2月26日、安倍首相が「今後2週間はスポーツや文化に関するイベントの開催について中止・延期などの対応をとるよう要請した。」という発表がありました。
プロボクシングは、日本ボクシングコミッションと管轄下の日本プロボクシング協会が2月26日、いち早く日本全国で行われる3月興行全てが中止か延期と発表しました。
3月に予定されていたプロボクシング興行は全国で15興行。4月以降の興行は、政府の要請やコロナウイルス感染拡大の影響を鑑みて判断する模様です。
大相撲春場所も前々から対策を発表していましたが、本場所そのものの延期は難しいので(過去、1日順延有り/昭和天皇崩御)、無観客での開催や中止も考えられた中、日本相撲協会は3月1日、春場所の無観客開催を決定しました。
政府発表の翌日2月27日、3月興行を予定される一部のキックボクシング各団体興行、フリーのプロモーター興行は中止・延期の発表がありました。
キックボクシングは統一管轄機関(コミッション)が無いので各団体等の協議次第ですが、中止・延期の発表とともに、3月初頭開催の直前中止が難しいもの、下旬に大会場での強行を予定している興行もあり、一斉に自粛要請ができない、または発表にバラつきが出るのはこんな時、コミッションが無いのは不便なものです。
鹿砦社通信で掲載予定の二つの興行は、2月27日に主催者より中止、または延期が発表されています。
・3月8日(日)後楽園ホールでの新日本キックボクシング協会主催、REBELSとの合同興行「TITANS×REBELS.1st」
・3月15日(日)後楽園ホールでのジャパンキックボクシング協会主催「KICK Insist.10」
その他も中止の発表をされている団体興行やフリーの単独興行があります。
チケットに関して、「後楽園ホール窓口にてチケットをご購入された方は、3月1日(日)から3月31日(火)まで、後楽園ホール窓口にて払い戻しのご対応を致します。」という発表です。 その他、購入先での発表を御確認願います。
2月29日(土)に後楽園ホールで行われましたREBELS.64について、以下の対応を行なった模様です。
前日計量の一般公開中止、サイン会の中止、 会場入口付近に消毒剤の設置、 スタッフのマスク着用、 全ての来場者に手洗い・アルコール消毒・うがいの励行・マスクの着用などの徹底。今後の開催される興行についてもこのような対策が強いられることでしょう。
中止となった興行のカードは今後の予定されている興行に順延され、選手、ジム側の先のスケジュールの都合によって消滅カードもあるかもしれないのは仕方無いところ。
「TITANS×REBELS.1st」という対抗戦の延期は次回以降の興行に組み込むか、または時期をずらした新たな日程を組んだ上での興行開催も検討されることでしょう。
自然災害はいつ起こるか分からないものの、問題は会場費、売り捌かれたチケットの払い戻し、パンフレット・ポスターの製作費などとそれらの人件費があります。
保険で賄える範疇が判別し難いところがありますが、悪天候、交通機関の事故による開催不能は対象となり、地震や戦争など被害の規模がどこまで及ぶか予測が難しい場合や、新型ウイルスの蔓延防止による中止は対象とならないようですが、保険会社によって対応が異なるようで、今後の災害時に向けた対策が急がれるところでしょう。
昨年10月の台風19号による日本キックボクシング連盟の興行中止がありましたが、対戦カードは後々の興行に組み込まれたり消滅したカードがありました。PRIMA GOLD杯トーナメント戦も準決勝後の期間が大きく空いてしまう影響が出ましたが、後の興行で決勝戦を開催し、無事終了を迎えています。このコロナウイルス影響が長引くと続けて興行中止に繋がるので、あらゆるスポーツ、文化イベントは終息を祈るばかりでしょう。
以上は3月1日時点の状況です。今後の中止・延期、または無観客開催などの発表には各主催者発表を御確認ください。
▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」