◆1.4. 花崗岩層と泥岩層、礫層

経産省資源エネルギー庁とNUMOが開催した説明会では、説明員がやたら「岩盤、岩盤」といい、最終処分法にしたがい、ガラス固化体を格納したオーバーパック4万体を人工バリアで包み、50年かけて地下300m以深の「岩盤」に埋設する、といいます。NUMOの説明員がいう「岩盤」とは、何のことでしょうか(ちなみに、最終処分法に「岩盤」という言葉は記載されていません)。

地表には、生物の死骸や糞尿等が積み重なってできた土壌があります。土壌の下に礫層があり、地下水が流れています。礫層の下に泥岩層があり、化石水が滞水しています。そして、泥岩層の下に花崗岩層があり、岩盤水が滞水している場合があります。

NUMOが「岩盤」と呼んでいるものは、花崗岩層です。[図5]は、経産省資源エネルギー庁やNUMOが考える、地層のイメージです。NUMOは、岩盤=花崗岩層内に広さ6~10平方㎞の地下施設をつくり、ガラス固化体を格納したオーバーパックを人工バリアで包み、埋設するつもりでいます。

[図5]

NUMOは、岩盤=花崗岩層を「天然バリア」と呼んでいます。天然バリアは花崗岩なので、1万年後に人工バリアが壊れても、埋設したガラス固化体=高レベル放射性廃棄物を10万年保管できるというのがNUMOの考えです。しかし、地下300~400mが必ず花崗岩層であるとの保障がありません。説明は後述しますが、日本の場合、花崗岩層でない場合が多いとさえいえます。

[図6]は、経産省資源エネルギー庁とNUMOが考える、地下施設のイメージです。地下施設の広さは6~10平方㎞です。[図6]では、まっすぐな立坑が地上施設と地下施設をつないでいますが、NUMOは、らせん状の坑道で地上施設と地下施設をつなぐつもりでいます。坑道の長さは200~300㎞になるとのことです。

[図6]

フランスは、ビュール県に地層処分施設を建設しました。フランスの人工バリア(当然、内部にガラス固化体を含んでいます)の重量は10トン未満です。10トン未満の重量物は、大型のクレーンで上げ下げできます。したがって、ビュール県の地層処分施設はまっすぐな立坑で地上施設と地下施設をつないでいます。しかし、日本の人工バリアの重量は17.5トンです。現状、10トン以上の重量物を上げ下げできるクレーンはありません。NUMOが全長200~300㎞のらせん状の坑道で地上施設と地下施設をつなぐことにしたのは、そのような理由によると考えます。

日本の地層処分施設では、ガラス固化体を格納したオーバーパックを人工バリアで包み、その人工バリアを搭載した無人搬送車がらせん状の坑道をゆっくり走り、地上施設から地下施設に下降します。地下施設内では、ロボットのような機械が人工バリアを埋設します。

NUMOは、このような方法で、50年かけてガラス固化体を格納したオーバーパック4万体を地層処分するつもりでいますが、その50年間に、大きな事故が生じた場合どう対処するか、まともな説明しません。たとえば、地下水が地下施設に流入した場合、クラッキング工事で塞ぐといい、岐阜県瑞浪市の地下研究所での漏水で効果を実証した、などといいますが、瑞浪市の地下研究所で漏水した水は地下水ではありません。化石水あるいは岩盤水です。化石水や岩盤水は泥炭層や花崗岩層に帯水している水です。しかし、地下水は礫層の中を流れる水です。つまり、地下水系は地下を流れる「川」です。地下水系の高低差は1000~2000m以上あると考えられ、水流のパワーはかなり強く、クラッキング工事等で浸水を阻止することはできません。

礫層内の地下水系が坑道の壁を突き破り、水が流れ込めば、短時間で地下施設と坑道が満水状態になり、地上施設に水が溢れ出ます。そして、人工バリアで包んだオーバーパックとTRU廃棄物が水没します。ビュール県の地層処分施設でしたら、水没する前に地上に引き上げることができるかもしれませんが、日本の場合、全長200~300㎞のらせん状の坑道で地上施設と地下施設をつないでいるので、引き上げることができません。そして、「大惨事」が勃発しますが、大惨事の説明をする前に、TRU廃棄物と中深度処分を説明させてください。(つづく)

◎平宮康広 僕が放射性廃棄物の地層処分に反対する理由(全7回連載)
〈1〉日本原燃が再処理工場を新設する可能性
〈2〉ガラス固化体の発熱量は無視できても、地温は無視できない
〈3〉NUMOがいう地下300m以深の「岩盤」は、本当に「天然のバリア」なのか

▼平宮康広(ひらみや・やすひろ)
1955年生まれ。元技術者。オールドウェーブの一員として原発反対運動に参加している。富山県在住。

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年夏・秋合併号《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2024年夏・秋合併号(NO NUKES voice 改題)
A5判 148ページ 定価880円(税込み)

《グラビア》
「幻の珠洲原発」建設予定地 岩盤隆起4メートルの驚愕(写真=北野 進
「さよなら!志賀原発」金沢集会(写真=Kouji Nakazawa

《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 原子力からこの国が撤退できない理由

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 なぜ日本は原発をやめなければならないのか

《報告》井戸謙一(元裁判官/弁護士)
 事実を知り、それを人々に伝える

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 核武装に執着する者たち

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
 課題は放置されたまま

《報告》森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
 原発被害の本質を知る

《インタビュー》北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団団長)
 珠洲原発・建設阻止の闘いは、民主主義を勝ち取っていく闘いだった

《対談》鎌田 慧(ルポライター)×柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
 東京圏の反原発 ── これまでとこれから

《報告》今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
「核融合発電」蜃気楼に足が生え

※          ※          ※

《回想》松岡利康(鹿砦社代表)
 創刊から10周年を迎えるまでの想い出

《墓碑銘》松岡利康(鹿砦社代表)
 お世話になりながら途上で亡くなった方への追悼記

《季節創刊10周年応援メッセージ》

 菅 直人(衆議院議員・元内閣総理大臣)
 守りに入らず攻めの雑誌を

 中村敦夫(作家・俳優)
 混乱とチャンス  

 中嶌哲演(明通寺住職)
「立地地元」と「消費地元」の連帯で〈犠牲のシステム〉を終わらせる

 水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
『季節』丸の漕ぎ手をふやして、一刻も早く脱原発社会を実現しよう

 山崎隆敏(元越前市議)
「核のゴミ」をこれ以上増やさないために

 今野寿美雄(「子ども脱被ばく裁判」原告代表)
 裁判も出版も「継続は力なり」

 あらかぶ(「福島原発被ばく労災損害賠償裁判」原告)
 隠された「被ばく労働」問題を追及し、報じてほしい

※          ※          ※

《報告》なすび(被ばく労働を考えるネットワーク)
《検証》あらかぶさん裁判 原発被ばく労働の本質的問題 

《報告》北村敏泰(ジャーナリスト)
 棄民の呻きを聞け 福島第一原発事故被害地から

《講演》和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
「復興利権」のメガ拠点 「福島イノベーション・コースト構想」の内実〈前編〉

《報告》平宮康広(元技術者)
 水冷コンビナートの提案〈1〉

《報告》原田弘三(翻訳者)
 COP28・原発をめぐる二つの動き
「原発三倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意

《報告》三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
 総裁選より、政権交代だ

《報告》板坂 剛(作家/舞踊家)
   タイガー・ジェット・シンに勲章! 問われる悪役の存在意義

《報告》山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
   山田悦子の語る世界〈24〉
   甲山事件50年を迎えるにあたり
   誰にでも起こりうる予期せぬ災禍にどう立ち向かうか(下)

《報告》大今 歩(高校講師・農業)
   洋上風力発電を問う 秋本議員収賄事件を受けて

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
 時代遅れの「原発依存社会」から決別を!
 政府と電力各社が画策する再稼働推進の強行をくい止める

《老朽原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 6・9大阪「とめよう!原発依存社会への暴走大集会」に1400人超が結集

《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
 女川原発の再稼働はあり得ない 福島事故を忘れたのか

《福島》黒田節子(請戸川河口テントひろば共同代表)
 浪江町「請戸川河口テントひろば・学ぶ会」で
 北茨城市大津漁協裁判で闘う永山さんと鈴木さんの話を聞く

《柏崎刈羽原発》小木曽茂子(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
 7号機再稼働で惨劇が起きる前に、すべての原発を止めよう!

《首都圏》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 福島原発事故の責任もとれない東京電力に
 柏崎刈羽原発を動かす資格はない!

《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
 静岡県知事と御前崎市長が交代して
「一番危険な原発」はどうなるか

《島根原発》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
 政治に忖度し、島根原発2号機運転差止請求を却下
 それでも私たちは諦めない!

《玄海原発》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会)
 玄海町「高レベル放射性廃棄物・最終処分場に関する文献調査」受入!

《川内原発》向原祥隆(反原発・かごしまネット代表)
 私たちは歩み続ける

《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 原子力規制委員会を責め続けて11年
 原子力規制委員会は、再稼動推進委員会・被曝強要委員会

《反原発川柳》乱鬼龍

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DB1GZ5CM/

◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000748

龍一郎揮毫

私たちは唯一の脱原発雑誌『季節』を応援しています!

全103試合(3試合中止)の長丁場。1試合の時間は1分から2分制の2回戦と少なく、試合と試合の間も短いので進行は速かった。

次代を担うジュニア選手は最軽量級が19kg以下、王座は23kg以下級より上位へ、一般男子では82kg級、無差別級まである模様。この日は78kg級まででした。あくまでこのDEAD HEATの制定によるもので、他団体ではまた違った制定があるでしょう。

この日のDEAD HEAT王座挑戦者決定戦は7試合、王座決定戦は8試合、王座防衛戦が2試合ありました。

新日本キックボクシング協会興行前座枠に何度か出場経験ある武田竜之介が、やや劣勢から巻き返せず接戦の敗戦。

一般男子では40歳超えと50歳超えの試合もあり、今年1月28日に全日本キックボクシング協会アマチュア大会に出場した、かつての日本ライト級チャンピオン、飛鳥信也さんがこの日も出場。1分制2ラウンドで、対戦相手の染谷勝がアグレッシブにスピードと手数圧倒、飛鳥信也はコーナーに追い込まれ、第1ラウンドにスタンディングダウン。第2ラウンドもスタンディングダウンを奪われ連打されたところでレフェリーストップとなった。

◎DEAD HEAT AMATEUR COMPETITION 20 /
10月27日(日)大森ゴールドジム10:00~17:10
後援:全日本キックボクシング協会

 

55kg級王座奪取した深谷千穂乃と実行委員会代表の遠藤裕之氏

チャンピオン&挑戦者決定1dayトーナメント 主要17試合(+1試合)

◆ジュニア男子27kg級次期挑戦者決定トーナメント決勝戦2回戦(90秒制)

鈴木翔太(CYCLONE)vs 島川琉空(KAGAYAKI)
勝者:鈴木翔太 / 判定3-0

◆ジュニア男子29kg級次期挑戦者決定トーナメント決勝戦2回戦(90秒制)

石川竜之介(健成会)vs 姉帯礼恩(CYCLONE)
勝者:姉帯礼恩 / 判定0-3

◆ジュニア男子31kg級次期挑戦者決定トーナメント決勝戦2回戦(90秒制)

小貝春喜(拳伸)vs 晴空(Master’s pit)
勝者:晴空 / 判定0-3

◆ジュニア男子40kg級次期挑戦者決定トーナメント決勝戦2回戦(90秒制)

中里晃聖(AKIRA budo school)vs 島川湊翔(KAGAYAKI)
勝者:中里晃聖 / 判定3-0

◆ジュニア女子29kg級次期挑戦者決定戦2回戦(2分制)

鈴木彩心(KAGAYAKI)vs YUNON(KING)
勝者:YUNON / 判定0-3

◆ジュニア女子31kg級次期挑戦者決定戦2回戦(2分制)

SARA(Team SRK)vs YU-NA(KING)
勝者:YU-NA / 判定1-2

◆ジュニア男子52kg級次期挑戦者決定戦2回戦(2分制)

塚原陸翔(PAL)vs 渡邉麟生(JTクラブ)
勝者:塚原陸翔 / 判定2-1

◆ジュニア男子46kg級チャンピオン決定トーナメント決勝戦2回戦(90秒制)

姉帯心(CYCLONE)vs 京太郎(TEAM KAMIKAZE)
勝者:姉帯心 / 判定3-0

◆ジュニア女子34kg級チャンピオン決定戦2回戦(2分制)

野本かれん(WIVERN)vs 原ななみ(Team SRK)
勝者:野本かれん / 判定3-0

◆ジュニア女子43kg級チャンピオン決定戦2回戦(2分制)

野中あいら(HIDE)vs 渡邉名那佳(拳伸)
勝者:渡邉名那佳 / 判定0-3

◆ジュニア男子37kg級チャンピオン決定戦2回戦(2分制)

大井鼓哲太(チームドラゴン)vs 日野原晴海(HIDE)
勝者:日野原晴海 / 判定0-2

◆ジュニア男子49kg級チャンピオン決定戦2回戦(2分制)

阿部一心(KDK)vs 英義(稲城)
勝者:英義 / 判定0-3

◆ジュニア男子31kg級タイトルマッチ2回戦(2分制)

チャンピオン.武田竜之介(伊原越谷)vs 挑戦者.岡月音(SUCCEED)
勝者:岡月音 / 判定0-3

武田竜之介(左/伊原越谷)、今回は勝てずも落ち込む様子無く先を見据えていた

◆ジュニア男子52kg級タイトルマッチ2回戦(2分制)

チャンピオン.八十島陸翔(昌平校柏道場)vs 挑戦者.横山琉希(SUCCEED)
勝者:八十島陸翔 / 判定3-0

八十島陸翔、初回は連打でノックダウンを奪った

◆一般女子55kg級チャンピオン決定トーナメント決勝戦2回戦(90秒制)

深谷千穂乃(北眞館)vs MAHO(北眞館)
勝者:深谷千穂乃 / 判定3-0

一般女子、深谷千穂乃は果敢に攻めて判定勝利

◆一般男子55kg級チャンピオン決定トーナメント決勝戦2回戦(2分制)

篠原翔夢(Team SRK)vs 鬼久保海斗流(健成会)
勝者:鬼久保海斗流 / 判定0-3

◆一般男子62kg級チャンピオン決定トーナメント決勝戦2回戦(2分制)

遅刻100%(team YU-TO)vs 郁哉TORNADO(TORNADO)
勝者:郁哉TORNADO / 判定0-3

一般男子、郁哉トルネードの飛びヒザ蹴り、楽しんでいるかのような表情

郁哉トルネードが62kg級王座奪取

◆第66試合 一般男子(OVER50)62kg以下級Dクラス2回戦(1分制)

飛鳥信也(目黒)vs 染谷勝(GRIT)
勝者:染谷勝 / TKO 2ラウンド / レフェリーストップ

《取材戦記》

アマチュア大会も取り上げること増えたこの頃、今回はDEAD HEATを取り上げてみました。

アマチュアキックボクシング(ムエタイ)は多くの主催者、団体が存在する中、DEAD HEAT主催者の遠藤裕之氏は茨城県水戸市の平戸ジムでキックボクシングを始めた人。1993年6月19日、当時の日本キックボクシング連盟フェザー級チャンピオン、遠藤周作(伊原)との遠藤対決では逆転KO勝利。後の10月9日、再戦での王座挑戦は敗れるも1勝1敗の星を残しました。平戸ジムに於いては小野瀬邦英の先輩となる遠藤裕之氏である。

[左]現役時代の遠藤裕之氏、精悍な顔つきである/[右]現在の遠藤裕之代表。渋い風貌、存在感である

 

出番前の飛鳥信也さん。ベテランの落ち着きぶりは語り口調が変わらなかった

2018年には地元の水戸市でアマチュアキックボクシングDEAD HEAT興し、20回目となる今回初めて東京進出となりました。

遠藤裕之氏は今回の大会終了後、「初めての東京大会で、地方のアマチュア大会が東京に来てどれだけ通用するかなと思いましたが、遠い所は富山から来てくれたり、近県の方から来てくれたりと皆さん頑張ってくれましたので、良い大会になったと思います。」と来場関係者との対面で忙しかった中、語ってくれました。

一般男子50歳超えに出場した飛鳥信也氏は試合後、「相手(染谷勝)は強かったですよ。開始からアグレッシブに勢いよく出て来られたら、効いてはいなかったけど打たれると印象悪いですね。ああいう相手とは戦略的には5ラウンドがあればいいですね。躱していなして疲れるの待って崩していく。けどまあ私も筋力落ちてるし、スタミナもたないからダメですけど、私とかつて戦った越川豊タイプならガンガン打ち合いに出て、今日の相手とは噛み合うでしょうね。今回は62kg以下級というのも無理があって、もう少し落としていきたいですね。元々現役時代にライト級でも軽い方だったので。」と語る。

かつて東京ドームでベニー・ユキーデと対戦した飛鳥信也さんが、今ではアマチュア、一般枠に戻ってまで、敢えて出場料払って試合しているのも生涯青春を貫きたい拘りがあるからだろう。打たれると周囲からすれば心配になりますが、戦って来た試合勘はしっかりしていて、怯まずカウンターパンチ入れる上手さも垣間見れるのも実力者の証でしょう。今年は10戦こなしており、年内あと2試合予定しているという。プロの厳しさは無い一般枠での戦いは楽しそうで“生涯青春”をまだ暫くは続けられそうである。

飛鳥信也さんは染谷勝の勢いに勝てずとも、返しのパンチ蹴りが上手かった

アマチュア大会の取材で、ジュニアなど若年層から対象がテーマズレした感のレポートとなり、主催者の遠藤裕之氏と試合を続ける飛鳥信也氏が主役となりました。「継続力は力なり」を実践するお二人。また東京大会が開催される場合は他興行と被らなければ追っていきたいと思います。

次回のDEAD HEAT 21は来年2月9日(日)に水戸市民会館で開催が予定されています。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

◆自民も立憲も原発容認・推進に向かって雪崩を打った

立憲民主党の代表選(9月23日)、自民党の総裁選(9月27日)から衆院選(10月27日)にかけての「原発に関する主張」からは、両党とも、雪崩を打って原発容認、推進に向かって変節したと言えます。

立憲民主党は綱領で「原発ゼロ」を掲げていますが、4人の代表候補者は、積極的な脱原発の主張を避けました。何れもが「避難計画の不備」などを指摘したものの、当面の原発稼働を容認しています。国民民主党に配慮したためとの報道もあります。

自民党の総裁候補者の内、総裁・首相に選出された石破氏は、8月28日の総裁選出馬時には、「原発をゼロに近付けていく」と表明しながら、首相になってからは、ほぼ岸田政権のエネルギー政策を踏襲して、「原発依存社会」に向かおうとしています。経団連や経済同友会の主張に迎合・屈服しようとしています。人の命や生活の犠牲の上に、電力会社、原発産業、ゼネコンなどの大企業に税金と電力料金を垂れ流すための政策です。河野、小泉両氏は、つい最近まで、原発に関しては慎重派でしたが、総裁選では、これを放棄しました。自らの立場の擁護のために平気で主張を翻すことは、人間として失格です。

◆国民民主党は原発推進の最先鋒

日本維新の会、国民民主党は、元来原発推進です。維新は「次世代原発、とくに核融合発電を推進する」としています。労使協調路線の全国電力関連産業労働組合総連合(電力総連)を支持母体とする国民民主党は「原発の建て替え・新増設により、輸入に頼らない安定的なエネルギーを確保する」とする原発推進の最先鋒です。

このように、立民、自民の変貌、維新、国民民主の原発推進は目に余りますが、彼らがいかに変貌し、何を願望しようとも、選挙の都合、政治的思惑、経済的利益で原発の老朽化を防ぐ技術、安全性を高める技術、使用済み核燃料の処理・処分技術が急に向上することはありません。彼らが原発推進に暴走すればするほど、原発過酷事故の確率は拡大します。許してはなりません。

◆失敗を取り繕うための「原発依存社会」への暴走

そもそも、政府や電力会社の「原発依存社会」への暴走は、脱原発の流れに乗り遅れた失敗を取り繕うためです(その裏には、潜在的な核武装推進への願望も見え隠れします)。

もし、福島原発事故以降の政権や電力会社が事故の教訓を生かして、原発ときっぱり決別し、自然エネルギーに切り替える政策をとっていたなら、今頃、化石燃料発電や、原発に依存することなく、電気を供給し、世界の自然エネルギーへの流れをリードできていたでしょう。彼らは、資本主義経済の視点からも失敗したのです。自らの失敗を反省せず、更なる原発推進へと暴走する政府と電力会社を厳しく糾弾し、自然エネルギーへの政策転換を求めましょう!

ところで、10月27日投開票の衆院選では、自公・石破政権が大幅後退し、立民、国民民主、れいわ新選組などが躍進しました。

衆院選での自公両党の大幅減は悦ばしいことながら、この選挙での大きな争点が「裏金問題」であり、その裏で進められる物価高騰、インフレ、弱者切り捨て、格差拡大、軍拡、原発依存などの政策がほとんど議論の対象にならなかったことに政治の貧困を覚えます。

原発問題でも、大勝した立民が、政権獲得のために、議席を伸ばした国民民主に忖度して、原発政策を「原発容認」に大きくシフトさせる可能性があります。また、「原発(とくに核融合)推進」を掲げる維新は議席を減らしたものの、それでも政権の行方の狭間にあり、自公、立民の何れもが、これに擦り寄ると思われます。

原発推進政党を抱きこむことによって、当面の政権を維持すると予想される石破自民党が、「原発推進」にさらに暴走する可能性は大です。とくに、政権の行方にキャスティングボートを握る国民民主は、自公政権との「部分連合」を通して、原発推進を先導するものと考えられます。

なお、「原発即時廃止、地方分散型再エネ普及」を掲げるれいわは躍進したものの、「原発はすみやかににゼロ」「30年度に石炭火力ゼロ」とした共産党は減少しています。社会の右傾化が危ぶまれます。

今回の衆院選の争点は「金権問題」でしたが、それを「裏金」だけに矮小化させてはなりません。

もっと大きな「金権」は、人々から吸い上げた税金や電力料金を、軍需産業や原発産業(旧財閥、電力会社、ゼネコン、自動車産業など)に垂れ流し、軍備拡大、原発推進に暴走する政府の「権力」です。現政府は、人々の命と生活を守るために使用されるべき税金を大企業に垂れ流す「トンネル機関」といっても過言ではありません。

このような理不尽がまかり通り、閉塞感漂う状態の打開のために、いま最も求められているのは「目に見え、耳に聞こえる市民の行動」の高揚です。

12.8「とめよう!原発依存社会への暴走関電包囲大集会」の大成功を勝ち取り、原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会に向かって前進しましょう!

2024年10月31日
木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)

12.8 とめよう!原発依存社会への暴走 関電包囲大集会

とめよう!原発依存社会への暴走 関電包囲大集会
原発やめて自然エネルギーへ
使用済み核燃料ふやすな

日 時:2024年12月8日(日)13:00~ ※集会後、大阪駅前までデモ

場 所:関西電力本店前
〒530-8270 大阪市北区中之島3-6-16
地下鉄「肥後橋駅」徒歩約5分 京阪「渡辺橋駅」徒歩約4分
地図 https://x.gd/DsbEz
内 容
・13:00 集会開始
 原発の風下・米原市の平尾道雄市長がアピール
 集会後大阪駅前までデモ
・16:00すぎ 解散

主 催:老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先:090-1965-7102
チラシ https://x.gd/hHdCY 

▼木原壯林(きはら・そうりん)
老朽原発うごかすな! 実行委員会。1967年京都大学理学部化学科卒。理学博士。専門は分析化学、電気化学、溶液化学。熊本大学、京都工芸繊維大学名誉教授等を歴任。京都悠悠化学研究所主宰。

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年夏・秋合併号《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

『季節』2024年夏・秋合併号(NO NUKES voice 改題)
A5判 148ページ(本文144ページ+巻頭カラー4ページ) 定価880円(税込み)
お陰様で10周年を迎えました!
《グラビア》
「幻の珠洲原発」建設予定地 岩盤隆起4メートルの驚愕(写真=北野 進
「さよなら!志賀原発」金沢集会(写真=Kouji Nakazawa

《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 原子力からこの国が撤退できない理由

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 なぜ日本は原発をやめなければならないのか

《報告》井戸謙一(元裁判官/弁護士)
 事実を知り、それを人々に伝える

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 核武装に執着する者たち

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
 課題は放置されたまま

《報告》森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
 原発被害の本質を知る

《インタビュー》北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団団長)
 珠洲原発・建設阻止の闘いは、民主主義を勝ち取っていく闘いだった

《対談》鎌田 慧(ルポライター)×柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
 東京圏の反原発 ── これまでとこれから

《報告》今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
「核融合発電」蜃気楼に足が生え

※          ※          ※

《回想》松岡利康(鹿砦社代表)
 創刊から10周年を迎えるまでの想い出

《墓碑銘》松岡利康(鹿砦社代表)
 お世話になりながら途上で亡くなった方への追悼記

《季節創刊10周年応援メッセージ》

 菅 直人(衆議院議員・元内閣総理大臣)
 守りに入らず攻めの雑誌を

 中村敦夫(作家・俳優)
 混乱とチャンス  

 中嶌哲演(明通寺住職)
「立地地元」と「消費地元」の連帯で〈犠牲のシステム〉を終わらせる

 水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
『季節』丸の漕ぎ手をふやして、一刻も早く脱原発社会を実現しよう

 山崎隆敏(元越前市議)
「核のゴミ」をこれ以上増やさないために

 今野寿美雄(「子ども脱被ばく裁判」原告代表)
 裁判も出版も「継続は力なり」

 あらかぶ(「福島原発被ばく労災損害賠償裁判」原告)
 隠された「被ばく労働」問題を追及し、報じてほしい

※          ※          ※

《報告》なすび(被ばく労働を考えるネットワーク)
《検証》あらかぶさん裁判 原発被ばく労働の本質的問題 

《報告》北村敏泰(ジャーナリスト)
 棄民の呻きを聞け 福島第一原発事故被害地から

《講演》和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
「復興利権」のメガ拠点 「福島イノベーション・コースト構想」の内実〈前編〉

《報告》平宮康広(元技術者)
 水冷コンビナートの提案〈1〉

《報告》原田弘三(翻訳者)
 COP28・原発をめぐる二つの動き
「原発三倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意

《報告》三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
 総裁選より、政権交代だ

《報告》板坂 剛(作家/舞踊家)
   タイガー・ジェット・シンに勲章! 問われる悪役の存在意義

《報告》山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
   山田悦子の語る世界〈24〉
   甲山事件50年を迎えるにあたり
   誰にでも起こりうる予期せぬ災禍にどう立ち向かうか(下)

《報告》大今 歩(高校講師・農業)
   洋上風力発電を問う 秋本議員収賄事件を受けて

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
 時代遅れの「原発依存社会」から決別を!
 政府と電力各社が画策する再稼働推進の強行をくい止める

《老朽原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 6・9大阪「とめよう!原発依存社会への暴走大集会」に1400人超が結集

《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
 女川原発の再稼働はあり得ない 福島事故を忘れたのか

《福島》黒田節子(請戸川河口テントひろば共同代表)
 浪江町「請戸川河口テントひろば・学ぶ会」で
 北茨城市大津漁協裁判で闘う永山さんと鈴木さんの話を聞く

《柏崎刈羽原発》小木曽茂子(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
 7号機再稼働で惨劇が起きる前に、すべての原発を止めよう!

《首都圏》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 福島原発事故の責任もとれない東京電力に
 柏崎刈羽原発を動かす資格はない!

《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
 静岡県知事と御前崎市長が交代して
「一番危険な原発」はどうなるか

《島根原発》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
 政治に忖度し、島根原発2号機運転差止請求を却下
 それでも私たちは諦めない!

《玄海原発》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会)
 玄海町「高レベル放射性廃棄物・最終処分場に関する文献調査」受入!

《川内原発》向原祥隆(反原発・かごしまネット代表)
 私たちは歩み続ける

《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 原子力規制委員会を責め続けて11年
 原子力規制委員会は、再稼動推進委員会・被曝強要委員会

《反原発川柳》乱鬼龍

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DB1GZ5CM/

◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000748

龍一郎揮毫

私たちは唯一の脱原発雑誌『季節』を応援しています!

《11月のことば》限界突破 あきらめたらそこでおしまい(鹿砦社カレンダー2024より。龍一郎揮毫)

速いもので、今年もあと2ヵ月となりました。
新型コロナ襲来によって、それまで左団扇状態だった雰囲気は暗転しました。
何度も「限界」を感じました。

「あきらめたらそこでおしまい」──

「限界」を「突破」するために皆様のお力を借りて「歯を食いしばって」頑張ってきました。
「限界」に次ぐ「限界」で「あきらめ」かけたりもしました。
コロナで似たような経験をされた方も少なくないでしょう。
しかし、「あきらめ」なければ、浮かぶ瀬は必ずあるものと信じています。

20年近く前の出来事、「名誉毀損」に名を借りた出版弾圧でも打ちのめされ「限界」を感じましたが、運良く「突破」できました。
奇跡としか言いようがありません。出版業界ではそういわれているそうです。

「限界」は「突破」でき、奇跡は起きると信じたい。

(松岡利康)

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年11月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年夏・秋合併号《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

『LGBT異論 キャンセル・カルチャー、トランスジェンダー論争、巨大利権の行方』女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会=編著

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