原子炉建屋の直下に活断層があることが、経済産業省原子力安全・保安院の調査でわかった、北陸電力の志賀原発。
8月下旬、社民党の福島瑞穂党首ら党関係者による志賀原発の視察要請をしていたところ、「原発の必要性に理解がない方への対応は難しい」との理由で北陸電力に拒否されていたことが、最近になって明らかになった。
脱原発を掲げる立場の人々に原発の安全性を信じさせる自信がない、と北陸電力は自ら敗北を認めたようなものだ。
北陸電力が持っている原発は、志賀の2基のみ。他の電力会社と比べると、原発依存度は低い。原発をやめても、会社としての打撃は比較的少ない。先陣を切って、脱原発すれば評価が高まると思うが、電力会社は横並びだから、そうも行かないのだろう。
今回刊行された、『タブーなき原発事故調書~超A級戦犯完全リスト』(鹿砦社)では、勇気ある東京電力元社員が、事細かに原発の内情を語ってくれている。
仲良くなった北陸電力社員に、参考になればと彼が東電で作った原発の資料を渡したところ、それがそのまま経産省へのレクチャーに使われた。回答に窮した時に、つい「東電さんに聞いてください」と言ってしまったという。
「われわれ、原発初心者なもんで」と北陸電力社員は言い訳していたというが、それならば、早く引き返すべきだろう。
しかし、北陸電力にそんな良識を求めるのも、無理かもしれない。
本書にも明らかにしているように、2011年10月、北陸電力は原子力安全信頼会議を設置したが、7人のメンバーの一人は、「プルトニウムは飲んでも大丈夫」と発言している、東大工学部教授の大橋弘忠なのだ。
本書では、超A級戦犯の一人として大橋を取り上げ、彼の来歴や発言を徹底分析。また本書のスタッフが彼の研究室を訪ねて、直接問い質している。
福島原発事故後、大橋はプルトニウムに関する発言を東大当局から止められていたが、今年の2月、自分の研究室ウェブで、「プルトニウムは水に溶けにくいので、仮に人体に入っても外に出て行く」と、同じことを繰り返している。
原発と戦い続けてきた、京都大学京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は、大橋を交えた公開討論会で、危険なのは気体となったプルトニウムを鼻から吸い込んだ場合で、高い確率で肺ガンで死亡する可能性がある、と明確に指摘している。
福島原発の爆発で、実際に気体となったプルトニウムはアメリカにまで到達している。それを目の当たりにしても、同じことを繰り返している無責任な御用学者が大橋なのだ。
『タブーなき原発事故調書~超A級戦犯完全リスト』では、そのことを詳述している。他の超A級戦犯についても、その行状、言動を徹底分析している。原子力ムラとの闘いに必須の書であると、自信を持ってお勧めできる。
ところが、タブーを恐れずに真実を書いた本書を、取次各社は、昨年の『東電・原発おっかけマップ』に引き続き、ほぼ新刊委託配本拒否を通告してきました。
『東電・原発おっかけマップ』は、多くの心ある方々のお力をお借りし、直販でほぼ販売でき、焚書処分を阻止しました。
今回、書店に配本されるのは、事前に心ある書店様からご注文いただいた冊数を指定配本するなど発行部数の一部(10数%程度)にしかなりません。できるだけ鹿砦社販売部(sales@rokusaisha.com)に直接ご注文をお願いいたします。直接お申し込みの方には早速発送します。送料サービス/代金後払いです(冒頭の表紙写真をクリックすることで、販売ページに飛ぶこともできます)。
(FY)