マスコミは覚せい剤取締法違反(所持)で2月2日に逮捕された元プロ野球選手の清原和博容疑者が「いつから、どのルートで覚せい剤を常習するようになったのか」「誰の影響でドラッグ漬けになったのか」ということばかり追及している。だが、メディアたちは2014年に「インターネットFRIDAY」の3月13日付の記事こそ「誤報」として断固として追及し、やり玉にあげ、その取材姿勢を糾すべきだ。
ここには、「独占告白 番長・清原和博「薬物疑惑の真相、全部しゃべったる!」として清原が「インシュリンは毎日打っているが、麻薬っていう意味での薬物はいっさい関係ない」と言い分を一方的に紹介しつつ、「2型糖尿病」の診断書まで会員には、写真として公開しているのだ。これを「覚せい剤推進記事」と呼ばずしてなんと呼ぶのか。
もし、捜査が進んで清原がこの2014年3月の時点で「覚せい剤を打っていたら」この『FRIDAY』は、すぐにでも休刊すべきだ。それくらい罪が重い報道である。
それにしても、この週刊誌は、清原が「シャブを抜いた」とする足立区の病院まで取材が届かなかったのか、もしくは警察の情報が入ってなかったのか。
「2014年1月からという時間軸なら、清原が覚せい剤の常習者なのは、警察とつながっている記者であればまず耳に入っている話で、それをわざわざ否定してみせるのは清原となんらかと癒着があったとしか考えられませんね。もしくは、『番長日記』として現役時代から清原のモノローグを掲載していた期間の罪ほろぼしで清原の味方をすることになったのか。いずれにしても『FRIDAY』が清原の『ドラックをやっていない』話を垂れ流したのは世紀の凡ミス。『週刊文春』が3月13日号で清原の薬物疑惑を報じたので、ライバルとしては逆に張れ、とばかりに『清原の味方』をしたのだろうがね。そもそも、清原が入院していたときの担当医、ニンニク注射を打っていた医師だって血液検査をしたときに成分分析で「覚せい剤の疑惑」がわかってた可能性だってありますよ。そちらをマスコミは注目すべきで、覚せい剤の入手ルートの解明は警察がやるべき問題」(スポーツ新聞記者)
『FRIDAY』は、読者への贖罪を含めて、緊急に「清原を擁護した」医師を追及すべきである。
「今回の清原の逮捕では、警察とどれくらいパイプがあるか、スポーツ新聞やテレビ局の報道を見ていればよくわかる。記者としても警察とのパイプがどれくらいあるかが問われているのだ。今のところ、逮捕場面に遭遇して動画で撮影できたTBSや毎日新聞は情報量でリードしている。それもそのはずで、TBSも毎日新聞も、警察だけでなく、相手がヤクザ雑誌の記者だろうと、場末のキャバクラだろうと『情報をくれる人は神さま』というスタンスでネタ元を大切にして、地を這うような取材をしていますからね」(同)
それにしても、もはや「権力への追撃」や「腐敗にメスを入れる」という切り口からは、『FRIDAY』は遠くなった。もし、今のままエロ本のごとく女のヌードを垂れ流すのなら、すぐに月刊にして、事件取材や政治の取材をやめよ。現場でもまったく記者を見なくなったが、仮にいたとしても邪魔なだけである。
「いいんじゃないの。今年いっぱいでどうせ『FRIDAY』と『週刊女性』はなくなりそうだからさ」(同)
確かに、なくなる雑誌に激怒している時間が惜しいような気もする。清原ネタをどこまで追及するのか.『FRIDAY』と、確かにもはや休刊が確定的だと囁かれている『週刊女性』には、メディアとしての矜持を見せていただきたいものだ。
(伊東北斗)
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