NHK朝の連ドラ「あまちゃん」でブレイクした能年玲奈が6月末に現在の事務所と契約が切れ、更新しない方針であることから「芸能界を引退か」と報じられている。
◆事務所の意向を汲んでメディアが垂れ流す「能年引退」報道
「引退は女性週刊誌が、能年が所属する大手プロダクションの意向を汲んで垂れ流しただけでまだ結論は出ていない。この件にはざまざまな裏がありますが、能年自身は、労働時間の拘束のされかたといい、本人の意志があるのに芸能界の慣例で事務所 を移籍しにくくなっている点を是正したい、という希望があり『芸能界の自浄』を狙うべく、六法全書を片手に労働基準法を勉強しているようです。将来的には大学に通いつつ、社会保険労務士の資格をとって『タレントのための労働コンサルタント事務所』でも開きたいと知人に漏ら しています」(芸能プロダクション関係者)
能年は所属する事務所に無断で演劇関係者と個人事務所を設立し、このことがマネジメント事務所と亀裂が入った原因だと指摘されている。
「現在の大手マネジメント事務所との亀裂は、能年の待遇が悪かったことに尽きる。マネージャーはコロコロ変わるわ、三流アイドルみたいな客寄せのイベントの仕事をとってくるわで、能年も嫌気がさしていました。そうした中、『あまちゃん』と共演したときに親密になり『芸能界は今のシステムでは限界がある』と現状のマネジメントシステムに警鐘を慣らした小泉今日子と何度も芸能界のあり様について議論するようになり『最終的には虐げられたタレントのコンサルタントをやりたい』という心理状態になったようです」 (同)
しかしことはそう簡単ではない。かつて「芸能界の待遇改革」を叫んだ俳優の小栗旬は一昨年に芸能界に労働組合を作ろうとして仕事を干されぎみになり、追従してネット放送で応援するコメントを出した自称女性「芸能コメンテイター」も『芸能界の外から物を言うのは生意気だろう』と仕事が激減した。
「そもそも、社会労務士の資格を舐めた話です。合格率も1割を切っている(平成26年は9.3%)し、1日に5~6時間、1年間継続して勉強しないと合格できないと言われています」(司法関係者)
◆能年問題解決を契機に芸能界の改革がはじまる?
だがフォローする声もある。
「芸能界での労働組合ができれば、日本の役者や歌手たちも世界から『ちゃんとしたユニオンがあるのなら』と認められて海を越えた交流が始まり、タレントが海外に進出するにしても、海外から日本の映画・テレビ界に役者や有能な監督、演出家が来るにしてもハードルが低くなるはず。なにしろギャラですら基準がなくてテレビ局や映画製作会社の〝胸三寸〟で決まるのが日本の『芸能村』 ですから」(前出の芸能プロダクション関係者)
かくしてひそかに法律を学び始めたという能年は、芸能界に「いながら」にして芸能界をタレント有利に 「改革」するのだろうか。もし実現したら本当に「じぇじぇじぇ」な出来事だ。
◎能年玲奈かんぽ生命 CM 「夢の中へ」「人生の山と谷」編
▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター/NEWSIDER Tokyo)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、書籍企画立案&編集&執筆、著述業、漫画原作、官能小説、AV寸評、広告製作(コピーライティング含む)とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論! 蹴論!」の管理人。