『逢えたらいいな プリズン・コンサート三〇〇回達成への道のり 限定4000部』は、刑務所への慰問コンサートを長きにわたってきたた女性デュオ「Paix2(ぺぺ)」が熱く思いを語った本である。ところが、軒並み週刊誌や月刊誌の書評欄にはとりあげていただけない。
『週刊新潮』の記者、A氏などは「鹿砦社の本をとりあげてくれっていうのか」といきなり説教を始める始末だ。当ブログや何度か『紙の爆弾』で新潮社をたたいているのが気に入らないのだろうか。冗談ではない。いきなり毎月、人脈の限りを尽くして自社の本を送りつけてくるのはどこの誰なのか。
「自分たちが都合のいいときだけ新刊を送りつけて、こっちが送るとハネるというのは、どういうことなんでしょうか」と私が反論すると、電話を叩き切られてしまった。新潮社の本など、送られても中身を見ずに捨てることにしよう。

女性デュオPaix2(ぺぺ)の、いたいけな活動ぶりは、2月に『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)でヒューマン・ドキュメントとして全国放映され感動が拡がっている。元受刑者が「生きる希望を与えられました」と涙するシーンには胸が打たれた。このような光景は、もうめったに現代ではお目にかかれない。

4月27日に、警視庁が新潮社の営業部次長、柳山努容疑者(44)を暴行容疑で現行犯逮捕した。
ゴシップ好きの週刊新潮は、身内にはまったく甘いのか、このことにはまったく触れない。
「事件やスキャンダルからヒューマン・ドラマをひもとく」というのが週刊新潮を売る時の文句だ。
雑誌を売る立場の新潮社の営業部次長が逮捕されたのなら、さあ「どうぞひもといて見せてくれ」と思うのは、私だけではないはずだ。

『週刊文春』の罪も同様だ。さんざん新刊本を各所に送っておいて、まったく他人の売り込みは受け付けない。こういうのを「お里が知れる」という。
5月31日の沢尻エリカの大麻疑惑のあと追い記事はやらないのか。ほかの映画会社のリークだというが、もし本当なら商売ラインにまんまとのせられた、おまぬけ編集部である。

『週刊SPA!』も論外である。だれにどう売り込みの本が渡っているか、今ひとつはっきりしない。
書評担当が何人もいるのだろうか。もしいるなら、膨大な経費の無駄である。
こうした大手出版社の手前勝手な論理につきあうのは、もううんざりである。
「どういうパブ戦略だったのですか。ちゃんとPRプランナーを呼んで、パブリシスト経由でやればちゃんとPRされていくんですよ!」と講談社のK氏は言う。
そんなこと、100人以上いる出版社しかできるわけがない。あなたたち大手出版社の想像力のなさには恐れ入る。なんでも金の力で他人にふるから、トラブル続きで会社が傾くのである。そうじゃないのか、30歳で年収が1000万円を超える講談社よ。
今いちど、紹介する価値がある本とはなんなのか、じっくりと吟味するがいい。

(渋谷三七十)