続く江幡ツインズのムエタイロード──。ラジャダムナンスタジアムのランキング入りを果たしたい江幡睦は無名のニンモンコンをパンチとローキックの強さを見せて圧勝。
開始早々はお互いに様子を伺うローキックが交差するが、一気に詰めたのは公約どおりのパンチで、ローキックとの連係で1ラウンド早々のノックアウト。江幡祭りはこれから本番のランキング入りを目指します。
石川直樹は2度目の防衛戦。泰史戦はこれで1勝2分。2016年3月の王座決定戦での引分けは泰史が勝者扱いで王座獲得。その王座を同年10月にTKOで奪ったのが石川直樹、昨年11月の初防衛戦は幸太を組んでのヒザ蹴りで捻じ伏せKOで下したばかり。
初回から泰史はパンチとローキックで攻勢に出る。第2ラウンドから石川も攻め返すパンチとローキックに続き、ヒザ蹴りが目立っていく中、石川のヒジ打ちで泰史の左頬が次第に腫れが大きくなる。石川の掴みに行くヒザ蹴りと泰史のパンチの攻防は、互いが思うようにペースを掴めないスタミナ消耗激しい苦しい展開で最終ラウンドに入り、泰史がパンチのヒットがやや巻き返すが、それまでの石川のヒザ蹴り主体の攻めを上回るには至らない。判定は引分けで、石川直樹が辛うじて王座を守り2度目の防衛成る。
斗吾は12月に引分けた齋藤智宏と再戦。この時は斉藤が組んでのヒザ蹴りの持ち味を活かした試合でした。2014年3月に対戦した時は斗吾がヒジ打ちでTKO勝利。 今回もヒザを有効に使いたい齋藤智宏に、斗吾は掴まらないうちにパンチの距離を見極め、第2ラウンドにもダメージある齋藤をパンチ主体に攻め続け完勝。
HIROYUKIは昨年10月、地花デビッドにボディを攻められKO負けして以来の再起戦。チャンピオンとして弱点が目立ってはいけない中、欠点を克服して、国内では経験豊富な國本真義のローキックからパンチ主体の攻めに、打ち負けず飛び蹴りや後ろ蹴りの派手な技も織り交ぜ攻めるも圧倒出来ず引分け。
◎MAGNUM.46 / 2018年3月11日(日)後楽園ホール17:00~20:55
主催:伊原プロモーション / 認定:新日本キックボクシング協会
◆第14試合 54.5kg契約 5回戦
WKBA世界バンタム級チャンピオン.江幡睦(伊原/54.2kg)
VS
ニンモンコン・ペットプームムエタイ(タイ/53.8kg)
勝者:江幡睦 / KO 1R 1:26 / カウント中のタオル投入
主審:椎名利一
◆第13試合 日本フライ級タイトルマッチ 5回戦
チャンピオン.石川直樹(治政館/50.7kg)
VS
同級1位.泰史(伊原/50.8kg)
引分け 1-0 / 主審:仲俊光
副審:椎名48-48. 宮沢48-48. 桜井49-48
◆第12試合 73.5kg契約3回戦
日本ミドル級チャンピオン.斗吾(伊原/73.5kg)
VS
齋藤智宏(Ys.k/73.5kg)
勝者:斗吾 / KO 2R 1:01 / ノーカウントのレフェリーストップと同時にタオル投入
主審:少白竜
◆第11試合 54.5kg契約3回戦
日本バンタム級チャンピオン.HIROYUKI(藤本/54.5kg)
VS
國本真義(MEIBUKAI/54.4kg)
引分け 三者三様 / 主審:桜井一秀
副審:椎名29-29. 少白竜28-29. 仲30-29
◆第10試合 70.0kg契約3回戦
喜多村誠(前・日本M級C/伊原新潟/69.7kg)
VS
小原俊之(キングムエ/69.7kg)
引分け 1-0 / 主審:宮沢誠
副審:仲29-29. 少白竜29-29. 桜井30-28
◆第9試合 64.0kg契約3回戦
石井達也(元・日本L級C/藤本/63.8kg)
VS
日本ライト級4位.春樹(横須賀太賀/63.8kg)
勝者:石井達也 / 判定2-0 / 主審:椎名利一
副審:少白竜30-29. 宮沢29-29. 桜井30-28
◆第8試合 56.0kg契約3回戦
瀧澤博人(前・日本B級C/ビクトリー/56.0kg)
VS
ナコンルアン・スワンアハンピーマイ(タイ/55.3kg)
引分け 0-1 / 主審:仲俊光
副審:椎名29-29. 宮沢29-29. 桜井29-30
◆第7試合 バンタム級3回戦
日本バンタム級3位.阿部泰彦(JMN/53.5kg)
VS
日本バンタム級4位.古岡大八(藤本/53.4kg)
引分け 0-0 / 主審:少白竜
副審:椎名29-29. 宮沢29-29. 仲29-29
◆第6試合 フェザー級3回戦
日本フェザー級4位.皆川裕也(藤本/57.0kg)
VS
日本フェザー級10位.渡辺航己(JMN/56.6kg)
勝者:皆川裕也 / 判定2-1 / 主審:桜井一秀
副審:椎名30-29. 少白竜29-30. 仲俊光30-29
◆第5試合 69.0kg契約3回戦
日本ウェルター級5位.リカルド・ブラボ(伊原/68.6kg)
VS
輝也(TS/72.4→72.2kg) 3.2kgオーバーによる減点2
勝者:リカルド・ブラボ / KO 1R 2:04 / カウント中のタオル投入
◆第4試合 62.0kg契約3回戦
日本ライト級7位.大月慎也(治政館/61.9kg)
VS
長谷川健(RIKIX/62.0kg)
引分け 0-1 / 29-29. 28-29. 29-29
◆第3試合 52.0kg契約3回戦
空龍(伊原新潟/51.3kg)vs林佑哉(空修会館/51.2kg)
引分け 0-0 / 29-29. 29-29. 29-29
◆第2試合 70.0kg契約2回戦
大久和輝(伊原/69.8kg)vs萩本将次(CRAZY WOLF/69.5kg)
勝者:大久和輝 / 判定3-0 / 20-19. 20-19. 20-19
◆第1試合 ウェルター級2回戦
RYOTA(トーエル/66.6kg)vs宮崎亮(RIKIX/66.4kg)
勝者:宮崎亮 / 判定0-2 / 19-19. 19-20. 19-20
《取材戦記》
「江幡祭りは終わらない」というキャッチコピーが付いた今回の興行。14試合中7試合が引分け、3回戦では大差には成り難く、2-0、2-1判定も3試合あり、迫力に欠け、盛り上がるような接戦ではない展開に「昔のような倒しに行く姿勢が足りない」という休憩時間に聞かれた厳しい関係者の声も多い中、後半の斗吾、江幡睦がノックアウト勝利。石川直樹vs泰史は引分けでも攻防激しい展開で盛り上げてくれました。
来月15日(日)はTITANS NEOS 23が開催、今度は江幡ツインズ弟の塁が出場。ラジャダムナンスタジアムのランキングには常に名を連ねていて欲しい江幡ツインズです。重森陽太、緑川創のいずれも現時点で対戦相手未定ながら海外選手と対戦が予定されています。
日本ライト級チャンピオンの勝次は同じ藤本ジムの後輩、HIROYUKIと皆川裕哉とのエキシビジョンマッチも予定されています。「KNOCK OUT」から本来の路線に戻っての再起に期待が掛かります。
▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」