2011年3月11日に発生した大震災は歴史の中にすでに確固とした座を占めている。ナショナル・ジオグラフォックが2012年に発行した『ビジュアル 1001の出来事でわかる世界史』でも、古代から続く人類の歴史で3・11が最新の1ページに記されているほどだ。
でも、福島第一原発事故はすでに歴史になったのか? 地震と津波が発生したのは7年前の3月11日で間違いない。けれど、そもそも福島第一原発の事故とはメルトダウンしたことなのか? それとも放射性物質の拡散? あるいは風評被害を与える言説も事故なのか? あれ、そもそも福島第一原発はいまだに“事故ってる”んじゃないのか!? だとしたら、歴史に刻まれる前にやらなければいけないことがあるはずだ。
2018年3月11日に東京電力本店前(東京都千代田区内幸町)で催された抗議行動『東電は原発事故の責任をとれ-第54回東京電力本店合同抗議行動-東電解体!汚染水止めろ!柏崎刈羽原発再稼働するな!』には前年の500人をはるかに上回る900人が参加し、現況を共有。東電に対する抗議と申し入れを行った。
集会では作家の落合恵子さん、ルポライターの鎌田慧さん、東海村(茨城)の元村長の村上達也さんなど多数のスピーカーが脱原発のスピーチを行った。今回は、当日の様子と共に、東京電力株主代表訴訟事務局長で「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(原自連)事務局次長を務めている木村結さんのスピーチを紹介する。
◆6月の東電株主総会では株主65万人に私たちの提案を届ける
こんにちは。木村結でございます。私たちは30年も前から、東京電力に対して「原発をやめよう」という株主提案を続けてまいりました。いま、6月の株主総会に向けて提案を10件ほど準備しております。法務省は、10件は多すぎるから5件にしろとかですね、そういう具体的な数字で締め付けをしてきております。現在は3万株で提案できるのですが、そのハードルを上げるというようなことも言ってきております。
全国には東京電力の株主が65万人もいるんです。その65万人の株主に私たちの提案を届けることができるという、かなり壮大な運動なんですね。「原発を動かしてもいいじゃないか」っていう人たちにも声を届けることが出来るんです。
◆今がチャンスの〈原発ゼロ〉実現
もうひとつ、去年の4月に原自連というものを立ち上げました。『原発ゼロ自然エネルギー推進連盟』と名前が長いんですけれども、これは電自連(電気事業連合会)の向こうを張って原自連というふうにいいます。脱原発大賞というのを3月7日に発表したのですが、今日もこれから挨拶をします『さようなら柏崎刈羽プロジェクト』が金賞を獲りました。そして銀賞は『反原発議員市民連盟』です。審査員賞に『再稼働阻止ネット』も入りました。賞金も出ますので是非ご応募していただければと思います。
そしてですね、今皆さん気になってらっしゃるのが、立憲民主党、希望の党、そして共産党、社民党が共同して出している『原発ゼロ法案』です。1月10日に、私たち原自連も原発ゼロ法案を出しました。私たちのものは即時ゼロ。非常に明快な法案でございます。しかし、議員でない私たちには提案権がございません。そこで、全ての野党を回って「是非法案を出して欲しい」という呼びかけや意見交換会を重ねてきました。そうしましたら、立憲民主党、希望の党の心に響いたようで、ようやく法案を出すことができました。原自連は、普段声が届かない人たちに声を届けたいと考えております。あいつは嫌いだから手を組まないとか、あの時あんなことを言ったから許さないとか、そんなことを言っていたら脱原発はいつまでたってもできません。今がチャンスなんです! みんなで手を繋いで前に行きましょう! 進みましょう!
▼大宮 浩平(おおみや・こうへい) [撮影・文]
写真家 / ライター / 1986年 東京に生まれる。2002年より撮影を開始。 2016年 新宿眼科画廊にて個展を開催。主な使用機材は Canon EOS 5D markⅡ、RICOH GR、Nikon F2。
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