やはり本通信でお伝えした〈2018年上半期、鹿砦社が投下する最大の爆弾!「関西カウンター」の理論的支柱・金明秀関西学院大学教授の隠された暴力事件を弾劾する!〉の破壊力はとてつもなかった。これは適宜続報していくつもりだ。
そして『真実と暴力の隠蔽』の衝撃も、並大抵ではなかった。7月3日付けで木下ちがや氏が下記の「鹿砦社への抗議文」なるものを自身のブログで書いている。
木下氏は「私に対して『水面下ですざまじい攻撃』がなされて、糾弾、総括がなされて『口封じ』『隠蔽』がなされているかのようなこと書かれています。しかしながら、そのようなことは一切なされていません。私が6月8日に発表した文章にも書きましたように、家族からの助言、また関係者から事態を整理するためのアドバイスはあったものの、あくまで私自身の自主的な判断に委ねるというものでした」と書いている。
そうか、そうであれば何よりだ。本当に「糾弾」も「攻撃」も何もないのであればよかった。松岡はじめ、われわれなりに心配していたので胸をなでおろすし、われわれに〝事実誤認〟があれば木下氏に率直に謝罪したい。
また木下氏は、「鹿砦社の雑誌における李信恵さんに対する私の発言については、発言したことは事実であるものの、その内容については根拠のないものであり」と書いている。だが、取材班は李信恵に関する木下発言は、前後のやり取りから、どう考えても、しばき隊/カウンター内部における木下氏自身の経験に基づく発言であるとしか理解できない。
その根拠は、木下氏の李信恵評が単一の言葉としてではなく、文脈と論を立て、自身の経験を加味して語られているからである。噂や憶測ではなく木下氏は「自分本人が自慢しているからねえ、『誰とやった』とか『やってない』とか」と李信恵の発言を聞いたことを語っている。そして『真実と暴力の隠蔽』に掲載したとおり、木下氏は長時間にわたり一貫して李信恵の人格的問題を、誰に問われるわけではなく、みずから進んで語っている。
それは、リーダーたるもの、彼女の性的放縦を運動内部に安易に持ち込んではいけないという、木下氏なりの苦言とわれわれは理解した。真っ当な見解である。その他、彼の述べていることをわれわれなりにチェックし直してみると、ほとんど事実であることも、あらためて分かった。木下氏は、なぜこうもみずからが能弁に語った意見を〝否定〟するのであろうか?
また『真実と暴力の隠蔽』にはほとんど掲載しなかったが、C.R.A.C.や男組、特に、先に逝去した高橋直輝氏の問題(高橋氏個人の問題だけではなく、彼に対する周囲の遇し方)について、極めて批判的な言説を、これまた長時間にわたって展開している。しかしながら高橋氏に対する木下氏の見解は『真実と暴力の隠蔽』の出版意図と直接に結びつくものではない(まったく関係がないとは言わないが)ので、高橋氏に関する発言のほとんどは掲載していない。仮に高橋氏、あるいは、C.R.A.C.に対する木下発言を掲載していたら、〝木下批判〟はさらに激しさを増していたことであろう。
さて、前後するが、「糾弾」や「攻撃」などがなかったというのは信用するに値しない。なぜならば「水面下」だけではなく、ツイッター上で木下氏を批判・攻撃する言説が膨大に展開されていたではないか。ほかならぬ李信恵自身が度々木下を批判し、謝罪も受け入れない姿勢まで見せていた事実は動かない。
木下氏が最初にツイッター上で「謝罪」を表明したのは5月31日だったろう。しかしこの「私が批判されている内容は事実です。また、発言の内容も事実であり、いいわけはできません」は、「私は批判されているけれども発言した内容は事実である」ことを述べたうえで「取り返しがつかないことをしました」と誰かに詫びる、文意の通らないものである。
重要であるのは、この時点で木下氏は「発言の内容も事実であります」と書いていることである。事実を発言したのであれば謝罪をする必要がどこにあるのだ? 事実であっても誰かには不都合な発言であったので、目に見える形で散々木下氏は批判をされていたのではないか。
木下氏と同様の発言は木下氏、清義明氏、松岡の座談会で清氏からも語られ、清氏へもかなりの批判が見て取れるが、清氏は筋を通して自説を曲げるような態度をとってはいない。また『真実と暴力の隠蔽』に登場して頂いた凜七星氏もほぼ同様に李信恵の人物評を語っているが、凜氏への激しい批判は目にしない。
ここから推測されることは、木下氏は「NO.3」であるかどうかはともかく、現役の「しばき隊」構成員であり、それも幹部クラスであった。ゆえに「反党派発言」は組織にとって絶対に許されるものではないから、批判が木下氏に集中したであろう構造である。そうでなければ凜氏にも同様の攻撃が向けられていなければ辻褄が合わない。
そして木下氏は情けなくも「そしてもちろん、現在にいたるまで、鹿砦社側から私への連絡あるいは私とのやり取りは一切ありません」と書いているが、鹿砦社は6月5日に「木下ちがや氏への暴言、糾弾、査問、謝罪要求を即刻やめろ! 鹿砦社代表・松岡利康」を、6月12日には「『真実と暴力の隠蔽』収録座談会木下ちがや氏の『謝罪』声明に反論します!鹿砦社代表・松岡利康」、そして6月18日には「M君リンチ事件本第5弾『真実と暴力の隠蔽』発売からの反響を振り返る」を掲載し、木下氏への激励と叱咤を断続的に発信してきた。
木下氏自身が6月5日の本通信を取り上げて批判しているのであるから、双方向ではないとはいえ、鹿砦社は木下氏への発信を続けてきたのであるし、それに木下氏も反応している。私信や電話でのやり取りはないものの、意思の疎通は成立していることは、木下氏が本通信に反応することにより示されている。6月18日「M君リンチ事件本第5弾『真実と暴力の隠蔽』発売からの反響を振り返る」は取材班が発売1カ月を振り返っての座談会であったが、その席上でも、
〈D まあ、「木下査問」は見せしめ的に続くのだろうけど、俺たちとしては、彼の発言した事実にこそ注目してもらいたい。それから木下氏から「SOS」が来れば支援は惜しみませんよね、社長?
松岡 もちろん、彼が原則的な助けを求めてきたらその準備はあります。〉
と木下氏救済の用意が鹿砦社にはある(あたかも日大アメフト部のディフェンスの選手が監督の指示により関西学院大学の選手に危険なタックルをして大問題になったのと同様に、鹿砦社は関西学院のような木下氏支援の準備があった)ことを明示している。そして木下氏は本通信を読んでおり、その内容を知っているのであるから「そしてもちろん、現在にいたるまで、鹿砦社側から私への連絡あるいは私とのやり取りは一切ありません」は、彼らのすき好む表現を用いれば完全な「デマ」である。
さらに木下氏は「そのうえで、私自身を支え、適切な問題解決の方向に誘ってくれた家族を含む関係者を」と「家族」を同文章の中で複数回登場させているが、鹿砦社・取材班は一度も木下氏の「家族」に言及したことはない。木下氏自身が「家族」「家族」と、「家族の関与」を何度も書き込んでいるようであるが、木下氏の「家族」は木下氏の発言には何の責任も関係もないのであるから、われわれは「家族」には関心も言及も行う発想自体を持ち合わせない。木下が勝手に「家族に世話になった」と思うのであれば、家族に礼を述べればよいだけである。どうして無関係の鹿砦社が木下氏の家族に「謝罪」しなければならない理由があるのだ。
「仕事は家庭に持ち込まない」のと同様で「家族を騒動に巻き込まない」ほうが家庭の安寧を保てるのではないか(この期に及んでも木下氏にはまだ〝親切心〟で忠告しておこう)。
そして見逃せない事実は、このかんに「M君リンチ事件隠蔽」を指示した師岡康子弁護士のメールが明らかにされたことと、関西学院大学の金明秀教授の「暴行事件」を取材班が明らかにしたことである。師岡康子弁護士は『ヘイト・スピーチとは何か』(岩波新書)の著者であり「ヘイトスピーチ対策法」に大いに尽力した「人権派弁護士」と世間から「誤解」されている人物であるが、実は集団リンチ事件被害者のM君を犯罪者扱いするなど、弁護士として、人間として絶対に許されざる行為に手を染めた人物である。あまりに悪質であるのでそのメールを再度掲載する。
「運動のためであれば、立法のためであれば被害者は泣き寝入りしろ!」と指令する師岡弁護士のこのメールが、もし「ヘイトスピーチ対策法」成立より前に明らかにされていれば、師岡弁護士の弁護士生命も、言論弾圧法である「ヘイトスピーチ対策法」も成立することはなかったであろう。
こういう「非人道的」な心情を持つ輩が「しばき隊」のオピニオンリーダーであることが暴露されたことに、しばき隊が極めて深刻な危機感を抱くことは想像に難くない。それに止まらず「M君リンチ事件」だけではない激烈な「暴力事件」を金明秀教授が起こしていた証拠を本通信で取材班は明らかにした。
師岡康子弁護士がしばき隊全体のイデオローグであるとすれば、金明秀教授は関西における活動の理論的リーダーといえよう(その主張内容は甚だ怪しいが、ここでは議論が複雑化するのでそれは省く)。師岡康子弁護士は被害者を犯罪者扱いし「事件隠蔽」を指示し、金明秀教授は激烈な暴力事件を起こし、かろうじて代理人(弁護士)を介して被害者と和解しているも、その後も問題は収束していない(これについては、またしても読者諸氏が腰を抜かす証拠が取材班の手元にはある。しかるべき時期に公開する)。街頭やツイッターで程度の低い諍いを好む〝コマンド〟(兵隊)とは異なり、幕僚の中にあって戦略を指示する立場の〝コマンダー〟(指揮官)が、揃いもそろって「事件隠蔽」と「暴力事件」に手を染めていた証拠が明らかになり、しばき隊の屋台骨はシロアリに食い尽くされて倒壊寸前の家屋のようなありさまである。
そこで、奇異なめぐりあわせではあるが、自身も金明秀教授の暴力被害者である木下氏が、戦況の攪乱と逆転の手がかりを創作すべく表明したものが「鹿砦社への抗議文」の意図するところであろう。
繰り返すが鹿砦社は一度も木下氏の「家族」に言及などしていないし、木下がネット上で猛烈なバッシングを受けた証拠は山ほど残っている。だから「木下ちがや氏への暴言、糾弾、査問、謝罪要求を即刻やめろ! 鹿砦社代表・松岡利康」を即座に掲載したのだ。
50代になっても定職を持たず、ネット荒らしに人並み外れた執着心を持つ比類なく性格のひねくれた変人(もういい加減このような悪質な人物は放逐されるべきだろう)や、僧籍を持ちながらネット中毒から回復不可能な人物、その他取材班が自宅住所、電話番号、勤務先を掌握している人物たちが「デマ」だ「デマ」だと舞い上がっているようだが、再度忠告しておこう。諸君の中の数人は既に気づかないうちに取材班の取材を受けており、いつでもその内容は公開が可能だ。
そして木下氏に告ぐ。鹿砦社が「家族」を巻き込んだかのような「デマ」(事実無根)を速やかに撤回せよ! そして「関係者」=「しばき隊/カウンター」に鹿砦社が謝罪する理由は皆無である(あまりにも明白ではあるが)!
木下氏よ、あなたは促されるではなく、自分から進んで語った事柄を「撤回」する、まったく信用に値しない人物であることをみずから証明した。くだんの座談会で松岡(そして取材班)を驚かせた慧眼は偽物だったのか、と遺憾ながら首を傾げざるを得ない。あなたの(そして、あなたの所属するしばき隊/カウンターの)発言が世の常識人に今後信用されることはないであろう。
今回の件は、木下氏にとって〈知識人〉としての矜持、行き方来し方を問う重大問題だ。この期に及んでも腐臭を放つ「しばき隊/カウンター」に戻るのか、一人になっても自律した〈知識人〉として再出発するのかの転換点になるだろう。
以上が、われわれからの木下氏への最後の忠告である。白い犬に赤いペンキを塗っても犬に変わりはないのか……〈知識人〉とはそんなに軽いのか!?