沖縄県・尖閣諸島の購入をめぐる東京都と政府の綱引きは「後発組」の政府による地権者からの直接購入で決着した。
「尖閣諸島は国が買い上げることになり、石原都知事の面子は丸つぶれになりました。今回の交渉で、政府は中国への外交上の配慮を優先し、購入価格の算定などの手続きも不透明なまま、避難港などの施設整備も行わない方針のようです」(民主党関係者)
野田佳彦首相のいう「離島の安定的な保全管理」の実現にはつながりそうにない。
石原都知事が2勤5休なのは有名だが、尖閣諸島には尋常ではないほど、力を入れていた。

「なにしろさいたま市の地権者を知事自ら訪ねるなどして、密に話を進めていた。これの成功をカードにして橋本徹との連携も視野に入っていただけに本人は残念だろうな」(都関係者)

東京都の石原慎太郎知事は9月5日、政府と地権者の合意について記者団にこうぶち切れている。
「私も寝耳に水だ。いったいどうなってんの、これ? 逆に聞きたいよ」
この大騒ぎはいったい、なんだったのだろう。
中国目線でいえば、日本が騒げば騒ぐほど、中国共産党が抗日運動を激化させて、中国のバブル崩壊に歯止めをかける。要するに国威掲揚だ。
中国の人民の経済力が、抗日、すなわち「日本に負けてはならない」という意地に大きく依存していることは言うまでもない。

首相が国有化方針を表明したのは今年7月7日。石原氏が購入計画を発表した4月中旬から3カ月近くたっていた。政府高官は「現状の賃借契約を続けて波風を立てるつもりはなかったが、石原氏の発表であわてて検討に着手し、3カ月で準備を整えた」と語る。
「要するに、中国政府に見事に踊らさせたのです。日本政府が尖閣諸島を購入して踏ん張れば、米国が戦艦を尖閣付近にまわします。そうして尖閣に米国の戦艦をひきつければ、中国は安心して、経済的にとりこみたい台湾を安心してにらむことができるのです」(軍事評論家)

中国メディアが「右翼分子」と批判する石原。
石原のほうも、中国に敵意を現す発言をしていたが、結局は中国に躍らされたかたちだ。

「ほとんどの時間は家で執筆しているか、本を読んでいるかです」(東京都職員)
作家ならばそれでいいが、それなら副業の知事は辞めて、本業に専念すればいいだろう。
石原よ、もう引退せよ。あなたよりももう少しましな人材が、つぎに控えているのだから。

(TK)