「絆まだまだ突っ走ります」というフレーズが光るプログラムの見出し。
絆Ⅹ
4月30日(月・祝)埼玉県春日部市ふれあいキューブ / 16:00~
主催:PITジム / 認定:NJKF
2013年4月13日に第1回「絆」興行が行われ、ここでデビュー戦を勝利し、その後、チャンピオンに至った2名の選手がリングをリング上で紹介されました。Bigbangスーパーバンタム級チャンピオンの良星(平井)と、日本フライ級チャンピオンの石川直樹(治政館)が御挨拶。
良星は6月3日の「Bigbang」興行出場予定で、過去、祐トーン・エー(真樹・AICHI)に判定勝利していますが、今度はKO勝利して次に繋がるような試合をしたいと宣言。
石川直樹は6月8日の「KNOCK OUT」興行から始まる軽量級トーナメント戦初戦に出場し、秋以降の決勝戦で優勝することを誓い、両者ともまた「絆」のリングに戻って来ることを約束し、「強い選手を用意してください」と述べられました。
◆メインイベント 60,5kg契約3回戦
白井達也(TRY-EX/60.1kg)vs NJKFスーパーフェザー級1位.澤田曜祐(PIT/60.3kg)
勝者:白井達也 / KO 3R 1:37 / テンカウント / 主審:竹村光一
好戦的に打ち合った両者。パンチ主体で、ローキックとのコンビネーションで攻勢が続いた白井、蹴りはフォロー的にパンチが小気味良く繰り出される。応戦する澤田も劣性ながら打ち返す踏ん張りが凄かった。
第2ラウンドに白井は右ストレートで2度ダウンを奪い、勢いは増すばかり。第3ラウンドには再び右ストレートでダウンを奪い、澤田はそのままカウントアウトされて終了。
◆セミファイナル フェザー級3回戦
日本フェザー級3位.拳士浪(治政館/57.1kg)vs 将泰(PIT/56.8kg)
勝者:拳士浪 / KO 2R 2:47 / 3ノックダウン / 主審:プアナイ
キャリアで優る拳士浪が余裕ある展開。「蹴りまくる」と意気込みを語っていた将泰は、ミドルキックからハイキックへ積極的に蹴るが、ブロックされたり交わされたり、拳士浪のリズムを崩すには至らない。
第2ラウンドにはパンチでダウン奪う拳士浪。将泰はバックハンドブローを狙うが、拳士浪は冷静に交わし、更なる連打の後、右ストレートで3度目のダウンを奪って終了。
試合後、拳士浪は「15年前に治政館に入門し、選手として13年ほど現役を続けてきました。ですが、今日を持ちまして現役を引退しようと思っています。今迄有難うございました。」と語ってリングを降りました。
◆NJKF女子アトム級(-46.266kg)挑戦者決定戦 3回戦(2分制)
2位.佐藤レイナ(TeamAkatsuki/46.0kg)vs 3位.美保(KFG URAWA/46.0kg)
勝者:佐藤レイナ / 判定2-0 / 主審:多賀谷敏朗
副審:竹村30-28. プアナイ30-29. 君塚29-29
セーラー服がコスチュームの佐藤レイナは高校卒業したばかり。しかし「セーラー服は卒業しないが、チャンピオンになったらこのコスチュームは卒業する」という。
接戦となった試合で、両者のパンチ打って蹴って出る積極性は、ポイント付け難い中、佐藤レイナがパンチの有効打がやや打ち勝った印象。これでチャンピオンの百花に挑戦が決定。
◆女子ライトフライ級(-48.987kg)3回戦(2分制)
NJKF女子ライトフライ級4位.楓(LEGEND/48.8kg)
vs
同級8位.坂本優(CROSS LINE/48.8kg)
勝者:楓 / TKO 1R 0:17 / カウント中のレフェリーストップ
主審:中山宏美
女子キックでは滅多にない一撃KO、開始早々様子見から坂本優が出て行くと、楓の右前蹴りが坂本優の顎にまともにヒットすると、そのまま仰向けに倒れ、レフェリーストップ。立ち上がる様子はなく、セコンド陣営に抱えられリングを去った坂本優。
◆女子バンタム級3回戦(2分制)
美優美(錬武館上尾/53.4kg)vs 七美(真樹・沖縄/53.1kg)
勝者:美優美 / 判定2-0 / 主審:君塚明
副審:多賀谷30-29. プアナイ30-29. 中山30-30
◆ウェルター級3回戦
NJKFウェルター級3位.Jun Da雷音(E.S.G/65.9kg)
vs
同級5位.富士山勝敏(OGUNI/66.4kg)
勝者:Jun Da雷音 / 判定3-0 / 主審:竹村光一
副審:君塚30-29. 中山30-29. 多賀谷30-29
他、前座4試合は割愛します。
《取材戦記》
休憩時のセレモニーには御挨拶にリングに上がる方が幾人か居られました。選手として御挨拶に立った良星選手と石川直樹選手の他、この興行には新日本キックボクシング協会の治政館ジムが協力されており、武田幸三さんもリングに登場。ここを走る東武線は高校時代に通った路線で、春日部は通過した地点でしたが、この地域は想い出の地でデビュー当時を思い出す様子でした。
埼玉県議会議員の権守幸男氏はPITジム松永嘉之会長と幼稚園時代からの幼馴染みで、毎度の来場で御挨拶の常連の方。10回目を迎えた絆興行の開催に勝った選手、負けた選手にも労いの言葉と、松永会長やNJKF役員各位に敬意と祝辞を述べられました。
この4月30日は興行が重なった日でした。
藤原敏男古稀祭が終わった後、一部の皆さんが向ったのは、新宿を目指す人が多い「ムエタイオープン」でしたが、私は埼玉県春日部市で行われた「絆Ⅹ」に向かっていました。決してビッグマッチがある訳ではありませんが、PITジム松永会長から、過去何度も誘われながら行けること少なかったのと、「マスコミももしかしたら一人も来ていないかも」という読みでの選択でもありました。
ふれあいキューブはなかなか綺麗な近代的施設。三分割された一つのホールを使用。「照明がもう少し明るければなあ」と撮影を考えると勝手なことを望んでしまいますが、都心から離れた“やや地方”としては立派な試合会場です。いずれここの大ホールひとつでビッグマッチも期待したい絆興行です。
次回「絆11」興行は11月25日、ふれあいキューブにて開催されます。
▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」