前回、2018年3月11日に東京電力本店前で催された抗議行動『東電は原発事故の責任をとれ─第54回東京電力本店合同抗議行動─東電解体!汚染水止めろ!柏崎刈羽原発再稼働するな!』の様子として東京電力株主代表訴訟事務局長・木村結さんの言葉を掲載した。
今回は元東海村村長・村上達也さんのスピーチを紹介する。村上さんは1997年に東海第二発電所が立地する東海村の村長に就任。1999年に発生した東海村JCO臨界事故では独断で村民を避難させた。辞職や損害賠償を覚悟の上、人命を尊重して行ったものだという。スピーチは、主に昨年末に運転延長申請がなされた東海第二原発に関する内容だ。
◆東電が借り入れ保証をして、倒産企業の日本原電が金を借りるという背任行為
東海村で前の村長をやっておりました村上と申します。たんぽぽ舎の柳田さんにお呼びいただいて参加することに致しました。来て本当によかったと思っております。こんなに素晴らしい会があるんですね。東京電力に対して抗議されてる姿に感動しながら聞いておりました。
東海第二発電所は、ここ(東京)からちょうど120kmのところにあります。昨年の11月28日には、運転を始めてから39年が経ちまして、20年延長の申請書が規制委員会に提出されています。そして、この3月にはOKが出てしまうんじゃないかという話があります。とんでもないことです。きょうは3月11日、慰霊の日、鎮魂の日です。それなのに我々がこういうところまで出てきて東京電力に抗議しなければならない。東海第二を動かすんじゃないということを。
いま東海第二を動かすためには、なんと1740億円もかかるんです。しかし日本原電(日本原子力発電株式会社)にはその1740億円を払う力がありません。そんな金は持っていません。廃炉準備金として持っておかなければいけない金を、敦賀の3号機と4号機に投じ、使い切ってしまっている。
実質、日本原電は完全なる赤字会社です。その赤字会社が1740億円という金を投じて東海第二原発の稼働を20年延長したいと言っているわけです。そこで、東京電力が借り入れの保証をすると言っているんです。そんな馬鹿なことがあっていいはずがない。倒産企業が金を借りる。このことを保証するというのは背任行為だと思います。こんなことが許されてはならないと思っております。
◆福島・白河で話をした時に気がついた東海第二再稼働の理由
福島県の白河で話をした時に気がつきました。どうして東海第二を動かしたいのかと。結論から申し上げますと、東京電力は福島第二原発を動かしたいということなんですね。福島第二原発はBWR、つまり沸騰水型110万KW。この型を採用したのは、東海村が第1号なんですね。東海村の沸騰水型110万KWを動かせば、福島第二も動かせると考えているんですね。茨城には、東海第二を動かすなという団体が50もあります。そして約20の市町村の議会では東海第二再稼働反対の請願を採択しております。しかし、なかなかまとまらない。首都圏との連携をとるということが大切だと思っております。自民党や日立製作所の力が大きく四苦八苦しておりますが、茨城県もがんばりますので、どうかこれからもよろしくお願い致します。
▼大宮 浩平(おおみや・こうへい) [撮影・文]
写真家 / ライター / 1986年 東京に生まれる。2002年より撮影を開始。 2016年 新宿眼科画廊にて個展を開催。主な使用機材は Canon EOS 5D markⅡ、RICOH GR、Nikon F2。
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