Lumpinee Boxing Stadium of Japan設立会見からほぼ2年。初タイトルマッチ開催から1年が経過しました。毎度申すところ、このルンピニージャパン王座を獲得すれば「本場タイ国ルンピニースタジアムランキングに反映される」といった設立時の発表どおりなら、そんな上位王座へ突き進む進展が欲しいところです。
ルンピニージャパン(LBSJ)スーパーライト級王座決定戦は、前田将貴(RIKIX)は初回から橋本悟(橋本)と重いパンチを交錯させ、KO決着を予感させる出だしでした。偶然のバッティングによる両者の負傷はあったものの、前田の勢いは増していきパンチ連打、接近戦でのヒジ落としと攻勢が続き、橋本の負傷箇所の悪化でTKO勝利。勝利後の前田の号泣は、周囲の協力、応援は凄まじいものだったと感じられます。
周囲の練習仲間への感謝を述べた後、そんな仲間によって王座奪取に漕ぎ着けたことで「僕は本当に恵まれています。ありがとうござました」と号泣を堪え感謝を述べました。所属のRIKIX会長の小野寺力氏もそんな協力者の一人で嬉しかったことでしょう。
ムエタイオープン・バンタム級王座は、3ラウンドまでやや宮坂が蹴り勝っているかに見える展開からヒジでカットに成功したユウ・リバイバル(リバイバル)がTKO勝利。「まだまだ弱いですけど、これからも頑張っていくので応援宜しくお願いします」と締め括りました。
ムエタイオープン・ウェルター級王座を3度防衛している喜入衆(フォルティス渋谷)は在日ベテランのノーナクシンの老獪なテクニックの壁に阻まれ惜敗。
貴センチャイはガードが空くところをポンの左ヒジ打ち(と見える)カウンターを貰ってダウン。奪取した王座は多いが惜しい負け方も多いところです。
◎MuayThaiOpen.39 / 2017年7月9日(日)新宿フェイス16:30~20:50
主催:センチャイムエタイジム / 認定:ルンピニーボクシングスタジアムオブジャパン(LBSJ)
後援:タイ国大使館
◆メインイベント 67.0kg契約 3回戦
MuayThaiOpenウェルター級チャンピオン.喜入衆(フォルティス渋谷/38歳/66.7kg)
VS
K・ノーナクシン(タイ・サラブリ出身/35歳/66.05kg)
勝者:K・ノーナクシン / 0-2 / 主審:秋谷益朗
副審:大沢29-29. 田中29-30. 桜井29-30
◆セミファイナル バンタム級3回戦
LBSJスーパーフライ級チャンピオン.貴・センチャイジム(センチャイ/32歳/53.4kg)
VS
ポンチャンOZジム(タイ/26歳/53.35kg)
勝者:ポンチャンOZジム / 0-3 / 主審:北尻俊介
副審:秋谷28-30. 田中28-30. 桜井28-30
◆ルンピニージャパン(LBSJ)スーパーライト級王座決定戦 5回戦
MuayThaiOpenスーパーライト級チャンピオン.橋本悟(橋本/31歳/63.4kg)
VS
前田将貴(RIKIX/27歳/63.35kg)
勝者:前田将貴 / TKO 4R 1:05 / 主審:大沢武史
ドクターの勧告を受入れレフェリーストップ / 3Rまでの公開28-29. 28-30. 28-30
◆MuayThaiOpenバンタム級王座決定戦 5回戦
1位.44・ユウ・リバイバル(リバイバル/23歳/53.15kg)
VS
4位.宮坂桂介(ワイルドシーサー群馬/21歳/53.4kg)
勝者:44・ユウ・リバイバル / TKO 5R 1:25 / 主審:桜井一秀
ドクターの勧告を受入れレフェリーストップ / 3Rまでの公開29-29. 29-29. 29-30
◆70.0kg契約3回戦
エミール・ソーサ(Emile Souza/フランス/31歳/69.8kg)vs 清水武(29歳/69.5kg)
勝者:清水武 / 0-3 / 主審:田中浩明
副審:桜井29-30. 大沢28-29. 北尻29-30
◆ライト級3回戦
笠原淳矢(フォルティス渋谷/39歳/60.9kg)vs コンゲンチャイ・エスジム(タイ/28歳/60.75kg)
勝者:コンゲンチャイ / 0-3 / 主審:秋谷益朗
副審:桜井29-30. 大沢28-30. 田中28-30
◆フェザー級3回戦
NOWAY(NEXTLEVEL渋谷/36歳/57.05kg)vs 出口優佑(AXSPEAR池袋/34歳/56.6kg)
勝者:NOWAY / 3-0 / 主審:北尻俊介 /
副審:桜井30-28. 秋谷30-27. 田中30-27
◆ルンピニージャパン(LBSJ)U-15. -45kg級3回戦(2分制)
花岡竜(橋本/13歳/43.0kg)vs 石渡悠真(チューティンムエタイ/14歳/44.8kg)
勝者:花岡竜 / 2-0 / 主審:大沢武史
副審:北尻29-28. 秋谷29-28. 田中29-29
◆ルンピニージャパン(LBSJ)U-15. -45kg級3回戦(2分制)
小宮山怜虎(尚武会/13歳/42.8kg)vs 馬場由輝(AXSPEAR池袋/14歳/43.5kg)
勝者:小宮山怜虎 / 3-0 / 主審:桜井一秀
副審:北尻30-28. 秋谷30-28. 大沢30-28
◆スーパーフェザー級3回戦
角谷祐介(NEXTLEVEL渋谷/27歳/58.7kg)vs 飯島直己(OZ/21歳/58.6kg)
勝者:角谷祐介 / 2-0 / 主審:田中浩明
副審:北尻30-28. 桜井29-29. 大沢30-28
◆ルンピニージャパン(LBSJ)U-15. -45kg級3回戦(2分制)
野口優心(京都野口/15歳/44kg)vs 永井天馬(AXPEAR池袋/14歳/44kg)
勝者:永井天馬 / 0-3 / 29-30. 29-30. 28-29
◆ルンピニージャパン(LBSJ)U-15. -40kg級3回戦(2分制)
近藤流玖(橋本/13歳/36kg)vs 吉成士門(エイワスポーツ/12歳/39kg)
勝者:近藤流玖 / 2-0 / 30-29. 29-28. 29-29
《取材戦記》
進展の無いルンピニージャパンですが、Under15に出場している45kg以下の少年たちが将来、このルンピニージャパンを経て本場に挑むなら、その選手とこのシステムに期待したいところです。
王座は獲っても返上の多いチャンピオンの中、3度防衛の喜入衆には褒めたい存在。
この興行プロモーターとなるセンチャイ・トーンクライセーン氏はかつてムエタイランカーとして1980年頃来日、全日本フェザー級チャンピオン.酒寄晃(渡辺)との対戦経験があります。ルンピニージャパンのロゴマークにある写真がその試合です。そんな若い頃は結構二枚目で日本の女性ファンも居たようです。大々的にタイボクサーがモテだしたのはナパ・キャットワンチャイが全国的に有名になりました。遡れば昭和のキックブームの頃にもそんな存在が他にも大勢居ただろうと考えられます。国際結婚に至ったケースも多いですし、そんなエピソードも聞いてみたいところです。
MuayThaiOpenの40回目を迎える興行は11月26日(日)に新宿フェイスにて開催予定です。
[撮影・文]堀田春樹
▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」