『真実と暴力の隠蔽』発売からきょうで1週間を迎える。予約で購入してくださっていたかたがたから、28日を前に「届きました。まず表紙をめくってノックアウトされました」、「またしても特ダネの連続! 1冊にするのはもったいないほど(『カウンターと暴力の病理』でCDのインパクトが強く、「藤井メール」の印象が薄くなったのがもったいない……みたいに)濃い内容に唖然です」といった感想が寄せられていた。
取材班は発売前に何度も原稿、ゲラを読んでいるので(但し、今回、〈9項「カウンター」周辺のキーマンに直撃! 明かされる「しばき隊」の内情〉は発売まで松岡と取材班キャップ他一人のメンバーしかその内容は把握していなかった)、内容に自信はもってはいるものの、はたしてどの程度の衝撃を読者のみなさんに与えられるのかは未知数ではあった。『真実と暴力の隠蔽』が総体として“爆弾”であることを確信していても……。
そして“爆弾”はどうやら取材班の予想をこえて、連鎖的な爆発を起こしているようだ。不思議であったのは発売直後の2日ほど、「しばき隊」、「カウンター」界隈からはほとんど発信がなかったことだ。おそらくその間に水面下で「対策会議」が行われていたのであろうことはこれまでの経験からして、想像に難くない。そして「それ」は例によって一斉に始まった。上記9項〈「カウンター」周辺のキーマンに直撃!明かされる「しばき隊」の内情〉に登場していただいた木下ちがや氏と清義明氏のインタビューについての四方八方からの集中攻撃が、両氏に向けられた。清義明氏は発言撤回の意思はなく、今日に至るも堂々と主張を曲げていないが、木下ちがや氏は自身のツイッターで、
と、謝罪の意を表明されている。木下氏ご自身の態度や見解につて取材班は意見を表明することを控える。ただし、このような“集中砲火”にさらされれば、どんな議論も反論も成立のしようがないであろうことは、観察していると理解される。
さて、「気になる書き込みがある」とサイバー班から連絡があったのは28日、発売当日だった。
この方(以下K3と記す)は、これまでM君リンチ事件に同情的で、われわれの出版物にも好意的な発信をしていた方である。その方が「残念ながら《嘘》がいくつもあるのを確認できた」と発信されたのだ。ことあるごとに表明しているが、われわれは事実誤認や、認識の間違いがあれば、いつでも訂正・修正するにやぶさかではない。悪意に満ちた誹謗中傷は相手にしない(それらは具体的な事象を特定せずに「嘘」、「デマ」と決めつける)けれども、「これはここが違う」と指摘されれば、当然再取材や事実検証、あるいは再考察をこれまでも行ってきた。事実、木下ちがや氏を「しばき隊NO.3」とみなしてきたことは、今回ご本人の言葉により否定されているので、原稿の中でその認識の訂正とお詫びを記している。
K3氏が「嘘」という言葉で『真実と暴力の隠蔽』を評されたことを、取材班は座視してはいられなかった。上述のように彼は「しばき隊」擁護者ではなく、妥当な感覚を持つ人物であると取材班は評価していたからだ。その人物が「事実誤認」ではなく「嘘がいくつもある」と断定しているのである。取材に間違いがあれば訂正・修正しなければならない。この記述では複数の「嘘」があるように受け止められるが、具体的な事実の適示がない。取材班の田所は同日からK3氏がツイッターを書き込んでいる時間を見計らい(お仕事にご迷惑のかからないよう配慮して)何度も電話をかけたが、電話には出て頂けない。仕方なく鹿砦社のツイッターアカウントからK3氏に疑問を投げかけた。
これについてK3氏がご自身のツイッター上で、回答をしていただいていたようであるが、鹿砦社のツイッターを見ていてもその記述は確認できない。ある筋を通して最終通知を行ったところ、30日16:00過ぎにK3氏から田所へ電話があった。K3氏は「凜七星さんの発言に事実と異なる点がある。文責は取材班と書かれているので『嘘』と書いた」と言う。
田所は「文責が取材班との意味は、インタビューは長時間に及ぶが、それをすべて掲載はできない。発言の多くの部分を切らなければならないが、その責任は取材班にある。という意味であって、凛さんの発言やお考えに取材班が同意し責任を持つという意味ではない。これは他の取材対象についても同様である。必ずしも取材班が同意しない意見でも、発言していただいたことを原稿化する。『事実誤認』というのであれば『なにが事実誤認か』を確認するが、あなたの主張では凜さんの考えが、あなたの考えと違うという意味ではないか」と話すと、「凜さんの発言が事実と違うから『嘘』じゃないですか」とK3氏。「凜さんの発言が事実と異なるのかどうかは、彼のお考え認識の問題である」と回答すると「それって『しばき隊』がよく使う論法ですよね」とK3氏。
「ちょっとまって。あなたは『事実誤認』と『嘘』が同義だと考えるのか、わたしたちは『事実誤認』と『嘘』は明確に異なる言葉だと認識している」と見解を示す。K3氏はネット辞書で「嘘」の定義を調べ「1 事実でないこと。また、人をだますために言う、事実とは違う言葉。偽(いつわ)り。2 正しくないこと。誤り。3 適切でないこと。望ましくないこと」であるから、ここでの「嘘」は問題ないだろうと主張。田所は辞書が定義する最初の意味にある「人をだますために言う、事実とは違う言葉」が一般通念として理解されているのだから、あのような表現ではK3氏が本来意図する「凜さんの発言が事実と異なる」ではなく『真実と暴力の隠蔽』が虚飾に紛れていると、あなたのツイッターを見た人は理解しますよと、約1時間半にわたり議論を交わした。
結果K3氏は「嘘」という言葉を自分の意図と異なって捉えられ、鹿砦社に迷惑がかかるのであれば、それは本意ではないのでツイッター上で追加の意見表明をすると表明されたので、取材班も納得した(後刻書き込まれた文章が誤解を解くのに充分であるとは納得してはいないが、K3氏との電話のやり取りの中で誤解は解けたと認識したのでこれ以上この問題には触れないこととした)。
要するにK3氏の書いた「嘘」は凛七星さん発言へ、彼が「事実と違う」と感じた事実であったことが判明した。であるのであればやはり「嘘」という表現は妥当ではなかったであろう。
ところでそのK3氏がどういった心境かは理解できないが、超ド級の資料を公開した。わたしたちの間で「師岡メール」と呼ばれ、その存在がまことしやかに語られはしていたが、噂ではないかとも疑われていた師岡康子弁護士による「M君リンチ事件隠蔽」指示の証拠がついに明らかになった!!(つづく)