『季節』2024年冬号 次の10年に向かって ── 季節編集委員会

本誌『季節』は前号で創刊から10周年を迎えました。10年前、世の中の機運が反(脱)原発に溢れ、会社の景気も良く、意気揚々と出発しましたが、新型コロナ急襲にて局面が変わりました。世の人々はコロナで狂わされた日々の生活に追われるあまり、反(脱)原発の機運も盛り上がらなくなりました。世の人々も私たちも、10年の半分の5年ほどはコロナ禍による業績不振に苦しんできました。

これを支えてくださったのは、福島現地の方々、避難され不自由な生活をされている方々、毎号現地からの活きたレポートを寄せてくださる方々らでした。さらには定期購読やご支援金で支えてくださる読者の皆様方にも助けられました。

半分(以上)は私たちみずからの力不足ではありますが、本誌は創刊以来一度も黒字になってはいません。常識的な経済原理からすると休廃刊もやむをえないところでしょうが、類似の雑誌もなく、小さくとも反(脱)原発の拠点として被災者、被災現地の生の声を伝えるメディアとして生き延び発行を継続していければ、と願っています。

今年も年末が近づいてまいりました。毎年思うのですが、被災地の方々、故郷から離れることを余儀なくされた方々らは、どのような想いで過ごされているのでしょうか。胸が詰まります。

そうしたこともあって、本誌でも毎号気持ちの入った書を巻頭に揮毫している、大学の後輩で書家の龍一郎と話し合い、わずかでも被災された方々と励まし合い、また一人でも世の方々にその想いを伝えようとして始めたのが鹿砦社カレンダーです。

それ相当の費用が掛かっていますが、私たちの想いが詰まったカレンダーですから無料で配布しています。数に限りはありますが、主に本誌の定期購読者を中心にお配りしています。今年も出来上がってまいりました。定期購読の方には同封しております。今、新たに定期購読をお申し込みされた方にも送ります。なくなればそこでストップとなります。毎年ほとんど余りません。

今夏は歴史的な猛暑でした。師走を迎え季節は冬に入っていきます。この冬の寒さはいかばかりでしょうか。寒さがいかに厳しいとしても、なんとしても乗り越え共に春を迎えましょう!

本誌『季節』は次の10年に向かって歩き始めました。この世から原発がなくなる日まで共に頑張りましょう!

2024年12月 季節編集委員会

12月11日発売 〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年冬号 

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2024年冬号(NO NUKES voice 改題 通巻41号)
紙の爆弾 2025年1月号増刊
A5判 132ページ(巻頭カラー4ページ+本文128ページ) 
定価770円(税込み) 2024年12月11日発売

[グラビア]輪島市門前町深見地区。5.2メートルもの隆起が確認できた(2024年9月8日 写真提供=北野進)

[グラビア]能登半島震災一年 隆起に沈む人と国(北野進)/復興進まず“棄民”の地(北村敏泰

樋口英明(元福井地裁裁判長)
[報告]2025年の脱原発 非力ではあるが、無力ではない

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
[報告]核融合発電はできないし、やってもいけない
[講演]伊方原発を止める裁判闘争の歴史的・社会的意義

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
[報告]福島第一原発事故炉 危機の真実 ペデスタル破損と溶融デブリの下で事故収束は可能か

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
[報告]第七次エネルギー基本計画の何が問題か

────────────────────────────────────
《特集》避難対策は全国どこでも「絵に描いた餅」
────────────────────────────────────

北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団長)
[講演]能登半島地震が実証した避難計画の破綻

石地 優(福井県若桜町・有機農業)
[報告]能登半島地震で何が起きていたのか 原発事故になれば避難はできません

阿部功志(茨城県東海村議会議員)
[報告]問題だらけの東海村避難計画 どうすれば「避難弱者」を救えるか

菅野みずえ(福島県浪江町・原発事故避難者)
[報告]福島の避難所で起きていた性被害 避難計画には女性の意見を!

森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
[報告]原発賠償関西訴訟・法廷で語られる真実 本人尋問が伝える「被害」と「避難」の実相
 
────────────────────────────────────

北村敏泰(ジャーナリスト)
[報告]脅かされる被災住民のいのちと生活 能登半島地震でも国や行政の“棄民”政策

和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
[講演]福島イノベーションコースト構想の真実〈後編〉「日本のハンフォード」になる福島

柳原敏夫(弁護士)
[報告]いま法律が危ない

平宮康広(元技術者)
[報告]水冷コンビナートの提案〈2〉

漆原牧久(脱被ばく実現ネットボランティア)
[報告]考えないようにすることで精神の安定を保っています  
3・11子ども甲状腺がん裁判第11回口頭弁論期日報告

三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
[報告]国家がせり出してくる時代 ── 希望は何処にあるか

板坂 剛(作家/舞踊家)
[報告]三島由紀夫生誕100年 死後54年に想う!

佐藤雅彦(翻訳家/ジャーナリスト)
[報告]原子力は地域社会に「核分裂」をもたらす

山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
[報告]山田悦子の語る世界〈25〉 絶望の時代《今》を生きる意味(上)

大今 歩(高校講師/農業)
[報告]「人為的CO2温暖化説」を止めない限り、原発は止まらない

再稼働阻止全国ネットワーク
核ゴミの行き場はない! 福島は終わっていない! 
沸騰水型原発の再稼動反対! 東電に原発動かす資格なし!

全国各地からの生の報告(全10本)
《青森》山田清彦(核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団)
 六ヶ所再処理工場とむつ中間貯蔵施設の実態
《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
 再稼働反対11・2集会宣言(抗議声明)案(抜粋)
《福島》木幡ますみ(大熊町議)
 大熊町民の本音
《柏崎刈羽原発》桑原三恵(規制庁・規制委員会を監視する新潟の会)
 ”安全”ではありえない柏崎刈羽原発の再稼動
《日本原電》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 原発を動かす資格のない原電は廃炉作業に専念するよう求めます
《高浜原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
「9・23高浜全国集会」の報告と「12・8関電包囲大集会」の案内
《敦賀原発》山本雅彦(原発住民運動福井・嶺南センター事務局長)
 日本原電敦賀原発2号機の廃炉を要求する
《中国電力》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
 活断層に囲まれた島根原発2号機の再稼働は中止すべきだ!
《四国電力》名出真一(伊方から原発をなくす会)
 伊方原発3号機の即時廃炉を!!
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 大地震の脅威を無視し原子力災害対策指針改訂でお茶を濁す原子力規制委員会

[反原発川柳]乱鬼龍

私たちは唯一の脱原発雑誌『季節』を応援しています!

島根原発2号機の再稼働を強行した中国電力本店前で抗議行動 さとうしゅういち

中国電力は2024年12月7日、12年ぶりに島根原子力発電所2号機を再稼働させました。島根2号機は、2011年に大事故を起こした福島第一原発と同じ沸騰水型軽水炉です。女川原発に続いて沸騰水型では2基目の再稼働となります。

原子力規制員会の新安全基準に基づいて審査され、2024年10月23日に「テロ対策施設整備を5年以内に実施すること」を条件に正式に「合格」したことにはなっています。

しかし、以下の問題が残されています。(後述の中国電力前での抗議行動での各弁士のお話しと筆者自身の過去の選挙での政策から構成)

◆裁判所も指摘した避難計画の実効性のなさ

島根原発は全国でも唯一、県都=松江市にある原発です。山陰地方の人口の多くが、30km圏内にある松江市、出雲市、境港市に集中しています。もし事故になれば、住民は島根県西部や広島県、あるいは鳥取県東部方面に避難することになります。

だが、大震災による原発事故の場合、日本海と宍道湖・中海に囲まれた地域は孤立する危険があります。

また、広島県民にとっても他人事ではありません。多くの住民は自家用車で避難するとみられます。その場合は、途中で除染を受けることに建前ではなっています。だが、福島原発の周辺が町村部で人口が少なかったのに対し、島根の場合は避難人口が多い。大混雑が予想されます。そして、スクリーニング検査や除染をスルーして広島県内の避難先に向かう人が多数出るでしょう。

島根原発2号機再稼働を差し止める仮処分申請について裁判所でも、避難計画は実効性がないと断じています。ただ、事故が起きる可能性があるのを証明するのは原告=住民側の義務だ、などと言う理由で、仮処分申請を却下しています。

◆島根県内の活断層連動の危険

島根原発すぐそばには宍道断層があり、M7以上の地震を発生させる可能性が高いとされています

地震動を起こす断層面は、原発の直下にも広がっています。これは、能登半島大震災時の志賀原発よりもさらに厳しい状況です。

さらに、この活断層は鳥取県沖の活断層とも連動する可能性を中電自身も認めています

それこそ、100Km以上に渡って連動すれば、M8以上と言うこともありうる。ただ、能登半島沖の活断層同様、これまで研究が進んでいなかっただけです。それこそ、原発の直下の地盤も大きく変動する。安全装置など役に立たなくなる危険もある。避難どころではなくなる危険もあります。

原子力規制委員会はテロ対策施設以外については、2021年9月15日時点で合格としています。だが、能登半島大震災の教訓を十分に踏まえた知見とは言えないのではないでしょうか?

◆だれも責任を取らない原発

実は原発について、責任を取る人は決まっていません。原子力規制委員会も「基準に合格」と認定するだけです。「許可」をするわけではない。また、過去の判例でも例えば福島原発事故については、東京電力の責任は認めても、国の責任は認めていません。国が原発を推進してきたのですが、実際の運用は電力会社に任されている。そんな状態の物を動かせるのですか?ということです。

◆そもそも中国地方に原発は必要ない

百歩譲っても電力が足りない状況が生じえるのは、日本でも東京電力管内のそれも限られた時間帯です。AI関連のデータセンターで電力需要が増えると言うが、それなら遠方の原発から供給するのではなく近場での発電で賄った方が効率は良いでしょう。環境に配慮した形での再生可能エネルギー、つなぎとしての高効率火力発電。また、スマートグリッド、蓄電池などを進めて行けばよいのです。

また、東京周辺についてはそれこそ、人口が異常に集中しすぎているのが問題です。どうせ、狭い東京に電源を造るのに限界があるのですから、人口を分散させるしかない。「国会等の移転に関する法律」を速やかに実施し、政府機関の移転で人口の分散を図るべきです。

まして中国地方に原発を造るいわれはない。なお、これまで、核燃料税などで潤ってきた地元自治体に対しては国が責任をもって産業振興をすれば良いのです。また、原発廃炉に当たっては電力会社から国が原発を買い上げて責任をもって廃炉にすればいいのです(核燃料が財産として計上されている分も含め、国が保障する)。

◆中国電力前で抗議行動

再稼働の12月7日、「上関原発いらない!広島ネットワーク」など広島県や島根県の市民団体などは中国電力本店前で抗議行動を行いました。

広島に二番目に近い原発・島根原発。広島県民にとっても他人事ではありません。

そもそも、原爆の爆心地=広島1区の市民が選出=任命した衆院議員である岸田前総理が、安倍政権までの「脱原発依存」方針を転換してGX(グリーントランスフォーメーション)を錦の御旗に原発推進に一挙に舵を切りました。広島一区の有権者の責任でもあります。


◎[参考動画]島根原発再稼働に抗議 中国電力前 広島瀬戸内新聞(さとうしゅういち)

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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12月11日発売 〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年冬号 

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2024年冬号(NO NUKES voice 改題 通巻41号)
紙の爆弾 2025年1月号増刊
A5判 132ページ(巻頭カラー4ページ+本文128ページ) 
定価770円(税込み) 2024年12月11日発売

[グラビア]輪島市門前町深見地区。5.2メートルもの隆起が確認できた(2024年9月8日 写真提供=北野進)

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《特集》避難対策は全国どこでも「絵に描いた餅」
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北村敏泰(ジャーナリスト)
[報告]脅かされる被災住民のいのちと生活 能登半島地震でも国や行政の“棄民”政策

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3・11子ども甲状腺がん裁判第11回口頭弁論期日報告

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[報告]国家がせり出してくる時代 ── 希望は何処にあるか

板坂 剛(作家/舞踊家)
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再稼働阻止全国ネットワーク
核ゴミの行き場はない! 福島は終わっていない! 
沸騰水型原発の再稼動反対! 東電に原発動かす資格なし!

全国各地からの生の報告(全10本)
《青森》山田清彦(核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団)
 六ヶ所再処理工場とむつ中間貯蔵施設の実態
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 活断層に囲まれた島根原発2号機の再稼働は中止すべきだ!
《四国電力》名出真一(伊方から原発をなくす会)
 伊方原発3号機の即時廃炉を!!
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 大地震の脅威を無視し原子力災害対策指針改訂でお茶を濁す原子力規制委員会

[反原発川柳]乱鬼龍

私たちは唯一の脱原発雑誌『季節』を応援しています!

LGBT犯罪録 かなざわシャブのま事件──金沢レインボープライド事務局長が覚醒剤で逮捕〈4〉 森 奈津子

2024年3月下旬、金沢レインボープライド事務局長・奥村兼之助氏(50)が覚醒剤を所持、「かなざわにじのま」で使用したとして逮捕。その後、金沢地裁に覚醒剤取締法違反容疑で起訴された。その事件が報道されたのは、3ヶ月近くが経過した6月4日の初公判の翌日だった。 その間、金沢レインボープライドは事件をひた隠しにしていた。あるLGBT活動界隈の方からは、「実は、金沢レインボープライドの一般スタッフにも、奥村氏逮捕は知らされていなかった。団体から彼が突然消えたことに関しては、幹部同士でけんかや対立があったのではないかという憶測だけが流れていた」との情報も寄せられた。これが事実なら、金沢レインボープライド幹部は運動を支える仲間たちにも事件をひた隠しにしてきたということになる。不誠実極まりないと言えはしないか? 奥村氏逮捕を知ったLGBT当事者の間では、当然、金沢レインボープライドに対する批判の声があがった。「報道がなければ、ずっと隠すつもりだったのか?」「身内の犯罪に甘すぎる!」と。 それにあわてたのか、金沢レインボープライドは逮捕報道の直後に、公式HPとXで次のような謝罪文を発表した。
 ご報告とお詫び  本年3月に弊団体元スタッフ1名が覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕・ 起訴されました。  このような事件が発生したことは誠に遺憾であり、関係の皆様方に多大なるご心配とご迷惑をお掛けしておりますことに対し、 深くお詫び申し上げます。また、警察の捜査に対してはすでに全面的に協力しておりま すことを申し添えます。  今後は裁判の行方を見守り、事実関係を踏まえ厳正に対応してまいります。また、弊団体全スタッフの法令順守の取り組みを一層徹底してまいります。                           2024年6月5日                           金沢レインボープライド
逮捕された事務局長の名前だけでなく、代表者名まで伏せた謝罪文
この短い「ご報告とお詫び」文書に、LGBT当事者はざわついた。 「『元スタッフ』って、なに? 逮捕されたときには事務局長だったよね?」 「しかも匿名?」 「事務局長って言ったら、普通、団体代表に次ぐナンバー2でしょ? それがシャブ歴20年のうえ、運営施設でキメてたのに、これで終わらせるつもりか?」 「団体代表の名前すら出さずに、謝罪? なにコソコソしてるのよ!」 「これだけ? こんな簡単な詫び文で済ませるつもり?」 実は、事件の悪質性や社会に及ぼす影響以外にも、LGBT当事者から見るとツッコミポイントがあったのだ。 皆様は、2023年3月に岸田文雄首相の秘書官・荒井勝喜氏がLGBT差別的な発言をし、LGBT活動家が「差別だ!」と大騒ぎし、辞任に至った事件は、覚えておいでだろうか? あれは元々、オフレコとして荒井秘書官が口にしたものを、毎日新聞電子版が記事にしてしまい、騒ぎに発展したものだった。 以下に、その記事を引用する(https://mainichi.jp/articles/20230203/k00/00m/010/329000c)。
首相秘書官、性的少数者や同性婚巡り差別発言/毎日新聞/2023年2月3日  LGBTQなど性的少数者や同性婚のあり方を巡り、経済産業省出身の荒井勝喜首相秘書官が3日夜、記者団の取材に「僕だって見るのも嫌だ。隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」などと差別的な発言をした。首相官邸でオフレコを前提にした取材に対し発言したが、進退問題に発展しかねず、国会で岸田文雄首相の任命責任が問われる可能性がある。  記者団は1日の衆院予算委員会で岸田首相が同性婚の合法化などについて「社会が変わっていく問題だ」などと述べたことについて質問。荒井氏は「社会に与える影響が大きい。マイナスだ。秘書官室もみんな反対する」などと発言したほか、「人権や価値観は尊重するが、同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」との趣旨の言及もあった。【高橋恵子】
毎日新聞のオフレコ破り記事。末尾には「高橋恵子」との署名あり
この報道を受け、ただちに荒井秘書官は謝罪し、発言を撤回。岸田首相も謝罪し、彼を更迭した。 しかし、このとき、活動家ではないLGBT当事者は、荒井氏よりもマスコミに対して非常に辛辣な感想を洩らしていたのである。 「オフレコを前提にした発言を記事にするなんて、毎日新聞の記者が非常識なだけ」 「同性愛者を『見るのも嫌だ』という人がいても、べつにいいんじゃない? いちいち大騒ぎするようなことかしら?」 「差別的な本音を口にするのはどうかと思うけど、オフレコ発言を記事にする記者のほうがヤバくない?」 「まーた、LGBT活動家がLGBT商売のネタに食いついてるよ。まさに虹ヤクザ」 さらにはその後、複数のLGBT団体の者が官邸に押しかけ、岸田首相に謝罪させたのを、皆様は覚えておいでだろうか? あの中の一人が、金沢レインボープライド代表の松中権氏だったのである。 今でも確認できるウェブ媒体の中で、団体名を明記している日刊スポーツの記事を、ここでご紹介する(https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202302170001287.html)。 実は、マスコミ報道の中には、彼らLGBT活動家をまるで一般のLGBT当事者であるかのように報じるケースも多く、油断できないのである。
岸田文雄首相「不快な思いさせた」性的少数者の支援団体と面会し直接謝罪 元秘書官の差別発言/日刊スポーツ/2023年2月17日  岸田文雄首相は17日、LGBTなど性的少数者を支援する団体と官邸で面会し、元首相秘書官による差別発言を謝罪した。「極めて不適切。多くの方に不快な思いをさせたことを心からおわびを申し上げたい」と述べた。  今月3日に元秘書官の差別発言が出た後、首相が関係者に直接謝罪したのは初めて。「多様性が尊重され、すべての人々が互いの尊厳を大切にする社会を目指すべく努力していかなければならない」と述べた。  面会は、予定時間を超えて約50分に及んだ。「プライドハウス東京」「LGBT法連合会」「ReBit」の3団体の関係者が出席した。  出席者によると、首相は1日の衆院予算委員会で、同性婚の法制化に関して「社会が変わってしまう課題」と発言した真意について「ネガティブな意味ではない」などと釈明。今後は、団体側の意見を参考にする考えも示したという。  支援団体側は面会の中で、首相に差別禁止法や同性婚の法制化を要請した。LGBT法連合会の神谷悠一事務局長は、面会後の取材に「(この日の面会を経て)抜本的に政策が加速し、変化していくことを期待している」と話した。  首相はまたこの日付で、森雅子首相補佐官を、新たにLGBT理解増進担当に任命した。性的少数者の人権問題を専門に担当する首相補佐官の創設は、支援団体側が求めていた。
──はい、首相官邸に押しかけたLGBT団体の名がちゃんと記録されていますね。「プライドハウス東京」「LGBT法連合会」「ReBit」。 この中の「プライドハウス東京」の代表として首相に謝罪を迫ったのが、松中権氏だ。大物LGBT活動家である彼は、「金沢レインボープライド」の他にも、複数のLGBT団体を運営しているのである。 この報道で、Yahoo!ニュースは、岸田首相が松中氏に頭を下げているかのような写真を記事に使用した。動画を確認すると、実はこれは、首相が書類をテーブルの上に置こうと身をかがめた一瞬のことだったとわかる。LGBT活動家の威光を示して首相を貶めたいという反権力気取りの担当者が、わざわざこの画像を切り取ったのだろう。
ほぼ捏造に近い切り取り。偏向報道と呼ぶには、あまりにもセコい
当然、LGBT当事者はYahoo!ニュースの報道に不快感を示した。 「まーた、松中が『いいとこ取り』するために、わざわざ金沢から上京してきたよ」 「LGBT活動家とズブズブのマスコミが、卑怯な切り取りをして!」 「プライドハウス東京、LGBT法連合会、ReBit……LGBT商売がうまい団体ばかり」 「私たちの代表者ヅラして、首相に謝罪させるなんて、あいつら、何様のつもり?」 「LGBT差別禁止法だの同性婚法制化だの、こっちは望んでいないのに、また、勝手なことを……」 「あいつらに出し抜かれたLGBT活動家たちが、一番、ムカついてることでしょうね。笑うわ」 元々底意地が悪いLGBT当事者の反発と罵倒と嘲笑に恐れをなしたのか、Yahoo!ニュースはただちに「岸田首相の謝罪写真」を別のものに差し替えたが、今もそれは、ネット上のウェブ魚拓サイトに残っているのである(https://archive.md/x64zJ)。 ──と、そんな背景もあり、2024年6月、LGBT当事者は金沢レインボープライドの大変簡素な謝罪文に怒りを表明したのだ。 「自分は岸田首相のところに押しかけて、謝罪を求めておきながら、いざ身内が不祥事を起こしたら、こんな適当な謝罪文で済ませるって、どうなの?」 「単なる失言と、覚醒剤所持・使用とでは、どっが問題だと思っているのかしらね?」 「他人に厳しく、自分に甘い。これで人権を叫んでいるのだから、笑えるわ」  この謝罪文に対し、ゲイ当事者であるY@su氏(@Yasoo___Japan)が鋭い批判をXに投稿されているので、当事者の声の一つとして、ここにご紹介したい(https://x.com/Yasoo___Japan/status/1798533638910562751)。
「LGBT関連団体」は、当事者が選挙で選んだ訳でも無いのに当事者の代表と言えるのか──ゲイ当事者Y@su氏の問題提起に、皆様はどうこたえますか?
石川県金沢市で「かなざわにじのま」を運営する「金沢レインボープライド」の元事務局長が「覚醒剤使用」の疑いで起訴されていた事が発覚した。「金沢レインボープライド」は「LGBT活動」に深く携わり「婚姻平等」など、様々なLGBT政治運動で重要な役割を担っている、松中権氏が代表を務めている。 その様な団体の運営する「拠点内」で「組織幹部の事務局長」が「常習的に覚醒剤を使用していた」と言うのは尋常では無い。しかも、元事務局長は「20年以上に渡る覚醒剤使用歴」を供述しており、それが事実なら「極めて強い常習性」が認められる。 代表の松中氏は「知らなかったので驚いた」などと、まるで「他人事」の様に発言しているが「最高責任者としての責任感が疑われる態度」だと言わざるを得ない。常習的に「組織の拠点内で覚醒剤を使用」されていて「気付かない」と言うのは、一体どの様な管理・運営がされていたのか。これでは「金沢レインボープライド」のガバナンスは「組織の体」を為しておらず、最早「解体」すべきレベルである。当然だが、松中氏の組織トップとしての「管理責任」は免れ得ず、何故「分からなかった」のか「どの様な施設管理がなされていたのか」などをキチンと究明すべきだ。 本件は「公金を使った公的性格を有する施設内での、常習的覚醒剤使用」であり「松中氏を含むメンバー全員の薬物検査」と「その結果の公表」は必須である。その上で、松中氏は「普段のLGBT活動での声の大きさを超える大きな声」で「事の顛末と、組織内の調査結果」を発表する責務がある。それにもかかわらず、何ら詳細な説明の無い「ありきたりの謝罪文だけが書かれた紙切れ一枚だけ」が提示されたが、人を馬鹿にするにも程がある。 更に、本件は「3月下旬に起訴されていた」にも関わらず、2ヶ月以上何らの発表もしなかった事も「隠蔽」の誹りを免れ得ない。 昨年の「政府高官の差別発言騒動」の際には「大騒ぎして糾弾」し「岸田首相を謝罪に追い込んだ」事を、まさか忘れてはいないだろう。その当人が「都合の悪い事にはダンマリ」を決め込み「曖昧にお茶を濁す様な態度」を取る事が許される筈も無い。 この様な態度を取り続ければ、松中氏の発言の信憑性は失墜し、今後幾ら「LGBTの権利」を主張しても「自らの事が先と鼻で笑われるのが関の山」だと言うほかない。(つづく)

◎森奈津子 LGBT犯罪録 かなざわシャブのま事件  ── 金沢レインボープライド事務局長が覚醒剤で逮捕
〈1〉http://www.rokusaisha.com/wp/?p=50290
〈2〉http://www.rokusaisha.com/wp/?p=50306
〈3〉http://www.rokusaisha.com/wp/?p=50381
〈4〉http://www.rokusaisha.com/wp/?p=51912
〈5〉https://www.rokusaisha.com/wp/?p=52094

▼森 奈津子(もり・なつこ) 作家。1966年東京生。立教大学法学部卒。1990年代よりバイセクシュアルであることを公言し、同性愛をテーマにSFや官能小説、ファンタジー、ホラー等を執筆。 Xアカウント https://x.com/MORI_Natsuko 森奈津子 LGBTトピック https://x.com/morinatsu_LGBT
 
斉藤佳苗『LGBT問題を考える 基礎知識から海外情勢まで』

KICK Insist 21 メインイベンターは今が旬の瀬戸睦雅! 堀田春樹

ルンピニースタジアムのONE FRIDAY FIGHTS(ONE Championship)で2連勝の睦雅は堂々たるメインイベンターとして力強いTKO勝利。

瀧澤博人は再起戦を飾れず、元・ムエタイ2大殿堂上位ランカーに屈す。

皆川裕哉、期待の初防衛は成らず。19歳の新星、勇成が王座奪い獲る。

細田昇吾、先を見据えた大舞台に向けて前進の大差判定勝利。

KICK Insist 21 / 11月17日(日)後楽園ホール17:15~20:49
主催:VICTORY SPIRITS / 認定:ジャパンキックボクシング協会(JKA)

戦績はプログラムを参照し、この日の結果を加えています。

◆第12試合 63.0kg契約 5回戦

JKAライト級チャンピオン.睦雅(=瀬戸睦雅/ビクトリー/ 1996.6.26東京都出身/63.0kg)
25戦19勝(12KO)4敗2分
vs
ユッタカーン・コー・プラサートジム(チェンマイStadiumライト級Champ/タイ/ 62.9kg)
76戦55勝19敗2分(推定)
勝者:睦雅 / TKO 2ラウンド 2分50秒
主審:西村洋

初回、睦雅はローキックで牽制とパンチを打ち込む距離を探る展開で、ヒジ打ちを狙っていそうな相手の出方を覗いつつ、前進気味にローキックでプレッシャーを与えていく。首相撲になっても組み負けないバランスを保つ。

第2ラウンドも睦雅が距離を詰め、ユッタカーンをロープ際に追い詰めローキックを蹴り込む展開が続くと効いてきた様子が窺え、パンチやヒジ打ち、ローキックでダメージを与え、空いたボディーへヒザ蹴りでノックダウンを奪って圧勝ムード。

ユッタカーンに圧力掛けて後退させる睦雅

最初のノックダウンを奪った睦雅の左ヒザ蹴り

再開後にボディブローを決め、カウント中のレフェリーストップに追い込んだ。睦雅は今年KICK Insistに於いて3勝(2KO)とONE FRIDAY FIGHTSで2勝(2KO)と5連勝を築いた。

フィニッシュブローは空いたボディーへ左フック炸裂させた睦雅

睦雅は「今日はコンデション的には、勝ったから言えるとことですけど、あんまり良くなくて、ずっとここ3週間ぐらい体調不良で、あまり追い込めなかったところもあったのですが、“5ラウンドまで長期戦でいく”、そういう崩し方も出来るというのを見せたくて、相手のリズムで敢えて戦ってみようかなと、自分のギアではなくて相手のリズムで1ラウンド終わって、“ヒジもパンチも見えるな”と思ってまあ大丈夫だなと、このまま相手のリズムで倒してやろうという流れで、結果、倒せました。」

ボディーブローについては、「下(脚)を凄く意識されていたので、ローキック対策されているのかという感はありましたが、その分、腹が残るので狙えるとなと。」と語り、会長からの対策もあって試しながらの結果がKOに繋がった様子でした。

ONEが行われるルンピニースタジアムの雰囲気について=「ONEは満員に近いぐらい入っているので、昔のムエタイと違う雰囲気でもあり、独特な選手が立つ場という感じがして僕は好きです。皆が目指す舞台になっていくと思います。」と語られました。

 
ノックダウンの後に、似た形のヒジ打ちを喰らった瀧澤博人

◆第11試合 58.0kg契約3回戦

WMOインターナショナル・フェザー級チャンピオン.瀧澤博人(ビクトリー/1991.2.20埼玉県出身/ 57.8kg)
42戦26勝(14KO)12敗4分
vs
ファーモンコン・タエンバーンサエ(元・ラジャダムナン系バンタム級2位/タイ/ 58.0kg)
151戦103勝46敗2分(推定)
勝者:ファーモンコン / 判定0-3
主審:勝本剛司
副審:椎名28-29. 西村28-29. 中山28-29

瀧澤博人は7月28日のWMO世界フェザー級王座決定戦でペットタイランドに僅差の判定負けで目指していた王座を手にすることは成らず。9月にはラジャダムナンスタジアムでも判定負けの模様。

初回の蹴りの応酬の様子見は瀧澤博人もハイキックを加えた蹴りで前進。

第2ラウンドはファーモンコンが距離を詰めて来てパンチを打ち込むファーモンコン。更に相打ち気味に右縦ヒジ打ちを顔面に打ち込み、瀧澤博人はノックダウンを喫した。

鼻血を流しながら立ち上がる瀧澤博人。ヒジ打ちで倒しに掛かるファーモンコン。組み付くとヒザ蹴りで攻め込む。

第3ラウンドには瀧澤のパンチか、ファーモンコンも鼻血を流し、蹴りの距離に戻った流れで瀧澤が追うが、ファーモンコンも逃げ切って終了。瀧澤は再起戦を飾れず。

ファーモンコンの右ヒジ打ちを喰らってノックダウンを喫した瀧澤博人

◆第10試合 ジャパンキック協会フェザー級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン初防衛戦.皆川裕哉(KICKBOX/1997.4.11東京都出身/ 57.0kg)
27戦14勝(2KO)11敗2分
vs
挑戦者1位.勇成(Formed/2005.8.17福岡県出身/ 57.15kg)9戦8勝(5KO)1敗
勝者:勇成(新チャンピオン) / KO 3ラウンド 2分42秒
主審:少白竜

初回は蹴りとパンチの探り合いの様子見から勇成が右ストレートでノックダウンを奪う。しかしこのラウンドは無理に出ず冷戦な皆川裕哉。何が当てられるか試しながら後半に持ち込む5回戦の戦い方を理解している流れだったが、第2ラウンドも静かな戦いとなってパンチの交錯は見られたが、ジャッジは揃って勇成を付け、ここまで3ポイント差が付く流れ。

第3ラウンドには勇成がパンチで攻めて来た。皆川裕哉も応戦しながら蹴りで攻める。勇成は前蹴りからパンチで攻め、右ストレートでノックダウンを奪うと、皆川は足下フラ付く状態でテンカウントを聞いた。

勇成と皆川裕哉の一触即発のヒジ打ちと右ストレートの交錯

◆エキシビジョンマッチ2回戦

ラジャダムナン系スーパーフライ級Champion.名高・エイワスポーツジム(吉成名高/エイワスポーツ)
EX
キヨソンセン・ビクトリージム(元・WMCインターコンチネンタル・スーパーフェザー級Champ/タイ)

12月1日にムエタイ王座防衛戦を控える吉成名高がエキシビジョンマッチを行ない、身軽なフットワーク見事な蹴り合いのコンビネーションで調整具合を披露した。

吉成名高が終了間際に最高の仕上がりを見せた飛び前蹴り

◆第9試合 スーパーフライ級3回戦

JKAフライ級1位.細田昇吾(ビクトリー/1997.6.4埼玉県出身/ 51.9kg)
22戦14勝(3KO)6敗2分
vs
ローマペット・プロムロブ(ジットムアンノンStadiumライトフライ級5位/タイ/ 51.7kg)
59戦40勝17敗2分
勝者:細田昇吾 / 判定3-0
主審:中山宏美
副審:椎名30-28. 西村30-28. 勝本30-27

様子見の蹴り中心のせめぎ合いもリズム掴んでローキックからパンチ当てるのが上手い細田昇吾。早々に主導権奪った展開で終盤まで勢い付いていく。ローマは蹴り技持っているが細田にペース奪われて出し切れない困惑気味の表情。相手の持ち味を殺して主導権支配した細田昇吾が内容的にも大差判定勝利。

細田昇吾が圧倒してローマペットのリズムを完全に崩していく

細田昇吾は「1ラウンドから行けるかなと力んでしまって、ちょっと倒しに行こう、倒そうとし過ぎたなという印象でした。100の力で打っちゃったんで、そこの緩急の付けがちょっと甘かったなという反省です。」

当てるのが上手かったなと言う声については、「まだまだです。先輩方に比べたら全然なので。」

来年王座挑戦は?
「やりたいですね。交渉事もあるので時期は分かりませんが。」

目標とするものは?
「睦雅さんがONEに出ているので、そういう背中追って行きたいなと思っています。ああいう勢い有る団体は世界の強い奴が集まっている団体で本当に世界一と言えると思うので、まずは一歩ずつ獲っていく思いです。」と語られました。

◆第8試合 フェザー級3回戦

JKAフェザー級2位.樹(治政館/2004.10.12埼玉県出身/ 57.0kg)
15戦7勝(4KO)7敗1分
vs
同級6位.石川智崇(KICKBOX/ 57.0kg)7戦3勝3敗1分
勝者:樹 / TKO 1ラウンド 2分27秒
主審:少白竜

蹴りの様子見の両者、石川智崇がやや前進気味も樹は冷静に捌き、一瞬の左フックでノックダウンを奪うと石川は立ち上がるがしっかり立てずカウント中のレフェリーストップ。

樹 vs 石川智崇は、蹴りから繋ぐパンチへ流れを掴んで行く樹

◆第7試合 ウェルター級3回戦

JKAウェルター級2位.細見直生(KICKBOX/ 66.1kg)4戦4勝(1KO)
vs
同級5位.我謝真人(E.D.O/ 66.6kg)15戦3勝(1KO)10敗2分
勝者:細見直生 / 判定2-0
主審:西村洋
副審:椎名30-29. 中山30-29. 少白竜29-29

初回、細見直生は重い蹴りとパンチでやや優勢も、後半は接近戦での蹴りを交えた打ち合いは我慢比べの互角の展開が続き、細見直生が序盤の勢いを維持してポイントを譲らず判定勝利。

◆第6試合 ライト級3回戦

JKAライト級2位.貴雅(治政館/ 60.9kg)33戦19勝(3KO)14敗
vs
同級5位.菊地拓人(市原/ 61.1kg)7戦5勝(3KO)2敗
勝者:菊地拓人 / KO 2ラウンド 31秒
主審:勝本剛司

貴雅は蹴りで前進の中、菊地拓人の正面に立った辺りで右ストレートを受け、ノックダウンし立ち上がれずテンカウントを聞いた。

◆第5試合 バンタム級3回戦

JKAバンタム級3位.紫希士(Formed/ 53.2kg)4戦3勝1分
vs
花澤一成(市原/ 53.45kg)9戦1勝(1KO)5敗3分
引分け 三者三様
主審:椎名利一
副審:西村29-30. 勝本29-29. 少白竜29-28

ハイキックやミドルキック、前蹴りは花澤一成の蹴りのリズム。第2ラウンドから紫希士が首相撲で強く出て来て接近戦のペースを掴む。パンチは貰いたくない花澤一成との攻防は一進一退で終了した。

◆第4試合 女子スーパーフライ級3回戦(2分制)

ミネルヴァ・スーパーフライ級3位.YURIKO・SHOBUKAI(尚武会/52.4→52.4→52.1kg)
13戦5勝5敗3分
vs
同級7位.響子JSK(治政館/ 51.6kg)11戦3勝5敗3分
引分け 三者三様
主審:中山宏美
副審:椎名30-29. 勝本29-29. 西村29-30

◆第3試合 アマチュア61kg以下2回戦(90秒制)

竹森万耀(JKAアマチュア・フェザー級初代覇者/治政館) vs 篤志(team JSA)
勝者:竹森万耀 / 判定3-0 (20-18. 20-18. 20-18)

◆第2試合 アマチュア55kg以下2回戦(90秒制)

草野大翔(ビクトリー) vs 古川在冴都(ONE LINK)
勝者:草野大翔 / 判定2-0 (20-18. 19-19. 20-19)

◆第1試合 アマチュア65kg以下2回戦(90秒制)

木村大夢(KIX) vs 隈澤匠永(BURNING)
勝者:木村大夢 / 判定3-0 (20-18. 20-18. 20-18)

 
昨年の新人賞受賞の勇成が新チャンピオンとなった

《取材戦記》

ビクトリージム3羽烏の瀧澤博人、睦雅、細田昇吾はそれぞれの明暗は分かれるも、持ち味を発揮した試合でした。瀧澤博人は相手をどう攻略するかが期待される中の、相打ち気味の1瞬先を打たれた流れの悔しい敗戦だが、睦雅は今話題のONE FRIDAY FIGHTに出場して2連勝という勢いが存在感を示しました。

細田昇吾は先輩方に負けない練習量で、相手を圧倒する展開での判定勝利。皆川裕哉は目黒の教訓、“防衛してこそ真のチャンピオン”を成し遂げようと以前から宣言していたが、あっさり倒されてしまう大失態。改めて防衛の難しさが表れる一戦でした。

新チャンピオンの勇成は今年3月24日興行で、このジャパンキックボクシング協会の2023年の新人賞を受賞。7月28日に挑戦者決定戦で樹(治政館)に判定勝利して挑戦権獲得。

樹は5月に市原で皆川裕哉とノンタイトル戦で対戦。そこでは皆川裕哉が余裕の判定勝利しています。

今年3月24日に王座決定戦で櫓木淳平(ビクトリー)を倒して新チャンピオンとなった皆川裕哉。同日、ジャパン・ウェルター級王座初防衛戦で政斗(治政館)に倒され、防衛成らなかった大地フォージャー(誠真)がいました。今年はジャパンキックボクシング協会に於いては2人のチャンピオンが初防衛成らず。倒されて陥落という結果が残りました。

王座が入れ替わる瞬間とは物悲しくもあり、新たなチャンピオンが誕生する新鮮さがあり、昔は日本の頂点におけるタイトルマッチで、こんな衝撃の王座交代劇が幾つもあったものである。最近は防衛しないで返上が多く、こんな記憶に強く残る交代劇が少なくなった時代です。

この日はエキシビジョンマッチながら吉成名高の存在も大きいものでした。一昨年、昨年とKICK Insist、11月興行には2年連続で出場していた吉成名高は、今年は2週間後の12月1日、横浜大さん橋ホールで、ペットヌン・ペットムエタイジム(フランス)と王座3度目の防衛戦を控える中でのエキシビジョンマッチ出場で、身軽なフットワーク、技の切れ味を披露しました。

来年のジャパンキックボクシング協会は、3月23日(日)会場未定、7月13日(日)後楽園ホール、9月15日(月・祝)新宿フェース、11月23日(日・祝)後楽園ホールが予定されています。他、日時未定ながら市原ジム主催興行も予定されています。

睦雅がどこまで躍進するかが2025年の見所でしょう。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

『紙の爆弾』2025年1月号に寄せて 『紙の爆弾』編集長 中川志大

総選挙前の11月号で本誌が挙げた論点は、「食」「消費税」「対米自立」でした。裏金問題から自公政権が惨敗した選挙結果は歓迎すべきものの、肝心の政策に関する議論が十分に行なわれたとはいえません。「自民党にお灸をすえる」という言い方がなされますが、すえ終われば戻るとすれば、より悪い形で自公政権が継続・復活する危惧もあります。選挙後になって「103万円の壁」が議論されているものの、“本題”は消費税です。

そうした状況にあって、mRNA・レプリコンワクチンの問題を含め、真正面から課題を挙げながら当選(佐賀1区)した立憲民主党・原口一博衆院議員にインタビューしました。原口議員に対しては、総選挙期間中の10月25日、レプリコンワクチンを製造するMeiji Seikaファルマが名誉毀損訴訟の提訴方針を公表。ただ、その後約1カ月後のインタビュー時点でもMeiji社は「準備中」としており、同社の狙いを違った観点から分析する識者もいます。詳細は本誌記事をぜひお読みください。なお原口議員については、11月号でも植草一秀氏の政治団体「ガーベラの風」講演を紹介しています。あわせてご一読をお願いします。

命を守るという意味で、食の安全は医療の安全と重なります。ただしその際には、そもそも「医療」とは何かという問いも必要です。また、旭川の少女に強いられた非合理な投薬、「ワクチン」という名の遺伝子製剤。企業や政府、医療界の意向が優先されている現状は、十月号の和田秀樹医師や、十二月号の内海聡医師が重要な指摘を行なっています。これらに対峙する時、医療で守る「健康」とは何かを問う必要があります。

今月号では、日本のメディアで報じられない中国の技術発展について現地レポートしました。その中国で、自動車の暴走など「無差別殺傷事件」が相次いでいます。日本の報道では背景として、しばしば政府への不満や「社会への報復」といったことが語られています。しかし、日本やアメリカでも、放火や銃乱射をはじめ、同様の事件は起きています。アメリカで銃規制の議論がある程度で、政府批判につなげられることはありません。「闇バイト」の背景に、自公政権の悪政を指摘するのは、それなりの説得力がある気もしますが、そんな分析は皆無です。これもプロパガンダ報道と見ていいと思われます。「中国の脅威」の煽り報道を正当化しようとしているのかもしれません。

イスラエル・ネタニヤフ首相の演説を分析すると、同氏が“戦術”として用いる「反ユダヤ主義」の実態が見えてきます。日本ではその影響力がわかりづらいものの、たとえばフランスのテレビでは、ガザの廃墟や避難民のキャンプは映っても、血にまみれた子どもの姿は流されません(12月号記事参照)。今月号で重信房子氏らが詳細に指摘しているとおり、米国トランプ政権もイスラエル・ロビーとの密接な関係が指摘されており、戦争や虐殺をどう止めるかが、今後より問われています。その際には、国連のあり方にもメスを入れる必要があります。

ほか、パリ五輪の女子ボクシング競技で勃発した“染色体騒動”の新展開、“政変”に見舞われたフィリピン前官房長官インタビュー、「稲村ジェーン」ゆかりの鎌倉名物カフェが突きつけられた“立ち退き”問題など、本誌ならではのレポートが今月も満載です。ぜひ全国書店でご確認をお願いいたします。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2025年1月号

『紙の爆弾』2025年 1月号
A5判 130頁 定価700円(税込み)
2024年12月07日発売

原口一博衆院議員インタビュー レプリコン訴訟恫喝の深層 編集部
これは「ワクチン」ではない mRNA・レプリコンワクチンが「人体実験」といえる理由 青柳貞一郎
「反ユダヤ主義」とは何か 米欧を籠絡するイスラエルの戦略 広岡裕児
旭川女子中学生凍死事件「再調査」が隠蔽した真実 野田正彰
今後の政権交代も阻む「自公国政権」国民民主党はやはり“隠れ自民党” 横田一
自公「少数与党化」で何をすべきか 官僚に支配された国会を取り戻す 足立昌勝
尾を引く「三つの敗因」石破自民党“惨敗”後の内幕 山田厚俊
語られざる「中国脅威論」の実相 中国の宇宙支配と「人体改造」計画 浜田和幸
パリ五輪「女子ボクシング染色体問題」決断を迫られる「スポーツと性別」片岡亮
重信房子氏が語る展望 トランプ第二次政権とガザ大虐殺の行方 浅野健一
フィリピン前官房長官が語る 東アジアの危機とフィリピン政争の裏側 木村三浩
ジャニーズ「紅白ゼロ」松本「提訴取下げ」二つの“性加害”問題 終結の行方 本誌芸能取材班
パリ五輪「女子ボクシング染色体問題」決断を迫られる「スポーツと性別」 片岡亮
mRNAワクチン、毒素兵器、バイオハザード(前編) 佐藤雅彦
鎌倉「ヴィーナスカフェ」立ち退き問題が炙り出す市政の闇 青山みつお
シリーズ 日本の冤罪 ロス疑惑 片岡健
「カウンター大学院生リンチ事件」から十年(上) 松岡利康

〈連載〉
あの人の家
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け 西田健
「格差」を読む 中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座 東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER Kダブシャイン
「ニッポン崩壊」の近現代史 西本頑司
まけへんで!! 今月の西宮冷蔵

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DPPQF4ML/

僕が放射性廃棄物の地層処分に反対する理由〈6〉寿都町も神恵内村も玄海町も、その岩盤層は地層処分に適さない 平宮康広(元技術者)

◆2.3. 寿都温泉(ゆべつの湯)と玄海海上温泉パレア

僕は、すでに述べた地熱の問題、地層の深さや地下水の問題を経産省資源エネルギー庁とNUMOが開催した説明会で何度も指摘したのですが、彼らの無知と不勉強に呆れました。後日、自民党富山県連の政調会長が、「経産省資源エネルギー庁とNUMOはバカと詐欺師の集まりか!」といったと知り、少し安堵しました。高レベル放射性廃棄物=ガラス固化体とTRU廃棄物を富山県内で地層処分する計画は、なくなったかもしれません。

しかし、その後経産省資源エネルギー庁とNUMOは、北海道での地層処分を計画し、寿都町と神恵内村で文献調査をはじめました。さらに佐賀県の玄海町でも文献調査をはじめようとしています。僕には、寿都町も神恵内村も、地層の深さや地下水の問題は富山市と同様であるように思えます。また、玄海町は、地下水の問題もあるでしょうが、岩盤層がかなり高温で、地層処分は無謀であると考えます(僕は、本稿の内容は、地層処分に反対しておられる北海道や佐賀県のみなさんに役立つ内容になっていると自負しています。大いに活用してください)。

北海道寿都町には、寿都温泉(ゆべつの湯)という町営温泉施設があります。寿都温泉は、小泉元首相が原発に反対する講演をした、記念すべき場所でもあるのですが、ひょっとして、寿都温泉の温泉水は、日本のどの温泉施設よりも良質な温泉水かもしれません。[表4]は、寿都温泉の温泉水の水質です。

[表4]

寿都温泉の温泉水の水質は弱アルカリ性ですが、1リットルあたりの塩素イオンが10550.0mg、ナトリウムイオンが4125.0mgです。そして、硫酸イオンが1195.0mg、カルシウムイオンが2428.1mgです。塩化ナトリウム=塩と硫酸カルシウムが混ざっていることが、「名湯」の条件ですが、これほど多量の塩化ナトリウム=塩と硫酸カルシウムが混ざり合っている温泉水は他にないと思います。寿都温泉の温泉水の水質は弱アルカリ性ですが、アルカリ性温泉水の効用があり、酸性温泉水の効用もあります。

むろん、ここで重視すべきことは寿都町の地層です。[表3]の富山市内の5つの温泉施設のうち、城南温泉病院の礫層下位層に「八尾塁層」、今泉温泉病院の礫層下位層に「シルト混じり砂互層」という記載があります。どちらも火山灰です。すなわち、過去は海で、火山灰が降り注いで陸地になった地域です。寿都町の地層は不明ですが、寿都温泉の温泉水は多量の塩化ナトリウム=塩と硫酸カルシウムを含んでいます。したがって、寿都町も過去は海で、火山灰が降り注いで陸地になったと考えることができます。

[表3]

寿都温泉の温泉井戸の孔底深度は不明ですが、寿都町の岩盤=花崗岩層は、おそらく500~750m以深でしょう。しかしNUMOは、文献調査と称して寿都町の地理を調べたように思いますが、不勉強な彼らが寿都町の岩盤=花崗岩層は500~750m以深であると認識する場面はおそらくないと思います。

ちなみに、神恵内村にも町営の温泉施設があります。温泉水の水質や温泉井戸の孔底深度はわかりませんが、神恵内村の岩盤=花崗岩層もおそらく500~750m以深であると思います。

鈴木直道北海道知事も反対しておられるので、NUMOが、岩盤=花崗岩層が500~750m以深の寿都町や神恵内村で高レベル放射性廃棄物=ガラス固化体とTRU廃棄物を地層処分する場面はないと思います。しかし、NUMOが文献調査をはじめようとしている、佐賀県の玄海町はどうでしょうか。

玄海町には原発があます。山口祥義佐賀県知事は反対していますが、経産省資源エネルギー庁とNUMOは、原発立地地域のほうが地層処分の同意を得やすい、と考えているかもしれません。しかし、原発がなくても、玄海町での地層処分は無謀です。
玄海町に、玄海海上温泉パレアという温泉施設があります。玄海海上温泉パレアの温泉水の水温や水質、温泉井戸の孔底深度はわかりませんでしたが、隣接する唐津市の呼子台場の湯の温泉水はラジウム泉です。ラジウムの融点は696℃です。唐津市の岩盤層はかなりの高温で、玄海町の岩盤層も同様であると考えます。(つづく)

◎平宮康広 僕が放射性廃棄物の地層処分に反対する理由(全7回連載)
〈1〉日本原燃が再処理工場を新設する可能性
〈2〉ガラス固化体の発熱量は無視できても、地温は無視できない
〈3〉NUMOがいう地下300m以深の「岩盤」は、本当に「天然のバリア」なのか
〈4〉ガラス固化体以外の廃棄物が低レベル放射性廃棄物であるとの考えは、乱暴すぎる 
〈5〉地震や豪雨・豪雪で地下水系は大きく変わる
〈6〉寿都町も神恵内村も玄海町も、その岩盤層は地層処分に適さない

▼平宮康広(ひらみや・やすひろ)
1955年生まれ。元技術者。オールドウェーブの一員として原発反対運動に参加している。富山県在住。

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年夏・秋合併号《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2024年夏・秋合併号(NO NUKES voice 改題)
A5判 148ページ 定価880円(税込み)

《グラビア》
「幻の珠洲原発」建設予定地 岩盤隆起4メートルの驚愕(写真=北野 進
「さよなら!志賀原発」金沢集会(写真=Kouji Nakazawa

《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 原子力からこの国が撤退できない理由

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 なぜ日本は原発をやめなければならないのか

《報告》井戸謙一(元裁判官/弁護士)
 事実を知り、それを人々に伝える

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 核武装に執着する者たち

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
 課題は放置されたまま

《報告》森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
 原発被害の本質を知る

《インタビュー》北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団団長)
 珠洲原発・建設阻止の闘いは、民主主義を勝ち取っていく闘いだった

《対談》鎌田 慧(ルポライター)×柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
 東京圏の反原発 ── これまでとこれから

《報告》今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
「核融合発電」蜃気楼に足が生え

※          ※          ※

《回想》松岡利康(鹿砦社代表)
 創刊から10周年を迎えるまでの想い出

《墓碑銘》松岡利康(鹿砦社代表)
 お世話になりながら途上で亡くなった方への追悼記

《季節創刊10周年応援メッセージ》

 菅 直人(衆議院議員・元内閣総理大臣)
 守りに入らず攻めの雑誌を

 中村敦夫(作家・俳優)
 混乱とチャンス  

 中嶌哲演(明通寺住職)
「立地地元」と「消費地元」の連帯で〈犠牲のシステム〉を終わらせる

 水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
『季節』丸の漕ぎ手をふやして、一刻も早く脱原発社会を実現しよう

 山崎隆敏(元越前市議)
「核のゴミ」をこれ以上増やさないために

 今野寿美雄(「子ども脱被ばく裁判」原告代表)
 裁判も出版も「継続は力なり」

 あらかぶ(「福島原発被ばく労災損害賠償裁判」原告)
 隠された「被ばく労働」問題を追及し、報じてほしい

※          ※          ※

《報告》なすび(被ばく労働を考えるネットワーク)
《検証》あらかぶさん裁判 原発被ばく労働の本質的問題 

《報告》北村敏泰(ジャーナリスト)
 棄民の呻きを聞け 福島第一原発事故被害地から

《講演》和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
「復興利権」のメガ拠点 「福島イノベーション・コースト構想」の内実〈前編〉

《報告》平宮康広(元技術者)
 水冷コンビナートの提案〈1〉

《報告》原田弘三(翻訳者)
 COP28・原発をめぐる二つの動き
「原発三倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意

《報告》三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
 総裁選より、政権交代だ

《報告》板坂 剛(作家/舞踊家)
   タイガー・ジェット・シンに勲章! 問われる悪役の存在意義

《報告》山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
   山田悦子の語る世界〈24〉
   甲山事件50年を迎えるにあたり
   誰にでも起こりうる予期せぬ災禍にどう立ち向かうか(下)

《報告》大今 歩(高校講師・農業)
   洋上風力発電を問う 秋本議員収賄事件を受けて

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
 時代遅れの「原発依存社会」から決別を!
 政府と電力各社が画策する再稼働推進の強行をくい止める

《老朽原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 6・9大阪「とめよう!原発依存社会への暴走大集会」に1400人超が結集

《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
 女川原発の再稼働はあり得ない 福島事故を忘れたのか

《福島》黒田節子(請戸川河口テントひろば共同代表)
 浪江町「請戸川河口テントひろば・学ぶ会」で
 北茨城市大津漁協裁判で闘う永山さんと鈴木さんの話を聞く

《柏崎刈羽原発》小木曽茂子(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
 7号機再稼働で惨劇が起きる前に、すべての原発を止めよう!

《首都圏》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 福島原発事故の責任もとれない東京電力に
 柏崎刈羽原発を動かす資格はない!

《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
 静岡県知事と御前崎市長が交代して
「一番危険な原発」はどうなるか

《島根原発》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
 政治に忖度し、島根原発2号機運転差止請求を却下
 それでも私たちは諦めない!

《玄海原発》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会)
 玄海町「高レベル放射性廃棄物・最終処分場に関する文献調査」受入!

《川内原発》向原祥隆(反原発・かごしまネット代表)
 私たちは歩み続ける

《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 原子力規制委員会を責め続けて11年
 原子力規制委員会は、再稼動推進委員会・被曝強要委員会

《反原発川柳》乱鬼龍

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DB1GZ5CM/

◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000748

龍一郎揮毫

私たちは唯一の脱原発雑誌『季節』を応援しています!