昼はアマチュアキックボクシング、EXPLOSIONの戦い、夜はプロ興行DUEL.30。

宗方888はパンチと蹴りの前進で古庄洋将を圧し切る判定勝利。

JUN DA LIONはスタミナ切れもノックダウン奪ったポイント勝ち。マリモーは飛びヒザ蹴りでJUN DA LIONを追い詰めた。

◎DUEL.30 / 5月26日(日)GENスポーツパレス19:00~20:43
主催:VALLELY / 認定:NJKF
前日計量は12時よりVALLELYジムにて実施。

◆第6試合 65.0kg契約3回戦

NJKFウェルター級5位.宗方888(KING/31歳/65.0kg)12戦5勝6敗1分 
   VS
古庄洋将(正心会/31歳/64.7kg)14戦6勝7敗1分 
勝者:宗方888 / 判定3-0
主審:多賀谷敏朗
副審:少白竜30-29. 椎名30-28. 宮沢30-28

パンチと蹴りの攻防は宗方の勢いが増して行く展開。最後は古庄洋将のヒザ蹴りも目立ったが、宗方が蹴りとパンチで圧し切って第2ラウンドはジャッジ二者、最終第3ラウンドは三者とも10対9での流れで完勝。

宗方888のハイキックで古庄洋将を追い詰める

◆第5試合 65.0kg契約3回戦

NJKFスーパーライト級3位.マリモー(KING/39歳/64.75kg)38戦14勝(6KO)23敗1分 
      VS
NJKFウェルター級3位.JUN DA LION(=松本純/E.S.G/37歳/64.35kg)
39戦9勝(1KO)23敗7分 
勝者:JUN DA LION / 判定0-3
主審:中山宏美
副審:少白竜27-28. 椎名27-29. 多賀谷27-28

マリモーは評判どおりのガンガン前に出るアグレッシブな前進を見せるが、JUN DA LIONは長身を利したパンチと上下の蹴りが攻勢を維持。第2ラウンドには右フックがタイミングよくマリモーにヒットしノックダウンを奪った。しかしあまり効いていないマリモーはジワジワ前進。第3ラウンドにはJUN DA LIONが失速。度々スリップダウンするが、スタミナ切れで立ち上がりが遅くなる。ノックダウン扱いされても仕方無い展開で10対8を付けるジャッジが二名。それでも逃げ切った形のJUN DA LIONが僅差判定勝利した。

JUN DA LIONのハイキック、前半は攻勢を維持したが……

マリモーも攻められてもガンガン前に出る体勢

◆第4試合 68.0kg契約3回戦

風成(エス/ 67.5kg)3戦1勝1敗1NC
     VS
兼山宏武(正心会/ 67.55kg)1戦1敗
勝者:風成 / 判定3-0
主審:宮沢誠
副審:中山30-28. 椎名30-27. 多賀谷30-28

初回から風成が蹴りでやや優り、攻勢を強めた第2ラウンド、ヒザ蹴りの圧力が優ったが、兼山宏武のヒジ打ちで眉間辺りを切られた。第3ラウンドは風成がローキックで兼山宏武を追い詰める展開で終始主導権を奪った流れで大差判定。

風成のミドルキック、パワフルな攻めが続いた

 

梅沢遼太郎の右ストレートはノックダウンに繋げていく

◆第3試合 65.0kg契約3回戦

上杉恭平(VALLELY/ 64.65kg)4戦2敗2分
      VS
梅沢遼太郎(白山道場/ 64.4kg)7戦3勝(1KO)1敗3分
勝者:梅沢遼太郎 / 判定0-3 (27-30. 27-30. 27-30)

パンチと蹴りの攻防はやや梅沢遼太郎のヒットが目立つ中、徐々に攻勢を強め、第3ラウンドに右ストレートでノックダウンを奪い大差判定勝利となった。

上杉恭平も打ち返すパンチヒットもあったが巻き返すに至らず。

◆第2試合 72.0kg契約3回戦

長岡巧真(VALLELY/ 70.8kg)1戦1敗
      VS
翁長将健(真樹ジムオキナワ/ 72.0kg)4戦2勝(1KO)2敗
勝者:翁長将健 / KO 3ラウンド1分11秒 /

初回に翁長将健が右ストレートでノックダウンを奪いパンチで攻勢を維持するが、長岡巧真も粘って蹴りで距離を保つも、第3ラウンドに翁長が蹴りから再び右ストレートでノックダウンを奪い、カウント中にタオルが投入されるとレフェリーが認め翁長将健のKO勝利となった。

翁長将健が航空便遅延で上京遅れも、KOに繋げる攻勢を維持

◆第1試合 56.0kg契約3回戦

山本龍平(拳粋会宮越道場)1戦1敗
      VS
久住祐翔(白山道場)3戦1勝2敗
勝者:久住祐翔 / 判定0-2 (29-30. 29-29. 29-30)

アグレッシブな攻防ながら初回にやや優勢だった久住祐翔がポイントで逃げ切る形で僅差判定勝利。手数が減らない両者のアグレッシブな展開に第1試合からボルテージが上がった会場内だった。

第1試合からアグレッシブな展開を見せた山本龍平vs久住祐将

 

風成のヒザ蹴りはノックダウンに繋がるような勢いがあったが倒すに至らず

以下2試合は板谷航平、紗彩の練習中の怪我による欠場により中止
・62.5kg契約、須貝孔喜(VALLELY)vs板谷航平(チームゼロス)
・女子(ミネルヴァ)51.0kg契約、松藤麻衣(C吉祥寺)vs紗彩(Dシャカリキ)

《取材戦記》

午前は9時より、NJKFのアマチュア部門、EXPLOSIONが行われました。「WBCムエタイ ジュニアリーグ&EXPLOSION」全国大会代表者決定トーナメントが、小学校低学年(22kg以下)からU15中学生までと、一般男性はヘビー級まで、一般女性枠も設けられています。

小学生レベルも実力向上が見られ、先日、王座獲得祝賀会が開かれた坂本嵐(キング)もEXPLOSION出身でしたが、実行委員長の米田貴志氏に「将来有望な選手はいますか?」と尋ねてみると、アマチュア時代の坂本嵐レベルはザラに居て、特に誰が一番とは言い難いという。昭和や平成初期には考えられないほど、幼少期から鍛えられたテクニシャンが今後プロデビューすることでしょう。

プロ部門では、セミファイナルで対戦したマリモーとJUN DA LIONは、両者とも40戦近いベテラン対決ながら、大きく負け越す戦歴を持つ。あまり注目を浴びる存在ではないが、大きな声援を受けるインパクトある展開を見せた。

 

古庄洋将のヒザ蹴りも効果的にヒット、宗方もパンチを合わせる

メインイベントで勝利した宗方888はリング上で、「自分のリングネーム、皆さん覚えて帰って欲しいんですけど、数字の8三つで“ハチミツ” と言います。覚えて頂けたら凄く嬉しいので宜しくお願い致します。」と勝利での初めてのマイクアピールは何を話せばいいか考えていなかったと言い、名前の紹介で終えた様子。

リングを下りてから勝因については、「セコンドの言うことに従って、それがバッチリ当て嵌まったということですね。パンチに対して古庄選手はヒザ蹴りとかで来る想定と、最初の1ラウンドで打ち合う気が無さそうで蹴る方向でシフトした感じですけど、もっとKO狙ってパンチ出したかったですね。」と語った。

対する古庄洋将は元・J-NETWORKスーパーフェザー級2位という肩書き。現在は不動産会社に勤めるサラリーマン。5年ぶりの試合という。

古庄洋将はリングを下りた後、応援団の声援に感謝と、「このままじゃ終われないので、また頑張るのでお願いします。」という語り掛け。

作戦については、「ヒザ蹴りで倒すはずだったんです。最後にヒザ蹴り出せて宗方選手は効いた様子でしたけど、手が痛くて組みに行く力が足りなかったですね。」と5年ぶりの試合を振り返ってくれました。

NJKF次回興行は次週6月2日に後楽園ホールに於いて「NJKF CHALLENGER 2024.3rd」が開催されます。

今回のメインイベンターはNJKFフェザー級チャンピオン,大田拓真は、4月19日、タイ・ルンピニースタジアムで行われた「ONE Friday Fights 59」に於いて、大田拓真(新興ムエタイ)はコプター・ソー・ソンマイ(タイ)に右ヒジ打ちで2ラウンドKO勝利。35万バーツ(約150万円)を獲得。

6月2日はカンボジア・クンクメールとの対戦。東南アジア競技会(SEA Games)アマチュアボクシングで金メダルも獲得しているオウ・テリットを迎え撃ちます。連続KO勝利に期待が掛かります。

勝利した宗方“ハチ三ッツ” ラウンドガールとツーショット

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」