としゆき)
裏社会、事件、政治に精通。自称「ペンのテロリスト」の末筆にして中道主義者。師匠は「自分以外すべて」で座右の銘は「肉を斬らせて骨を断つ」。

財務省近畿財務局が学校法人に払い下げた大阪府豊中市内の国有地をめぐり、財務局が売却額などを非公表にしていることが分かった。朝日新聞が調査したところ、売却額は同じ規模の近隣国有地の10分の1だった。国有地の売却は透明性の観点から「原則公表」とされており、地元市議は2月8日、非公表とした財務局の決定の取り消しを求めて大阪地裁に提訴した。

 

朝日新聞2017年2月9日付け

 

朝日新聞2017年2月9日付け

◆神道の崇高な理念とはかけ離れた疑惑

朝日新聞、久々のビッグスクープだ。公示価格が14億2300万円の国有地が、1億3400万円で「森友学園」に売却されていたことが判明した。「森友学園」のHPからは改憲右翼の巣窟「日本会議」の大阪役員である籠池泰典総裁と、安倍首相の夫人であり三宅洋平氏のお友達(?)である安倍昭恵氏の名前が確認できる。

安倍夫人は現在、塚本幼稚園を運営しているだけの「森友学園」が4月からの開校を予定している「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長として「森友学園」のHPに登場している。14億円余りの国有地が10分の1以下、1億円余りで払い下げられ、そこに校舎が建設された「瑞穂の國記念小學院」。同小学校は日本で初めて(同校HPによる)の神道小学校として開校する寸前だ。しかし朝日新聞のスクープにより、同小学校が掲げる神道の崇高(?)な理念からかけはなれた疑惑が明らかになった。

 

「森友学園」ホームページより

 

「森友学園」ホームページより

◆籠池先生を絶賛する安倍昭恵氏

「フフフ、御代官様もワルですなぁ」
「なにを申すか『森友屋』、おぬしの業突く張りにはかなわんわい」
「ハハハ」

と、勧善懲悪の時代劇、前半の悪代官と商人の密議の場面を見せられているような気分だが、関係者の発言がまたふるっている。安倍昭恵氏は「森友学園」ホームページの中で、

「籠池先生の教育に対する熱き想いに感銘を受け、このたび名誉校長に就任させていただきました。 瑞穂の國記念小學院は、優れた道徳教育を基として、日本人としての誇りを持つ、芯の通った子どもを育てます。そこで備わった『やる気』や『達成感』、『プライド』や『勇気』が、子ども達の未来で大きく花開き、其々が日本のリーダーとして国際社会で活躍してくれることを期待しております」

同校総裁・校長の籠池泰典先生を絶賛している

「日本人としての誇りを持つ、芯の通った子供を育て」るそうだ。この小学校の理念、私には気持ち悪い。しかしながらあくまで「私立」学校だ。文科省に認可されれば教育の内容は「学習指導要綱」の範囲内であれば自由だ。ただし、仮に彼らの主張(神道)に立脚すれば「日本の素晴らしさ」を小学生に教育する場所が「瑞穂の國記念小學院」であるはずだ。その「神聖なる場所」が不正払い下げによって薄汚く入手されたことは、「森友学園」の欺瞞性を物語るのみならず、犯罪を構成する疑いが高い。必ず検察が動くだろう。そんな場所で「崇高な教育」ができるのか。

◆籠池先生の明白な「差別表現」

そして、彼らが「崇高」と奉る「神道」とは、神話に立脚した「日本人優越意識」に凝縮される偏狭な人種優越主義にほかならない。籠池先生は、正直だからHPで「韓国・中国人等の元不良保護者」と記載して袋叩きにあったり、塚本幼稚園の保護者には「よこしまな考えを持った在日韓国人や支那人」との表現を用いた文章を配布していた。

これには「よこしま」であることにかけては人後に落ちない松井大阪府知事も「表現の自由があるにしても、下品な表現は使わない方がいい」とコメントしている。違うな。「下品」じゃなくて「差別表現」じゃないのか。松井知事自身、大阪府警の機動隊員が沖縄で「この土人が!」と発言したことを「差別とは思わない」人間だから「よこしま」に「よこしま」を諭させようとしても無理なのである。

◆嘘だらけの安倍「自己陶酔」政権

しかし、一番驚いたのは安倍晋三の発言だ。2月17日の衆院予算委員会で、国有地を格安で買い取った学校法人「森友学園」が設立する私立小学校の認可や国有地払い下げに関し、「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と述べたのだ。この軽口叩き、与野党国会議員の中に正常な反応があれば、本国会終了時には首相も国会議員も辞めて「ただの人になる」と明言したのだ。

選挙違反で議員に疑義が及びそうになると「秘書がやった」、官庁で不正が起きれば大臣は「事務方の不正で報告がなかった」、甘利元経産大臣のように言い訳ができなくなれば、大臣辞任から入院へ。それでここしばらく「巨悪」は罪に見合った法的裁きや制裁を受けることなく、「どおってことないよ」と押し通してきた。

安倍は「南スーダンで自衛隊の死者や負傷者が出たら辞任する」とも述べている。その一方で派遣された自衛隊の「日報」が破棄されるか行方不明になる、という不可思議極まりない「不正」が行われている。

嘘だらけなのだ。どの口から「私たちは日本の歴史、それを裏打ちする自然・風土・慣習の素晴らしさを世界の人々に発信してゆく必要があります」だの「世界で歴史・伝統・文化の一番長い國である日本」、はては「その中で積み上げてきた日本人のDNAの中に『人のために役立つ』という精神が刻み込まれていますし、世界で一番混じりっけのない純粋な民族であります」などと平然と吐けるのだ「森友学園」総裁の籠池泰典よ!

日本会議をはじめとする「神道」信奉者(あるいは便宜的にそう装っている者ども)の本音は、戦前と何ら変わらぬ「日本は世界一」、「大和民族は世界一」の倒錯した差別と表裏一体となった低レベルの自己陶酔主義にすぎない。

だから、不正であろうが、嘘であろうがお構いなし。払下げに応じた役所の責任者は「ゴミが埋まっていたからその除去費用も考慮して価格を算定した」などと馬鹿以下の答弁しかできないのだ。

◆この国がもしも「普通の国」ならば「序・破・急」展開は必至

安倍明恵が「関与」しているかいないか。議論の余地などない。籠池先生にほれ込んで「名誉校長」を引き受けているのだから道義的に責任があるのは「普通の国」であれば当たり前だ。いいか、晋三の好きな「普通の国」ならばだ。一々議論するまでもない。世界各国で嘘八百を年から年中言いまくっている安倍晋三、今回の発言はそれにしても軽すぎたぞ。これで野党が安倍の首を取れなければ、全員「瑞穂の國記念小學院」入学からやり直せ!

時代劇ならこのあたりでお裁きが下る。背中の桜吹雪か、深夜の隠密道中か。21世紀進歩しているはずの人間に、時代劇でもお決まりの「序・破・急」を展開できないはずはなかろう。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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残部僅少『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾12月号増刊)

「1000年にひとりの逸材」として大ブレイクした橋本環奈(18)が所属している「Rev.from DVL」(以下、DVL)が3月31日に解散する。解散の原因はマスコミ向けには「メンバーそれぞれが就職や進学など人生の岐路に立つ時期を迎えたこと」としたが本当は「今年、高校を卒業する橋本だけに仕事が集中したゆえ、ほかのメンバーと生まれた温度差を埋められなかったから」だとアイドル雑誌ライターが言う。グループ内の雰囲気は「SMAPが解散を決めた昨年、木村拓哉が孤立したように橋本がほかのメンバーと溝ができています」(アイドル雑誌ライター)

『DVL』は03年に博多で誕生。当初は男女混合ユニットだったが、女性アイドルグループのブームにのり11年から女性のみとなり、現在は鷲尾美紀(23)、四宮なぎさ(18)、今井瞳(23)、秋山美穂(21)、力石奈波(17)、橋本幸奈(17)、藤本麗依菜(16)、古澤早希(17)、池松愛理(20)と橋本環奈で10人の編成だ。博多から全国へはばいたアイドルグループとしては、地方発で成功したアイドルグループの“成功形”としてエンタテイメント業界では語られる。

「進路の問題で解散」としているが、「DVL」はシングルを出せば週間最高順位が4、5位を狙える実力派で、ダンスも歌唱も高いレベルで玄人好みだけに『レブはかんなちゃんだけじゃないよ!』『残念です。最後まで10人でがんばって。でもあと1年見たかった』など解散を惜しむ声も。

「本来は仲がよかったが、橋本のブレークが避けようもない“不協和音”を生んだ」と前出のアイドル雑誌ライターが指摘する。どういうことか。

今回の解散は、橋本が高校を卒業、将来的に路線として『脱アイドル』をはかり、女優やモデルとしてさらに幅を広げるべく大人のタレントへの脱皮をめざすことにつきる。橋本抜きではグループは成り立たない。グループ間には、メンバーたちが「グループとして活動したくても橋本が単独の仕事が忙しくてただひたすら“待機”がかかり、まったく脚光を浴びなかったメンバーたちの怨念」がぬぐいようもなく横たわる。

「橋本だけに仕事が集中しており、なかなかグループとしての活動ができなかった不満が橋本に徐々に向かった。博多でのイベントなどでは、橋本が東京での仕事を終わらせて駆けつけると『忙しくていいわね、スターは』と先輩からあしざまに言われることもあったようです」とアイドル雑誌ライターが言う。

橋本で脚光を浴びて地方限定アイドルグループから全国区になったのに、その橋本が突出して忙しすぎて興業主やテレビ局がグループとしてオファーしてもスケジュールがとれないという状態は皮肉といえば皮肉だ。

「解散の話は実は昨年の夏ごろから聞いていました。橋本は2013年11月、ファンが撮影した写真が絶妙なキュートさで“天使すぎるアイドル”として大ブレイクし、注目を浴びた。男性雑誌のグラビアやCM出演、ファッション雑誌のモデルや女優としても活躍、確実にスターへの階段を上っていきました。15年、『セーラー服と機関銃- 卒業 -』で主演したころにメンバーたちとの“軋轢”が表面化した」(同)

実はこのころ、グループとしてのリハーサルや踊りの振り付けを練習する時間がとれない橋本のために振り付けを簡素にしたり、イベントでは橋本のMCの時間をたっぷりとるなど“橋本の、橋本による、橋本のための”グループと化していたようだ。

「メンバーからマネジメント側に『私は橋本のおまけじゃない』『新曲「Vampire」のPVはまるで橋本のソロ曲のようなカット割りです』という不満も入り始めていました。要するに、橋本がソロで忙しすぎるために、ほかのメンバーたちは『開店休業状態』で、かといって橋本抜きでは客が集まらず、そのジレンマはマグマのごとく噴火。それが橋本に対して楽屋でメンバーたちが『ガン無視』したり、口をきかないような状態を生み出していた」(同)

まさに独立を画策した中居正広ほか4人と、事務所に残る決断をした木村拓哉とに分断された末期の「SMAP」を彷彿とさせる。だが『SMAP』は全員が多忙だったが、『REV』は本当に橋本のほかはスケジュールはがら空き。『REV』としては1月はライブやイベントが9つ入っているだけで2月はグループとしての予定はゼロ。

ピンでの活動が多忙を極めた15年12月、池袋サンシャインのイベントで橋本は報道陣にメンバーとの不仲を問われて「いくら否定してもメンバーとの不仲説が消えない!まだ、不仲説を信じている方は、ライブに来て、私たちの仲の良さを観ていただけたら!」と汗ばんで切り返していた。

「今から思えば、そのころから不協和音は始まっていたのかも」(同)

橋本はブログで「昨年から私だけが参加出来ないイベントも増えてきたり、時間的に両立するのも難しいと思いました。自分の夢を追いかけていきたいと思いました」と心境を告白。その言葉は「やっと一人で走れる」という安堵にも見える。

さて、『REV』はバラバラのまま、最後の力を振り絞り、「SMAP」ができなかったさよならコンサートを敢行するのか。注目が集まる。

(伊東北斗)

 

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『芸能界薬物汚染 その恐るべき実態』

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