「ここにきてまた追加融資せよと国に言う。福島に福島復興本社を作るらしいが、やることがいちいち遅すぎる。大飯原発の下を走っている活断層の検証もまだだ」と福島県民は憤る。
東京電力は11月6日、福島第1原発事故対応への追加支援を政府に要請する方針を固めた。放射性物質の除染や廃炉にかかる費用が今後、10兆円規模に達する可能性があり、単独で負担するのは不可能と判断した。
東電は「福島復興本社」(仮称)設置などで事故対応に最優先で取り組む姿勢を示し、理解を得たい考えだが、税金をさらにつぎ込むことへの批判は必至。政府は、リストラの進み具合なども踏まえながら、追加支援の是非を慎重に検討するという。
「東電に続いて、いつの間にか関西電力も値上げしている。昨年の3.11を国民が忘れたとかんちがいしているのではないかな。一部では、東電の広告を解禁してもいいのではないかという声も社内で上がっている。本当にふざけた話ですよ」(週刊誌記者)
手元に入った情報によると、東電は再び新聞記者などへの接待を“再開”したようだ。
喉元過ぎれば……で、フザケた体質はなんら変わっていない。
国や自治体が東電に代わり立て替え払いしている除染費用は、最終的には数兆から10兆円規模に上る見通し。だが、東電は除染額を「現時点では合理的な金額を見積もれない」として実質国有化時に作った再建計画「総合特別事業計画」に織り込んでいない。廃炉費用も過去の原発事故を参考に総合計画で試算した1兆1500億円を上回るのは確実で、追加支援なしでの除染、廃炉の財源確保は絶望的な状況だった。
「見通しが甘かったと言わざるを得ない。こんな経営をしている電力会社は、世界に例がない。経営としては素人なのではないかな。監査法人を4社くらいつけたほうがいいかもしれない」(国際経済アナリスト)
東電は、ことあるごとに『リストラはこれ以上は無理』と言っている。
しかし、ほとんど実態がない子会社が山のようにあるし、電力系財団法人や社団法人に天下りしている幹部もいまだにいるのが事実だ。
「原発稼働となると、1年で1440億円ほど東電に入ってくる。こんなうまみのある話をほおっておきたくないのだろう。大飯原発の活動層の話だって、電力会社は『地すべり』と言い張っているが根拠はない。ただ稼働させたいだけだろうな」(識者)
東電は国民に負担を求めるが、大口株主の経営責任や、融資してきた銀行の責任は棚上げしたままだ。彼らからも金を拠出していただき、福島での除染作業などに回していただきたいものだ。
(鹿砦丸)