広島県有地を借りて運営していた広島市西区の商業施設「広島マリーナホップ」が12月1日、営業を終え、約20年間の歴史に幕を下ろしました。2025年3月に県有地の賃貸借期限が切れることに伴うものです。2005年3月17日、海に面した広島市西区観音市町のこの場所に開業。敷地面積は112,509㎡中四国では当時は最大規模のアウトレットモールでした。

 

◆広島市内で唯一の水族館も閉鎖

筆者は、営業最終日の12月1日(日)、広島マリーナホップを訪れました。広島駅発マリーナホップ行きのバスに乗車すると、40分くらいで目的地に到着します。最終日とあって、多くの家族連れが詰めかけていました。

このマリーナホップには、アウトレットモールのほかにレストラン、また、遊園地や水族館もあります。

筆者は、2017年に開館したマリホ水族館をこの日は主に楽しみました。このマリーナホップは途中で二度、運営会社が変わっています。どん底にあった2017年に、三番目の運営会社がオープンさせたのがこのマリホ水族館です。広島市内で唯一の水族館です。筆者は子どもがいませんが、お子さんをお持ちの皆様には、お子さんと一緒に気軽に遊びに行ける広島市内でも貴重な施設であることは間違いありません。

この日は最終日とあって、水族館入り口にも長蛇の列ができていました。

水族館としては小規模ですが、カタクチイワシなど、様々な種類の小さな魚介類や広島市周辺の山岳地帯に多い水生生物などが飼われており、十分に楽しめる内容でした。

別館では、「生き物不思議発見」という企画展示も行われていました。なぜ、この生き物はこういう恰好をしているのか?そんなQ&Aは大人の筆者でも興味深く拝見し、勉強になりました。

この水族館で飼育されている生き物たちは、宮島水族館などに引っ越しするそうです。

ただ、小さいなりにいろいろ努力されてきたマリホ水族館がなくなることには、寂しさを感じます。

◆本当にマリーナホップ廃止で良かったのか?

実は、マリーナホップの運営会社は、存続を希望していたのです。広島県が期限切れの後の県有地の借主の公募を実施。マリーナホップの継続提案が退けられ、東京の自動車用品会社・トムスが提案した「モビリティーパーク」を県は最小したのです。

ただ、その後、広島トヨペットや広島マツダなど、地元大手企業は、このモビリティーパークの責任企業から撤退しています。

具体的な事業計画案も12月1日時点でも不明です。このため、地代がいくらになるかも現時点で決まっていません。そして、広島県は、中国新聞が情報公開請求した際も、企業秘密を理由に黒塗りの文書を開示しています。

そもそも、この場所は、JRや広島電鉄の駅からも遠く、道路も一時に比べれば改良されたものの、相変わらず、マリーナホップ付近では片側一車線のままです。そうした中で、マリーナホップは、2017年に水族館をオープンさせ、子どもたちを引き付けるなど、一定の努力をし、最近では黒字に戻っていたと伺っています。

湯崎英彦・広島県知事に申し上げたい。もし、モビリティーパークとやらが上手くいかなかったらどう責任を取るつもりか? 地元企業ではなく県外企業や人材を優遇する県政だからこそ、人口流出も止まらないのではないか?そのことを強く申し上げる次第です。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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