まず、あまり報道されていないが、フジテレビに脅迫ファクスを送り付けたとして、警視庁東京湾岸署が7月21日、新潟市東区、無職岩田洋一容疑者(49)を威力業務妨害の疑いで逮捕した。岩田容疑者は2009年以降、数百回にわたってフジテレビや芸能事務所などにファクスを送っていたという。
警視庁組織犯罪対策課の刑事、Yが言う。
「今どき、起訴できる事件が多ければ多いほど助かるのは本音だよ。電話やファックスだと証拠が残るから、簡単に威力業務妨害がなりたつ。喧嘩とかだと目撃証言だけになるからな」
要するに、本音としては「すぐに逮捕できる案件がほしい場合、威力業務妨害はおいしい」ということだ。

さまざまなネタをくれた組織犯罪対策課のこの男は、たまに接待をサボると「お前を逮捕しちゃおうかな。容疑はすぐにでもでっちあげられるさ」とウソぶくので、ヤクザよりもタチが悪いのだが、ネタとしては精度が高いものを持っているので、ここ5年ほどつきあってきた。ただしヤクザにも私のことが伝わっていない、と言い切れないところが腹芸を使うYの恐ろしいところだ。
「今どき、迷惑メール5回でも逮捕できるぜ。そういうやつがいたら教えろや」とYは言い放つ。

法律的なことを言えば、判例上、中華そば店に3ヶ月間に970回も無言電話をかける行為やデパートの売り場の布団に16回にわたり計469本の針を入れる行為は偽計によるものとされ、弁護士の業務用かばんを奪取し隠匿する行為や競馬場にくぎを撒き散らして、競馬の挙行を妨害する行為は威力による妨害となっている。

弁護士が言う。
「逮捕しようと思えば警察は、目の前で人が転んだだけでも、前にいた人間を逮捕できる」という。現役の刑事、ないし警察官が「見ていた」というのは、それだけ重いことなのだ。
それゆえに、利権も絡む。
Yではない知り合いの組織犯罪課の刑事は、「風俗店の摘発情報を流す見返り」として、月に5日も風俗店を貸切りして遊んでいた。ここまでいくと「ヤクザを食いモノにする」男である。
警視庁よ! いいかげんにしないか。今度、暴力団対策法が改正されて、抗争が激しい暴力団には処罰が重くなるが、まず粛清されるべきは、「マル暴」の刑事ではないだろうか。うーむ。

(鹿砦丸)