タクシーに安心して乗れる日は来るのだろうか? 11月28日、歌手のASKA(58)が覚せい剤取締法違反で再び逮捕された(12月19日、不起訴処分・釈放)。その際にワイドショー等で報道されたタクシー内のドライブレコーダー映像はいまだに注目を浴びている。ネット上をはじめとして「映像流出は乗客のプライバシー保護の点で問題だ」との批判が噴出している。

三陽自動車交通HPに掲載された「お詫び」

件の映像を流出させたのは三陽自動車交通株式会社(東京都江東区)である。同社は取材に対し「担当者が不在で対応できない」とのことだったが、同社が所属するタクシー会社加盟団体チェッカーキャブは取材に応じ、「ドライブレコーダーは乗務員が見たり持ち出したりできるものではなく、会社の役員レベルが複数人で取り扱うものです。なので、今回の件は会社ぐるみだったと言って間違いありません。詳しい経緯が明らかになった後、映像流出に対しグループとして同社を厳罰に処す予定です」と語った。

タクシー会社全体の質に疑いの目が向けられかねない今回の事態。全てのタクシー会社が危険、というのは暴論にも思える。しかし一部のタクシー業界関係者には反社会的な面もあるようだ。暴力団事情に詳しい、作家の影野臣直氏は語る。

「ヤクザを辞めてタクシー運転手になる人は多いですよ。この前もたまたまタクシーに乗った人が元ヤクザでした。関西方面にはよく元ヤクザのタクシー運転手に出くわします。まあそんなに堅気の上司と顔を合わせることもないし、時間も選べるので元ヤクザには向いているのでは? 映画『仁義なき戦い』でもタクシー会社を経営しているヤクザが出てきましたのでやはり歴史的なものがあるでしょう」

乗り込んだタクシーの運転手が元ヤクザということはあり得るわけだ。過去には元ヤクザのタクシー運転手がタレントを脅迫したという事件も実際にあり、恐怖感はぬぐえない。またASKA逮捕報道の際に流れた映像で明らかになったように本来、安全なタクシー運行のため設置されているドライブレコーダー映像が、カップルのエッチ画像の流出など別の用途で使われることもあるから危険だ。

一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会は「今回の報道でタクシー業界に厳しいご意見が寄せられていることは承知しています。ただ大多数のタクシー会社は適正な業務に従事しています。お客様に安心してタクシーを利用していただけるよう一層邁進していくのみです」としている。タクシー業界全体の一刻も早いイメージの是正が待たれる。

(伊東北斗)

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