1月21日に後楽園飯店でニュージャパンキックボクシング連盟2023年の年間表彰式が行われました。この表彰式はこの一つの団体で行なわれているイベントで、他団体は含みません。
・最優秀選手賞 大田拓真(元・WBCムエタイ日本フェザー級チャンピオン/新興ムエタイ)
・年間最高試合賞 NJKFスーパーライト級タイトルマッチ、畠山隼人(E.S.G)vs吉田凜汰朗(VERTEX)
・殊勲賞 NJKFスーパーライト級チャンピオン.吉田凜汰朗(VERTEX)
・敢闘賞 龍旺(NJKFスーパーフェザー級チャンピオン/Bombo Freely)
・技能賞 嵐(NJKFバンタム級3位/KING)
・努力賞 坂本直樹(道場373)
・新人賞(関東) 赤平大治(VERTEX)
・新人賞(関西) 髙木雅巳(誠至会)
・イーファイト賞、バウトレビュー賞 大田拓真(新興ムエタイ)
・女子優秀選手賞 Nao(ミネルヴァ・アトム級チャンピオン/AX)
◆受賞者コメント
最優秀選手賞、バウトレビュー賞、イーファイト賞 大田拓真(新興ムエタイ)
「三つの賞に選んで頂き有難うございました。NJKFの会長さん方々には、お世話になっていますので、今年も僕は結果を出して、NJKFと自分の選手としての価値を上げて行くだけなので今年も勝ち続けていきたいと思います。宜しくお願い致します。」
単独コメント
「武田幸三さんに、試合を生で見て貰ったのは前回(昨年11月12日)の試合が初めてだったのですが、『初めて見たけど凄くテクニックも有って全体的にバランスも良かった。』と言って頂いて評価は良かったです。序盤、相手(対ルークワン戦)はグローブを交えてやっぱり強いと思ったので、僕も戦いながら考えましたが倒して勝って、武田さんの現役時代をテレビで観ていた憧れの存在だったので、その武田さんに評価されたことは凄く嬉しかったです。」
と語ってくれました。
殊勲賞、年間最高試合賞 畠山隼人(E.S.G)vs吉田凛汰朗戦
吉田凜汰朗(VERTEX)
「まず2月11日、勝ちと内容をしっかりと、NJKFの中量級は自分しかいないなというのを魅せるので注目していてください。畠山隼人戦については、最初にダウン喫したのですけど、タイトルマッチ5ラウンドあるというところで、絶対逆転出来るという気持ちが第2ラウンドに活きました。今後は世界を獲る為に一戦一戦確実に仕留めていきます。自分の試合に来ればハズレは無いなと思って貰える様にやるべきことに集中して強くなって年間最高試合賞獲ります。最優秀選手賞も獲りたいと思います。応援宜しくお願い致します。」
単独コメント
「今年はWBCムエタイ日本タイトルを獲りに行かないといけません。今年中にもう一回畠山隼人さんと、今度はノックダウン取られないように無難にノックアウトで勝ちたいです。次は2月の東西対決ですが、ここを制して次のタイトルですね。」と語ってくれました。
年間最高試合賞 畠山隼人(E.S.G)は欠席の為、NJKF発表の本人コメント
「この度は名誉ある賞をありがとうございます。倒し倒されの熱い試合が出来たのも対戦相手の吉田凛汰朗選手の御陰です。選手を続ける以上は見ている方に面白いと思って貰える様な熱い試合を心掛けたいと思います。」
敢闘賞 龍旺(Bombo Freely)は欠席の為、NJKF発表の本人コメント
「沢山の選手がいる中で選んで頂き嬉しいです。チャンピオンとしては勿論、NJKFを引っ張っていける選手になります。期待していて下さい。」
技能賞 嵐(KING)
「今回は技能賞に選んでくださり有難う御座います。今年のNJKFの主役は俺になると思うので応援宜しくお願いします。」
単独コメント
──「今年はMVPを狙うとなれば、大田拓真を越えるような存在となりますか?」
嵐「その気で居ます。」
──「2月11日の甲斐元太郎(理心塾)との東西対決は、前回11月21日のセレモニーで両者エキサイトした発言となりましたが、この時の発言は本気でしたか?」
嵐「今もムカついているのでぶっ倒すつもりです。1ラウンドから倒しに行こうと思っています。」と自信満々の回答でした。
努力賞 坂本直樹(道場373)
「この度努力賞に選んで頂き有難うございます。2024年も賞に選ばれるように頑張りたいと思います。毎試合皆の記憶に残る試合をするので応援よろしくお願いします。」
新人賞(関東)赤平大治(VERTEX)
「このような新人賞を頂いてとても嬉しいです。更にやる気に満ち溢れてきたので今後も賞を頂けるように精一杯努力して、勝利はもちろんKOを量産出来るようにNJKFを盛り上げていきたいと思います。」
新人賞(関西) 髙木雅巳(誠至会)は欠席の為、NJKF発表の本人コメント
「団体からこのような賞を頂いたことは素直に嬉しいです。今後の抱負として、NJKFのチャンピオンになります。」
女子(ミネルヴァ)優秀選手賞 Nao(AX)
「ミネルヴァ優秀選手賞に選んでくださり有難うございます。このような素敵な賞を受賞できて本当に嬉しいです。昨年4試合目でタイトルマッチを組んで頂いて、アトム級のチャンピオンに成ることが出来ました。今後は追われる立場になるのですけど、今後も一戦一戦挑戦するという気持ちを忘れず、チャンピオンベルトを守っていきたいと思いますので、今後も宜しくお願い致します。」
《取材戦記》
ニュージャパンキックボクシング連盟に限って見れば、大田拓真の活躍は想定出来た範疇で、今年も世界規模の期待が掛かるエース格です。
畠山隼人の牙城を崩した吉田凛太朗の王座奪取は予想外だった意見は多いようでした。今年は安泰と行くか、チャンピオンとしての真価が問われる年でしょう。嵐の喧嘩腰のアピールは賛否はあるものの、本気で最優秀選手賞とバンタム級王座狙っているチャンピオン候補です。
◆年間最優秀選手賞はパウンド・フォー・パウンド!?
複数階級あってもウェイト差関係無く評価した場合、最優秀選手賞はその年のパウンド・フォー・パウンド的最高峰と言えるでしょう。試合でまず判定でも勝つことが重要ながら、その勝利に多くの評価を得るには感動を与える名勝負を残すことが重要です。
プロボクシングでは1月16日に、日本ボクシングコミッション、日本プロボクシング協会、東京運動記者クラブ・ボクシング分科会による2023年の年間表彰候補者を発表された模様です。最優秀選手賞候補は井上尚弥(大橋)、寺地拳四朗(BMB)、井岡一翔(志成)、中谷潤人(M・T)。新鋭賞には那須川天心(帝拳)も候補に挙がっています。
受賞者は2月2日に発表される模様で、2月19日に例年どおりなら東京ドームホテルで年間表彰式が行われます。
やっぱり存在感の大きさを感じるのがこのプロボクシングの組織の在り方です。世界戦の前日計量と調印式や、年間表彰式は新聞社記者クラブの記者がドッと繰り出し、コロナ禍前の日本プロスポーツ協会が主催の年間表彰式も同様に記者がドッと繰り出していました。
先日1月20日の全日本キックボクシング協会設立記者会見は格闘技専門マスコミの記者が3名のみ。翌21日のニュージャパンキックボクシング連盟年間表彰式は記者1名のみ(いずれも私以外)。
そんなキックボクシングも選手層の薄い各団体枠でなく、業界全体を見渡せば厚い選手層となる中での年間表彰式から選出されれば、受賞はより遠い存在となってしまうにしても、より一層希少価値が上がり、選手はモチベーションも上がることでしょう。
今年も進化あるキックボクシングに期待して、次回の年間表彰式も多くの記者や関係者が賑やかに談笑していることに期待したいものです。
▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」