昨年7月の原子力規制委員会の認可以降、トンネルを掘り進めて今年6月に完成、8月24日に東京電力福島第一原発「汚染水」の海洋放出が始まりました。マスコミは「処理水」と呼んで、中国だけが反対しているかのように強調し、放出されるトリチウムの量をフランスの再処理施設から出るなどと比較して、事態を矮小化する報道を続けています。

 

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これは汚染水海洋放出の実態を隠すと同時に、日本国内の反対の声をもかき消しています。しばらくすれば、そんな報道すら消えるかもしれません。ただし、鈴木達治長崎大学教授は「処理水の中にはまだ放射性物質が入っており純粋なトリチウム水とは違うもの」と語っています。ちなみに、農林水産省の発表によれば、今年1-6月期「農林水産物・食品 輸出額 国・地域別」は、中国(1位)、香港(2位)・台湾・韓国が前年同期比10%~20%増だったのに対し、アメリカ(3位)は−7.9%(6月は−11.0%)。気になるところです。

本誌9月号では海洋放出の目的が、原子力政策の維持であると指摘しました。「もし福島のトリチウムを海に流してはいけないということになれば、使用済み核燃料の再処理工場の運転もできなくなり、日本の原子力は根本から崩壊する」と小出裕章・元京都大学原子炉実験所助教が解き明かしています。海洋放出に向け「原子力マフィアの総元締め」IAEAのラファエル・グロッシ事務局長が、日本政府の代弁人を担い、各国を渡り歩いた理由もここにあるものと思われます。 

前号で登場の「全国有志医師の会」藤沢明徳代表が、6月に「一般社団法人ワクチン問題研究会」を設立し、8月にはホームページを公開(https://jsvrc.jp/)、本誌発売の9月7日に記者会見を開きます。「コロナワクチン惨禍は全世界規模の人体実験」とし、会見の理由を「ワクチン後遺症の患者さんの記者会見に対する医師側の正面からの意思表明」と語っています。会見の模様はHPでも公開予定とのこと。本誌インタビュー記事では、WHO(世界保健機関)を内部で批判してきた専門家らによる組織WHC(世界保健評議会)にも触れています。WHOについては、来年5月の総会に向けて「パンデミック条約」の策定を目指していることにも注意が必要です。同条約は、WHOの「緊急事態宣言」により、各国の憲法を超えて、WHOの決定を優先するという内容。事実上、国家が主権をWHOに預けるものです。

今月号では、ジャーナリスト・堤未果氏がマイナンバーカードの危険性と、中国に限らず世界各国で現出しつつある「デジタル監視社会」を解説。マイナ保険証については、持たない人に向けて「資格確認書」を交付、有効期限を5年に延ばしたものの、一方で資格確認書を利用した場合、医療機関での窓口負担が割高になるペナルティが政府で検討されているといいます。前号ではワクチン接種に次ぎ、マイナカードの旗振り役を務める河野太郎デジタル相の“本質”に迫りましたが、政府がその先に見据える「デジタル社会」とは何なのかを考える必要があります。

そんな自公政権に迎合し、馬場伸幸代表が自ら「第2自民党」を公言した維新。大阪・開催万博、そして大阪カジノの実態については本誌記事をお読みください。万博・カジノとともに、維新の「地盤沈下」が始まっています。そのほか「木原事件」をめぐる報道管制など、多彩なレポートをお届けする『紙の爆弾』は全国書店で発売中です。ぜひご一読をお願いいたします。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

『紙の爆弾』2023年10月号
ジャーナリスト・堤未果が語る 危険な「マイナカード」とデジタル監視社会
万博・カジノが“共倒れ”に「地盤沈下」する維新
大阪・関西万博は延期&会場変更するしかない
岸田訪米に同行した“影の総理”「木原事件」報道管制の大問題
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