11月1日に「KNOCK OUT」に於いて、HIROYUKI(=茂木宏幸/藤本)と対戦が予定されている壱(=いっせい/センチャイ)が、誓(=飯村誓/ZERO)をヒジ打ちで圧勝。
鳩(=あつむ/TSK JAPAN)がボディーブローで、ムエタイオープン・スーパーバンタム級王座獲得。
8月11日にタイ・チョンブリー県でWPMF女子世界ピン級王座獲得した田中“暴君”藍(PCK亘理)も、より成長した強さを発揮し、ヒジ打ちでTKO勝利。
8月31日、タイ・バンコクに於いてルンピニースタジアム最高責任者、デットウドム・ニチャラット将軍より、日本支部となる「ルンピニー・ボクシング・スタジアム・オブ・ジャパン」の認定が2年延長されました。
2015年8月7日、ムエタイの殿堂、ルンピニースタジアムが認定する史上初の海外支部となる「Lumpinee Boxing Stadium of Japan」発足以来、ムエタイオープン興行を中心に、ルンピニー日本王座とランキングを管理し、ムエタイ文化の国際普及に貢献してきたルンピニージャパン代表、センチャイ・トングライセーン氏は、この4年間に及ぶ功績を認められた様子です。
◎MuayThaiOpen.46 / 2019年9月29日(日)新宿フェース16:00~19:27
主催:センチャイジム / 認定:ルンピニー・ボクシング・スタジアム・オブ・ジャパン(LBSJ)
◆第12試合 バンタム級ノンタイトル3回戦
LBSJバンタム級チャンピオン.壱センチャイジム(=与那覇壱世/センチャイ/53.3kg)
vs
NJKFフライ級1位.誓(ZERO/53.25kg)
勝者:壱センチャイジム(赤コーナー) / TKO 3R 2:18 / 主審:山根正美
初回、誓の蹴りのけん制から壱の蹴り返す圧力が増し、第2ラウンドも攻防は壱が圧力を掛け、誓はロープ際に圧される展開が続く。接近戦から組み合うとヒジ打ちやパンチの交錯が続くと、誓は圧されながらもヒジ打ちをヒットさせ、壱の右目尻を小さくカット、攻勢を保ちながら切られた壱もやりかえそうと手数を増して出て行く。
第3ラウンドには蹴り合いから縺れ合って首相撲になると、壱がヒジ打ちを放った様子で誓の左目尻をカットする。すでに第2ラウンドにヒジ打ちで左目辺りにダメージがあった様子で、左瞼がやや腫れ、見え難いのか顔をしかめてしまう誓。更に蹴りから組み合うと、壱は誓の頭を下げてヒザ蹴りを蹴り込み攻勢を維持。蹴り合いから縺れ合って倒れるとヒジが当たったか誓の負傷箇所が悪化し、ドクターの勧告を受入れたレフェリーが試合を止めた。誓は格上との対戦の試練が続く4連敗となった。
◆第11試合 MuayThaiOpenスーパーバンタム級王座決定戦 5回戦
鳩(TSKJapan/53.0kg)
vs
デンナダーオ・モー・ピンガローイジュンボーイ(タイ/52.65kg)
勝者:鳩(赤コーナー) / TKO 1R 1:44 / 主審:河原聡一
両者のローキックのけん制の様子見が続き、鳩が軽い右ローキックから強い左ボディーブローをヒットさせるとデンナダーオは蹲るように倒れ込んでしまうとレフェリーがカウント中に試合をストップし、鳩のTKO勝利となった。
◆第10試合 スーパーフライ級3回戦
バンサパーン・センチャイジム(タイ/51.9kg)vs 松崎公則(Struggle/51.95kg)
引分け三者三様 / 主審:神谷友和
副審:河原29-28. 桜井30-30. 山根29-30
激しさは無いが、ローキックやミドルキックの攻防が休むことなく続く両者。そして松崎のしぶとく落ち着いた表情は激戦の兵と感じさせる。
最終ラウンドは松崎が攻勢を掛けてパンチと蹴りで前に出るが、バンサパーンは上手く捌きながらポイントに繋ぐようにハイキックを繰り出し劣勢を凌いだ。
◆第9試合 スーパーフライ級3回戦
白幡裕星(橋本/51.9kg)vs 佐藤仁志(新宿スポーツ/52.16kg)
勝者:白幡裕星 / 判定3-0 / 主審:少白竜
副審:河原30-28. 神谷30-28. 山根30-28
◆第8試合 女子47.5kg契約3回戦(2分制)
KOKOZ(=ココゼット/TRYHARD/47.4kg)vs 443(=よしみ/NEXTLEVEL渋谷/47.3kg)
勝者:KOKOZ / 判定3-0 / 主審:桜井一秀
副審:河原30-29. 神谷30-29. 少白竜30-29
◆第7試合 女子45.5kg契約3回戦(2分制)
WPMF女子世界ピン級チャンピオン.田中“暴君”藍(PCK亘理/45.1kg)
vs
Sae-KMG(=さえ/クラミツ/45.0kg)
勝者:田中“暴君”藍(赤コーナー) / 公式TKO 2R 0:02 実質1R終了 / 主審:山根正美
互いが対峙してのローキックのけん制から組み合うと早くも田中“暴君”の勢いが増していった。首の掴み方、体重の掛け方のバランスが良く、すぐさまヒジ打ち、ヒザ蹴りを入れ、田中の圧力を抑えることが出来ないSaeは険しい表情。
田中のヒジ打ちで左頬を切られたsaeは第2ラウンド開始と同時にドクターチェックが入り、そのままレフェリーに試合を止められた。
第2ラウンドの開始ゴングを待ってのドクターチェックで、再開されないままの終了であり、実質は1ラウンド終了時のTKOとなる。おそらくJBC式でも「TKO 1R終了時」となる。
◆第6試合 女子フライ級3回戦(2分制)
RAN(Monkey☆Magic/50.55kg)vs 竹井成美(エイワスポーツ/50.35kg)
勝者:RAN / 判定3-0 / 主審:河原聡一
副審:桜井30-27. 山根30-27. 少白竜30-28
◆第5試合 バンタム級3回戦
稔之晟(=じんのじょう/TSK Japan/53.15kg)
vs
チャローンリット・ソー・ウィセットキット(タイ/53.5kg)
勝者:稔之晟(赤コーナー) / KO 1R 1:43 / テンカウント / 主審:神谷友和
◆第4試合 66.0kg契約3回戦
ポッキー・ラジャサクレック(タイ/65.4kg)vs 雑賀弘樹(NEXT LEVEL渋谷/65.7kg)
勝者;雑賀弘樹 / 判定0-3 / 主審:少白竜
副審:神谷28-30. 山根28-30. 河原29-30
◆第3試合 スーパーフェザー級3回戦
洸杜(T’sKICKBOXING/58.8kg)vs 直希(AKT/58.5kg)
勝者:洸杜(赤コーナー) / TKO 2R 2:10 / カウント中のレフェリーストップ / 主審:桜井一秀
◆第2試合 フェザー級3回戦
三浦翔(クロスポイント大泉/56.85kg)vs 成澤龍(SRC/56.55kg)
勝者:三浦翔(赤コーナー) / KO 1R 1:58 / テンカウント / 主審:山根正美
◆第1試合 フェザー級3回戦
健・センチャイジム(センチャイ/56.6kg)vs 岡田将充(クラミツ/56.2kg)
勝者:岡田将充 / 判定0-3 / 主審:河原聡一
副審:山根29-30. 少白竜28-29. 桜井29-30
《取材戦記》
壱(=いっせい)は、昨年11月25日のMuayThaiOpen43に於いて、小嶋勇貴(仲FS)からルンピニージャパン・バンタム級王座奪取。この日、誓を下し、11月1日には「KNOCK OUT」に於いて、日本バンタム級チャンピオンのHIROYUKI(=茂木宏幸/藤本)と対戦が予定されています。2017年11月26日のデビュー戦では敗れたが、この日で15戦13勝(5KO)1敗1分。このMuayThaiOpenから生まれたスターが日本のトップクラスのリングで他団体チャンピオンと戦います。
「キックボクシングは今が全盛期ではないか」と言う運営関係者が居ました。
「乱立はしているが、組織の在り方は軟弱だが、多くの興行が成り立ち、ビッグマッチが行なえるイベントが増えてきた。イベントの盛り上げ方は、昭和の全盛期を上回るのではないか」と言う意見。団体や興行プロモーションは増え、王座は乱立したが、確かに興行が増え、交流戦が当たり前になり、トップクラスの戦いも増えた。これが時代の流れなのだろう。全国ネットで放送され、2団体しかなかった“昭和の良き時代”の語り部となっている我々世代はもう戻らぬ時代を想い、懐かしむだけの遅れた人間なのだろうと気付かされる。
地道に進むムエタイオープンも紆余曲折を経て46回目を迎えました。会場に入る度、センチャイファミリーが運営する興行という雰囲気が漂います。タイ人プロモーターによる、イベントタイトルどおりにムエタイの趣が表れる興行は幾つか存在し、ムエタイ殿堂のルンピニースタジアム傘下のルンピニージャパンタイトルは、公式ルールを遵守する運営で、より伝統・格式が付いてくるもので、しっかり継続して貰いたいタイトルであります。
と、毎度綺麗ごとで纏めてしまうが、タイ人関係者(プロモーター)との意思の疎通は難しいと感じることがあります。疑問点が生じて事情を伺うと、言葉は伝わっても意味が伝わらないこと多い。しかし日本人であっても問題摩り替えて答えを無難に、はぐらかす者も多いから、記者が挑む取材は難しい仕事と思う。
ムエタイオープン47は12月1日(日)に、やっぱり新宿フェースに於いて行なわれます。
▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」