片島聡志 vs 奥脇一哉。片島聡志の左ミドルキックがヒット、接近戦も離れても技がある片島聡志が優位に立つ

片島聡志 vs 奥脇一哉。片島聡志の左ハイキックを受け止める奥脇一哉

佐々木雄汰(尚武会)のWPMF日本スーパーフライ級王座返上による、片島聡志(クレイン) vs 奥脇一哉(はまっこムエタイ)による王座決定戦。

序盤の様子見では、奥脇の左フックと片島の前蹴り中心に進み、更に片島の組み合って崩す巧みさに奥脇は勢いに乗れない。第3ラウンドには片島が後ろ蹴りから更に調子を上げていき、両者の好戦的蹴り合いは、片島が経験値で上回って僅差の内容ながら勝利を上げました。

2014年に返上した第3代チャンピオンから、第6代チャンピオンへの王座復帰と成る。2連敗から脱出した片島聡志は、38戦21勝(2KO)13敗4分。6連敗となった奥脇一哉は23戦8勝(2KO)13敗2分。

組み合ってから崩して倒す片島聡志、心理的、攻勢的に優位に立つムエタイ技

デンサヤーム vs 祥梧。崩した勢いで打って出るデンサヤーム

セミファイナルに出場予定の小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺)が角膜剥離の為、欠場となりました。代替選手として、Phoenixx 祥梧(Phoenixx Nak Muay)の出場が決定。

九州が拠点の活動から幅を広げ、REBELS興行やJ-NETWORK興行に出場して実力を付けてきたPhoenixx 祥梧がベテランのタイボクサー、デンサヤームに挑みました。20歳で46戦をこなしている祥梧は、デンサヤームのパンチと蹴りの多彩な圧力に屈せず、果敢に反撃し、パンチと蹴りのスピード感と力強さが好印象。

しかしそこはベテランの業師、デンサヤームが首相撲に持ち込んで祥梧の動きを封じ、隙をついたヒザ蹴りをミゾオチにヒットさせノックアウトしてしまう。善戦するも敗れたPhoenixx 祥梧は、47戦31勝(14KO)13敗3分。

デンサヤーム vs Phoenixx 祥梧。祥梧の右ストレートがデンサヤームのボディにヒット

デンサヤームの重いミドルキックが祥梧にヒット

17歳の柊斗の蹴りのスピードが次第に調子を上げ、ローキックも効果的に32歳のMASAHIROを圧倒する展開で勝利を掴む。柊斗は5戦3勝(1KO)2敗。MASAHIRO×AKGは11戦2勝(1KO)8敗2分。

堀口貴博はSHUN JANJIRAのパンチを貰って鼻血を流す中、更に攻められ呼吸が苦しそうな展開から第3ラウンドにバックヒジ打ちでダウンを奪って形勢逆転の判定勝利。観衆がどよめく、インパクトあるバックヒジ打ちでした。

40歳になるデンサヤーム、在日タイ人として日本人の前に立ちはだかる役割は続く

生後間もない我が子をリングに上げてツーショットの片島聡志、これが目標となる選手は多い

◎M-ONE 2018 1st 2018年4月1日(日)新宿フェイス16:00~20:35
主催:ウィラサクレック・フェアテックス / 認定:WPMF日本支局

《全9試合》

◆第9試合 第6代WPMF日本スーパーフライ級王座決定戦 5回戦

奥脇一哉(はまっこムエタイ/23歳/52.16kg)
    vs
WPMF日本バンタム級2位.片島聡志(クレイン/27歳/52.16kg)

勝者:片島聡志 / 判定0-3 / 主審:チャンデー・ソー・パランタレー
副審:ソンマイ48-50. ナルンチョン48-50. ノッパデーソン48-49

◆第8試合 58.0kg契約3回戦

WBCムエタイ日本フェザー級4位.Phoenixx 祥梧(Phoenixx Nak Muay/20歳/57.9kg)
    vs
デンサヤーム・ルークプラバーツ(元・ルンピニー系バンタム級C/タイ/57.7kg)

勝者:デンサヤーム・ルークプラバーツ / KO 3R 1:13
主審:ソンマイ・ケーウセン

◆第7試合 スーパーバンタム級3回戦

WPMF日本バンタム級7位.柊斗(WSR・F西川口/17歳/55.1kg)
    vs
MASAHIRO×AKG(A-BLAZE/32歳/55.0kg)

勝者:柊斗 / 判定3-0 / 主審:ノッパデーソン・チューワタナ
副審:アラビアン30-28. ソンマイ30-28. チャンデー30-28

柊斗 vs MASAHIRO。柊斗の左ミドルキックがヒット、ブロックの上からでも効果あり

柊斗の右ハイキックがヒット、スピード、当て勘、17歳が32歳を上回る

柊斗 vs MASAHIRO。柊斗のしなりある右ハイキックがヒット

柊斗 vs MASAHIRO。ラウンドガールも2名同時登場

◆第6試合 スーパーフェザー級3回戦

SHUN JANJIRA(JANJIRA/24歳/58.97kg)
    vs
WPMF日本スーパーフェザー級7位.堀口貴博(WSR・F三ノ輪/35歳/58.97kg)

勝者:堀口貴博 / 判定0-3 / 主審:
副審:アラビアン28-29. ソンマイ28-29. ノッパデーソン28-29

◆第5試合 スーパーフェザー級3回戦

ウルフ・タツロウ(アント/28歳/58.75kg)
    vs
向井貫太(WSR・F三ノ輪/21歳/58.5kg)

勝者:ウルフ・タツロウ / 判定0-1延長戦2-1 / 主審:チャンデー
副審:アラビアン  29-29.10-9
ナルンチョン 28-29.9-10
ノッパデーソン29-29.10-9

◆第4試合 フェザー級3回戦

シャックシャックMASAYAN(T-KIX/23歳/56.9kg)
    vs
聖(フォルティス渋谷/28歳/57.1kg)

勝者:シャックシャックMASAYAN / 判定3-0 / 主審:ソンマイ
副審:アラビアン30-29. ナルンチョン30-28. チャンデー30-28

◆第3試合 55.0kg契約3回戦

MITSURU(WSR・F三ノ輪/30歳/55.0kg) vs 弘樹(Y’ZD/25歳/54.3kg)

勝者:MITSURU / 判定3-0 / 主審:ノッパデーソン
副審:アラビアン29-28. ソンマイ29-28. チャンデー30-28

◆第2試合 女子ピン級(-45.359kg)3回戦(2分制)

奥脇奈々(はまっこムエタイ/20歳/45.1kg) vs
    vs
Sae KMG(=さえ/クラミツムエタイ/55歳/44.6kg)

勝者:奥脇奈々 / 判定3-0 / 主審:ナルンチョン
副審:ノッパデーソン29-28. ソンマイ29-28. チャンデー30-29

◆第1試合 53.0kg契約3回戦

壱・センチャイジム(センチャイ/20歳/52.05kg)
    vs
村井雄誠(エイワスポーツ/15歳/52.75kg)

勝者:壱・センチャイジム / 判定3-0 / 主審:アラビアン長谷川
副審:ナルンチョン30-28. ソンマイ30-28. チャンデー30-28

《取材戦記》

過去にも日本人選手を攻略してきたデンサヤームの首相撲の罠に掛かり、ヒザ蹴りに敗れるも、首都圏で人気が上がりつつあるPhoenixx 祥梧は、勇敢な闘争心と強いパンチ、蹴りを持った選手。九州から首都圏へ、今後の日本トップレベルのタイトル絡みの試合に期待が掛かります。

第2試合の女子ピン級3回戦の青コーナーSae KMG選手、「この年齢、本当?」と思えた55歳。プログラムに「1962年4月生まれ」とあり、関係者の話でもそのとおり。この日は奥脇一哉の妹、奥脇奈々(20歳)と対戦、パンチの打ち合いに応じるも、奥脇の若さに押されて判定で敗れ、6戦2勝3敗1分。アマチュア経験は豊富な様子の主婦でした。打撃競技としての年齢問題はさておき、この年齢でも戦える姿に応援したくなる声も多い、さえ選手でした。

M-ONEの次回興行は6月3日(日)に、会場は同じく新宿フェースでの開催となります。

Sae KMG vs 奥脇奈々。年齢差35歳の戦い、若い力に押されても、闘志で優ったSae KMG

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

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