江幡睦vsアーリー。江幡睦のローキックを中心とした上下を揺さぶる攻撃が続く

ローキックで攻める江幡睦、鍛え上げられたスネ同士は当たってもビクともしない

 
 
◎TITANS NEOS 24
9月2日(日)後楽園ホール17:05~20:08
主催:TITANS事務局 / 認定:新日本キックボクシング協会

「TITANS NEOS 24」開催翌日の9月3日(月)14時、伊原ジムで一夜明け会見が行なわれました。

新日本キックボクシング協会とREBELSプロモーションの交流戦が10月8日(月・祝)のREBELS興行から開催されます。この日のカードは7月にすでに発表されていますが、日菜太(クロスポイント吉祥寺)vs 緑川創(藤本)戦が確定済。

10月21日(日)開催の新日本キック、MAGNUM.48では日本ミドル級チャンピオン.喜多村誠(伊原新潟)vs 元・ラジャダムナン・スーパーウェルター級チャンピオン.T-98(=今村卓也/クロスポイント吉祥寺)戦、日本ウェルター級チャンピオン.リカルド・ブラボ(伊原)vs UMA(K&K)戦の2試合が確定済です。

会見に出席したのは、昨日の勝者、江幡睦、勝次、リカルド・ブラボ、重森陽太が試合を振り返った感想の他、江幡塁、喜多村誠、T-98が出席。今後の交流戦に向けての豊富を語られています。

◆54.0kg契約 5回戦

ローキックは貰うと脚が麻痺してしまい根性で耐えられるものではない、アーリーも耐えきれず倒れ込む

WKBA世界バンタム級チャンピオン.江幡睦(伊原/54.0kg)
   VS
アーリー・ロー・ペットポートーン(元・パタヤ52kg級C/タイ/53.85kg)

勝者:江幡睦 / KO 2R 1:35 / ローキックによる3ノックダウン / 主審:椎名利一
得体の知れないタイ国強豪との戦いが続く江幡ツインズ。圧倒したり苦戦したり攻め倦んだりもありつつ、それらを上回るテクニックで捻じ伏せる勝利は多い。もう一歩上のムエタイランカー戦に備える戦いが続いています。

ローキック中心に倒せる技を試しながらジワジワ攻めて行くと、次第に顔色険しくなったアーリー。ボディブローとアゴへ突き上げるアッパーも炸裂させつつ、重点的に攻めたそのローキックでの3度のダウンを奪って圧倒のKOで仕留めた。

上半身を攻めつつ、ローキックでダメージを与えていく江幡睦

プットパートノーイvs勝次。勝次の前蹴りで牽制、自信を持った攻撃が続く

◆62.5kg契約 5回戦

日本ライト級チャンピオン勝次(藤本/62.35kg)
   VS
プットパートノーイ・ルークソーンムアン(タイ/61.55kg)
勝者:勝次 / TKO 2R 2:29 / 飛びヒザ蹴り / 主審:桜井一秀

初回、距離が遠かった両者、次第に距離を掴んだ勝次がパンチで追うと連打を繋げダウンを奪う。第2ラウンドは主導権を握った勝次が更にパンチを打ち込み、プットパートノーイは険しい表情に変わる。うつむく癖を見抜いた勝次はパンチでコーナーに追い詰め、プットパートノーイのアゴに軽く飛びヒザ蹴りを炸裂させて失神させ、レフェリーが試合を止めるTKO勝利となった。真空飛びヒザ蹴りの継承者と名乗る勝次。この技でのKO勝利は今後幾つ奪えるだろうか。

勝次vsプットパートノーイ。真空飛びヒザ蹴りを意識した老舗の大技、プットパートノーイを劇的に倒す

ニュートラルコーナーに登って雄叫びをあげる勝次。最も快楽的瞬間

田村聖の連打を浴びた斗吾は脆くも崩れ落ちた

◆73.5kg契約3回戦

日本ミドル級チャンピオン斗吾(伊原/73.5kg)vs NKBミドル級1位.田村聖(拳心館73.0kg)
勝者:田村聖 / KO 2R 0:56 / パンチによる3ノックダウン / 主審:宮沢誠

NKBとの交流戦。斗吾が田村聖に呆気なく倒されてしまった。多様なタイプとの経験値ある斗吾有利と思われたが、初回は様子見ながら第2ラウンドで田村聖のタイミングいい距離感での右ストレートがヒットすると、足にきた様子の効いてしまった斗吾。そのまま左右連打を浴びてダウンを喫する。田村聖は更に立て続けにダウンを奪い、最後は連打の中、レフェリーが止め、3ノックダウンとなるノックアウト勝ちを掴んだ。NKBの株をグンと上げた形の田村聖、交流戦初勝利となった。

田村聖(右)が右ストレートでダメージ重なる斗吾にクリーンヒット

当て勘優れたHIROYUKI(右)の右ミドルキックがウィサンレックにヒット

◆55.0kg契約3回戦

日本バンタム級チャンピオンHIROYUKI(藤本/54.9kg)
   VS
ウィサンレックMEIBUKAI(元・ルンピニー系バンタム級・フライ級C/タイ/54.8kg)
勝者:HIROYUKI / 判定3-0 (椎名29-27. 桜井29-27. 宮沢30-28)
主審:仲俊光

初回、HIROYUKIが距離を取りながらローキックで様子を見るように積極的に攻めるが、ウィサンレックも応戦し、HIROYUKIの動きを見極め、次第に距離を詰めるウィサンレック。

第2ラウンドはウィサンレックがヒジを狙うように接近したところにHIROYUKIの相打ち覚悟の左フックが当たると脆くも崩れたウィサンレック。ダメージは軽いが勝負を決定付けた一発だった。勢いつけば飛びヒザ蹴り、後ろ蹴りと調子を上げるが、ウィサンレックの組み技、ヒジ打ちを避けてか、後半距離を取るシーンも増えるも的確なヒットを残したHIROYUKIの作戦勝ちだった。

勢いに乗ったHIROYUKI、飛びヒザ蹴りで更に突き放す

◆67.0kg契約3回戦

日本ウェルター級チャンピオン、リカルド・ブラボ(伊原/アルゼンチン/67.0kg)
   VS
CAZ・JANJIRA(蹴拳ウェルター級C/JANJIRA67.0kg)
勝者:リカルド・ブラボ / 判定3-0 (桜井30-28. 仲30-29. 宮沢30-28)
主審:少白竜

ブラボが打って出ればCAZも打ち返してくるタフさにブラボをコーナーに追い詰める圧力もあり、苦戦するような印象さえ与えるが、連打とパワーが上回ったブラボが判定勝利。

◆ライト級3回戦

重森陽太(前・日本フェザー級C/伊原稲城/60.9kg)
   VS
RYOTA・RENSEIGYM(錬成塾/61.0kg)
勝者:重森陽太 / KO 2R 2:29 / 10カウント / 主審:椎名利一

両者のけん制気味の蹴りから始まった初回、重森の右ミドルキックは相変わらず、しなやかに重く圧し掛かる。第2ラウンドにパンチの距離になったRYOTAからカウンターで左フックを当てると、効いてしまったRYOTAは10カウントを聞き、重森陽太がKO勝利。

◆62.0kg契約3回戦

日本フェザー級1位.髙橋亨汰(伊原/62.0kg)vs ダルビッシュ黒木(KING EXCEED/61.8kg)
勝者:ダルビッシュ黒木 / KO 2R 3:00 / 3ノックダウン / 主審:桜井一秀

◆ミドル級3回戦

日本ミドル級2位.本田聖典(伊原新潟/72.4kg)
   VS
J-NETWORKミドル級6位.小原俊之(キングムエ/72.3kg)
勝者:小原俊之 / 判定0-2 (椎名28-30. 桜井29-29. 少白竜28-30)
主審:宮沢誠

◆フライ級3回戦

日本フライ級2位.空龍(伊原新潟/50.5kg)vs 同級4位.細田昇吾(ビクトリー/50.55kg)
引分け 0-0 (30-30. 29-29. 29-29)

◆フェザー級3回戦

日本フェザー級4位.皆川祐哉(藤本/57.0kg)vs 國枝悠太(二刃会/57.0kg)
引分け 0-0 (28-28. 28-28. 28-28)

◆50.0kg契約2回戦

小野拳太(藤本/49.75kg)vs 岡田彪雅(クロスポイント吉祥寺/47.9kg)
勝者:岡田彪雅 / 判定0-3 (18-20. 19-20. 19-20)

敵地でKO勝利を収めた田村聖、一気に注目を浴びる存在となった

《取材戦記》

新日本キックボクシング協会は7月からNKBグループ(日本キックボクシング連盟
とキックユニオン)との団体交流戦が始まったばかりで、続いてREBELSプロモーションとの交流戦が実現となります。

REBELSはフリーの興行プロモーションで、元MA日本フライ級、フェザー級チャンピオンの山口元気氏が代表。2010年1月から活動開始、当初はWPMF日本支局傘下にありましたが、後に独自にREBELSをタイトル化したチャンピオンを始めとする契約選手を抱え、梅野源治やT-98がラジャダムナンスタジアム王座獲得に至っています。
開催前の発表会見に加え、一夜明け会見なるものが各興行や団体毎に増えてきました。試合直後にリング上や控室で応えられるコメントより、1日経って心も落ち着いた、上手くまとめ上げたコメントが多くなります。試合直後の興奮気味なコメントにも本音が現れやすいので、そこを狙った取材陣も居ることでしょう。

「KNOCK OUT」イベントでのビッグマッチの影響が他興行にも影響が現れてきた今年、新日本キックが積極的に交流戦に打って出た“老舗、変革”が楽しみなところです。

次回の新日本キックボクシング協会、MAGNUM.48は10月21日(日)後楽園ホール(17:00開始)に於いて行なわれます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

月刊紙の爆弾10月号

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