10月31日は、鹿砦社や私に対する、李信恵さんによる度重なる「鹿砦社はクソ」誹謗中傷発言に対して、株式会社鹿砦社を原告とし李信恵さんを被告とする民事訴訟(大阪地裁第13民事部。以下便宜上「第1訴訟」とします)の弁論期日でした。
本件と無関係の山口の部落解放同盟幹部の陳述書を提出したり訳の分からない動きはあっても、被告からの反論らしい反論もなく、事実関係はハッキリしているので今回で結審かと思っていたところ、次回12月12日に被告・李信恵さんと、原告鹿砦社の代表の私に対する証人尋問が行われることが決まりました。私は原告会社の代表ですし陳述書も提出していますが、李信恵さんは被告として訴えられているにも関わらず1度も出廷せず陳述書も出さないとなると、裁判所が李信恵さんを尋問することは当然だといえます。
12月12日は、昨年12月のM君が李信恵さんらリンチの加害者5人を訴えた訴訟の尋問同様、対李信恵第1訴訟においても大きな山場となります。予想外の展開です。李信恵さんと法廷で直接対決ができます。畏れ多くも神原弁護士との応酬も楽しみです。
多くの皆様方が傍聴に足を運ばれることをお願いいたします。おそらく李信恵支持者らも多く蝟集するでしょうが、これを圧倒的な結集で凌駕しようではありませんか!
◆ 李信恵対在特会訴訟で李信恵勝訴判決を下した裁判長が、李信恵対鹿砦社訴訟(第2訴訟)の担当裁判官に就任、不公平な言動も異動 ◆
もうひとつ、上記第1訴訟において途中から李信恵側が反訴し、それを取り下げ、新たに別訴となった訴訟(大阪地裁第24民事部。以下「第2訴訟」とします)ですが、こちらも重大な事実が判明しました。李信恵側はとうに周知だったと思われますが、私方は迂闊にも今頃になって気づきました。おかしいなとは思っていたのですが……。
第2訴訟は、鹿砦社がこのかん出版した4冊のリンチ関連本(本年5月に発行した第5弾『真実と暴力の隠蔽』は提訴後の出版なので対象外)中の李信恵さんについて記述した部分に対して李信恵さんが原告となり鹿砦社を被告として訴えたわけです。ところが原告李信恵側からは、書籍の原本ではなく一部だけをコピーして証拠として訴状に付け裁判所に提出されていました。
名誉毀損の裁判ですし相手方に大金や販売差止めを求めていることから、本来ならば当然原本を提出すべきなことは常識中の常識です。そこで私方のほうで原本を用意し9月12日の準備手続きに証拠資料として提出しようとしました。ところが担当裁判官は「必要ない」「邪魔だ」として、あろうことか却下し突き返して当方代理人は持ち帰させられました。こんなことがあるでしょうか!? 私は急病で当日欠席せざるをえませんでしたが、私がいたなら押し付けてでも受け取らせたでしょう。あとから聞き悔しかったことは言うまでもありません。「這ってでも裁判所に行くべきだった」と。
そこで、多くの元裁判官や弁護士の意見も聞き、裁判官忌避申立てをしようと思い、申立書を提出しようとした、その日(10月22日)にその裁判官は京都地裁に異動となりました。年度変わりであるまいし思案していたところ、思わぬ事実が判明しました。まずは次の記事をご覧ください。──
「ネット上の民族差別発言で精神的苦痛を受けたとして、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)と、元会長の桜井誠(本名・高田誠)氏に対し、フリーライターで在日韓国人の李信恵(リ・シネ)さん(45)が計550万円の損害賠償を求めていた裁判で、一審・大阪地裁の増森珠美裁判長(太字:筆者)は9月27日、人格権の侵害を認め、在特会側に計77万円の支払いを命じる判決を言い渡した。」(2016年9月27日付け産経WEST)
つまり李信恵勝訴判決を下した「増森珠美裁判長」こそ、原本提出を「邪魔だ」として拒絶した担当裁判官だったのです。驚きました。みなさんはどう思われますか? はたして偶然でしょうか? 公平でしょうか?
もし、このまま増森珠美裁判長が本件訴訟(第2訴訟)の担当裁判官(長)を務めていたならば、不公平、不公正ですし、おそらく〈李信恵勝訴=鹿砦社敗訴〉は必至だったでしょう。
今回、裁判所内でどのような動きがあったのか分かりませんが、幸いにも増森裁判長は異動になりましたので本件第2訴訟から外れました。裁判所は、こうした公平性を欠く担当裁判官の配置ははじめからやめるべきでしょう。そうではありませんか?
先のM君が李信恵さんらを訴えた大阪地裁―高裁判決は、いずれも、賠償金は一部勝ち取ったとはいえ内容的には不満の残るものでした。高裁判決では賠償金の増額はあったものの、司法による被害者救済には程遠いものでした。
ジャーナリストの黒藪哲哉さんは、
〈この裁判は、「報告事件」ではないかと推測している。大阪高裁の元判事で現在は弁護士の生田暉雄氏が著した『最高裁に「安保法」違憲判決を出させる方法』(三五館)によると、裁判所の内輪で「報告事件」と呼ばれている事件が存在するらしい。これは最高裁事務総局が暗黙のうちに判決の方向付けをする事件のことで、提訴しても最初から勝ち目がない。いわば原告をペテンにかけている裁判のことである〉
と推測されています。当初、「そんなアホな」と思っていましたが、あながち否定できないものがあるようです。何しろ大阪高裁の元裁判官が実名で告白しているわけですから――。
裁判所が「ファシズムの出先機関」(トロツキー)といえるような事例は数多くあります。原発再稼働反対訴訟や行政訴訟は、よほど心ある裁判官でない限り、まず勝つことはありません。権力の意志を体現し「報告事件」とされる訴訟は、遺憾ながら勝てるはずはありません。私たちは裁判所の前でうなだれている住民の姿を数限りなく見て来ています。裁判所は、まさに“権力の番犬”だと思わざるをえません。
鹿砦社vs李信恵訴訟2件については、先の「報告事件」説を聞き、正直のところデスペレート感を覚えていましたが、第13民事部係属の第1訴訟で李信恵尋問が決定し、第24民事部係属の第2訴訟は不公平な言動を行った担当裁判官が異動になり、少しは私たちに期待感を持たせるようになりました。あまりに不公平感があることに裁判所内の良識派が動き、今回の事態になったのかどうかは知る由がありませんが、裁判所には、あらためて公平、公正な審理に努められることを心より望むものです。
この2件をめぐる動きで、何としてでも私たちのほうに潮目を変えなくてはなりません。
尚、次回期日ですが、第1訴訟は12月12日午後2時から、第2訴訟は11月14日午前11時30分からです。ご注目いただき、ぜひ傍聴をお願いいたします。