コッチャサンvs高橋亮。中間距離はコッチャサンの距離、ヒザが入り易い
コッチャサンvs高橋亮。高橋亮のローキックでバランス崩すコッチャサン
高橋亮は初回の様子見からパンチとローキックで主導権を握る。そのローキックで次第にコッチャサンは足が効いて仰け反ったりフラつくようにバランスを崩すこと多くなる。「KOできるぞ」というムードも3ラウンド中盤からコッチャサンの組み合っての攻防が多くなり、崩されたり、くっ付いてもやや離れてもヒザ蹴りが鋭く入るムエタイの距離感。前半の足のダメージなど、効いていないかのようにコッチャサンのフットワークがいい。
高橋亮も元のペースに戻そうとパンチで出る攻勢は見せるも、コッチャサンの巧みな技にはまり、ムエタイの奥の深さを感じたように攻略が難しくなる。高橋亮もキックとして攻めは目立ったので勝利を導いたが、「ムエタイでは完全にポイント持っていかれたな」という展開。
昨年12月、「KNOCK OUTイベント」に於いて小笠原瑛作と引分けた結果には評価が上がったが、ムエタイ元ランカーには苦戦。まだまだ越えなければならない壁はあるが、今後も壁を打ち破る成長が期待される三兄弟の一人で、観衆からの不甲斐なかったと言う不満の声にも反省の言葉を返した高橋亮でした。高橋亮はこれで19戦14勝(6KO)4敗1分。
コッチャサンvs高橋亮。高橋亮の左ストレートが先にヒット
棚橋賢二郎(拳心館)vs野村怜央(TEAM.KOK)は第1ラウンドに2度ずつのノックダウンがあり、第2ラウンドも棚橋のパンチ連打で2度のダウン奪ってKO勝利。第1ラウンドの棚橋2度目のダウンはその前の過撃の注意と重なりタイムストップが入るも、そのアナウンスがされていないが2度ずつのダウンとなる様子。前回興行に続く劇的な展開はNKBらしさがあるが、打たれ過ぎはなるべく避けて貰いたいところでもあります。
野村怜央vs棚橋賢二郎。2ラウンド目の2度目のダウンへ繋いだ右ストレート
棚橋賢二郎のパンチ連打で崩れ落ちた野村怜央、この後、タオルが入る
安田浩昭は得意のパンチで攻勢に出るが詰め切れない。時折、鎌田政興の強い蹴りが出るがこれも詰め切れない。安田浩昭のパンチとローキックがやや上回る展開が続き、決め手に欠ける内容ながら、安田浩昭の判定勝利。
安田浩昭は昨年12月に倒した高橋聖人(真門)と今年6月16日にNKBフェザー級王座決定戦で対戦予定となります。安田浩昭は11戦9勝(4KO)2敗。
鎌田政興vs安田浩昭。安田浩昭の重いパンチで鎌田政興を追い込む
その王座は、高橋と同門の優介が昨年12月に村田裕俊(八王子FSG)からダブルノックダウンの末KO勝利で王座奪取しているが、試合前からドクターによる引退勧告が言い渡されており、頭部の危険を承知の上での挑戦でした。王座を獲ることが目標で、それが達成された今、引退を表明したこの日のリング上でした。
女子キックも定着してきた日本キック連盟での展開。両者の技術の向上も見られ、21歳の壽美が31歳の喜多村美紀に的確さで優り判定勝利。
壽美(コトミ)vs喜多村美紀。互いにキャリアは浅いが若い壽美が有効打で上回る
◎闘魂シリーズ vol.1 / 2018年2月17日(土)後楽園ホール 17:30~20:45
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会
野村怜央vs棚橋賢二郎。ダウン奪われた野村怜央が逆転の右ハイキック
棚橋賢二郎vs野村怜央。更なるダウンを奪う野村怜央の右ストレート
逆転から逆転へ繋ぐ棚橋賢二郎の前進する圧力
ペースを奪い返してパンチヒット狙う棚橋賢二郎
◆第10試合 55.5kg契約 5回戦
NKBバンタム級チャンピオン.髙橋亮(真門/22歳/55.4kg)
VS
コッチャサン・YZD(元・ルンピニー系スーパーバンタム級7位/タイ/19歳/54.7kg)
勝者:高橋亮 / 判定3-0 / 主審:前田仁
副審:鈴木50-48. 馳49-48. 川上49-48
◆第9試合 ライト級 5回戦
NKBライト級1位.棚橋賢二郎(拳心館/30歳/60.75kg)
VS
同級4位.野村怜央(TEAM.KOK/27歳/61.0kg)
勝者:棚橋賢二郎 / KO 2R 2:56 / カウント中のタオル投入による棄権
主審:亀川明史
◆第8試合 フェザー級3回戦
NKBフェザー級1位.安田浩昭(SQUARE-UP/31歳/56.95kg)
VS
同級5位.鎌田政興(ケーアクティブ/27歳/56.9kg)
勝者:安田浩昭 / 判定3-0 / 主審:鈴木義和
副審:佐藤友章50-48. 川上50-48. 亀川50-48
◆第7試合 女子51.0kg契約3回戦(2分制)
喜多村美紀(テツ/31歳/50.95kg)vs壽美(NEXT LEVEL渋谷/21歳/50.8kg)
勝者:壽美 / 判定0-2 / 主審:馳大輔
副審:川上30-30. 前田29-30. 佐藤友章29-30
◆第6試合 ヘビー級3回戦
打田知彦(テツ/37歳/86.75kg)vs森本真(極蹴会/50歳/81.6kg)
勝者:打田知彦 / KO 3R 2:02 / 3ノックダウン
主審:佐藤彰彦
◆第5試合 フェザー級3回戦
藤田洋道(ケーアクティブ/37歳/56.8kg)vs半澤信也(トイカツ/36歳/57.0kg)
勝者:半澤信也 / TKO 2R 0:57 / カウント中のレフェリーストップ
主審:佐藤友章
◆第4試合 ウェルター級3回戦
ゼットン(NK/46歳/66.6kg)vsちさとkiss me(安曇野キックの会/35歳/66.6kg)
勝者:ゼットン / 判定3-0 / 主審:川上伸
副審:鈴木30-29. 佐藤彰彦30-29. 馳30-29
◆第3試合 ライト級3回戦
小笠原裕史(TEAM.KOK/39歳/60.75kg)vs神田拳児(Team S.A.C/20歳/60.95kg)
引分け 0-1(28-28. 28-28. 28-29)
◆第2試合 バンタム級3回戦
古瀬翔(ケーアクティブ/22歳/53.1kg)vs大﨑草志(STRUGGLE/36歳/53.25kg)
勝者:大﨑草志 / 判定0-3 (29-30. 28-30. 28-30)
◆第1試合 バンタム級3回戦
志門(テツ/21歳/52.9kg)vs剣汰(アウルスポーツ/18歳/53.15kg)
勝者:志門 / 判定2-1 (29-30. 30-29. 30-29)
プログラム貰って会場に入ると、後で2冊持っていることに気付く。薄くなったのでした。紙質は厚くなった気がするが過去の16ページから8ページに。でも明らかに1冊の厚さは薄い。だからすぐには気付かず。この薄さと中身から「体制が何か変わったな」とはすぐ感じました。興行的には普段と変わらず、盛り上がりもあれば、不甲斐ない試合もあった興行でした。日本キック連盟は昔からプログラムは無料配布される体制です。
連盟の渡辺信久代表が珍しく体調不良で欠席されました。インフルエンザかな?と思いますが、ドクター勧告で「行っちゃダメ!」と止められている様子
その渡辺ジムは昨年暮れに、長年住みなれた葛飾区東新小岩から江戸川区東小松川に移転。ジムは近代的でもなく、古い造りでもないような話は聞きましたが、その様子は一度覗いてみたいものです。
旧ジムは古いビルの4階で、入るには4階に至るまで薄暗く緊張する階段でした。今時の空調設備と女子更衣室完備のジムが増えた中、昔ながらの隙間風入る、冬寒くて夏暑い、カビ臭い、ボロボロのサンドバッグが吊り下がり、リングのマットが剥がれているようなジムはどれぐらいあるでしょう。古いジムの方がキックらしい気がします。古い考えですが。
次回興行、闘魂シリーズvol.2は、4月21日(土)後楽園ホールに於いて17:30開始です。
▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」
一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』