吉松さんに質問をする被告代理人が戸田泉弁護士に交代した。
戸田泉弁護士 代理人の戸田から質問させていただきます。ええと、確認ですが、マットさんはあなたのマネージャーですか?
吉松育美 海外エージェントです。
戸田泉弁護士 付き人という理解でいいですか?
吉松育美 そうですね。
戸田泉弁護士 ええと、話は飛びますが、久光さんとの契約の時にあなたはスキャンダルとか悪いことが問題になるのではないかということをおっしゃっていたと思いますが、そのスキャンダルというのはそのマットさんと同棲しているという噂と、実際は同棲しているかどうかは、分かっていませんが、同棲しているかどうかといことがスキャンダルということですね?
吉松育美 それは分かりません。どんな形であれ、スキャンダルはスキャンダルです。
戸田泉弁護士 そのスキャンダルとか悪いことというのは、あなたから見たら、どういうのがスキャンダルとか、悪いこととして久光さんが考えていると理解していますか? 先ほど、スキャンダルとか悪いこととおっしゃったと思いますが、それは具体的には?
吉松育美 たとえば、週刊誌に漏れるとか、そういうことだと思います。
戸田泉弁護士 週刊誌に載ってしまうと、広告は出れない、そういう事態ですか?
吉松育美 そうですね。日本の芸能界は、いいことでも悪いことでも、週刊誌に載るということはすごく嫌う傾向がありますので、スキャンダルというのは、週刊誌に載ってしまうこと。
戸田泉弁護士 その他に何かありますか?
吉松育美 悪いことというのはいろいろありますけど、今、ぱっと思いつくことはありません。
戸田泉弁護士 同棲しているという噂が流されることや週刊誌に載ることがスキャンダルや悪いことということですね?
吉松育美 同棲していることが悪いというというのは、私の人権というか、私も自由に恋愛をする権利はありますので、悪いことにはならないです。それを面白おかしく仕立てあげるマスコミがそれに対して拒絶反応をしてしまうような企業。
戸田泉弁護士 今度は契約の金額の話です。先ほど、3000万円から5000万円というお話だったと思いますが、交渉は誰が行なっていたんですか?
吉松育美 テイラーが。
戸田泉弁護士 テイラーさんは弁護士ですか?
吉松育美 違います。
(この質問には、契約交渉のような法律行為を他人に代わって行うことは、本来、弁護士でなければ行えないものではないか、という含みがある。実際、暴力団絡みの地上げ事件で地上げ屋が弁護士資格を持たず地上げ交渉をしたために弁護士法違反で摘発された事例がある。場合によっては、テイラー氏も弁護士法違反に問われることもあるが、谷口氏も立場は同様であり、弁護士も深くは突っ込んでいない。芸能事務所が弁護士資格を持たずに出演交渉をタレントの代理人として行うことについて日本の芸能界では、ほとんど問題になったことがないが、タレントが芸能事務所から搾取される原因になっているとも言えよう)
戸田泉弁護士 どういう立場でやられていたんですか?
吉松育美 私の代理人として。
戸田泉弁護士 あなたは直接テイラーさんに代理権を与えたんですね?
吉松育美 というよりも、芸能界でタレントというのは、直接企業とお金の交渉をするものではない。だいたい、マネージャーや付き人、エージェントを間に挟んで値段の交渉をするので、その時、その役割だったのがテイラーだったと思っていただければと思います。
戸田泉弁護士 じゃあ、具体的に金額が3000万から5000万だったというのは、あなたは直接はやりとりされていないということですね?
吉松育美 直接はしていません。
戸田泉弁護士 3000万から5000万の開きがあると思いますが、それでもあなたが90%決まっていると思う根拠は何ですか?
吉松育美 交渉の間では3000万から5000万でしたが、最終的には3000万です。
戸田泉弁護士 3000万円で話がまとまったと考えていいですね。
吉松育美 はい。
戸田泉弁護士 今まであなたは、広告の契約を何本かやられていたのですか?
吉松育美 はい、アメリカでやっています。
戸田泉弁護士 これ以前には何本かやったことはありますか?
吉松育美 以前にはやったことはありません。
戸田泉弁護士 はい。今までは何か小さな金額の広告とかにも出たことはありませんか?
吉松育美 今までというのは?
戸田泉弁護士 契約の前。
吉松育美 ないです。
戸田泉弁護士 その前にあなたは事務所に所属されていたと思いますが、そこではどういう活動されていましたか?
吉松育美 ……イベントに出演したりということをやっていました。
戸田泉弁護士 そこに所属されるタレントさんで有名な方はいらっしゃいますか?
吉松育美 ゼロです。
戸田泉弁護士 そうすると、あなたは芸能界に詳しいとは決していえないんじゃないですか?
吉松育美 そうですね。はい、広告関係については、テクニカルな話については私はプロではありません。
戸田泉弁護士 谷口さんとお会いした回数については?
吉松育美 1回です。
吉松育美 日テレの時だけということですか。ええ、あなたがつきまとったと評価するのは、動産執行されたということと、あとは日テレの時と、ご両親に電話したことと後はあなたの主張によれば、久光さんとか、国際文化協会に谷口さんが圧力をかけたこと、あとは週刊誌を使ったこと。
吉松育美 プラス、私の事務所にいく度となく電話をかけてきたこと。
戸田泉弁護士 あなたの事務所というのは、あたなと今、新しい自分で立ち上げられた事務所ということですね。
吉松育美 はい。
戸田泉弁護士 そこで電話に出られたのは誰ですか?
吉松育美 うちのスタッフです。
戸田泉弁護士 何回ぐらい?
吉松育美 数えていないですが、覚えていないぐらいに電話がかかってきました。
戸田泉弁護士 頻繁にですか?
吉松育美 はい。(続く)
◎[参考動画]日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(日本外国特派員協会2013年12月16日公開)
○吉松育美さん公式サイト=http://ikumiyoshimatsu.com
○吉松育美さんFacebook=https://www.facebook.com/yoshimatsuikumi
○吉松育美さんYouTube=http://www.youtube.com/user/yoshimatsuikumi
▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。
◎事実の衝撃!星野陽平の《脱法芸能》
◎《脱法芸能36》宮根誠司──バーニングはなぜミヤネ独立を支援したのか?
◎《脱法芸能37》『あまちゃん』能年玲奈さえ干される「悪しき因習」の不条理
◎《脱法芸能40》安室奈美恵「移籍劇」は芸能界決壊への「パンドラの箱」を開いたか?