今回は新大久保駅から徒歩8分ほどのGENスポーツパレスで開催。
小規模イベントではあるが、若武者会と言われたNJKFの新時代のメンバーで運営されて今回で24回目。各ジム後援会、選手仲間応援関係者が占める会場ではあったが、新人戦と女子試合の中堅クラスが会場を盛り上げた。
◎DUEL.24 / 7月3日(日) GENスポーツパレス 18:00~20:55
主催:VALLELY / 認定:NJKF
第2部(女子8~11試合)
◆11 S-1レディース・ライトフライ級3回戦(2分制)
ミネルヴァ・アトム級3位.久遠(=ひさえ・渡辺久江/ZERO/48.85kg)
VS
ミネルヴァ・ライトフライ級5位.RINA(谷山・小田原道場/48.75kg)
勝者:RINA / 判定0-3
主審:中山宏美
副審:和田27-30. 多賀谷28-30. 君塚27-30
久遠は2002年4月にMMAでデビューし、女子プロボクシングの経験を持ち、キックボクシングやシュートボクシングにも出場。昨年10月31日のDUEL.22では5年ぶりの復帰をしたが判定負け、今年に入って引分けと、今回も含めまだ勝利は得られず、キック通算戦績はこれで16戦9勝(2KO)5敗1分1NCとなった。RINAはこれで18戦9勝6敗3分。
ローキックとミドルキック中心の攻防からRINAが組み合うと久遠はロープに詰められる展開が増え、RINAがヒジ打ち落としも見せる。RINAはミドルキックなど距離に応じた蹴りで印象付け終了。
◆10 女子(ミネルヴァ) 49.5kg契約3回戦(2分制)
ライトフライ級1位.佐藤”魔王”応紀(PCK連闘会/49.0kg)
VS
ライトフライ級8位.紗耶香(BLOOM/49.1kg)
勝者:佐藤”魔王”応紀 / 判定3-0 (29-28. 30-28. 30-28)
互いにパンチヒザ蹴りローキックと攻防激しいが的確なヒットが少ないが下がらない両者。アグレッシブな前進が優った佐藤。第1ラウンドだけ10-9でジャッジ三者揃った以外は拮抗する展開で終わった。
◆9 女子(ミネルヴァ)ピン級3回戦(2分制)
ピン級4位.撫子(GRABS/44.6kg)vs同級6位.斎藤千種(白山道場/45.36kg)
勝者:撫子 / 判定3-0 (29-28. 30-27. 30-28)
撫子は、先日ピン級チャンピオンと成った藤原乃愛には引分けと挑戦者決定戦で敗れる1敗1分だが、アグレッシブな展開を見せる元気な子といったイメージが残る。前進としぶとさ、ヒットの数で撫子が判定勝利。
◆8 第2部 女子アマチュア50.0kg契約2回戦(90秒制)
堀田優月(闘神塾)vs鍋倉凛音(HARD WORKER)
勝者:堀田優月 / 判定3-0 (20-18. 20-18. 20-19)
以下第1部(1~7試合)
◆7 59.0kg契約3回戦
パヤヤーム浜田(キング/58.7kg)vsコウキ・バーテックスジム(VERTEX/58.9kg)
勝者:コウキ・バーテックスジム / 判定0-2
主審:和田良覚
副審:多賀谷28-30. 竹村29-30. 中山29-29
序盤のローキックでの様子見から徐々にコウキがミドルキックからやや高め、ハイキックへ勢い付いていく。浜田はいつもながら出遅れる展開で反撃が遅い。最後になってやや我武者羅に出るが時間が無く、以前のような怒涛の巻き返しは見られず。ジャッジ三者が揃ったラウンドは無いが、コウキが積極性で上回った印象は残る。
◆6 57.0kg契約3回戦
竹添翔太(インスパイヤード・M/56.5kg)vs庄司理玖斗(拳之会/56.5kg)
引分け 1-0 (29-29. 29-29. 30-28)
両者アグレッシブな蹴りとパンチ、組み合うとヒザ蹴りの採点もジャッジ三者ともに一致したラウンドが無い拮抗した展開で終わる。
◆5 スーパーフェザー級3回戦
細川裕人(VALLELY/58.7kg)vs山崎尚英(スタートゲート/58.9kg)
引分け 三者三様 (29-30. 30-29. 29-29)
◆4 フライ級3回戦
玉城海優(RKA糸満/50.65kg)vs明夢(新興ムエタイ/50.65kg)
勝者:明夢 / 判定0-3 (29-30. 28-30. 29-30)
◆3 52.5kg契約3回戦
愛輝(ZERO/52.15kg)vs中島隆徳(GET OVER/52.0kg)
勝者:中島隆徳 / 判定0-3 (27-30. 28-30. 28-29)
◆2 57.0kg契約3回戦
島人祖根(キング/56.65kg)vs颯也(新興ムエタイ/56.8kg)
勝者:島人祖根 / TKO 2R 2:28
颯也の蹴りがインパクトあるが、島人のパンチで1ラウンドに2度、2ラウンドにも2度目のノックダウンでレフェリーストップ。
◆1 53.0kg契約3回戦
悠(VALLELY/52.4kg)vs翼スリーツリー(DAIKEN THREE TREE/53.0kg)
勝者:悠 / KO 1R 1:39 / パンチによる3ノックダウン
《取材戦記》
最終試合の久遠vsRINA戦はヒジ打ち、顔面ヒザ蹴り有効S-1ルール。女子は禁止技となること多いが、それがムエタイやキックボクシングとして基本技に含まれる当然の打撃技である。でもこの日、実際に女子が頭部にヒジ打ちガンガン打ち下ろしているとエゲツなく見えてしまった。斬るというよりゴツゴツ当てているようなヒットだった。試合後の久遠はダメージよりも疲れた表情でファンに笑顔を見せた。近年は出産育児を経て再起する選手も多いが久遠もその経緯がある。これも今時の女子キックボクサーの在り方でしょう。
佐藤”魔王”応紀の勝利後、9月25日に佐藤の挑戦を受けるミネルヴァ・ライトフライ級チャンピオン、真美(team lmmortal)がリングに上がり、佐藤は「真美選手と再戦することになりました。アグレッシブに戦います!」とコメントした後、真美は「相手に何もさせず、全て上回ってベルトを持って帰ります!」と宣戦布告し、ツーショットに収まった。二人は2019年6月9日に対戦し真美が判定2-0勝利している。コメントを求められれば少々過激な発言しなければ盛り上がらないという意識もあったかもしれませんね。
パヤヤーム浜田は昨年10月、KO勝利で2勝目を上げたが、敗戦は12敗を数える。4月24日の春日部では劣勢から盛り返しながらポイント上回れず引分け。昨年のインタビュー上の凄く遠慮がちな発言ながら、「チャンピオン目指します!」と言った浜田は、いつものラストラウンドの我武者羅に盛り返す突進が少なかった。「倒す気持ちが足りなかった、一から出直しです!」と反省しきり。向山鉄也会長は「中盤入ってからも見過ぎだよ。」と語る。
この試合の数日前だが、向山会長に「パヤヤーム浜田はいずれタイトルマッチまで到達しますかね?」と聞くと、「あとちょっと2試合ぐらい勝てばランキングには入るだろうけど、それ以上は難しいな!」と回答。
負け越していても連敗してもタイトル挑戦が有り得る現在の各団体レベルのタイトルマッチ。日本を代表するトップクラス(WBCムエタイ等、同水準日本王座)やRIZIN、KNOCK OUT等ビッグイベント出場には難しいだろうが、1983年11月、神奈川県出身の浜田はリングネームどおり、パヤヤーム(タイ語で努力)を続けていくだろう。
久遠とパヤヤーム浜田は今後負けても、いつの間にか居なくなることなく、どこまで上位進出への挑戦を続けていけるかが注目の一つでしょう。
前回のDUELはカルッツ川崎に於いて、エスジム主催でタイトルマッチ5試合を行なったが、今回は新人戦が中心のイベントで終わった。GENスポーツパレスはK-1GYMも入っているビルの様子。階上の体育館はバスケットボールが行える設備があり、天井も高かった。新人戦はこういった質素な会場で、ランキング以上は後楽園ホールで試合するといったレベル、段階分けも必要でしょう。
NJKF次回興行は9月25日(日)に後楽園ホールでNJKF 2022.3rdが開催予定です。次のDUELは未定です。
▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」