女子だけのマッチメイク第三弾 美しく激しい魅惑の超格闘技! 堀田春樹

幼い顔した若い選手から主婦クラスまで幅広い世代が入り混じった女子だけの興行第三弾は、ノックアウト勝利は一つも無く、ノックダウンも一つも無かったが、諦めない鬩ぎ合いで盛り上げを見せた。

NANAが昨年のGODDESSで対戦した上野hippo宣子を再び判定で下し初防衛。
NaoがWMC日本ピン級チャンピオンのMIREYを大差判定で下す。

◎GODDESS OF VICTORY Ⅲ / 3月16日(日)GENスポーツパレス16:15~19:47
主催:NJKFミネルヴァ実行委員会 / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)

◆第13試合 ミネルヴァ・スーパーフライ級タイトルマッチ 3回戦

選手権者初防衛戦 NANA(エス/ 52.16kg)24戦16勝6敗2分
        VS
挑戦者同級3位上野hippo宣子(ナックルズ/ 51.8kg)27戦7勝(1KO)17敗3分
勝者:NANA / 判定3-0
主審:中山宏美
副審:岡田30-27. 児島30-27. 梅下30-27

昨年4月14日のGODDESSに於いてのミネルヴァ・スーパーフライ級王座決定戦で、上野hippo宣子に判定勝利も、計量失格により王座奪還成らなかった元・チャンピオンNANAは、10月6日に新日本キックボクシング協会での王座争奪4人制ワンデートーナメントに於いて王座奪還。今回の初防衛戦は上野hippo宣子との再戦となった。両者のどんな成長が見られるかが注目された。

初回のパンチ中心の交錯からヒザ蹴り、前蹴り加えて出るNANA。上野の打って来るタイミングを見計らって身体を躱し、上野に肩透かしでバランスを崩すなど経験値で優り、蹴りが少ない展開の中でもNANAの蹴るタイミングが上手く、組み合ってのヒザ蹴りも技の多彩さで大きく優ったフルマークの判定勝利。

重いパンチの上野宣子を上回ったNANAの攻勢
NANAの蹴り技、ヒザ蹴りも攻勢を維持、試合運びの上手さが目立った

NANAは試合後、「本当はもっとキックを出したかったんですけど、脚が全然動かなくて、ウォーミングアップ不足でしたね。それでパンチだけに切り替えて、取り敢えず守ることに集中しました。上野さんは昨年よりパンチが重くなってて2ラウンド目から心折れかかりましたが、皆の応援の声があったから頑張れました。」

リング上のマイクでは、「35歳で引退するつもりでやって来ました。あと3ヶ月で35歳になります。あと一年で動きが無ければ進退を考えようと思っています。」とも語っており、この一年が新たな展開、上を目指す勝負となるだろう。

その今後については「ONE Championn Shipとか世界戦とか、国外でもやってみたいです。負けてもいいから強い人とやりたいですし、挑戦したいです。」とすぐ先を見据えた回答。

ミネルヴァ王座については「“防衛しろ”と言われているので浅井さん(スーパーバンタム級前ChampionのV2)に追い付かないといけませんね。」

引退までの目指す方向と、デビュー戦を終えた長女の応援アピールするNANA

今や親子で活躍する選手も増えた中、NANAの娘さんも第1試合でプロデビューしているという応援を促していた。

◆第12試合 ミネルヴァ・ピン級(100LBS)ノンタイトル3回戦(2分制)

アトム級チャンピオン.Nao(AX/ 45.3kg)10戦8勝(3KO)1敗1分
      VS
WMC女子日本ピン級チャンピオン.MIREY(WSR・F三ノ輪/ 45.15kg)20戦9勝10敗1分
勝者:Nao / 判定3-0
主審:マット(=テーチャカリン・チューワタナ)
副審:中山30-27. 児島30-27. 梅下30-27

Naoの蹴りの圧力、前蹴りで突き放し、組み合ってのヒザ蹴りも優った。MIREYも打ち合いに出るが巻き返すには至らない。終始圧倒したNaoがフルマークの判定勝利。

NaoのハイキックがMIREYの顔面を掠める、終始圧倒の展開へ
Naoのミドルキック、蹴り足を掴むMIREYだが効果なく

◆第11試合 ミネルヴァ・アトム級(102LBS)3回戦(2分制)

ピン級1位.祥子JSK(治政館/1983.12.3埼玉県出身/ 45.9kg)29戦9勝19敗1分
       VS
アトム級3位.Marina(健心塾/ 45.85kg)10戦4勝(1KO)6敗 
勝者:祥子JSK / 判定2-0
主審:岡田敦子
副審:中山29-29. 児島30-28. マット30-29

初回、蹴りから首相撲の展開は互角の攻防。祥子はパンチで出るMarinaにやや圧されるも、この日は蹴り数多く、パワーで巻き返し、徐々にペースを掴んで僅差ながら主導権奪った攻勢で判定勝利。

祥子は蹴る圧力が優った流れを維持した

◆第10試合 ミネルヴァ・ペーパー級(95LBS)3回戦(2分制)

ペーパー級2位.AIKO(AX/1987.2.10生/ 43.05kg)19戦9勝9敗1分
      VS
沙緒里(ワイルドシーサー前橋関根/ 42.95kg)3戦2敗1分
勝者:AIKO / 判定3-0
主審:梅下湧暉
副審:中山30-27. 岡田30-27. マット30-27

開始早々の威嚇の飛びヒザ蹴りを見せた沙緒里だが、AIKOは慌てずパンチとヒザ蹴りで優って行く。組み合う展開が多く、コーナーに詰めたり身体を預けてスタミナ削るAIKOの攻勢。沙緒里はバックハンドブローを見せるも的は外れるのみ。圧倒したAIKOがフルマークの判定勝利。

AIKOがヒザ蹴りで沙緒里を圧倒、組み合っても離れても攻撃力が優った

◆第9試合 ミネルヴァ・スーパーフライ級3回戦(2分制)

スーパーフライ級5位.紗耶香(格闘技スタジオBLOOM/ 51.95kg)
17戦5勝(1KO)11敗1分
        VS
同級7位響子JSK(治政館/ 51.9kg)11戦4勝4敗3分 
勝者:響子JSK / 判定0-3
主審:児島真人
副審:中山28-30. 梅下29-30. マット28-30

パンチで出る紗耶香が響子をコーナーに追い詰めるも、長身の響子は蹴りでリズムを作り紗耶香の攻撃を封じていく。ヒザ蹴りも距離の取り方上手くヒット。いかに自分の距離を維持するかの戦いで響子が上手く攻めて判定勝利。

響子もヒザ蹴りヒット、距離に応じた蹴りが上手く攻勢を維持した

◆第8試合 ミネルヴァ・ライトフライ級3回戦(2分制)

ライトフライ級7位.堀田優月(闘神塾/ 48.55kg)4戦3勝1分
        VS
ラジーナ・ビスタ(エラワンムエタイ/ 48.9kg)6戦3勝3敗
勝者:堀田優月 / 判定3-0
主審:岡田敦子
副審:中山30-29. 梅下30-28. 児島30-28

ラジーナ・ビスタの長身に対し、距離に応じて戦い方上手かった堀田優月。組んでも離れても先手打ち、ラジーナのパンチも蹴りも上手く躱し、攻めを封じた堀田優月が判定勝利。

ラジーナ・ビスタを追い詰めた堀田優月、蹴られても動じなかった

◆第7試合 ミネルヴァ・ペーパー級3回戦(2分制)

ペーパー級4位.Uver∞miyU(T-KIX/ 43.09kg)15戦5勝9敗1分
        VS
港町なぎさ(ワイルドシーサー前橋元総社/ 42.7kg)2戦1勝1敗
勝者:Uver∞miyU / 判定3-0
主審:マット(=テーチャカリン・チューワタナ)
副審:岡田30-29. 梅下30-29. 児島30-29

パンチと蹴り、組み合ってヒザ蹴りのアグレッシブな攻防が続く中、パンチで圧していくUve・miyU。港町なぎさも打ち返すが、第3ラウンドに蹴りを加えた圧力が優ったUverが判定勝利。ジャッジ三者が揃ったラウンドは無く、激しさあっても差が付き難い攻防だった。

◆第6試合 ミネルヴァ55.0kg契約3回戦(2分制)
 
スーパーフライ級10位.松藤麻衣(クロスポイント吉祥寺/ 54.55 kg)7戦3勝4敗
       VS
妃芽奈(ワイルドシーサー高崎/ 54.35kg)2戦2勝
勝者:妃芽奈 / 判定0-2
主審:中山宏美
副審:岡田29-29. マット28-29. 児島28-29

初回の蹴りの攻防から妃芽奈が蹴りで攻勢を維持する流れも、松藤麻衣が右ローキックで妃芽奈の脚を殺し始めた。妃芽奈の左太腿は真っ赤に腫れ上がっていき、やや失速も蹴りの攻勢を維持して判定勝利。第3ラウンドは採点が分かれるなど、松藤のローキックを評価したと見られる蹴りの攻防となった。

◆第5試合 ミネルヴァ47.5kg契約3回戦(2分制)

山崎希恵(クロスポイント吉祥寺/ 47.7→47.5kg)3戦2勝(1KO)1敗
        VS
杉田風夏(谷山ジム小田原道場/ 47.4kg)3戦2勝(1KO)1敗
勝者:杉田風夏 / 判定0-3
主審:梅下湧暉
副審:中山28-30. マット28-30. 児島29-30

杉田風夏が組み合っての攻防でヒザ蹴りから身体を預ける圧力で崩すパワーと、離れて戦っても蹴りで優っていき判定勝利。山崎希恵は劣勢でも懸命に蹴り返す踏ん張りが見られた。

◆第4試合 ミネルヴァ・フライ級3回戦(2分制)

紗彩(ドージョー☆シャカリキ/ 50.5kg)8戦2勝5敗1分
      VS
二ノ峰かなこ(KFG URAWA/ 51.05→50.8kg)4戦1勝(1KO)3敗
勝者:紗彩 / 判定3-0
主審:岡田敦子
副審:中山30-28. 梅下30-27. 児島30-28

パンチとヒザ蹴りの攻防。主に組み合ってのヒザ蹴りが続き、紗彩が主導権支配して判定勝利。

◆第3試合 ミネルヴァ・ピン級3回戦(2分制)

ロウ・イツブン(NEXT LEVEL渋谷/ 45.05kg)6戦2勝4敗
        VS
鈴木萌(クロスポイント吉祥寺/ 45.05kg)2戦1勝1分
勝者:鈴木萌 / 判定0-3
主審:マット(=テーチャカリン・チューワタナ)
副審:中山28-30. 梅下28-30. 岡田29-30

パンチと蹴りの攻防。徐々に鈴木萌がリズムを掴み、柔軟に距離をコントロールし攻め優った。ロウ・イツブンはやや動きが硬く、攻める力が足りなかった。

◆第2試合 ミネルヴァ・スーパーバンタム級3回戦(2分制)

朱乃(CORE/ 55.25kg)2戦1勝1敗
    VS
あきなZLS(チームゼロス/ 55.1kg)2戦2勝
勝者:あきなZLS / 判定0-3
主審:児島真人
副審:マット28-30. 梅下29-30. 岡田28-30

初回は蹴りとパンチ、ヒザ蹴りも加えた互角の攻防から、第2ラウンドからあきなZLSが徐々に優ったヒットで判定勝利。

◆プロ第1試合 ミネルヴァ・ライトフライ級3回戦(2分制)デビュー戦同士

MOMO(エス/ 48.5kg)vsあゆな(笹羅/ 48.45kg)
勝者:MOMO(1戦1勝) / 判定3-0
主審:中山宏美
副審:マット30-28. 児島30-29. 岡田30-27

NANAの愛娘デビュー戦。アグレッシブなパンチヒットが優って判定勝利。

NANAの愛娘、MOMOがパンチで攻勢、デビュー戦を飾る

◆アマチュアEXPLOSION第5試合 50.8kg契約2回戦(90秒制)

塩谷薫(VERTEX/ 50.0kg)vs山下実穂(クロスポイント大泉/ 50.3kg)
勝者:塩谷薫 / 旗判定3-0    

「3月16日はこれまでより新しいスタイルで練習して来たことを全部出し切りたいと思っているので頑張ります。」と2月9日のDUEL興行後に語っていた塩谷薫。練習して来たことを出し切ったか、先手を打った蹴りで優って赤と青の旗判定はジャッジ三者とも赤(塩谷薫)に上がった。

◆アマチュアEXPLOSION第4試合 35.0kg契約2回戦(90秒制)

野本かれん(WIVERN/ 34.95kg)vs久田愛心(TEAM SBS/ 34.65kg)
勝者:野本かれん / 旗判定3-0

◆アマチュアEXPLOSION第3試合 33.0kg契約2回戦(90秒制)

夢々(KANALOA/ 32.0kg)vs苑田優月(AX/ 32.0kg)
勝者:夢々 / 旗判定2-1

◆アマチュアEXPLOSION第2試合 30.0kg契約2回戦(90秒制)

木村有那(キング/ 30.0kg)vs清水舞羽(TRASH/ 28.5kg)
勝者:木村有那 / 旗判定3-0

◆アマチュアEXPLOSION第1試合 48.0kg契約2回戦(90秒制)

中島瑠花(X-PLOSION/ 48.0kg)vs三橋暖愛(士道館ひばりヶ丘道場/ 46.0kg)
勝者:中島瑠花 / 旗判定3-0

《取材戦記》

女子だけの興行も試合の展開がすばらしい。諦めたりスタミナ切れして失速する選手はいなかった。それはラウンド数の少なさ、2分制に救われている影響もあるだろう。これが本来の3分制5回戦だったらそうはいかないかもしれない。プロボクシングにおいても男子と比べて女子の試合はラウンド数少なく、2分制であったりするから男子と同じにする訳にもいかないが、身体へのダメージを考慮しつつ、女子に5回戦は難しいのか追求してみたいものです。

NANAの娘さん、MOMOが第1試合出場で判定勝利。NANAが試合後、マイクで語るまで気付かなかった。振り返ればMOMOのセコンドにわずかに写っていたNANAが居た。やっぱり参考までにセコンドの動きも撮っておくべきものである。興行に於いてはとにかく使わなくても撮っておくことでの画像を振り返り、気付かされる人の動きや変化は多いのである。

次回、NJKF興行は4月27日(日)にNJKF CHALLENGER 8(2025.2nd)が後楽園ホール夜興行に於いて行われます。

バンタム級とスーパーバンタム級で各4名参加のトーナメント準決勝戦の他、伝説のキックボクサー、立嶋篤史がNJKFに復活(20年ぶりか)。国内100戦目をNJKF三階級制覇の前田浩喜(CORE)と対戦します。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

『季節』2025春号をお届けするにあたって

『季節』2025春号がようやく出来上がってまいりましたのでお届けいたします。本日21日書店発売です。

◆『季節』2025春号の発行が10日遅れましたことをお詫びいたします。

本来3月11日発行の『季節』2025春号ですが、10日遅れ3月21日発行(17日発送)となりました。申し訳ございません。例年3・11当日の発行で、今年もそのつもりだったのですが……。これは財政的な問題とは直接関係はございません。編集作業が遅れ、遅れ自体は2、3日のことでしたが、今年の2月は2日少なく、また年度末で印刷・製本の予定ラインから一端外れたことで歯車が狂い10日遅れの発行となりました。とはいえ、工程管理が緩かったのは事実で弁解の余地もございません。何卒ご容赦お願いいたします。

◆「4・5鹿砦社反転攻勢の集い」に総結集し、また圧倒的なご支援をお願いいたします!

コロナ禍で当社は、それまで左団扇(うちわ)状態から一気に奈落の底に落とされました。コロナ前には(会社と個人合わせ)常に数千万円ほどの蓄えがあり、「エンジェル」になって、資金難に喘ぐいくつものグループにカンパしたり、ライターさんらには前払い、先払いしたり、3・11直後にはポンと日本赤十字社に100万円寄付したり、さらにはМ舎というミニコミ書店には50万円も資料代名目で本をまとめ買いしたり、沖縄にルーツを持つ高校の同級生(故人)がライフワークとして始めた島唄野外ライブ「琉球の風」に数年にわたり出資したり……。それは、松岡が「名誉毀損」容疑で逮捕された際に、多くの方々に助けられたことの恩返しという意味もあってのことでした。

しかし、あれだけあった蓄えも、コロナ以降しばらくしてなくなりました。一時は回復したこともありましたが、再び落ち込み現在苦境にあることを隠しません。出版界のみならず全産業の中小零細企業がそうなので、当社も例外ではありませんが、50数年続いてきた鹿砦社の歴史、なかんずく『紙爆』20年、『季節』10年の歴史を守り抜き後進につないでいかねばなりません。

このかん私たちは、4・5「鹿砦社反転攻勢の集い」を開催することになり、総力で準備に努めています。

4・5の集いを、単なる記念日にするのではなく、逆に低迷打破→反転攻勢の絶好の機会にしたいと考えています。俗に言えば「ピンチをチャンスに変える!」ということです。特に今回は定期購読者、会員、社債引受人、寄稿者などご支援の皆様方に多くご参加いただき直に強く叱咤激励いただきたく望みます。

本号の発行が遅れ直前のお知らせになりますが、一人でも多くの皆様方のご参加を望みます。ご参加を希望の方は今すぐお申し込みください。また、賛同金、ご祝儀、カンパなどもどしどしお寄せください!

鹿砦社はこれまで、栄華を極めたり、逆に地獄を見るほど落ち込んだり、浮沈の激しい歴史を繰り返してきましたが、私たちは必ず復活します! 『季節』も必ず持続します! 今後も圧倒的なご支援を!

2025年3月 
株式会社鹿砦社代表 松岡利康
『季節』編集長   小島 卓

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2025年春号(NO NUKES voice 改題 通巻42号)
紙の爆弾 2025年4月号増刊
A5判 132ページ(巻頭カラー4ページ+本文128ページ)
定価770円(税込み) 2025年3月21日発売

《特集》原発被曝を問い直す 福島十四年後の実相

[グラビア]原発事故の後始末 汚染土2兆2000億円の現場(写真・文=山川剛史

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
[報告]福島原発事故被害者の被曝と原子力ギャング

今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
[講演]飯舘村の放射能汚染のこれまでとこれから

山川剛史(東京新聞編集委員)
[報告]迫る汚染土の再利用 解決の道はあるのか

伊藤延由(飯舘村 元「いいたてふぁーむ」管理人)
[報告]「被ばくの実態」調査から原発事故の実像を測る

尾﨑美代子(本誌編集委員/西成「集い処はな」店主)
[報告]自宅の放射線測定記録に疑惑あり
いのちにかかわるデータは捏造されたのか?

子ども脱被ばく裁判の会
[報告]呆れ果てても、諦めない! 子ども脱被ばく裁判で明らかになったこと
 片岡輝美(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
十年間の闘いを経て
 水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
裁判によって知らない事実が明らかになった
 井戸謙一(「子ども脱被ばく裁判の会」弁護団共同代表)
この裁判が生み出したいくつかの成果
 樋口英明(元福井地裁裁判長)
真実はこれを求める人にのみ与えられる

和田央子(放射能拡散に反対する会)
[報告]原子力マフィアが主導する福島汚染土再生利用

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
[報告]《検証》もしも柏崎刈羽原発が攻撃されたら……

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
[報告]英国の核燃料サイクル政策の大転換

山崎隆敏(元越前市議会議員)
[報告]万博と原子力 「いのち輝く未来」と「核ゴミ・被曝労働」の矛盾撞着

《第2弾》避難対策は全国どこでも「絵に描いた餅」
日野正美(女川原発再稼働差止訴訟原告団事務局長)
[報告]女川原発の避難計画は不備だらけ! 住民無視の運転を中止せよ!
土光 均(米子市議会議員)
[報告]県庁所在地に立地する島根原発で大災害が起きた時
松江市民に逃げ場所はあるか?

森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
[報告]原発避難者にとっての14年 その絶望と希望

原田弘三(翻訳家)[報告]「脱炭素」の本質

佐藤雅彦(翻訳家/ジャーナリスト)
[報告]NUKE WARS――原子力帝国の逆襲
    原子力は地域社会に「核分裂」をもたらす

板坂 剛(作家/舞踊家)
[報告]再び 三島由紀夫生誕百年に想う

山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
[報告]山田悦子の語る世界〈26〉最終回 絶望の時代《今》を生きる意味〈下〉
平宮康広(元技術者)
[報告]水冷コンビナートの提案〈3〉

再稼働阻止全国ネットワーク
 東電に原発うごかす資格なし すべての原発の再稼働阻止
 フクシマは終わっていない

《福島》黒田節子(原発いらね!ふくしま女と仲間たち)
「本当のフクシマを知ってください」 西日本スピーキングツアー
《福島》橋本あき(福島県郡山在住)
 東電福島原発事故の残響は続く
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
【ネット署名】深刻な原発事故を起こした東京電力による
 柏崎刈羽原発の再稼動を許すなの声を結集しよう
《北海道》瀬尾英幸(泊原発立地四町村住民連絡協議会)
 泊原発は必ず止める
《静岡》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
「基準津波25.2メートル」に対応するために、またまた防波壁かさあげ!
《福井》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 関西電力(関電)に、約束を履行させ、全ての老朽原発を廃炉に!
《東海第二》横田朔子(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会)
 日本原電も東海第二原発も崖っぷち!~東海第二原発の中央制御室で火災発生~
《東海第二》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 防潮堤の修復案を示せない原電は、廃炉事業に専念するよう求めます
《書評》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)
 小田実の『被災の思想 難死の思想』── 本の〈発掘〉①

[反原発川柳]乱鬼龍

使用済み核燃料の行き場はありません! 関電は、またも詭弁、奇策で誤魔化そうとしています! 関電に約束を履行させ、老朽原発を廃炉に! 木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)

◆原発を運転すれば、危険で、行き場のない使用済み核燃料が発生します

燃料プールは、原発より地震に脆弱で、新しい使用済み核燃料を保管する燃料プールが崩壊すれば大惨事に至ります

原発を運転すると、核燃料中に、運転に不都合な各種の核分裂生成物(死の灰)、マイナーアクチニド(プルトニウムより重い元素)などが生成し、原発の制御が困難になります。一方、燃料被覆管に腐食や変形が生じます。したがって、核燃料を永久に使用することは出来ず、一定期間(3~5年)燃焼させると、新燃料と交換せざるを得なくなり、使用済み核燃料が発生します。

使用済み核燃料は、発生直後には膨大な放射線と熱を発しますから、燃料プールに水冷保管して、放射線と発熱の減少を待たなければなりません。

そのプールが満杯になれば原発を運転できなくなるため、電力会社や政府は、放射線量と発熱量が減少した(例えば、10年以上水冷保管した後の)使用済み核燃料を乾式貯蔵に移して、プールに空きを作ることに躍起です。

出来た空間には、高放射線量、高発熱量の新しい使用済み核燃料を入れますが、その燃料プールが、地震などで崩壊すれば、大惨事に至ります。なお、燃料プールは、原発本体とは比較にならないほど脆弱で、「むき出しの原子炉」とも呼ばれています。

電力会社は、使用済み核燃料の搬出先として、再処理工場(青森県)の稼働を願望していましたが、去る8月23日、日本原燃は27回目の再処理工場の完成延期を発表しました。乾式貯蔵に移した使用済み核燃料の行き場はありません。

使用済み核燃料の発生源・原発を全廃しましょう!

◆使用済み核燃料に関して約束反古を繰り返す関電

関電は1997年に「使用済み核燃料は福井県外に搬出する」と、当時の福井県知事に約束しました。核燃料再処理工場が稼働すれば、青森県に搬出できると楽観しての約束でした。しかし、1997年に予定されていた再処理工場の稼働は、延期を重ね、未だに稼働の見込みはありません。そのため、関電も、「福井県外搬出」の約束を繰り返し反古にしています。

関電は2021年にも、福井県知事に「使用済み核燃料の中間貯蔵地を2023年末までに福井県外に探す。探せなければ老朽原発を停止する」と約束しましたが、未だに候補地を見出すことはできていません。老朽原発・美浜3号機、高浜1、2号機の再稼働への福井県知事の承認を得るための空約束でした。

関電は、約束期限が迫った2023年6月、保管する使用済み核燃料のわずか5%程度をフランスに持ち出す計画を示し、「県外搬出という意味で、中間貯蔵と同等」としました。また、8月、唐突に上関町に中間貯蔵地建設のための調査を申し入れ、約束不履行を取り繕おうとしました。

さらに、10月には、再処理工場の活用、中間貯蔵施設確保を盛り込み、いかにも近々使用済み核燃料の福井県外搬出が可能であるかのように見せかけた「使用済み核燃料に関するロードマップ」を発表しました。老朽原発の運転を継続するための詭弁で、実現性が全くない「絵に描いた餅」です。

◆関電、使用済み核燃料の原発敷地内での乾式貯蔵に布石

ロードマップで、関電は「使用済み核燃料搬出の円滑化のために原発構内に乾式貯蔵施設の設置を検討する」とし、福井県内での乾式貯蔵に向けての布石を打ちました。関電の燃料プールはもうすぐ満杯になり、原発を停止せざるを得なくなるため、プールに空きを作ろうとする策略です。

乾式貯蔵を許せば、永久貯蔵になりかねません。

◆再処理工場の27回目の完成延期で、ロードマップは破綻

関電がロードマップで示した願望は、昨年8月、日本原燃が27回目の再処理工場の完成延期(約2年半)を表明したことによって破綻しました。

それでも、関電は開き直って、「ロードマップを本年度末までに見直す。実効性のある見直しができなければ、老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機を運転しない」としました。しかし、その場しのぎの空約束と約束反古を繰り返してきた関電の言動は、信用できるものではありません。

今回も、「使用済み核燃料のフランスへの搬出量を倍増させる(合計:ウラン使用済み燃料380トン、MOX使用済み燃料20トン)」などの小手先の奇策、稼働延期を繰り返し稼働の見込みが極めて薄い再処理工場(青森県)への2028年度からの搬出(198トン)などの詭弁を弄して、誤魔化そうとしています。許してなりません。

なお、関電の3原発の使用済み燃料プールには、全容量4450トンのうち87%に当たる3850トンが保管されています(2024年12月)。したがって、フランスや青森県への搬出が、関電の思惑通りに進んだとしても、搬出量は、全使用済み核燃料のごく一部に過ぎません(15%程度)。

また、関電の使用済み核燃料の多くは高燃焼度燃料であり、MOX燃料も増え続けていますが、これらの核燃料の再処理は極めて困難です(硝酸での溶解が困難な白金族などの成分が多く含まれ、発熱量も大きい)。

以上を勘案すると、今回の関電の奇策、詭弁は、約束履行に見せかけて、老朽原発の運転継続を狙うだけでなく、近々満杯になる使用済み核燃料プールに空きを作って、全ての原発の運転継続を可能にするための謀略であると言えます。

使用済み核燃料の行き場はありません。関電に約束通り老朽原発の停止を実行させ、使用済み核燃料の発生源・原発の全廃への突破口としましょう!

◆福井県議会議長に、陳情書を提出しました!

「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、関電の使用済み核燃料搬出問題が議事となる福井県議会(2月17日開会)での慎重かつ公正な審議を求めて、県議会議長に、2月12日、下記の陳情書を提出しました。同様な陳述書は、「オール福井反原発連絡会」からも提出されました。

陳情書
福井県議会議長
宮本俊様

老朽原発うごかすな!実行委員会「使用済み核燃料の県外搬出に関するロードマップ」の実効性のある見直しができない関西電力(関電)に、危険極まりない老朽原発の廃炉を実行するよう求めて下さい

県議会議長、県議会議員の皆様には、弛まぬ福井県政へのご尽力に、敬意を表します。

さて、関電は、一昨年10月10日、使用済み核燃料の福井県外搬出に関するロードマップを発表し、杉本達治福井県知事は、わずか3日後にこれを容認しています。関電は、このロードマップの中に、青森県の核燃料再処理工場の活用、中間貯蔵施設の確保を盛り込み、いかにも近々使用済み核燃料の福井県外搬出が可能であるかのように見せかけています。

しかし、このロードマップは、日本原燃が、昨年8月23日、「核燃料再処理工場の完成目標を2026年度内に変更する」と、27回目の完成延期(約2年半)を表明したことによって破綻しました。

それでも、関電の森望社長は開き直って、9月5日、杉本福井県知事と面談し、使用済み核燃料の県外搬出に向けた「ロードマップ」を、「本年度末までに見直す。実効性のある見直しができない場合、高浜1、2号機、美浜3号機を運転しない」と述べています。

しかし、現在までに、「使用済み核燃料の行き場」に関して、その場しのぎの空約束と約束反古を繰り返してきた関電の言動は、信用できるものではありません。今回も「使用済み核燃料のフランスへの搬出を若干上乗せする」などの小手先の奇策で誤魔化すと危惧されます。

なお、再処理工場の稼働は極めて困難であること、例え稼働したとしても過酷事故の確率が高いことは、多くが指摘するところです。また、関電は、再処理できない高燃焼度の使用済み核燃料および使用済みMOX燃料も抱えています(これらは、今後増大します)。

したがって、使用済み核燃料の行き場はなく、福井県内に永久あるいは長期保管される可能性は大と言わざるを得ません。関電は、約束通り老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機の廃炉を実行し、使用済み核燃料の発生源・原発の全廃に向かうべきです。

このような状況に鑑み、福井県議会に以下を陳情いたします。

陳情項目

[1]関電に、「本年度末までに、ロードマップの実効性のある見直しができない場合、高浜1、2号機、美浜3号機を運転しない」との約束を即時履行させてください。このとき、「実効性のある見直し」とは、「関電の保有する、あるいは今後発生させる使用済み核燃料の全ての県外搬出が見通せるもの」であることです。

[2]関電は、「使用済み核燃料の搬出の円滑化」を口実に「乾式貯蔵施設」を建設しようとしています。しかし、今までの搬出の実績からして、「乾式貯蔵施設」はなくても、使用済み核燃料は搬出できます。「乾式貯蔵施設」の建設は、永久あるいは長期福井県内貯蔵への道を開くことになりかねません。「乾式貯蔵施設」の建設を認めないでください。

[3]高浜原発1号機は運転開始後すでに50年を超え、高浜2号機、美浜3号機も、もうすぐ50年超えの「超老朽原発」です。老朽原発では、圧力容器の脆化、配管の腐食、減肉、電源ケーブルの劣化が進んでいます。また、老朽原発には、建設時には適当とされたが、現在の基準では不適当と考えられる部分が多数ありますが、全てが見直され、改善されているとは言えません。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた構造物の中で交換不可能なもの(圧力容器など)があります。関電に、危険極まりない「超老朽原発」の即時廃炉を求めて下さい。

[4]私たち「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、福井県内だけでなく、関西、中部など全国の会員で成り立っています。そこで、福井県外の住民の立場から、福井県議会に以下をお願いいたします。

原発および使用済み核燃料保管施設が過酷事故を起こせば、その被害は、福井県内だけでなく、広く関西、中部などにおよぶことは、福島原発事故の教訓から容易に推測されます。例えば、京都府や滋賀県の大部分は若狭の原発から70km以内にあり、高浜原発、大飯原発は福井県庁のある福井市より近距離にあるのみならず、特に冬場は、若狭の風下になります。

したがって、福井県議会や福井県知事の決断は、福井県外の多くの住民の命と生活に関わります。福井県議会は、周辺府県の住民の「原発のない、自然エネルギーのみで成り立つ社会」を求める声にも十分に耳をお貸し下さい。

2025年2月12日記

◆お願い

「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、若狭での「脱原発・反原発」の声の拡大を目指して、また、「関電の約束違反を糾弾し、老朽原発の廃炉」を求めて、以下の行動と集会を企画しています。ご支援、ご参加をお願いします。

■3.22(土)~23(日)
若狭一斉チラシ配り(愛称:拡大アメーバデモ)

「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、長期にわたって若狭や周辺地域で、チラシの各戸配布(愛称「アメーバデモ」)を繰り返し、住民との対話を重ねてきました。その中で、多くの住民が「原発は無い方がよい」と考え、圧倒的多数が「老朽原発稼働反対」であることを知りました。

昨年の能登半島地震以降は、原発推進の声はほぼ皆無です。能登半島地震によって、原発は地震に脆弱で、地震と原発過酷事故が重なれば、避難も、屋内退避も困難を極めることを実感されたのでしょう。

3月22、23日、あなたも参加してみませんか?
関西、福井などから配車の予定です。

■3.31(月)
使用済み核燃料の行き場はないぞ
関電は約束守れ!美浜集会
とき:3月31日(月)13時より
ところ:関電原子力事業本部前(JR美浜駅より徒歩3分)
集会後町内デモを行います
関電の「使用済み核燃料搬出先に関する実効性のあるロードマップ」の提出期限である3月31日、関電原子力事業本部前(美浜町)で、関電の約束違反を糾弾し、老朽原発停止の実行を求めます。

▼木原壯林(きはら・そうりん)
老朽原発うごかすな! 実行委員会。1967年京都大学理学部化学科卒。理学博士。専門は分析化学、電気化学、溶液化学。熊本大学、京都工芸繊維大学名誉教授等を歴任。京都悠悠化学研究所主宰。

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2025年春号(NO NUKES voice 改題 通巻42号)
紙の爆弾 2025年4月号増刊
A5判 132ページ(巻頭カラー4ページ+本文128ページ)
定価770円(税込み) 2025年3月21日発売
 
《特集》原発被曝を問い直す 福島十四年後の実相
 

[グラビア]原発事故の後始末 汚染土2兆2000億円の現場(写真・文=山川剛史

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
[報告]福島原発事故被害者の被曝と原子力ギャング

今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
[講演]飯舘村の放射能汚染のこれまでとこれから

山川剛史(東京新聞編集委員)
[報告]迫る汚染土の再利用 解決の道はあるのか

伊藤延由(飯舘村 元「いいたてふぁーむ」管理人)
[報告]「被ばくの実態」調査から原発事故の実像を測る

尾﨑美代子(本誌編集委員/西成「集い処はな」店主)
[報告]自宅の放射線測定記録に疑惑あり
いのちにかかわるデータは捏造されたのか?

子ども脱被ばく裁判の会
[報告]呆れ果てても、諦めない! 子ども脱被ばく裁判で明らかになったこと

片岡輝美(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
十年間の闘いを経て
水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
裁判によって知らない事実が明らかになった
井戸謙一(「子ども脱被ばく裁判の会」弁護団共同代表)
この裁判が生み出したいくつかの成果
樋口英明(元福井地裁裁判長)
真実はこれを求める人にのみ与えられる

和田央子(放射能拡散に反対する会)
[報告]原子力マフィアが主導する福島汚染土再生利用

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
[報告]《検証》もしも柏崎刈羽原発が攻撃されたら……

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
[報告]英国の核燃料サイクル政策の大転換

山崎隆敏(元越前市議会議員)
[報告]万博と原子力 「いのち輝く未来」と「核ゴミ・被曝労働」の矛盾撞着

《第2弾》避難対策は全国どこでも「絵に描いた餅」

日野正美(女川原発再稼働差止訴訟原告団事務局長)
[報告]女川原発の避難計画は不備だらけ! 住民無視の運転を中止せよ!

土光 均(米子市議会議員)
[報告]県庁所在地に立地する島根原発で大災害が起きた時
松江市民に逃げ場所はあるか?

森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
[報告]原発避難者にとっての14年 その絶望と希望

原田弘三(翻訳家)[報告]「脱炭素」の本質

佐藤雅彦(翻訳家/ジャーナリスト)
[報告]NUKE WARS――原子力帝国の逆襲
    原子力は地域社会に「核分裂」をもたらす

板坂 剛(作家/舞踊家)
[報告]再び 三島由紀夫生誕百年に想う

山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
[報告]山田悦子の語る世界〈26〉最終回 絶望の時代《今》を生きる意味〈下〉

平宮康広(元技術者)
[報告]水冷コンビナートの提案〈3〉

再稼働阻止全国ネットワーク
 東電に原発うごかす資格なし すべての原発の再稼働阻止
 フクシマは終わっていない

《福島》黒田節子(原発いらね!ふくしま女と仲間たち)
「本当のフクシマを知ってください」 西日本スピーキングツアー
《福島》橋本あき(福島県郡山在住)
 東電福島原発事故の残響は続く
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
【ネット署名】深刻な原発事故を起こした東京電力による
 柏崎刈羽原発の再稼動を許すなの声を結集しよう
《北海道》瀬尾英幸(泊原発立地四町村住民連絡協議会)
 泊原発は必ず止める
《静岡》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
「基準津波25.2メートル」に対応するために、またまた防波壁かさあげ!
《福井》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 関西電力(関電)に、約束を履行させ、全ての老朽原発を廃炉に!
《東海第二》横田朔子(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会)
 日本原電も東海第二原発も崖っぷち!~東海第二原発の中央制御室で火災発生~
《東海第二》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 防潮堤の修復案を示せない原電は、廃炉事業に専念するよう求めます
《書評》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)
 小田実の『被災の思想 難死の思想』── 本の〈発掘〉①

[反原発川柳]乱鬼龍

4月5日東京にて月刊『紙の爆弾』創刊20周年、反原発情報誌『季節』創刊10周年を記念し反転攻勢の集いを開催します! 鹿砦社代表 松岡利康 

新型コロナ襲来以来の低迷を打破し再び勢いを取り戻すべく、私たちは来る4月5日、月刊『紙の爆弾』創刊20周年、反原発情報誌『季節』創刊10周年を記念し反転攻勢の集いを開催することになりました。

これを単に記念日とするのではなく、低迷打破→反転攻勢の絶好の機会として皆様方と有意義な時間を過ごすべく準備に取り組んでいます。

どなたでも参加できますので、関東近辺在住でご関心のある方はぜひ、どしどし参加し、ちょっとくたびれた私たちを叱咤激励してやってください。

また、賛同金、カンパ、ご祝儀などをお寄せいただき圧倒的なご支援をお願いいたします!

苦しみの中から立ち上がれ! 闘争勝利!

(松岡利康)

「福井女子中学生殺人事件」再審結審 再審無罪を前に自信を取り戻していく冤罪犠牲者の前川さん 尾﨑美代子

39年前に福井で起こった「福井女子中学生殺人事件」の再審が、3月6日結審した。判決は7月18日、午後4時より、名古屋高裁金沢支部で言い渡される。 

事件の詳細は『紙の爆弾』(鹿砦社)2月号に寄稿しているので、ぜひ読んで欲しい。亡くなった桜井昌司さんから「前川(冤罪犠牲者の前川彰司さん)の事件も書いてや」と頼まれてたが、資料を読み始め、何度も諦めていた。関係者が余りに多く、その関係も複雑だからだった。

読み始めあきらめ、読み始めあきらめていたところ、まもなく再審開始の可否がでるとのことで慌てて読み始めた。そして昨年12月、再審開始の決定。決定書を見ると、それまでの資料になかった内容が書かれていた。

弁護団長の吉村弁護士も会見で「想定外でした」と話していた内容、そこには「夜のヒットスタジオ」「アン・ルイス」「吉川晃司」の文字が……。再審請求審で初めて明らかにされた証拠だった。一体、何があったのか? 詳細を知りたい方はぜひ「紙の爆弾」を読んで欲しい。  

この事件、全体をみると、福井県のいわゆる地方都市で、地元警察が、地元のワル、不良、ヤクザになった若者を、うまくあやつり協力者に仕立てていくような構図がみてとれる。

先日、北海道旭川市で女性2人が被害女性を深夜、川の橋の欄干に座らせ、川に落とし殺害した事件で、片方の被告に懲役25年が求刑された。この事件では、もう一人の女性が、事件を捜索する旭川中央署の刑事と不倫関係にあったことが報じられた。もともと互いに出入りしてた地元のスナックで仲良くなったようだ。その容疑者がどんな女性だったかは良くわからないが、刑事を後ろ盾にすることで、一層怖いものなしの強気になれたことは容易に想像できる。

福井の事件で登場する大勢の関係者もまだ若く、社会的経験も少ない。そして不良、ヤクザなど脛に傷持つ者ばかりだ。その弱みに刑事がつけこみ、事件を解決しようと、あらぬストーリーを作っていったのだ。

女子中学生は、実際極めて凄惨な方法で殺害されていた。不良グループと付き合っていたことからリンチと思われた。だが捜査は難航し、犯人逮捕に至らず、捜査機関は焦る。

そんなとき、別の覚醒剤で逮捕され取調べられていたヤクザの斎藤(仮名)が、刑事に「犯人しらないか」と聞かれる。犯人は斎藤周辺のワル仲間とみているのだろう。捜査機関は、犯人を教えたら、あるいはヒントをくれたら、刑を軽くするみたいにほのめかす。斎藤は知人に「犯人知らんか?」と手紙を書く。そう、斎藤も犯人を知らないのだ。しかし、斎藤は自分の刑を軽くしたくて、「犯人は後輩の前川だ」と刑事に告げる。

さらに、車で前川を犯行現場に送った人間、斎藤をゲーセンに送った人間、犯行後困った前川を斎藤がいるゲーセンに連れてきた人間、その際前川の服に血がついてるのを見た人間、ひと晩前川を匿った人間など、次々と関係者を登場させる。しかし、うそのストーリーだから、斎藤の話はコロコロ変わる。

ここまで読んで、「刑事もばかだね。斎藤のいうことが違っていたら、諦めればいいやん」と思う人もいるだろう。違う、違う。刑事が斎藤らワルたちを利用しようとしているのだ。

刑事は、斎藤が刑務所に送られる際「おい、何か土産を置いてけや」とか、「まだ知ってることがあるんじゃないか」とか、斎藤やその周辺の人間を使って、自分たちのストーリーを作ろうと必死なのだ。「関係者」を担わされた若者も、みな、脛に傷があるため、刑事の言いなりにストーリーを合わせてしまう。  

しかし、彼らも成人になり家庭を持つようになると、「なんと馬鹿なことしたのか」と反省し、本当のことを言うようになる。前川さんを犯人とする証言をした男性は、刑事にウソの証言を強いられ、代わりの自分の覚せい剤事件をチャラにしてもらったと再審の場で証言した。前に嘘の証言した夜は、刑事に食事やスナックを奢られ、あげく結婚祝いに5000円包まれた祝儀袋を貰ったと証言。刑事の名前がばっちり書かれた祝儀袋を証拠提出した。本当に酷い話だ。

以前私も支援した石川県の盛一国賠という裁判があった。この盛一君も若い時、刑事に目をつけられ「S」にされた。どんなに覚せい剤をやっても絶対捕まらない。その代り、刑事に言われるがままに、薬をやっている知人や先輩を逮捕させるような工作を刑事としていく。そんななか亡くなった知人もいた。

盛一君も成人し、家庭をもち、「馬鹿なことをした」と猛省し、刑事らとの関係をきっぱり絶った。そして、そんな刑事と不倫で付き合う女性友達に「あんな連中とつきあわんほうがいい」と忠告する。

しかし、この女性は、盛一君のその言葉を刑事に伝える。そのため、盛一君がやってもいない覚せい剤事件で逮捕される。「これ以上余計なこと言うな」という脅しだ。その証拠に盛一が連れていかれた取調室に、以前盛一君が良く飲食をともにした刑事が顔を出し、盛一君に一言「バーカ」と言って消えたという。

多くの冤罪を作っているのは、警察、検察、そして裁判所だ。もちろん刑事という後ろ盾が出来て強気になって、犯罪を犯した人たちも悪い。しかし、北海道の事件も、盛一君の事件も、そして前川さんの事件で関係者とされた人たちも、勝手なストーリーの「駒」に使われ、最後はポイと捨てられた。本当に酷いやつらだ。

前川さんには昨日の朝電話した。桜井さんに紹介され、初めて連絡してから2年半。その間何度か電話で話したり、うちの店にも来てくれたり。最初はボソリ、ボソリとひとこと、ふたこと話すだけだった前川さんだが、その声は、再審開始が決まって以降、どんどん自信を取り戻しているような気がする。

《酒井隆史さん釜ヶ崎トークショーのご案内》

3月30日(日)、酒井隆史さんのトークショーを行います。釜ヶ崎の問題にも取り組んでおられる酒井さんには、2019年「はな」でお話をして頂いたのが最後なのでとても久しぶりです。なお、そのお話は冊子「ジェントリフィケーションへの抵抗を解体しようとする者たち」にまとめており、非常に多くの方々に読んで頂きました。

今回はちょっと大上段に構えたテーマになっていますが、様々な問題をその場で質問したり、議論出来るような形にしたいと思いますので、40人ほど限定、要予約でお願い致します。

メール、携帯、そしてメッセンジャーでも受け付けております。宜しくお願い致します!!

▼尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

聖地を揺るがせたMAGNUM61は4名の挑戦者が王座奪取! 堀田春樹

新スター誕生、青コーナーから出場の4名の新チャンピオン。
木下竜輔はジョニー・オリベイラを失神ノックアウト。二度目の担架搬送に。
赤平大治は王座決定戦だったが、格上・瀬戸口勝也に連打で圧倒ノックアウト。
珠璃は浅井春香のV3を阻む。若さと圧力で優った
撫子が小さな身体で二階級制覇、適正階級で上真を破る。

◎MAGNUM.61 / 3月2日後楽園ホール 17:30~21:16
主催:伊原プロモーション / 認定:新日本キックボクシング協会、WKBA

◆第15試合 WKBA世界フェザー級王座決定戦 5回戦

日本フェザー級チャンピオン.瀬戸口勝也(横須賀太賀/1983.8.1鹿児島県出身/ 57.0kg)
45戦31勝(14KO)11敗3分
        VS
NJKFフェザー級4位.赤平大治(VERTEX/2001.10.31栃木県出身/ 57.05kg)
9戦6勝(4KO)2敗1分
勝者:赤平大治 / TKO 1ラウンド 2分47秒 /
主審:椎名利一

瀬戸口勝也の強打を上回る赤平大治の重かったパンチで先手を打った。瀬戸口のパンチを躱し、距離を詰めロープ際で右ミドルキックとパンチ連打でノックダウンを奪った。ダメージ残る瀬戸口に最後は左フックで仕留め、ノーカウントのレフェリーストップが掛かり、タオル投入も同時だった。

瀬戸口勝也は打ち合いに屈した。赤平大治はアウェイで初めての王座奪取
赤平大治が連打で瀬戸口勝也を倒すとレフェリーストップが掛かり、タオルも舞った

試合後のマイクアピールでは、「これからが自分のスタートだと思ってますので、今後の活躍を楽しみにして、もし赤平大治のことちょっとでも気になったら、インスタグラムで調べれば出て来るので、今後の試合も注目宜しくお願いします。」と語った。

国内王座は数ある中、いきなり世界という称号の王座奪取となったが、本人がマイクで語ったとおり、ここからがチャンピオンロードのスタートで、本当の世界最高峰へどこまで這い上がれるか。

赤平は試合後、「最初ジャブから繋げていくと、瀬戸口さんがカウンター合わせようとして来たので、一発当たってちょっと揺らいだんで、そこを連打して倒しました。早めに倒そうとは思っていました。」と語った。

赤平大治を囲むVERTEXジム陣営とNJKF坂上顕二代表

◆第14試合 日本スーパーフェザー級タイトルマッチ 5回戦

初代選手権者.ジョニー・オリベイラ(トーエル/ブラジル出身46歳/ 58.75kg)
65戦16勝(1KO)31敗18分
        VS
挑勝者:2位.木下竜輔(伊原/1996.2.12福岡県出身/ 58.75kg)12戦5勝(3KO)7敗
勝者:木下竜輔 / TKO 3ラウンド 2分46秒 /
主審:少白竜

初回からローキック中心に圧力掛けた木下竜輔。対して下がり気味だったジョニー・オリベイラ。この様子見ではまだ先の展開はわからなかったが、パンチの強打より鋭いローキックで木下ペースは続いた。

第2ラウンドには木下は飛びヒザ蹴りでジョニーによりプレッシャーを与えた。余裕と威圧の笑顔が見え始めた木下。ジョニーの蹴りのタイミングが合わず、木下の距離の掴み方が優った。

笑いは威嚇でもあるが、余裕が出て完全に主導権支配した木下竜輔のローキック

第3ラウンドにもプレッシャーを与えた飛びヒザ蹴りに続けて更に飛びヒザ蹴りでノックダウンに繋げ、更にタイミングを計って飛びヒザ蹴りがジョニーのアゴを突き上げると仰向けに倒れノーカウントのレフェリーストップ。立ち上がれず担架で運ばれたジョニー・オリベイラだったが、意識はすぐ回復。帰りはしっかり歩いて会場を後にした。

木下竜輔が飛ぶ毎にジョニー・オリベイラを圧倒、KOへ結び付けた

木下竜輔はジョニー・オリベイラと2勝1敗となったが、2勝はいずれも担架が必要となる完封勝利だった。ジョニー・オリベイラは初防衛成らず。木下竜輔は第2代チャンピオン。

木下竜輔は「作戦というのは特に無くて、伊原越谷道場での新しい環境で周りの方々の指導や助言が後押しとなりました。僕一人だと弱いので、そんな伊原道場の皆さんの協力の御陰です。」と謙虚に語った。

伊原越谷ジム会長は「こいつ元々武器あるじゃないですか。パンチの当て方、準備出来るものやれるだけやらせたので、3ラウンドで決めると言ってちゃんと3ラウンドで決めて、試合を完全に支配したので本当に人生で一番練習した結果ですね。」と圧勝を称えていた。

ジョニー・オリベイラ陣営のセコンド、中川卓氏は「最初は手数出して相手を軸に回っていくという戦略も手数足りなかったですね。いつものことながら練習ではバンバン強く出るのに試合では出ないですね。」と語った。

新チャンピオンとなった木下竜輔を囲む伊原ジム陣営とチント・モルディージョ氏

◆第13試合 ヘビー級3回戦

ISKA日本ライトクルーザー級チャンピオン.佐野克海(拳之会/岡山県出身23歳/ 101.65kg)
22戦14勝(7KO)6敗2分
        VS
工藤勇樹(前KROSS OVERヘビー級Champ/エス/宮城県出身40歳/ 89.3kg)
56戦29勝(18KO)25敗2分
勝者:佐野克海 / 判定3-0
主審:宮沢誠
副審:椎名30-27. 中山29-27. 少白竜30-26

ローキックからパンチで顔面からボディーブローも効果的にヒット。圧倒していく佐野克海。早々に攻勢を維持し右ストレートでノックダウンを奪った。

工藤勇樹はダメージは少なそうだが、巻き返そうと攻めて来るも、佐野がクリーンヒットする攻勢は変わらず。工藤は攻められて横向いたり俯いたりと不利な体勢を作ってしまうも、佐野が倒し切れないもどかしさはあったが、圧倒の展開で判定勝利。

終始圧倒した佐野克海。ガード固める工藤勇樹の空いたボディーを攻める

◆第12試合 76.0kg契約3回戦

マルコ(伊原/イタリア出身34歳/ 75.55kg)12戦6勝(1KO)3敗3分
      VS
TOMO JANJIRA(ジャンジラ/京都府出身33歳/ 75.6kg)10戦4勝5敗1分
勝者:マルコ / 判定3-0
主審:勝本剛司
副審:椎名29-28. 宮沢30-28. 少白竜30-28

パンチとローキックの攻防はマルコのローキックが重く鋭くTOMOにヒット。ヒザ蹴りもハイキックもインパクトを与えるマルコ。TOMOも果敢に攻めるがマルコのヒットの正確さが優り、内容的にも大差となるマルコが判定勝利した。

◆第11試合 女子(ミネルヴァ)スーパーバンタム級タイトルマッチ 3回戦

選手権者.浅井春香(無所属/1987.1.22愛知県出身/ 55.15kg)33戦17勝(2KO)10敗6分
        VS
挑戦者4位.珠璃(=安黒珠璃/闘神塾/兵庫県出身18歳/ 54.85kg)6戦5勝(1KO)1分
勝者:珠璃 / 判定0-3
主審:中山宏美      
副審:勝本28-29. 宮沢27-30. 少白竜29-30

いつもより蹴りが出ていた浅井春香だったが、パンチと蹴りで前進する圧力は珠璃が優っていく。組み合ってのヒザ蹴りは浅井の得意技であっても流れを引き寄せられない。

やや不利な展開ながら、微差が付かないとしたら、また引分け防衛も有り得るかという中、的確差が優った珠璃が順当な判定勝利で王座奪取となった。浅井春香はV3成らず。

浅井春香をロープ際に追い詰めた珠璃
珠璃を囲む闘神塾陣営と坂上顕二氏、伊原信一氏、竹越義晃氏

◆第10試合 女子(ミネルヴァ)ペーパー級(95LBS)タイトルマッチ 3回戦

選手権者.上真(ROAD MMA/1985.10.16石川県出身/ 42.4kg)16戦6勝10敗
        VS
挑戦者1位.撫子(GRABS/2000.7.7北海道札幌市出身/ 42.05kg)16戦11勝(1KO)4敗1分
勝者:撫子 / 判定0-3
主審:椎名利一
副審:宮沢28-29. 勝本28-29. 中山29-30

撫子(なでしこ)が上真の技を封じて王座奪取。手数は互角も的確差で撫子が優った。撫子が先手を打った多彩に蹴って出た前蹴りの効果も出てヒットを増やし、判定勝利で最軽量級の新チャンピオン(第2代)。上真は昨年10月13日に初代王座獲得となりながら5ヶ月足らずで陥落となった。

撫子の前蹴りが上真の顔面にヒット、先手を打つ技の素早さが優った

◆第9試合 女子ミネルヴァ 52.0kg契約3回戦(2分制)

鈴木咲耶(チーム鈴桜/静岡県出身17歳/ 51.85kg)6戦4勝(1KO)2敗
      VS
RUI・JANJIRA(ジャンジラ/東京都出身24歳/ 51.95kg)10戦3勝(1KO)6敗1分
勝者:鈴木咲耶 / 判定3-0
主審:少白竜
副審:椎名30-27. 勝本30-28. 中山30-27

長身を活かした的確な蹴りのヒットを続けた鈴木咲耶。距離を上手くコントロールし、組み合ってもヒザ蹴り、離れて前蹴りのヒット、RUIも果敢に攻めたが的確差で鈴木咲耶が上回った。

◆第8試合 ライト級3回戦

崇斗(HAKUBI/香川県出身28歳/ 60.7kg)5戦2勝3敗
      VS
金沢ごりちゅう光輝(AX/ 61.1kg)2戦2勝
勝者:金沢ごりちゅう光輝 / 判定0-3
主審:宮沢誠
副審:椎名25-30. 少白竜24-30. 中山25-30

カーフキックが鋭くヒットさせた金沢光輝。ヒザ蹴りも圧倒し、初回に頭部ヒットと最終ラウンドにもヒザ蹴り連打で崇斗からノックダウンを奪い、ノックアウトに近いほど圧倒し大差判定勝利。

◆第7試合 48.0kg契約3回戦

植田琥斗(E.S.G/埼玉県出身18歳/ 47.2kg)3戦1勝2敗
      VS
庄司翔依斗(拳之会/岡山県出身17歳/ 47.2kg)2戦2勝(1KO)
勝者:庄司翔依斗 / KO 1ラウンド 1分36秒 /
主審:勝本剛司

スピード、鋭さで優った庄司翔依斗、ローキックからの右ストレート、更に右ストレートで開始早々30秒ほどでノックダウンを奪った。更にパンチ連打で圧力掛け左フックで二度目のノックダウンを奪った。

蹴りで距離を取りたい植田琥斗も自分の距離を保った庄司がニュートラルコーナーに詰め右ストレートの3ノックダウンで圧勝。兄の庄司理玖斗と競っての成長が期待される。

◆プロ第6試合 女子ミネルヴァ55.0kg契約3回戦(2分制)

MEGU(KICK SPARK/ 54.75kg)9戦2勝7敗
      VS
MIO La Reyna(TEAM REY DE REYES/ 54.4kg)6戦1勝5敗
勝者:MIO La Reyna / 判定0-3
主審:中山宏美
副審:少白竜28-29. 勝本28-29. 宮沢28-29

※第1試合から第5試合のアマチュアジュニアキックは掲載枠都合で割愛します。

《取材戦記》

木下竜輔は2022年5月15日にジョニー・オリベイラを右ストレートでぶっ倒し脚光を浴びるも、その後は負けが込む中堅クラスに埋もれた感じだった。昨年3月3日の王座決定戦では、ジョニー・オリベイラの“倒されない頑丈さ”に阻まれ王座奪取成らず。「このままでは終われない」と語っていた木下竜輔は、今回見違えたような切れのあるローキック、飛びヒザ蹴りで蘇った。

伊原越谷ジムは2023年春に誕生した支部で、木下竜輔も今回のトレーニングは本部も支部もトレーナーが入り混じって、主にこちらで鍛え上げられた模様。「竜輔やるじゃん!」そんな声も聞かれそうな伊原ジム陣営だろう。

赤平大治は昨年12月8日、DUELで大岩竜世に僅差2-1の判定負け。そこからWKBA世界挑戦に繋がるとは意外だったが、瀬戸口勝也に挑むコンテンダーとして技量は備わっていたと考えられる。そしてニュージャパンキックボクシング連盟の新鋭が一気に新日本キックボクシング協会のトップを喰ってしまった。

最初のノックダウンを奪った際、“やった~!”と舞い上がってニュートラルコーナーに行かず、カウントが中断された際、瀬戸口を回復させてしまう事態に若林直人会長は「何やってんだ、バカ!」と感情むき出しの怒り心頭も、その後倒して勝ったら満面の笑みで赤平を抱き締め褒めていた感情の急変が面白かった若林会長であった。

時代は移り変わり、今回の新しいチャンピオンが誕生。交流戦の在り方も変わりつつある現在である。

昨年10月、瀬戸口勝也を倒した辰樹(Y’ZD)がWKBA世界挑戦を懇願していたが、今後も辰樹が絡んで来る公算もあり、新日本キックボクシング協会にとっては人材不足の今後も交流戦も活発に、他団体選手が注目されることも拒まず、迎え撃つのは木下竜輔が中心となっていくでしょう。

新日本キックボクシング協会次回興行は5月11日(日)に後楽園ホールに於いてTITANS NEOS.36が開催されます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

暴走する湯崎県政! 跡地利用はコンセプトがブレブレ!「マリーナホップ」は存続で良かった疑惑が深まる さとうしゅういち

広島県の湯崎英彦知事は、広島市内で唯一の水族館だったマリホ水族館や同じくし内唯一の観覧車を含むショッピングモール「マリーナホップ」(広島市西区観音新町地区)との県有地契約を2024年度限りで打ち切り、後継の施設を東京の自動車用品会社「トムス」に造らせようとしています。

◆波乱続いたモビリティーパーク案

そのトムスの案ですが、モビリティーパークといって、車やバイクなどの乗り物をテーマとした施設にする予定でした。ところが、この案については、当初から波乱続きです。マツダやトヨペットなど地元の大手企業がメインから引いています。なぜ、大手が引くのか?それは、「見通しが不透明」だからではないのか?

また、中国新聞社がこの問題について情報公開請求したところ、「企業秘密に当たる」などという理由で黒塗り文書が公開されるなど、不透明な湯崎県政の対応が続いてきました。

◆温浴施設に外国人富裕層ターゲットのホテル?

そして、このほど、2025年2月定例県議会において、県当局は、修正案を議会側に提示してきました。それは、モビリティーパークに加えて温浴施設、そして主には外国人富裕層をターゲットとしたホテルを加えるというものです。

しかし、冷静に考えると、西区観音新町地区から例えば原爆ドームを含む平和記念公園からは少々遠いのです。純粋に商売だけを考えれば、世界遺産である宮島や、中区の平和記念公園、あるいは広島駅周辺なら外国人富裕層向けのホテルは成り立つでしょう。それ以外の成功例で言えば、いま「時の人」となっているウクライナのゼレンスキー大統領たちがG7広島サミットで利用した南区元宇品のグランドプリンスホテル広島があります。しかし、グランドプリンスホテル広島の場合は、原生林に囲まれ、海に面した窓からの景色も極めて良好です。工業地帯だったマリーナホップ跡地とはくらべものにもなりません。

◆コンセプトがブレブレ

そもそも、コンセプトが異なる色々なものをぶち込んでも、上手くいかない。車やバイクに興味が薄い層も取り込む、というが、逆に、ピンボケしかねないのではないでしょうか? 近年では商売でも選挙でも、良いか悪いかは別にして「ハッキリした」会社や政党・政治家が(購入先・投票先としても就職先としても)ウケる傾向が顕著にみられます。

◆これなら、マリーナホップ存続で良かった

はっきり申し上げます。こんなことなら、マリホ水族館や観覧車を中心にマリーナホップを存続させた方が、広島県民のためには「より少なく悪い」選択肢だったのではないでしょうか? 確かに、広島市内にショッピングモールが他にも増えた中で、苦戦はしていた。しかし、マリホ水族館は、広島市内では唯一の水族館でした。観覧車も含めて、子どもと一緒に安心して遊びに行ける場所でした。筆者には子どもはいませんけれども、広島市内には意外と子ども・若者が安心して遊べる場所は少ないのです。そういうことと、子ども医療費の助成が全国と比べても遅れている。このあたり「も」人口流出の背景の一つになっているのではないでしょうか?

マリホ水族館(筆者撮影)

◆インバウンド重視の暴走は広島の水・食べ物を台無しに

今、広島県内も広島市や廿日市市を中心にインバウンドブームに沸いてはいます。廿日市市の本土側では大規模なリゾート開発工事が進んでいます。しかし、その現場から大量の土砂が流出。今年は恒例のカキ祭りが中止になるほどカキが不作でした。因果関係は不明ですが、きちんと調べる必要があるのではないか?一方、廿日市市の宮島側でも包ヶ浦自然公園に富裕層向けのホテル誘致が計画されています。そして、住民から懸念の声が亜上がっています。

※宮島包ヶ浦自然公園のホテル誘致計画を白紙撤回してください
https://voice.charity/events/2476

こうした声を無視して市は開発を推進し、県はそれを許可して良いのでしょうか?カキの養殖に悪影響が出れば、広島県が進めてきた広島食材や料理のPRも根底から崩れます。立ち止まることが必要です。

◆「東京・関東の煌びやかさ」ばかり重んじる湯崎県政の限界

湯崎英彦・広島県知事は2025年、4期16年目の最後の年を迎えています。湯崎さんは就任当初は、不十分だった情報公開などに積極的だったし、筆者も期待して湯崎さんに一票を入れました。

しかし、3選を果たされたあたりから、どうも、東京の企業とか、中央官僚とか、平川教育長ら関東の煌びやかな経歴な方ばかりを優遇する県政、地元で地道に頑張って来られている若手・中堅や企業を疎んじる県政へと暴走を加速しているように思えます。

もちろん、広島県はいわゆる封建的な風土も健在です。それも、いわゆる国政野党に顕著です(詳しくは「茶番選挙 仁義なき候補者選考」楾大樹著などご参照ください)。

こうした中で、地元で地道に頑張って来られている若手・中堅や企業は挟み撃ちにあって「面白くない」状態なのではないでしょうか?

湯崎県政をリセットし、県民に広島を取り戻し、知事から広島の水・食べ物を守る庶民革命。11月に県知事選挙が予定されている今年こそ、正念場です。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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『季節』2025年春号 〈3.11〉に想う── 季節編集委員会

今年も〈3.11〉がやって来ました。──

この頃になるいつも想うのですが、原発事故で狂わされた人の人生、生活、命です。

いまだにフクシマでは棄民政策がなされ、生まれ育った故郷に戻れない人たちも多いです。確かに法律上は戻れることになった町もあるでしょうが、人がほとんどいなくなった町で、どうやって生活していくのでしょうか。

筆者は50歳を過ぎてから、望郷の念が強くなり、中学、高校の同窓会活動に精を出し始めました。多くの同期生もそのようで、いったんは都会へ出ても、かなりの人数が帰郷しています。

フクシマでは、帰るに帰れない人たちが多いです。原発事故を起こした東電に対し、まさに「故郷を返せ!」と叫びたい方も多いでしょう。当時の東電の幹部はどう考え、どう責任を取ろうとしているのでしょうか。いつも素朴な疑問に苛まれます。みずからの意見も公にせず責任も取らず、彼らはひっそりと暮らしているかのように思われます。

昨年10月、当時の東電トップ、勝俣恒久が亡くなりました。一切の責任も取らずに、です。また勝俣死去をマスメディアはほとんど報じませんでした。彼が生前やってきたことの意味の問い直しぐらいやるべきだったのではないでしょうか。

今後、当時の東電の幹部が相次いで亡くなっていくでしょう。責任をどう取るのでしょうか。せめて気持ちだけでも家、屋敷を売って被災者へ寄付するぐらいはやるべきでしょう。被災者はみな人生、生活を狂わされ命を絶った方もいるわけですから──。

ところで本誌も昨年夏・秋合併号で創刊10周年を迎えることができました。本誌は月刊『紙の爆弾』の増刊号として季刊ペースで発行してまいりました。あとの5年は新型コロナとの闘いで苦戦しました。創刊10周年の集いも開く予定が諸事情で開けませんでした。4月5日に『紙の爆弾』20周年と共に、記念の集い(具体的には巻末参照)を開催することになりました。両誌とも、今後10年、20年と続かせようと願って。関東周辺にお住いの方はぜひご参加をお願いいたします。

■『季節』2025春号の発行が10日遅れます。

本来3月11日発行の『季節』2025春号ですが、10日遅れ3月21日発行(17日発送)となりました。申し訳ございません。例年3.11当日の発行で、今年もそのつもりだったのですが……。これは財政的な問題とは直接関係はございません。編集作業が遅れ、遅れ自体は2、3日のことでしたが、今年の2月は2日少なく、また年度末で印刷・製本の予定ラインから一端外れたことで歯車が狂い10日遅れの発行となりました。とはいえ、工程管理が緩かったのは事実で弁解の余地もございません。何卒ご容赦お願いいたします。

2025年3月 季節編集委員会

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2025年春号(NO NUKES voice 改題 通巻42号)
紙の爆弾 2025年4月号増刊
A5判 132ページ(巻頭カラー4ページ+本文128ページ)
定価770円(税込み) 2025年3月21日発売
 
《特集》原発被曝を問い直す 福島十四年後の実相

[グラビア]原発事故の後始末 汚染土2兆2000億円の現場(写真・文=山川剛史

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
[報告]福島原発事故被害者の被曝と原子力ギャング

今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
[講演]飯舘村の放射能汚染のこれまでとこれから

山川剛史(東京新聞編集委員)
[報告]迫る汚染土の再利用 解決の道はあるのか

伊藤延由(飯舘村 元「いいたてふぁーむ」管理人)
[報告]「被ばくの実態」調査から原発事故の実像を測る

尾﨑美代子(本誌編集委員/西成「集い処はな」店主)
[報告]自宅の放射線測定記録に疑惑あり
いのちにかかわるデータは捏造されたのか?

子ども脱被ばく裁判の会
[報告]呆れ果てても、諦めない! 子ども脱被ばく裁判で明らかになったこと

片岡輝美(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
十年間の闘いを経て
水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
裁判によって知らない事実が明らかになった
井戸謙一(「子ども脱被ばく裁判の会」弁護団共同代表)
この裁判が生み出したいくつかの成果
樋口英明(元福井地裁裁判長)
真実はこれを求める人にのみ与えられる

和田央子(放射能拡散に反対する会)
[報告]原子力マフィアが主導する福島汚染土再生利用

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
[報告]《検証》もしも柏崎刈羽原発が攻撃されたら……

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
[報告]英国の核燃料サイクル政策の大転換

山崎隆敏(元越前市議会議員)
[報告]万博と原子力 「いのち輝く未来」と「核ゴミ・被曝労働」の矛盾撞着

《第2弾》避難対策は全国どこでも「絵に描いた餅」

日野正美(女川原発再稼働差止訴訟原告団事務局長)
[報告]女川原発の避難計画は不備だらけ! 住民無視の運転を中止せよ!

土光 均(米子市議会議員)
[報告]県庁所在地に立地する島根原発で大災害が起きた時
松江市民に逃げ場所はあるか?

森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
[報告]原発避難者にとっての14年 その絶望と希望

原田弘三(翻訳家)[報告]「脱炭素」の本質

佐藤雅彦(翻訳家/ジャーナリスト)
[報告]NUKE WARS――原子力帝国の逆襲
    原子力は地域社会に「核分裂」をもたらす

板坂 剛(作家/舞踊家)
[報告]再び 三島由紀夫生誕百年に想う

山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
[報告]山田悦子の語る世界〈26〉最終回 絶望の時代《今》を生きる意味〈下〉

平宮康広(元技術者)
[報告]水冷コンビナートの提案〈3〉

再稼働阻止全国ネットワーク
 東電に原発うごかす資格なし すべての原発の再稼働阻止
 フクシマは終わっていない

《福島》黒田節子(原発いらね!ふくしま女と仲間たち)
「本当のフクシマを知ってください」 西日本スピーキングツアー
《福島》橋本あき(福島県郡山在住)
 東電福島原発事故の残響は続く
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
【ネット署名】深刻な原発事故を起こした東京電力による
 柏崎刈羽原発の再稼動を許すなの声を結集しよう
《北海道》瀬尾英幸(泊原発立地四町村住民連絡協議会)
 泊原発は必ず止める
《静岡》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
「基準津波25.2メートル」に対応するために、またまた防波壁かさあげ!
《福井》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 関西電力(関電)に、約束を履行させ、全ての老朽原発を廃炉に!
《東海第二》横田朔子(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会)
 日本原電も東海第二原発も崖っぷち!~東海第二原発の中央制御室で火災発生~
《東海第二》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 防潮堤の修復案を示せない原電は、廃炉事業に専念するよう求めます
《書評》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)
 小田実の『被災の思想 難死の思想』── 本の〈発掘〉①

[反原発川柳]乱鬼龍

3月後半開催のキックボクシング   4つの興行の見どころ! 堀田春樹

◆女子だけの試合 第3弾

戦績不振の選手は多い女子選手だが、選手層は厚くなってきた現在、女子だけの興行も成り立つ時代となりました。

昨年4月14日のGODDESS OF VICTORYⅡに於いてのミネルヴァ・スーパーフライ級王座決定戦で、上野hippo宣子に判定勝利しながら計量失格により王座奪還成らなかったNANAは、10月6日の新日本キックボクシング協会TITANS NEOS 35での同王座争奪4人制ワンデートーナメントに於いて、準決勝を3位.YURIKO SHOBUKAI(尚武会)に判定3-0勝利、決勝を5位.鈴木咲耶(チーム鈴桜)に判定3-0勝利し、遠回りしながら王座奪還。

そのNANAの今回の初防衛戦は上野hippo宣子との再戦。経験値からNANAの勝利は堅いところ、この一年間、上野がどんな研究をし、新たな戦略でいかに巻き返すか。

◎GODDESS OF VICTORY Ⅲ / 3月16日(日)GENスポーツパレス16:15~
主催:ミネルヴァ実行委員会 / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)

●第13試合 ミネルヴァ・スーパーフライ級タイトルマッチ 3回戦
 選手権者.NANA(エス)vs 挑戦者3位上野hippo宣子(ナックルズ)

●第12試合 ピン級(100LBS)ノンタイトル3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・アトム級チャンピオン.Nao(AX) 
       vs
 WMC日本女子ピン級チャンピオン.MIREY(WSR・F三ノ輪) 

●第11試合 アトム級(102LBS)3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・ピン級1位.祥子JSK(治政館)vs ミネルヴァ・アトム級3位.Marina (健心塾) 

●第10試合 ペーパー級(95LBS)3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・ペーパー級2位.AIKO(AX)vs 沙緒里(ワイルドシーサー前橋関根)
●第9試合 スーパーフライ級3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・スーパーフライ級5位.紗耶香(格闘技スタジオBLOOM) 
       vs
 同級7位.響子JSK(治政館)

●第8試合 ライトフライ級3回戦(2分制) 
 ミネルヴァライトフライ級7位.堀田優月(闘神塾)vs ラジーナ・ビスタ(エラワンムエタイ)

●第7試合 ペーパー級3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・ペーパー級4位.Uver∞miyU(T-KIX)
        vs
 港町なぎさ(ワイルドシーサー前橋元総社)

●第6試合 55.0kg契約3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・スーパーフライ級10位.松藤麻衣(クロスポイント吉祥寺) 
        vs
 妃芽奈(ワイルドシーサー高崎)

 他、プロノーランカー5試合、アマチュアEXPLOSION 5試合予定

昨年4月、NANA(左)は上野hippo宣子に判定勝利、今回の再戦で防衛成るか

※               ※               ※

◆コロナ禍以前の勢いに戻って来たムエタイオープン
 ルンピニージャパンタイトル始動

与那覇壱世は2019年12月1日に岩浪悠弥(橋本)に1ラウンドKO負けしてルンピニージャパン・バンタム級王座を失っているが、ノックダウンした際に反則蹴りを受けてダメージを引き摺っての敗戦でもあった。

その後のコロナ禍を経て、KNOCK OUT(RED)スーパーバンタム級王座奪取するなど飛躍を続けた壱世は、昨年11月10日、NJKFに於ける「JAPAN CUP 1st ROUND 55kg級8人制トーナメント初戦(準々決勝)」で、それまで散々挑発してきた嵐(KING)に冷静な試合運びで経験値を見せ付けた判定勝利。

12月30日の「K.O CLIMAX 2024」に於いてのワンデートーナメント準決勝では、前田大尊(マイウェイ)に延長判定で決勝進出したが、決勝戦では森岡悠樹(北流会君津)にノックダウンの応酬のKO負けで優勝は成らなかった。ワンデートーナメントは通常公式戦と違う異質なもので、休養を経て今回も好調な壱世として戻って来るだろう。

ルンピニージャパンタイトルもコロナ禍を経て復活。ジャパンタイトル戦にタイ選手起用という疑問符も残りますが、これもプロモーター主導の国境無きタイトルと認識していくべきところでしょう。

◎MuayThaiOpen.50 / 3月22日(土)墨田区体育館(ひがしんアリーナ)
主催:センチャイジム / 認定:ルンピニージャパン(LBSJ)
アマチュア大会11:00~ /プロ興行17:00~

●第13試合 ルンピニージャパン・スーパーバンタム級王座決定戦 5回戦
 壱・センチャイジム(=与那覇壱世/センチャイ)vs シンクロン・コーイ・ヌムパグデェ(タイ)

●第12試合 ルンピニージャパン・バンタム級王座決定戦 5回戦
 矢島直弥(TSK Japan)vs イティポンシット・ポー・チョーウォー(タイ)

●第11試合 ルンピニージャパン・ライト級王座決定戦 5回戦
 弘・センチャイジム(=大森弘太/センチャイ)vs 新田宗一朗(クロスポイント吉祥寺)

●第10試合 58.0契約3回戦
 稔之晟(マイウエイスピリッツ)vs チャイヤンレック・モー・コーチョーチェンマイ(タイ)

●第9試合 63.0kg契約3回戦
 錦和道(FIGHTBASE都立大)vs テレカ(NEXTLEVEL渋谷)

●第8試合 ウェルター級3回戦
 中村漣(BOUNCER)vs ムン・ソンチョル(韓国)

●第7試合 55.0kg契約3回戦
 駒木根稔和(TSK Japan)vs 渡辺悠斗(センチャイムエタイ錦糸町)

 他、6試合

壱世は他団体でビッグマッチ続きも好調を維持

※               ※               ※

◆KICK Insistの常連メンバー勢揃い

ここに何かひとつビッグなタイトルマッチが欲しいところではありますが。瀧澤博人を越えた感のメインイベンター(大トリ)としての睦雅の存在は大きいでしょう。

さらにフライ級王座を狙う細田昇吾と同級チャンピオンとして君臨する西原茉央の試合運びの比較も見どころです。

◎KICK Insist.22 / 3月23日(日)後楽園ホール17:15~
主催:VICTORY SPIRITS / 認定:ジャパンキックボクシング協会(JKA)

●第13試合 63.0kg契約 5回戦     
 ジャパンキック協会ライト級チャンピオン.睦雅(ビクトリー)
        vs
 ポムロップ・ルークスワン(元・S-1スーパーフェザー級Champ/タイ)

●第12試合 57.5契約3回戦 
 瀧澤博人(WMOインターナショナル・フェザー級Champ/ビクトリー)
        vs
 プラカイトーン・トータラヤン(元・ジットムアンノンstadium・Sバンタム級8位/タイ)

●第11試合 52.0契約3回戦   
 ジャパンキック協会フライ級チャンピオン.西原茉生(治政館)
        vs
 コウシ・ノーナクシン(WMOインターナショナル・ミニフライ級Champ/タイ)

●第10試合 スーパーフライ級3回戦   
 ジャパンキック協会フライ級1位.細田昇吾(ビクトリー)
      vs
 NKBフライ級5位.滑飛レオン(テツジム滑飛一家)

●第9試合 ウェルター級3回戦  
ジャパンキック協会ウェルター級3位.正哉(誠真)vs 梅沢遼太郎(白山道場)

●第8試合 ライト級3回戦  
 ジャパンキック協会ライト級2位.菊地拓人(市原)vs 青木大好き(OZ)

●第7試合 58.0kg契約3回戦   
 ジャパンキック協会フェザー級5位.眞斗(KIX)vs 同級6位.石川智崇(KICKBOX)

●第6試合 70.0kg契約3回戦   
 ジャパンキック協会ウェルター級5位.我謝真人(E.D.O)vs 白井大也(市原)

●第5試合 バンタム級3回戦 
 松田悠哉(誠真)vs JKイノベーション・バンタム級8位翔力(拳伸)

 他、ノーランカー4試合

ジャパンキックボクシング協会のメインイベンター睦雅も国内外で好調を維持

※               ※               ※

◆原点回帰から挑戦へ、令和の全日本キックボクシング協会の2年目!

設立2年目は新たな挑戦へ、韓国ムエタイ協会との提携、日本vs 韓国戦が開催。
オーシャン・ウジハラ連続出場で迎え撃つ。

◎挑戦 / 3月28日(金)後楽園ホール17:30~
主催:全日本キックボクシング協会

オーシャン・ウジハラは昨年12月28日、瀬川琉に僅差判定負けしているが、体幹崩れないベテランの技で瀬川を苦しめた存在。無所属ながら今回のメインイベンターとなった。

元々はセンチャイジム所属で2009年にWBCムエタイ日本フェザー級王座獲得し、その後プロボクシングに転向したり、キックボクシングに復帰したり紆余曲折を経て戦い続けています。まだ結果を残せる余力有りでしょう。

広翔と横尾空は昨年3月16日の設立興行でデビューし、「早くメインイベンターと成れ!」と期待の下、一年間一緒に戦って来た二人が、今年は王座を狙える地位へ浮上出来るか、壁にぶつかるか周囲は期待と不安の中、見守りたい存在でしょう。


●メインイベント 60.0kg契約3回戦
 オーシャン・ウジハラ(=氏原文男/無所属/1986.10.12高知県出身)27戦13勝(8KO)14敗
 vs
韓国ムエタイ協会フェザー級チャンピオン.Flash(本名=クォン・ヒョンウ/2000.11.25韓国出身)10戦8勝2敗

●セミファイナル バンタム級3回戦
 広翔(稲城)4戦3勝(1KO)1敗
      vs
 Joker(本名=パク・スンホ/2002.9.13韓国出身)5戦1勝(1KO)4敗

●フライ級3回戦
 横尾空(稲城)vs 小池空(I DEAL)

●スーパーフライ級3回戦
 HIROKI(AKIRA ~budo school~)vs 井上蓮治(パラングムエタイ)

●ライト級3回戦
 山田旬(アウルスポーツ)vs 生野逸晟(WSR三ノ輪)

●ライト級3回戦
 福僚太(健成会)vs 風間祐哉(WSR三ノ輪)

●フェザー級3回戦
 中村健甚(稲城)vs 斎藤鷹也(TRIM)

 他、4試合

氏原文男は全日本キックボクシング協会へ連続出場、メインイベントを務める

※               ※               ※

以上は3月後半の関東エリアで行なわれる一部のスケジュールです。

この中での注目度高い選手は「2025年に輝くキックボクサーたち」でも登場した睦雅と壱世で、広翔と横尾空、細田昇吾と西原茉生も今後も話題性高くなるでしょう。オーシャン・ウジハラがこの先、どこまで引っ?き回してくれるかも注目です。
4月以降の興行も展望は続いていく予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

『紙の爆弾』2025年4月号に寄せて 『紙の爆弾』編集長 中川志大

おかげさまで『紙の爆弾』は、次号2025年5月号で創刊20周年を迎えます。姉妹誌の反原発情報誌『季節』は昨年創刊10周年を迎えました。それらを記念し、2025年4月5日(土)に東京で読者の集いを開催します。一回限りの全力イベントです。発売中の4月号でご案内を掲載しておりますので、ぜひご参加をお願いいたします。

今月号では「USAIDとは何か」を徹底解説。米国トランプ政権の「USAID廃止」がインターネットを中心にこれほど盛り上がったのは、そもそも「メディアがおかしい」という意識が、人々の中にあったからです。日本でも「マスゴミ」という言葉は昔からあり、権力監視の一環としてのマスコミ監視は、本誌のようなメディアの普遍的なテーマでもあります。ただし、単なる「ゴミ」ではなく、むしろ権力機関の一部として、その役割を積極的に果たしてきたことに、今注目が集まっているわけです。「政官業米電(電波)利権複合体」は植草一秀氏の指摘です。しかし、USAIDやNED(全米民主化基金)がなくなればいいのかというと、ことはそう単純ではありません。その点が、既存マスコミはもちろん、インターネットでもほとんど触れられていない点だと思われます。新たな形による「支配」にこそ、私たちは警戒しなければなりません。

USAIDを資金源とするNEDやCIA(米国中央情報局)に限らず、諜報や工作が歴史を動かしてきたことは、指摘するまでもない事実です。今月号ではいくつかの事例とともに、元外交官の孫崎享氏が解説。私たちが日々接しているニュースが、それらの結果にすぎないということは、頭に入れておかなければなりません。そして、諜報・工作のメインターゲットは、外国政府だけではなく、その国の「世論操作」です。ウクライナ・ゼレンスキー大統領とトランプ大統領の会談「決裂」に、3月号登場の鳩山友紀夫元首相は「問題はプーチンを悪者で敵だとする考えに染まっていては、戦争は終わらない。日本だけでもトランプに協力して戦争を止めたらどうだ」とXでコメント。踊らされない視点こそ、重要です。

昨年11月号に続き、鈴木宣弘・東京大学大学院教授が、「食と農の危機」を再び解説。コメをはじめ食料価格の高騰が続く中、「農業の憲法」といわれる食料・農業・農村基本法の大改悪に伴い4月1日に施行される「食料供給困難事態対策法」で、日本の農業はどうなるのか。そして、この危機に立ち向かうために私たちができることは何なのか。まさに今読むべき内容です。

また、2月13日に東京・広島・大阪・熊本・中央・武蔵美大の大学生たちが中心となって集会を開いた「学費値上げ反対運動」を取材。これがなぜ「新しい形の学生運動」といえるのか、レポートをぜひお読みください。学生たちのnoteもぜひご参照を。(https://note.com/no_raise_ut/n/n2caa621385ee

ほか、4月号では、オンラインカジノ摘発と大阪カジノ万博の関係、再び注目される「フジテレビ・日枝久とジャニーズ」、世界に跋扈する「現代版ノストラダムス」など、各分野で真相に迫る多彩なレポートをお届けします。全国書店で発売中です。ぜひご一読をお願いします。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

『紙の爆弾』2025年 4月号
A5判 130頁 定価700円(税込み)
2025年3月7日発売

戦争勃発させ国を壊す「西側工作」米ロ「諜報戦」の実相 孫崎享
4月施行 食と農と命を殺す「食料供給困難事態対策法」 鈴木宣弘
イスラエル暴虐の行方 トランプとネタニヤフを結ぶ「ガザ2035」構想 広岡裕児
世界マスコミ「沈黙」の真相 USAID廃止に潜むイーロン・マスクの野望 西本頑司
日本を蝕む「2+2」を破棄せよ 日米安保第四条の闇 木村三浩
「警察・自衛隊の外国攻撃」と「秘密保護強化」能動的サイバー防御法案は戦争推進法である 足立昌勝
「LGBT問題」「トランスジェンダー神話」刊行にあたって 反「性自認至上主義・クイア思想」の宣言 滝本太郎
自衛隊改組と日本永世中立化 日本から始まる新時代の地政学 藤原肇
吉本芸人に相次ぐ「見せしめ聴取」オンラインカジノ摘発 警察と政府の目的 片岡亮
「学費値上げ反対」と「103万円の壁」問題 「大学学費ゼロ」が世界の常識である 浅野健一
フジテレビと芸能プロの関係史 再び注目される「日枝久とジャニーズ」 本誌芸能取材班
世界各地を席巻する「現代版ノストラダムス」たちの予言をひもとく 浜田和幸
「総裁選公約」はどこに消えた? 石破茂「無策」の理由 山田厚俊
NHKへの最後通牒――「さらば“波”だ!」と言おう 佐藤雅彦
日本政治の衰退と世代間分断の根本原因 上條影虎
鎌倉名物カフェ立ち退き問題「小泉政権のキングメーカー」の死 青山みつお
シリーズ日本の冤罪 養女強姦虚偽告訴事件 片岡健
「カウンター大学院生リンチ事件」から十年(下) 松岡利康

〈連載〉
あの人の家
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け 西田健
「格差」を読む 中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座 東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER Kダブシャイン
「ニッポン崩壊」の近現代史 西本頑司
まけへんで!! 今月の西宮冷蔵

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