まず冒頭、金明秀(キム・ミョンス)関西学院大学社会学部教授にはお詫びと訂正をせねばならない。『真実と暴力の隠蔽』で金明秀教授のお名前を複数個所「金秀明」と誤記してしまった。ここにご本人並びに読者諸氏にお詫びして訂正を申し上げます。
さて本論である。
アメリカンフットボール日本大学フェニックス(同大アメフト部の名称)との定期戦で、危険なタックルを受けたQB(クオーターバック)の事件で、おおいに話題になった関西学院大学ファイターズ(同)。日大のどうにもならない対応に比べ、学生を大切に考え、日大の加害学生までにも救いの手を伸ばす、との姿勢は(過剰なほど)大きく報道された。だが「人のうわさも75日」の諺も今は昔。「人のうわさは7.5日」くらいにしかひとびとの興味は続かない。良くも悪くも日大に関する話題も、既に「むかしの話」の感が否めないのも事実ではないだろうか。
関西学院大学社会学部の金明秀教授が、書籍を出版したそうで、自身のツイッターで絶賛している。これは自著への「自画自賛」という行為で、まっとうな大学教員のなかでは、そうそうみられる行為ではない。まあ、個性なのでそれは良しとしよう。しかし、金明秀教授には、驚くべき過去があったことが、このほど取材班に持ち込まれた情報で明らかになった。『真実と暴力の隠蔽』で木下ちがや氏が述べてる通り、金明秀教授は過去木下氏を殴ったことがあるのは、被害者木下氏が認めているところである。これについては「謝って来たから許した」と木下氏は納得しているようだが、金明秀教授による「暴力事件」はこれだけではなかった。
(『真実と暴力の隠蔽』当該ページで「金明秀」を「金秀明」と誤記しています。お詫びして訂正いたします)
まず以下の「和解書」をご覧頂こう。
被害者の名前、代理人(弁護士)名前は消してある。「平成25年2月8日午後10時過ぎ」に金明秀教授が被害者に「暴行」を加え、被害者の治療費、慰謝料として、115万9295円を被害者に支払い、「振込を確認した日をもって大阪府淀川警察署に届け出ていた被害届を取り下げる」とある。
暴行被害者が一度は淀川警察署に被害届を出していたが、双方弁護士のとりなしで「和解」を交わし、警察への被害届は取り下げることになった。
では、被害者の受けた暴行、怪我はどの程度だったのであろうか。金明秀教授の代理人の表現によれば「顔面やのどを手拳で殴打した行為」と表現している。被害者自身の言葉によれば、「げんこつで顔や喉を何度も殴られました。口から血が出て喉が痛かったので医者に見せたら声帯が破損していると言われました」という。
声帯が破損するげんこつでの殴打は、決してミスや軽いものではない。事件当時は飲み会の最中で双方酒が入っていたが、被害者は殴られる一方で金明秀教授は被害者に「殴ってみろよ! どうだ? 殴れよ」と顔を近づけ、何度も挑発を繰り返したという(被害者はその挑発には乗っていない)。その態度を見て「彼はこういうこと(暴力)に相当慣れているのだと思いました。私は教師なのだから、喉は殴るなといったのですが、彼はさらに『それがどうした! 殴り返してみろよ』」と暴力を続けたと被害者は語る。
金明秀教授の一方的な暴力に対して被害者は、いったん淀川警察署に被害届を出す。しかし上記の通り加害者が非を認め謝罪の意を明かしたので、代理人を挟んでの「和解」に至ったようである。しかし金明秀教授は被害者に対して「殴られてもないくせに『殴られたと嘘をついている』」と悪口・陰口を言っている。その態度に被害者は怒りを隠さない。加害者が被害者の悪口を言い続ける。「M君リンチ事件」と同様の構図がここでもみられる。
金明秀教授といえば、取材班が電話でインタビューをした際(2016年8月16日)サバティカル(在外研究期間)で韓国にいるはずのご本人が、「出張で日本に一時帰国しており」電話に出てこられたことがあった。大学の「在外研究」で外国に出かけている教授が「出張」で国内に戻っている、とは本当のことであったのだろうか? ちなみに、サバティカルとは研究のための制度であり、これは学納金と文部科学省からの交付金によって運営される私立大学教員にとって、最大の研究機会である。逆にいえば、血税と学生とその保護者たちの血の出るようなお金で認められたものだといえよう。それを大学に報告もせず一時帰国したとしたら、これは科学研究費や個人研究費の不正使用とまったくかわらない、立派な研究不正だといえまいか。それは日割りで返せばいいというものではないのだ。日大とは異なり優れた「人権感覚」を世間に発揮していた関西学院大学だ。この金明秀教授の「一時帰国」は問題がないのか、是非学内で精査して頂きたいものである。
それにしても、なんとか「ハラスメント」や、自分の著書をツイッターで「自画自賛」するのは結構ではあるが、それ以前に、こうも激烈な「暴力」を振るう人間が、それらを主張しても説得力があるだろうか。さらに金明秀教授は『反差別と暴力の正体』でもご紹介したが、下記の書き込みを行った人物である。
アメリカンフットボール部の事件をめぐるドタバタで日大の評価は、大きく落下した。世間は忘れても受験生や、受験生の保護者は忘れないだろう。関西学院大学も金明秀教授の扱いを間違えれば、せっかくの「金星」が一転して「黒星」に転じる可能性もあろう。それくらいの可能性をこの事件は包含している(本件、続々と証言、証拠が寄せられており、必要に応じて続報の予定です)。