齢を重ねると望郷意識が高まってきます。
私の故郷・熊本は、5年近く前(もう5年かあ)に大地震に襲われ、小さな頃より日々眺めたり散策して過ごした熊本城も大きな損壊を受けました。以降再建工事が進行しています。どんな様子か直に一目見たいと思いますが、コロナ禍で帰りたくても帰れません。
一時は、65歳を過ぎたら、月の半分は熊本で過ごしたいと願っていましたが、現実には叶えられていません。
さて、もうすぐ〈3.11〉東日本大震災から10年を迎えます。──
特に福島第一原発爆発事故で、みずからの意志に反し故郷を離れておられる方々がおられます。私の場合と違い、帰りたくても帰れない厳しい現実があります。
今月の揮毫について、書家・龍一郎は、次のように言っています。──
「原発事故で故郷を追われた人の思いに寄り添いたいと思う。
桜の花は何も語らないが 魂が震えるのです。
静かに拳を握りしめるのです。
たくさんの人に思いがとどきますように祈ります。
龍一郎」
*今月の言葉は3月11日付けの『東京新聞』誌上で、同日発売の『NO NUKES voice』27号の広告にも使わせていただきました。