呉光現(オ・クァンヒョン)という人物が自身のフェイスブックに「鹿砦社潰れたらええな」、「文句あったら言ってこいやあ」との書き込みをしていると、5月1日某ジャーナリストから連絡が入った。呉は翌日にこの書き込みを消しているようだが、調べてみると、呉は特定非営利活動法人聖公会生野センターの要職にある人物だ。

 

聖公会は英国国教会にルーツを持つ由緒あるキリスト教の宗派であり、その関連団体の人物が上記のごとき下品な表現を使うのは目を疑う。呉の真意を確かめるべく、5月1日午前11時過ぎ生野センターに電話をして、呉と下記の会話を交わした。

── 4月29日に「鹿砦社潰れたらええな」と書かれていますね。
  はい、やりました。翌日消しましたけど。
── 「文句あったら言ってこいやあ」と。
  ええ、そうですね。で、岡本君のこともやってはったね。
── ああ、岡本朝也さんですね。
  そうですね。全然事実誤認も甚だしいし。
── どこかに間違いがありましたか?
  去年の『週刊実話』に書いてはったね。
         (略)
── 先生の方からご覧になって、私どもに具体的な事実誤認とか、間違ったことがあれば、それを訂正することは全くやぶさかではないのですね。ただ先生のことは私ども全然存じ上げませんし。でもこういった形で「潰れたらええな」といきなり書かれた。われわれとしては会社が潰れると生活に路頭に迷うわけです。
  そうですね。
── それほど強い思いで何か?
  怒ってますから。
── 具体的にはどういった件で。
  あれ見ましてね、まず岡本君は関係ないですよね。リンチ事件というので、僕もあれ暴力事件と確かに認識しておりますけどね、Mさんという方が誰かも知ってますしね、もちろんね。しばき隊……。今、そちらのホームページ見てますけれども、「検証『みれぱ』としばき隊、カウンター」て書いてますけどね、「1」ということは続くんかなと思いますけど、林範夫弁護士もよく存じ上げておりますし、林範夫弁護士がどういう関係があるのかなと。     
── 林先生はそこのパネル展の呼びかけ人です。
  呼びかけ人になってるし、NGOセンターの代表理事やし、「反ヘイトスピーチ裁判」の、そちら「称する」て書いてあるね。
── はい。
  裁判の事務局ですね、それは事実、まあそうですね。「称する」て書いてあるね、「称する」て表現することにそちらの価値観が反映されてますよね。
── 「称する」という?
  李信恵が在特会らを訴えた裁判の事務局を担当し、「反ヘイトスピーチ裁判」と、わざわざ括弧つけてあるけども、と「称する」というね、三文字がそちらの価値観を反映していると読みますね、読者はね。私もカウンターですからね。
── 先生もカウンターでいらっしゃるわけですか?
  カウンターって組織ないのご存知でしょう。
── いわゆる現象のことですよね?
  そうですね。しばき隊は私はやってませんけれども。
── 差別に反対する行動という意味での。
  当然レイシストたちに対してカウンターとか権利あると思ってますからね。これだけ見ても「未来のための歴史パネル展」実行委員会と「しばき隊」「カウンター」、みんな括弧ついてますね。さらには「M君リンチ事件とは無関係とはいえないものだが、今回取り上げるのは金や林ではない。共同代表の一人であり、毎日新聞の取材も受けた岡本朝也、この人物が、今回の特集の『主人公』である」、と。「岡本の人となりについては続編で報告する」、と書いてありますけれどもね。これ明らかに普通の文章ちゃいますやん。
── 普通の文章とおっしゃいますと?
  明らかに悪意がある文章でしょ。
── 岡本さんは先生もご存知であると思いますけど、M君に対して「刑事告訴するな」と。
  そういうことやったんですか?
── ええなさっています。それからそこに金明秀先生のツイッターの書き込みが載っていると思うのですが。
  ありますね、貼ってありますね。
── これ、いかが思われます?
  よくないなと思ったね、去年やね、これね。
── よくないで済みますか。
  これ、僕が言えることないでしょ。
── ですからこういう方々が役員にお名前を連ねていらっしゃる。その事実をさっき先生、「事実と違う」とおっしゃいましたけれども、この中で事実と違うものがあれば私は訂正をするように編集部に伝えるつもりなんですが、どこが事実と違うんでしょうか?
  私は事実関係は問題にしてません。
── いやさっき「事実誤認も甚だしいし」と。
  事実関係ね、去年の4月28日ね、M君リンチ事件が1年以上にわたる隠蔽工作を打破して明るみに出される先鞭をつけた『週刊実話』って書いてますやんか、報道。当日に取消しというか。
── 当日訂正があったのが事実であれば、記事が掲載されたことも事実じゃないですか。
  うん、でもそれも書いた方が。
── それは先生のご見解であって、その事実の取捨選択はわれわれの編集権ですよ。
  ずるいなと思って。
── 事実じゃないですか。
  『週刊実話』で報道があったけれども、「明るみに出される先鞭をつけた『週刊実話』による報道があった日であったのだ」て書いてありますね、そちら。だけどその日のうちにそれは訂正して謝罪をして連休明けの号でも出してはりますね、『週刊実話』ね。
── 正確にご記憶かどうかわかりませんが、記事全てについての訂正ではありませんよ。
  なるほどね、そうおっしゃるんだ。
── だって事実ですもん。あの記事全てが間違いであるのであればその記事全てについての訂正記事が出たということです。記事の一部についての訂正が出たということは全然意味が違いますからね。
  なるほどね。
── ですから今お尋ねしてるのは、先生が事実とは違うとご指摘いただける、私どもが間違っている箇所があるのであればそれは訂正するのはやぶさかではありませんが、事実の指摘をして頂けないか、ということをお願いしているわけです。
  その材料持ってないですよ。
── その材料もないのに「潰れればいい」と。
  僕はそちらさんの文章を見て、これは酷い、ずるいことしてるなと思いましてね。しょっぱなにね、なぜ取材班がこのパネル展に注目するのか。それはこの「未来のための歴史パネル展」は「しばき隊」「カウンター」の「関連事業」でありとありますね、まずそれは事実じゃないですね。
── なぜですか、先生ご自身カウンターだと。
  しばき隊もカウンターも組織ないので。
── あります。カウンターにはないかもしれませんがしばき隊にはあります。
  しばき隊はコメントはやめときます。カウンターは組織じゃないので「関連事業」なんかあり得ないですね。
── だから岡本さんはしばき隊じゃないでしょ?
  違うと思いますよ。
── でしょ、で先生もしばき隊じゃないでしょ?
  違いますね。
── 先生さっきおっしゃった通りカウンターですよね?
  そうですね。
── 先生ご協力されているということはカウンターの「関連事業」ということじゃないですか。
  全然関係ないよ。カウンターやってるから岡本君の「みれぱ」に(ま、「みれぱ」と略しますけども)協力やってるというのはまた別の問題でしょ。
── 理由がどうではなくて、現実問題先生は先ほど「私はカウンターです」と。私がお尋ねしたのではなくて。
  カウンターのメンバーですよ。カウンターって組織じゃないですよ。
── 組織ではないです。でも岡本さん、そうですよね。
  岡本さん、カウンターのメンバーだけど組織じゃない、カウンターそのものが。
── 組織じゃないけれどもカウンターでしょ。
  有志の人が集まった人たち。
── そう、別に私は組織性を聞いているのではなくてカウンターをなさっている方ですよね。
  うん、だから「関係事業」というのは普通組織と関係あると思いますやんか。
── じゃあ金明秀先生はいかがですか?
  金明秀先生はこんなん言っちゃったんだなあと思って。
── いや、そうではなくて金明秀先生はしばき隊ですかカウンターですか。
  知らない。
── 知らないでしょ、だからわれわれから見たら一緒なんですよ。
  そうですか。違うね事実は、ちゃんと取材なさったら、そしたら。
── 先生だってカウンターとお認めになってる、岡本さんだってカウンターですよ、もう一人の能川(元一)さんっていう人だってカウンターですよ。
  そうでしょうね。
── だからみんなカウンターですよ、ここにいる人は。
  何百人といます。
── そんなことは知ってます。
  最終的に大阪であったのは昨年の12月の末に川東さんが告知で来はりましたね、ご存知ですかね鶴橋に。あれ川東さん一人やったけど、いわゆるカウンターは何百人集まってましたね。それ全部「未来のための歴史パネル展」関係あるんですか?
── 全部とは言ってないですよ。ここに出てきてる人が全員カウンターの関係者であるからそれがしばき隊とカウンターの「関連事業」だと結びつけられても仕方がないでしょということですよ。
  それは取材が不十分ちゃいますの?
── 不十分ではないです。ここに出てくる名前の人たちみんなどういう人たちか取材してあります。で、突然全然面識のない呉先生から「潰れたらいいな」と。
  ほんまにそう思いましてね。
── で、今でもそう思っていらっしゃるわけですね?
  今はもうどうでもいいわと思いますね。
── いや、「どうでもいいわ」じゃない、われわれの生活どうなるんですか?
  潰れないでしょ、僕が呟いたぐらいで。
── 先生は全くの私人ではないですよ。日本聖公会という大変崇高なキリスト教団体の関連団体でお仕事をなさっている先生ですよね?
  例えばね、例えば宣伝になるけど日本会議ってご存知ですかね?
── もちろん。
  じゃあ、「日本会議潰れたらええな」って言うたらあきませんの?
── 日本会議と鹿砦社と規模も力も全然違いますよ。日本会議というのはものすごい数の政治家が名前を連ねてですね、権力があってお金があって大企業の人間たちの名前を連ねてるところです。鹿砦社に社員何人いるかご存知ですか?
  知りません。
── 10人いないんですよ。
  そうですか。
── 中小企業ですよ、そこに対して「日本会議潰れたらいいな」と「鹿砦社潰れたらいいな」と全然意味違うじゃないですか。
  なぜ僕がそんなふうに書いたか気づきませんか。
── 仮にですよ、われわれ呉先生がいらっしゃる「聖公会生野センター潰れたらいいな」なんて言ったら、それはものすごい差別であり攻撃でしょ。
  そん時は「こんな言われてるわ」で済ますけどね、こっちはちゃんとやっとったらいいから。そんなん言われたことあるし、そんなふうのこと。
── あなたはそこでどういうお役職かわかりませんけれども、こういう不注意なことをお書きになったことに対して、まずいというお気持ちは持たないわけですか。「文句あったら言ってこいやあ」と。これ喧嘩腰ですよ。
  だから電話してはるんでしょ。まあ、だから消したけどね、ちゃんとチェックなさったんね。
── 私知りませんもん、先生のこと、存じ上げませんもん。
  ないですね、私かつて定期購読者です。
── ありがとうございます。別に喧嘩する関係だとも思ってませんしね。でも看過できないですよ、中小企業としては。大企業だったらいいかもしれませんけれどもね。なんら訂正なさるお気持ちはないわけですね。これでいいなと思っていらっしゃるわけですね?
  どういう意味ですか、おっしゃってることわかりません。基本的にね、論議が噛み合ってないんですけども。
── 噛み合ってないのはこんな無茶苦茶書かれるからですよ。私はなぜ書いたのかということをお尋ねしてるのですよ。
  ですから、「デジタル鹿砦社通信」を読んであまりにも悪意に満ちてるから。
── 悪意に満ちてる?
  はい、というふうに判断しました。
── 悪意に満ちてるとお感じになったので、「潰れたらいい」とお感じになった。
  酷いからね、こんなんいいんだろうかと。『週刊実話』の件に関してはお互い意見が違うみたいなんだよね。
── 違いますよ、だって先生の解釈は極めて勝手ですから。掲載されたことは事実じゃないですか。
  訂正したのも事実で、それ取捨選択するのはそちらの自由ってことなんでしょ。
── しかもその訂正が全面訂正だったら書きせんよ。あれは記事の全面訂正じゃないんですから。李信恵氏が加害者ということではなかったという部分訂正ですよ。
  そうね、そうね、厳密に言うとね。
── お分かりでしょ、全面訂正だったら書きません。でもその基本的な記事の部分に対する訂正ではないですよ、あれは。
  明るみに出たというのは裁判の段階でいわゆる社会的になってるのと違いますの、裁判にかかってませんけど。
── 何がですか?
  Mさんの裁判ね、訴訟ね。刑事はもう終わったみたいですね。で、今、民事が続いてるみたいですね。それで僕それにかかわってないのでそういう伝聞でしかよお言いませんけどね。その段階でいわゆる明るみになってるんちゃいますの、裁判ということは密室裁判ちゃうし。
── じゃあ先生きょう大阪地裁で行われてる裁判のこと全部ご存知ですか?
  もちろん知りませんよ。
── 知らないでしょ、そんな詭弁は通じませんよ。
  なるほどね、そうおっしゃるんだ。
── だって私だって知りませんもん、大阪地裁で毎日100も200もやってるような裁判。
  そうですね、じゃあ、『週刊実話』でメディアに載ったということで明るみになったという理解、あなたたちの。
── 私どもは何が問題かと感じているかと言うと、いろんな人たちが隠蔽してるんですよ、この事件を。隠蔽をするのに国会議員から大学教員からマスメディアの有名な人までが。被害者は死にかけてるわけですよ。
  相当なお怪我をなさったみたいですね。
── ええ、それをどうやって正当化なさるんですか? そういう行為を。むしろお伺いしたいです。
  当事者は刑事より民事で裁判やってるわけでしょ。
── すぐそうやって逃げるでしょ。
  岡本君は当事者ちゃうやんか。
── 当事者ですよ、「刑事告訴するな」と彼に迫ったんですから。
  そういう意味でね、暴行を働いたという意味の当事者じゃなくて。
── ええ、刑事告訴するなということを彼に迫ったんですよ。
  迫ったというか忠告したというか、判断の分かれるところですよね。
── 半殺しの身にあって、なんで被害届出したらいけないのかとの話です。在特会がやって来て生野のコリアの方に対して言葉だけじゃなくて暴力振るって殴る蹴るしたら、先生だって警察に被害届出すでしょ?
  出すやろね。
── 当たり前でしょ。顔の骨折れてボコボコになって目が見えなくなって、そこまでやられてなぜ被害届出したらダメなんですか。それやってるのが岡本氏なんですよ。どう正当化するんですか? 先生のおっしゃってること。
  僕はね、そのことはね、詳しくは知りません。
── 知らなかったら憶測で私たちを決めつけないでくださいよ。
  なるほど、それで岡本君の「みれぱ」も関係あると、隠蔽に。なるほど金明秀君も関係あると、林範夫先生も関係あると。
── ありますよ。
  なるほど、はい。
── われわれは憶測で書いていません。事実に基づいて書いてますから、その事実に基づいて書いたことをご覧になって、その感じ方はいろいろですからね、それは結構ですけどね、「潰れたらいいな」はこれもう撤回なさらないわけですね。
  撤回しましょう。
── え?
  撤回しましょう。
── なさいますか?
  はい、今からフェイスブックで撤回します。フェイスブックで書いたから。ごめんて書いときます。
── ごめん?
  謝罪いたしましょう、フェイスブックで、フェイスブックで書いたから、それ一番僕の取るべき行動でしょ、謝罪するって決めましたから。
── 私は強制してるわけではなくて、本当にそういうふうにお感じになってですね?
  あなたとの電話の中で会社の存続に危ういようなことを僕が発言したと、フェイスブックでという判断でしょ。
── 会社の存続に先生の一言で及ぶかどうかわからないけれども、中小企業にいる人間としてはこういうことを書かれるとドキッとしますよ。
  はい、だから訂正と謝罪いたします。
── 今からどなたでも見れる形で書いていただけると。
  もちろん一昨日と同じように。
── わかりました。ご訂正いただけるということは感謝申し上げます。
  そうですね、今ページ見てますけども「鹿砦社潰れたらええなあ」「文句あったら言ってこいやあ」ということに対して謝罪と訂正したら。
── はい、ではよろしくお願いいたします。

呉との電話は30分近くに及んだが、最後に呉は本人のフェイスブック上に「今から」訂正と謝罪を掲載すると約束してくれた。しかし、呉のフェイスブックには『噂の真相』がどうのだとか、全く関係のなさそうな書き込みに交じり、

 

上記の書き込みがあったものの、同日午後3時を過ぎても一向に訂正文が掲載される様子はなかった。午前中の会話は無駄な部分を割愛してあるが、呉の対応は極めて失礼なものであったので、聖公会の東京本部に事情を説明しようと電話すると、大阪にも事務所があると紹介を受け、聖公会大阪事務所のY氏に呉の書き込みにつき報告し、こういった行為を行わないように指導を徹底していただきたい旨お願いした。Y氏はすぐに呉に電話をかけてくれたのだろう。午後になり取材班不在中に呉から電話があったようで、折り返し呉に電話をかけた。

── お電話いただいていたようで。
  はい、いたしました。聖公会大阪教区に2度ほどお電話なさったようですね。
── ええ、させて頂きました。
  関係ないやんか。
── いえいえ、最初に東京聖公会の本部に聞きました。
  そうですか、2回目の電話で説明されたみたいですね。2回目の電話で向こうがこうこうこうと説明されたと思いますけどね。
── そうです、わたくしども知識がないものですから、最初東京の聖公会に。
  そりゃまあいいですよ、ネットで公開してる。
── 東京の方が大阪に事務所があるのでそこに聞いてくださいというご指示を受けましたので、そちらにお電話させて頂きました。ところで、恐れ入りますが呉先生、午前中お約束いただいてすぐ謝罪と。
  文章出来てますよ。
── いえ、出来てるんじゃなくて、あの時あなたはすぐそれを書いていただけるとおっしゃったというように私は記憶しているのですが。
  先程書き終えたばっかりです。
── 『噂の真相』がどうのとか書かれていますね。
  うん、そりゃ全然関係ない。思い出したから。
── それは結構ですけれども、私からお願いして、録音してありますけれども。
  やっぱり録音してあるんだ。
── 当然ですよ。意見の違いがあったら困りますから。
  はい、先程文章出来上がりまして、あとはアップするだけです。
── あの「チクった」と言うのはどういうことなんですか。
  それは書いただけでそちらの名前書いてないんやから。
── それを私はお尋ねしているのであって。
  それ違うところでもチクられたんですよ、最近。
── そんなこと聞いてるんじゃないですよ、あなたにお願いしたことは分かっているでしょ。あなた、一つの会社を潰せということを言ったということをね、午前中ちゃんと事実をもって確認して、それでもうわかったと、取り下げると、謝罪して撤回すると最後におっしゃっていただいたわけでしょ?
  取消しでもいいですかね。
── はい?
  撤回、取消しと説明ですね。
── どちらでも結構ですが、その後に『噂の真相』のことを思い出すのは結構ですよ、そのあとなんですか「チクった」っていうのは。
  そりゃそちらとは書いてないやん。
── いやいや書いてないじゃなくて、あなたはその前にすべきことがあるんじゃないんですか。私との約束の中で。あなたこれからすぐ書きますとおっしゃたんですよ、あの時。
  すぐ書いて先ほど書き終わったんです。
── 前後してるじゃないですか、その前に他のあの三つ上がってるじゃないですか。
  あんなん1分で書けるから。すぐ書くって言ったって一瞬で書ける場合と、考えて書く文章違うわけでしょ。
── そういうようなことを聖職者の方がおっしゃるのは。
  聖職じゃないです。
── いかがなものかと思いますよ。
  うん、聖職じゃないです、私。あのね、もうアップしますんで読んでください。そちらから電話頂いて意見の違いはあるけれども。
── いや、意見の違いはないですよ。
  あるやん。
── ご納得いただいて私も理解してお願いしますということで終わったわけです。
  うんだから、意見の違いは意見の違いでそのまんまで書くしかないんですよ。
── いや、問題はあなたが約束を守って下さらなかったということじゃないですか。
  あ、なるほど。
── あ、なるほどじゃないですよ。
  えっとですね……、読みましょうか? 今からアップする文章読みましょうか?
── いえ結構です。私はもう信頼感失いましたので。
  はい。
── こちら事実を提示して一生懸命お話ししたんですけど、そのことをもって訂正をすぐ書かれると言っていただいたことに対して、反故にされたことで、私は先生に対して完全に信頼感を失いました。
  そうですか、わたし今書いた約束守って取消で結構ですね。
── 知りません、私は別に何も文章の文面については申し上げるつもりはありません。
  なるほど、はい。意見の違いも書いてますからね。でも謝罪、取消しは書いてますので。
── 「アホな奴、アホな奴おるな、関係ないところに電話して僕のところにチクっとる」と。これは状況的に私のことじゃないですか。
  いや、明言してないよ。最近違うとこでもされたて言いましたやん。
── 欺瞞は通じないですよ。
  最近されましたからね。
── さっきYさん(聖公会大阪事務所)から電話かかって来たでしょ。
  かかってきましたよ、どうなってるんですか言うて。
── そのことじゃないですか、時間的に言ったら。
  うん、で違うことも思い出したんですよ。
── あなた、よくそんないい加減なこと言いますね。
  いい加減、そちらもなんか……。まあ録音なさってるから言葉慎重にさせてもらいますけども。
── 私の言葉にいい加減なところあったら指摘してくださいよ、ひとつでも
(略)しかしさっきから先生の私に対する言葉の頂き方を聞いてますと、口先だけでごまかそうと聞こえて仕方ないわけですよ。だってそうでしょ、「すぐ書く」とおっしゃったのになんで『噂の真相』が思いついたからって『噂の真相』が出てくるんですか。約束なさってるんですよ、あなた午前中に。
  書いた書いた。
── 挙句の果てに「アホな奴がおる」て。「アホな奴」、私じゃないですか。「関係ないところに電話して僕のところにチクっとる」と。私でしょ?
  ちゃうですけどね。
── 認めなさいよ、あなた、ちゃんと。
  あなたと違うんですけどね、それやった人。
── じゃあ、誰なんですか?
  そんなんあなたに。
── それより先に書くと約束したでしょう。
  しましたよ。
── なんでしないんですか?
  だからあとアップするだけですよ、さっき書き終わって。
── 違いますよ、自分の勝手で約束したことを。さっきからの会話も。私もう一回申し上げますよ、私が申し上げた中であなたに対して欺瞞とか嘘とか事実と違うことってありましたか? 何か。意見の違いはあるかもわからないけど。
  意見の違いはありますね。
── 事実の違いはありましたか?
  事実の認識の違いはありましたか?
── いえいえ、事実の違いはありましたかと聞いてるんですよ。
  あなたが嘘ついてるとか、あなたの言ってることが事実誤認してるとか言ってないつもりですけどね。
── いや、おっしゃってましたよ、午前中。
  そうでした?
── 午前中、山ほどおっしゃってましたよ。
  そうでした? どういうところでした? おっしゃってください。僕、基本的には二つのことを言ったと思うんですよ。ちょうど1年ぐらい前の『週刊実話』のことと、あれはその日のうちにネットで謝罪と訂正出したでしょと。そしたらそれは一部ですとおっしゃったね。李信恵さんの絡みに関しては『週刊実話』は謝罪と訂正をしたとおっしゃいましたね。ああ、そやったなと思って、それはもうそれで終わったと思うんです。1回2回やり取りして。そうですね。それともう一つ、今回の肝は、「未来のためのパネル展」、なぜ取材班がこのパネル展に注目するのか。それはこの「未来のための歴史パネル展」は「しばき隊」「カウンター」の「関連事業」であり、なおかつM君リンチ事件とも無関係ではないからだ。そこで岡本さんがMさんに刑事告訴するな云々とおっしゃいましたね、僕もそれはそうだったんだと思いましたが。
── ご存知ないとおっしゃいましたよ。
  ちらっと風の便りに聞いてましたけど、そんなはっきり。
── あれ? あれ? 午前中と違いますね。午前中はそんなこと知らないとおっしゃいましたよ。
  ちらっとは耳に入って、ちゃんとは知りませんよ。
── あれ?
  それこそ言葉の隅を突くのやめてくださいよ。
── いえいえ、まあそれは結構です。
  カウンターは違うだろうと、それだと思うんですよ。カウンターは組織じゃないと、あなたはしばき隊は組織だとおっしゃいましたよね、ああ、そやなと。
── それは私の認識ではなくてしばき隊の人がそう言っていたからそう言っているんです。
  でも「関連事業」というのが、そこには何か連なりがありますね。
── あります。それは先程申し上げた通り、岡本さん、もう一人の呼びかけ人の方、林弁護士先生、金明秀先生、その他の方々は全員カウンターですから。
  そうでしょうね、わたしもカウンターですから。あとカウンターには社会的名前通ってない方たくさんいらっしゃいますんでね。
── そういう意味で先生と私、そのことに対し事実に対しての認識の違いってないんじゃないですか。
  そこでカウンターの「関連事業」というのがどう繋がるんかなと。
── 先生はご不満かもわからないけれども、これはあと2回ぐらいのシリーズで書きますけれども。
  それはもうどうぞ書いてください。
── その中でさっきも申し上げましたけれども、岡本さんのなさった行為がどうだったかなということが最後に結論になるわけです。
  なるほどね。
── よろしいですか、さっき先生おっしゃたように、彼がM君の刑事告訴をするなと言ったことをご存知なわけですよね。
  風の便りに聞いてる程度です。
── 一応、風の便りに聞いてる程度にはご存知。午前中のお電話でもちょっとお尋ねしたんですけどね、生野にたくさん在特会がやって来て、例えば先生のいらっしゃるセンターに土足で上がって来て、いらっしゃる方に暴力を振るったりとか、あるいはたくさんじゃなくて一人の人を狙って乱暴、狼藉働いて怪我をさせるようなことがあったら、当然のように先生はそれは警察か何かに……。
  一般的に刑事案件になりますね。
── なさりますでしょ。それを仮に私が、「呉先生、それちょっと思いとどまってください」と「今の日本社会でそれやると在日の人たちに対する風当たりが強くなりますから」とか何とか言ったらそれはおかしいでしょ?
  仮定の話はあんまり言えないですね。
── 私は例を挙げただけであって、それをやったのは岡本さんだと言ってるわけですよ。
(略)
── こういった先生のような公職の方が、露骨に「鹿砦社潰れろ」という表現されたのは初めてです。
  そうですか、ショックだったですね。
── われわれにももちろん落ち度があることはあると思いますし、間違いもあるとは思うんですけれども、それはそれで正していきたいと思います。要するにどうすれば少しでもましな社会が出来るかということを模索してるわけなんですね。ですから「潰れろ」と「文句あったら言いにこいやあ」というのは表現としていかがなものかなということで。
  だからそれはね、申し上げますけれども、昨日4月29日ですね、あげたのは。昨日かな29日ですね。昨日は酒飲んでませんので酔うた勢いではありません、まずね。岡本君のいろんな見てて、おたくのこの「デジタル鹿砦社通信」見てて、これはそちらの意見ですよね、金明秀さんとか林範夫とか出てきて、コリアNGOセンターとかも出てきてね、わざわざ括弧でくくって「反ヘイトスピーチ裁判」と称する、てね、そういう表現わざわざなさって、僕もこの裁判にカンパもしてますからね、「M君リンチ事件の隠蔽工作と二次加害に最も深く関与した組織である」ということは、林範夫さんとコリアNGOセンターも全て反ヘイトスピーチ裁判の事務局も含めてリンチ事件の隠蔽工作に深く関与した組織というそちら判断なさってるんでしょ。
── 事実がそうですもん。
  僕はそうとは思えないですね。この人たちは皆よく知ってますからね。
── では先生に申し上げますが、今、民事訴訟をやっている中で、コリアNGOセンターは被告の側に、M君とコリアNGOセンターで交わした私信のメールを証拠として出してきてますよ。
  なるほど、そこは知りませんでした。
── 私はそんなことはあってほしくないという希望を持っているのですが、残念ながら事実はそうなんです。ですから会社の中でも、特に社長をはじめとして今回の先生の書き込みに関しては尋常ならざる怒りが渦巻いておりますので、先ほどおっしゃった書き込みを早急にしていただくと、それからやはり解せない「アホな奴おるな」と、これは私のことですよね?
  名前出したらそうやけどもね、名前出してませんやんか。
── 名前出そうが出すまいが、状況的に言ったらそうですよ。
  あなたを確定して送ったわけではないですよ。
── 私にはわかりますから。さっきあなたに確かめたじゃないですか、Yさんから電話があったと。
  向こうから電話かかってきたんですよ。
── かけてくださいと私が頼みましたから、だから私がアホな奴なんでしょ。
  そんな、なんで決めつけますのん。
── そのタイミングじゃなかったらあなたこんなことを書いてることないじゃない、過去に。
  なるほどね、そんなふうに解釈なさったんですね。
── そんなふうにって、他にどう解釈できるんですか、これが。あなただってね、NPOの責任者なんだからこういうところにもの書く時は一定程度の注意と責任持って書かなきゃダメですよ。
  気をつけます。
── これは私に対する侮辱です、明らかに。これは私に対することだとそれをちゃんと認めてください。でないと私はあなたに対して必要以上にどうしてこんなことする人かなと思いますよ、呉先生に対して。わたし在特会でもありませんからね、言っときますけど。
  そちらさんが在特会サイドとはわたし全然思っていません。そらもうおっしゃったの否定もしなかったでしょ。これまでのそちらさんの出版の内容とか見てたらそう思ってません。そら『反差別と暴力の正体』と見出し出てますけどね、それに対しては知らん部分もありますけども、わたしも情報、僕なりに調べますわ。
── いや、もう結構ですよ。

呉はこの後ようやく重い腰を上げて、謝罪文をアップしたが、それまで自身の顔を大写しにしていた画面が鶏のから揚げのように見える写真に変更されている。呉はその文章の末尾で「この投稿に関してはコメント等は受けませんのであしからず」としているにもかかわらず、伊藤大介が呉の意に背いて自身のフェイスブックでコメントをしている。

 

今回取材班は一切の評価を下さない。判断は読者に委ねる。
最後に。近日発売の『週刊金曜日』と『月刊サイゾー』に掲載される下記の鹿砦社の広告にご注目いただきたい。鹿砦社の新たな銃弾が既に装填された。読者諸氏の期待を鹿砦社は裏切らない。

(鹿砦社特別取材班)

『人権と暴力の深層』カウンター内大学院生リンチ事件真相究明、偽善者との闘い(紙の爆弾2017年6月号増刊)鹿砦社特別取材班=編著

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