第2部メインイベントは7戦目の佐々木勝海と対戦の、ちさとkissMeはこの日、最も戦歴が長い35戦目だったが、佐々木勝海が的確さで優った判定勝利。

第1部メインイベントの喜多村美紀も手数で圧し切り、練習の成果を見せた判定勝利。関西でのテツジムで鍛えた力を発揮し、更に王座を目指す。

◎DUEL.25 / 10月16日(日)GENスポーツパレス 18:00~20:23
主催:VALLELY / 認定:NJKF
(※以下の戦歴はこの日を含む数値です)

《第2部》 19:15~20:23

◆第4試合 63.0kg契約3回戦

NJKFスーパーライト級6位.佐々木勝海(エス/62.8kg)7戦6勝1敗(1KO)
        VS
ちさとkiss Me(安曇野キックの会/ 62.95kg)35戦6勝26敗3分(2KO)
勝者:佐々木勝海 / 判定3-0
主審:多賀谷敏朗
副審:井川30-29. 君塚30-28. 中山30-28

佐々木勝海は積極的なパンチとハイキック、ヒザ蹴りで優勢を保ったが、接近戦に持ち込むちさとのしぶとさ発揮の動きを止めるには至らず攻め難さも感じられた。ヒジ打ちが当たればもっと効果的に優勢を保ったりTKOに繋げたであろう、やや勿体無い展開であった。

カウンターのヒジ打ち狙った佐々木勝海、ヒットせず

ちさとの前進にカウンターでのヒザ蹴りは効果的だった佐々木勝海

ラウンドガールの未来さんに導かれてカメラ側へ

◆第3試合 56.8kg契約3回戦

島人祖根(キング/ 56.65kg)3戦2勝(1KO)1敗
        VS
松長晴基(G-1 team TAKAGI/ 56.75kg)2戦2敗
勝者:島人祖根 / TKO 2R 0:16 / カウント中のレフェリーストップ
主審:竹村光一

島人祖根が第1ラウンド終了20秒前辺りで右ストレート気味にノックダウンを奪い、第2ラウンド早々も右ストレートでノックダウンを奪うと、ダメージ深い松長晴基をレフェリーがほぼノーカウント止める結末となった。

島人祖根の強く的確なヒットが目立った右ストレート

◆第2試合 60.2kg契約3回戦

Ryu(クローバー/ 59.95kg)2戦2勝(1KO)
        VS
須貝孔喜(VALLELY/ 60.0kg)1戦1敗
勝者:Ryu / 判定2-0 (29-29. 30-28. 30-27)

サウスポーで追うRyu、左右の大振りフックが何度かヒット。これが攻勢を維持し、デビュー戦の須貝孔喜も下がりつつも勢い有る返しの蹴りで反撃するもRyuの圧力を止められず、Ryuの判定勝利。

Ryuの大振りながら左右フックが何度もヒット

◆第1試合 65.0kg契約3回戦

今野龍汰(笹羅/ 64.55kg)2戦1敗1分
        VS
上杉恭平(VALLELY/ 64.9kg)1戦1分
引分け1-0 (28-28. 29-28. 28-28)

第1ラウンド早々に左フックでノックダウンを奪った今野龍汰だが、デビュー戦の上杉が徐々に盛り返した流れの引分け。打ち合いで上杉が攻勢も、終盤には今野のパンチもヒットする勝負を捨てない両者の意地が見られた。

《第1部》 18:00~19:05

◆第5試合 女子キック(ミネルヴァ)ライトフライ級3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ライトフライ級4位.喜多村美紀(テツ/48.75kg)27戦12勝11敗4分
        VS
同級8位.紗耶香(格闘技スタジオBLOOM/48.75kg)8戦3勝5敗
勝者:喜多村美紀 / 判定3-0
主審:井川恵
副審:竹村30-29. 中山30-28. 君塚30-28

互いのパンチと蹴りの衰えぬ攻防の中、喜多村美紀は不用意に紗耶香のパンチを貰う場面が見られるも、逆に圧力を掛けて出て打ち返すヒットが優った判定勝利。

ジワジワと圧力掛けて出る喜多村美紀が徐々に紗耶香を下がらせた

◆第4試合 女子キック(ミネルヴァ)ピン級3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ピン級2位.撫子(GRABS/44.55kg)8戦5勝(1KO)2敗1分
        VS
ねこ太(とらの子レスリングクラブ/45.1kg)7戦2勝5敗
勝者:撫子 / TKO 1R 1:38           

偶然のバッティングで負傷した、ねこ太は試合続行不可能と成り、ドクターの勧告を受入れレフェリーストップ。負傷裁定は採用されないルールの為、撫子のTKO勝利となった。

毎度アグレッシブな展開が定評の撫子も今回は不完全燃焼

◆第3試合 女子キック(ミネルヴァ)ピン級3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ピン級6位.斎藤千種(白山/ 45.36kg)5戦2勝(1KO)3敗
        VS
世莉JSK(治政館/ 45.15kg)5戦2勝3敗
勝者:世莉JSK / 反則 2R 0:17

斎藤千種の左ストレート貰って世莉がバランス崩した感じでマットにヒザ着いたところへ斎藤の顔面ヒザ蹴りが入るも、流れの中の範疇とみなされ、ダメージ深く脳震盪でフラつく世莉JSKは試合続行不可能。当初、斎藤千種のTKO勝利が宣言されたが、後日、斎藤千種の反則打と変更。世莉JSKの反則勝ちとなった。

斎藤千種が反則打となってしまったヒザ蹴りの瞬間

◆第2試合 女子キック(ミネルヴァ)54.0kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・スーパーバンタム級8位.和乃(新興ムエタイ/ 53.25kg)13戦2勝11敗
        VS
同級9位.MARIA(PCK大崎/TeamRing/ 54.3kg)4戦4勝
勝者:MARIA / 判定0-3 (28-30. 27-30. 28-30)

和乃は長身を活かせない展開で、距離を詰めるMARIAのパンチを貰ってしまう。接近戦ではやや和乃のヒザ蹴りが有効ながら、MARIAが終始攻めて出たパンチと蹴りで内容的には大差と言える判定勝利。

◆第1試合 女子キック(ミネルヴァ)45.0kg契約3回戦(2分制)

AIKO(AX/ 44.9kg)9戦2勝6敗1分
    VS
莉都(矢場町BASE/ 44.7kg)3戦3敗
勝者:AIKO / 判定3-0 (30-27. 30-26. 30-26)

第2ラウンドにAIKOがパンチ連打でノックダウンを奪い、攻勢を維持して判定勝利。

主導権奪ったAIKOの攻勢が続いた中でのハイキック

《取材戦記》

女子第3試合の斎藤千種vs世莉JSK戦は当初、斎藤千種のTKO勝利という発表でしたが、20日に訂正があった模様(21日午前にリリース発表有り)。協議の結果、倒れた相手へのヒザ蹴りが反則打と変更された様子で、斎藤千種の反則打により失格負け。世莉JSKの反則勝ちとなりました。

私も試合その場では「反則打では?」と頭を過りました。レフェリーという最高権限者が「流れの中」と判断したならそれも正しい範疇でしょう。でもその場でノックダウンとしてカウントするか、レフェリーストップすべきでもあったでしょうし、迷ったなら中断して審議も必要だったでしょう。とにかくやや審議に時間が掛かっても、極力迅速にリング上で正式裁定を下すべきと思います。

王座挑戦をアピールする喜多村美紀

ガルーダ・テツ会長は、岡山で開設したテツジムから2013年に大阪進出した際のテツジムにも付いてきた喜多村美紀を指導してきた経緯を振り返り、「最高ですね。巣立ってくれてると。大阪での川久保一生代表の指導の下、しっかり頑張ってくれている。いい指導受けて更に良くなったと思います。」と語った。

喜多村美紀はテツジムの今年2月の東京進出までは仕事の事情で付いて来れなかったが、現在は大阪でチャンピオン目指し頑張っているという。そして「チャンピオンの真美選手とは1勝1敗で、1位の佐藤“魔王”応紀選手とは過去に勝っているので、次はもっと面白い試合するので、挑戦権を頂ければと思います。」と語った。実現すれば2度目の王座挑戦となります。

佐々木勝海はリング上で「ちょっとしょっぱい試合してしまって情けないんですけど、精進しますので応援に来てくださると嬉しいです。」とマイクで語り、そのしょっぱい試合とは「相手はジワジワ来る感じだったので、蹴りが当たり難かったです。僕の詰め不足が反省点です。ヒジ有り試合は2回目だったので、当たっても切れる感触が無かったので練習が足りなかったかと思います。」とリングを下りてから語ってくれた。

佐々木はエスジムのイケメンファイターと言われる新鋭からランキング上位進出してきたチャンピオン候補。ヒジ打ちを学べる環境にあるジムで、この日のちさと戦でもっと効果的にヒジ打ちを出せそうな距離感があったので、今後の試合で見せて欲しいところです。

前回も書いていますが、NJKF 2022.4thは11月13日(日)後楽園ホールで開催されます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

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