江幡睦vsマフアンレック。蹴り合いにも下がらず先手打ち、圧力掛けて出る江幡睦

アルゼンチン大使より、WKBA伊原信一代表へチャンピオンベルトの贈呈。これはWKBA加盟国の、アルゼンチンで活発に行なわれているアマチュア大会が、今後、周辺国と交流し、南米選手権、更にヨーロッパ、ロシア、アジアとの大陸間国際大会開催を目指したチャンピオンベルトとなります。アマチュア大会の裾野が広がって、プロへの基盤となればWKBA世界王座も真のメジャー化に繋がるでしょう。そんな険しい道程をどう切り抜けていくのかも応援したいところです。

江幡塁が12月10日、両国国技館で開催の「KNOCK OUTイベント」に出場決定! 10日程前に発表されていたことではありますが、この日、江幡睦が勝利したリング上でもマイクアピールされました。対戦相手は未定ですが、ここで話題の選手と対戦し、好ファイトを繰り広げれば、その後のムエタイ最高峰に挑んだ際にも、今まで以上の期待と声援が増すことでしょう。

江幡睦vsマフアンレック。右ストレートで1回目のダウンとなるクリーンヒット

斗吾vsファープラタン。パンチの強い斗吾が圧力を掛けていく、劣勢に陥るファープラタン

◎TITANS NEOS.22
2017年9月17日(日)後楽園ホール17:00~20:50
主催:TITANS事務局 / 認定:新日本キックボクシング協会

メインイベントは江幡睦のWKBA世界バンタム級王座初防衛戦。一度失敗している初防衛戦は、2015年3月に行なわれた、ラジャダムナン系バンタム級王座とのダブルタイトルマッチで、フォンペット・チューワタナに判定負けして奪取成らず、WKBA王座も陥落。その後フォンペットのWKBA王座返上で、江幡睦は再び王座決定戦を制し王座奪回。今回の挑戦者は元・ルンピニー系ライトフライ級1位.マフアンレック。

睦のパンチと蹴りのスピードがマフアンレックを上回り、タイミングをずらしたフェイントと、右ストレートと左アッパーで、2度のダウンを奪って快勝し、初防衛成功。

日本ウェルター級チャンピオン.渡辺健司は、憂也の若さでパンチで出る圧力に押される展開を見せるも、いつものしぶとさと粘りで凌ぎきる。どちらもあと一歩足りない手数に差が付かないまま終了。

日本ミドル級チャンピオン.斗吾は序盤にファープラタンの蹴りのテクニックに詰め難さがあったが、斗吾のパンチの威力に後退し始め、表情に現れるような劣勢とスタミナ不足。斗吾の威力が増していき、右ボディーブローでKOする。

アルゼンチンから伊原ジムに移籍したマウロ・エレーラとミドル級から階級を上げたショーケン、重いパンチを振るうエレーラに、負けず劣らず前に出たのはショーケン。右ストレートでダウンを奪い、エレーラを後退させるシーンが目立ち、判定勝利を得る。ミドル級時代より力強さを感じたショーケンでした。

日本フライ級王座奪還目指す泰史は、第1ラウンド終了近くにパワフルな攻めを見せる平野翼から右ハイキックでダウンを奪い、2ラウンド開始早々には右ローキックから瞬時に飛びヒザ蹴り一発で倒してKO勝利。

◆メインイベント WKBA世界バンタム級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン.江幡睦(伊原/53.45kg)
VS
マフアンレック・チョー・ノーパルタン(タイ/53.1kg)
勝者:江幡睦 / KO 2R 2:25 / カウント中のタオル投入による棄権
主審 椎名利一

◆74.0kg契約3回戦

日本ミドル級チャンピオン.斗吾(伊原/73.85kg)
VS
ファープラタン・ペットプームムエタイ(タイ/73.7kg)
勝者:斗吾 / KO 3R 0:59 / カウント中のタオル投入による棄権
主審 少白竜

ファープラタンvs斗吾。最後は斗吾ボディーブローが強烈に決まった

渡辺健司vs憂也。若い憂也も攻め倦む、両者あと一歩出れば勝機に繋がった惜しい試合

◆67.2kg契約3回戦

日本ウェルター級チャンピオン.渡辺健司(伊原稲城/67.15kg)vs
VS
憂也(魁塾/67.2kg)
引分け / 0-1 / 主審:宮沢誠
副審 椎名29-29. 仲29-29. 少白竜29-30

◆ヘビー級3回戦

日本ヘビー級1位.マウロ・エレーラ(伊原/95.3kg)
VS
日本ヘビー級4位.ショーケン(山田/94.5kg)
勝者:ショーケン / 判定0-3 / 主審 宮沢誠
副審 椎名27-30. 仲28-29. 少白竜28-29

マウロ・エレーラを後退させたショーケン、今後に期待

◆52.0kg契約3回戦

泰史(前・日本フライ級C/伊原/52.0kg)vs平野翼(烈拳會/51.5kg)
勝者:泰史 / TKO 2R 0:10 / ノーカウントのレフェリーストップ
主審 仲俊光

平野翼vs泰史。飛びヒザ蹴り一発で平野翼を沈めた泰史

江幡睦と塁。WKBA、KNOCK OUT、ムエタイ王座と新しい伝説へ突き進む江幡ツインズ

◆74.0kg契約3回戦

日本ミドル級2位.本田聖典(伊原新潟/73.6kg)vs同級3位.中川達彦(花鳥風月/73.9kg)
勝者:本田聖典 / TKO 2R 0:46 / 一方的展開の為、レフェリーストップ
主審 少白竜

◆62.5kg契約3回戦

日本ライト級3位.春樹(横須賀太賀/62.5kg)vs清水隆誠(烈拳會/62.5kg)
勝者:清水隆誠 / 判定0-3 / 主審 椎名利一
副審 少白竜28-30. 宮沢誠27-30. 仲28-30

◆ライト級3回戦

日本ライト級4位.ジョニー・オリベイラ(トーエル/61.1kg)
VS
同級5位.渡邊涼介(伊原新潟/61.15kg)
引分け / 0-0 / 主審 少白竜
副審 椎名29-29. 宮沢29-29. 仲29-29

他、5試合は割愛します。

《取材戦記》

江幡ツインズ弟・塁は10月22日にMAGNUM.45に於いてWKBA世界スーパーバンタム級王座2度目の防衛戦で、その後12月10日にKNOCK OUT出場となります。同日、兄・睦は後楽園ホールでの藤本ジム興行に於いてのビッグマッチが予定されており、同日に別々の会場でツインズ出場は初めてのことです。来年は睦も後々にKNOCK OUT出場予定されている模様です。

伊原代表に贈られたWKBAアマチュアチャンピオンベルト中央には「King of The King」と刻印されており、鷹と王冠もデザインされています。この鷹と王冠は旧・日本キックシング協会系のチャンピオンベルト(沢村忠さん達の時代のベルト)にも王冠に掴まる鷹が描かれており、同一デザインではありませんが、何かキックの老舗のこだわりがあるような気がします(鷹か鷲か不明ですが)。

今回の興行テーマとなった「メジャーは王道の先にあるならば、この道を突き進む!」にはTITANS NEOSの強化と、海外から発信のWKBAアマチュア大会や、KNOCK OUTイベントに江幡ツインズ出場といった王道の先にメジャーがあり、それが2018年に大きく開花していくのかもしれません。

アルゼンチン大使と伊原代表を囲む。南米担当・川久保悠さん、リングアナウンサー・生島翔さんも加わって

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

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