4月14日(日)に後楽園ホールに於いて開催予定のTITANS NEOS.25は、キックボクシング老舗の世界タイトル、WKBA認定の世界スーパーウェルター級王座決定戦と、日本vs タイ国際戦、新日本キックボクシング協会とREBELSプロモーションによる5対5対抗戦が開催。
3月22日(金)に伊原ジムにて行なわれた記者会見で、選手や新日本キック伊原代表とREBELS山口元気代表がイベントに向けた意気込みを語りました。
新日本キックボクシング協会・伊原信一代表は、「一人一人のコメント聴いていたら各選手ともすばらしいコメントをしている。普段一生懸命、目標を持って力強く頑張ろうという精神が表れていると思います。選手自身が“しっかりやり遂げた”と思えば、必ずいい結果が付いてくると思います。対抗戦は5戦5勝と言っては山口代表に怒られそうですが(笑)、3勝2敗ぐらいでいけるんじゃないかと思っています。」と控えめな語り。
REBELS山口元気代表は、「選手のモチベーションが普段の試合より上がっているし、選手らにとって今後の起爆剤となる切っ掛けになればいいと思います。対抗戦なので、勝ちに行かなきゃいけないんですが、せっかく普段上がらない新日本キックさんのリングに上がって、このREBELSの選手達の試合を見ることの無いお客さんの前で戦うので、本当にお客さんの記憶に残って、“あの選手いいな”と会場に熱を残してくれれば負けても何も言わない。それによって新日本キックさんにとっても良く、次にも繋がるし、“自分が何でそこで試合するのか”という自覚を持って向かう、それを期待しています。」と語る。
◎TITANS NEOS.25 / 4月14日(日)開場16:45 開始17:00
対戦予定カードと選手コメント(来場選手のみ)
◆第13試合 WKBA世界スーパーウェルター級王座決定戦 5回戦
緑川創(元・日本ウェルター級C/藤本)
vs
ペットカントン・ポー・ペットシリー
(元・タイ南部クラビー県アーウナーンスタジアム・スーパーバンタム級チャンピオン/タイ)
緑川創「昨年、ラジャダムナンスタジアム王座や日本人対決で負けてしまって、どうしても獲りたかったベルトを獲れなかった訳ですけど、スーパーウェルター級でキック人生最終章の始まりにしたいと思います。」
◆第12試合 54.0kg契約 5回戦
WKBA世界バンタム級チャンピオン.江幡睦(伊原)vs グン・ハーブタイジョン(タイ国スラタニー県バンタム級チャンピオン/タイ)
江幡睦「僕らの夢であるラジャダムナンスタジアムのベルトを獲る為に、今回も強敵相手を用意して頂きました。僕はこの試合に圧倒的、そして“倒しに行くキックボクシング”でムエタイに勝つことを目標にしています。キックボクシング50年の歴史でムエタイ500年の歴史を打ち破る。これに僕は夢があると思っています。新日本キックの看板を背負って倒しに行きます。そして今、いろいろな団体のキックボクシングが有名になり、盛り上がっています。トップに立っていればトップ同士、必ず交わる時が来ると思います。僕はこの新日本キックでトップに居続ける。それがキックボクシングが盛り上がるポイントになると思っています。」
◆第11試合 73.5kg契約3回戦
日本ミドル級チャンピオン.斗吾(伊原)
vs
プーパンレック・クラミツムエタイジム(タイ)
斗吾「伊原会長には結構指導して頂いたので、また違った斗吾を見せたい。前回(3月3日)のあの悔しいドローが無かったら、今の更なる成長は無かったと言われるような試合をしたいと思います。」
◆第10試合 バンタム級超3回戦
日本バンタム級チャンピオン.HIROYUKI(藤本)vs 未定
HIROYUKI「まだ対戦相手が決まっていませんが(3月22日時点)、強豪タイ選手ということで、過去3戦2勝で強豪タイ選手にも勝っているので問題ないと思います。本当は団体対抗戦に出たかったです。バンタム級からスーパーフライ級、フライ級でも構わないので、山口代表、もしREBELSにマッチメイクできる選手居たら宜しくお願い致します。」
◆第9試合 新日本vs REBELS 64.0kg契約3回戦
WPMF日本スーパーライト級チャンピオン.藩隆成(クロスポイント吉祥寺)
vs
ポーンパノム・ペットプームムエタイ(新日本側枠出場/プーケット県バトンスタジアム・ウェルター級チャンピオン/伊原/タイ)
藩隆成「ポーンパノムはタイでのベルトも持っていてテクニックもあると思いますが、僕はそのテクニックで勝負していきたい。」
ポーンパノム「一生懸命練習していますし、必ず勝てると思います。日本で試合したことはありますし、特に恐れる必要は無いと思います。」
◆第8試合 ライト級3回戦
重森陽太(前・日本フェザー級C/伊原稲城)vs ポンシャン(タイ)
重森陽太「新日本キックボクシングが目標にしているラジャダムナンスタジアムのベルトに少しでも近づけるように強いタイ選手に勝っていくことが必要になるので、ムエタイのテクニックでもポイントの取り合いでも勝てる試合をしつつ、勿論キックをやっていく上で、観ているお客さんはノックアウト勝ちを見たいと思うので、しっかりノックアウトも狙っていきたいです。」
◆第7試合 新日本vs REBELS スーパーフライ級3回戦
泰史(前・日本フライ級C/伊原)vs 濱田巧(team AKATSUKI)
泰史「両団体の熱い思いをぶつけて魅せる試合をしたい。相手の印象は特にありませんが、自分は同じ階級でもパワーがあるので、それを見せつけてしっかり倒して勝ちたい」
濱田巧「相手の印象は元チャンピオンで、いろんな経験してきた選手なので、今の自分がどのレベルか確かめられるので精いっぱいがんばりたい。」
◆第6試合 63.0kg契約3回戦
高橋亨汰(伊原)vs 日本ライト級6位.ジョニー・オリベイラ(トーエル)
◆第5試合 58.0kg契約3回戦
日本フェザー級2位.瀬戸口勝也(横須賀太賀)vs 拓也(チャクリキ武湧会)
◆第4試合 73.0kg契約3回戦
日本ミドル級2位.本田聖典(伊原新潟)vs 未定
◆第3試合 新日本 vs REBELS スーパーフライ級3回戦
日本フライ級2位.空龍(伊原新潟)vs 響波(Y,s glow)
響波「今回の対抗戦は自分だけの戦いではないので頑張りたい、自分はスーパーフライ級で178cmあるので長身を活かしたいと思います。」
◆第2試合 新日本 vs REBELS ライト級 3回戦
日本ライト級10位.千久(伊原)vs 大谷翔司(スクランブル渋谷)
大谷翔司「対抗戦ということで負けられない試合であるということと、ガンガン前に出て今迄と違う自分を見せられたらなと思います。」
◆第1試合 新日本 vs REBELS フェザー級3回戦
瀬川琉(伊原稲城)vs 浦林幹(クロスポイント吉祥寺)
瀬川琉「自分のやってきたことが正しかったと証明できるように結果を残したいと思います。」
浦林幹「今回対抗戦で先鋒としていい試合して盛り上げて次の試合に繋げられるよう頑張っていきます。」
《取材戦記》
代表、選手各コメントはやや省略しています。
記者会見が行なわれた伊原ジムは、行ったことある人しか分からないと思いますが、いつもの練習場のある地下1階ではなく、ガラス張りの地上1階フロアーで行なわれました。キックボクシングの練習場というより、照明も明るくダンスフロアーのような、広くキレイなスペースでした。
1983年(昭和58年)に設立した新日本キックボクシング協会は、諸々の経緯を経て、1998年(平成10年)に復興し、今年22年目で内部紛争の最大の危機にある中、培った総力を結集し、建て直しを素早く試練を乗り越えようとしています。
プロボクシングの世界戦に関わるイベントアピールはテレビやスポーツ新聞での賑わいに比べ、なかなか一般の方の目に留まること少ないキックボクシングのイベントアピールは、このような各団体興行やフリーの興行などでも、以前より頻繁に行なわれて、懸命に興行に繋げているキックボクシング界です。ただ、世界戦以外でアピールされること少ないプロボクシングに比べ、キックボクシングのイベントアピールはかなり浸透し、慣れてきた印象も受けます。
今回、緑川創のWKBA世界戦は先月のライト級の勝次(藤本)に続いての王座決定戦。御本人には「どんな手を使ってでも勝ってください。引分けにだけはなってくれんなよ!」と伝えました。延長の無い、競技として真っ当な決着を願いたい。
4月20日はその勝次がREBELS興行に於いて、63.0kg契約5回戦でNJKFの宮越慶二郎(拳粋会)と対戦予定です。
▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」